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『抱かれたい男』は『癒されたい男』に翻弄されています《おまけ》

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『三谷さんは一之瀬さんと仲が良いと聞いていますが、一之瀬さんに癒されていますか?』
『癒されてますね!凪ん家行くと、まず笑顔で出迎えてくれるんスよ。んで、ふかふかのソファに通されて、美味しいカフェラテ作ってくれて、それ飲みながらまったりテレビ見たりダベったりって感じで、めっちゃ落ち着くし癒されます』
『え~めっちゃいいやん!オレそういう感じの彼女とか嫁とか欲しいわ』
『そうなんですよ!凪が女だったら最高なのにって思います』
『僕ん家来てくれるんやったら、僕も笑顔で出迎えてカフェラテ出したるよ』
『あ、それは遠慮しときます』
『なんでや!』

ゲストを務めるお笑い芸人が会話に参戦し、またもやスタジオで大笑いが起きる。

「…………」
「………颯?」

神妙な顔で黙り込んだのは、今度は颯の方だった。

「三谷もここ座るの」
「え?そうだね、ソファがあるのに床に座ってもらうのも変だし」
「三谷のためにカフェラテ作るの」
「よくリクエストされるから」
「テレビ見たり、ダベったりするの」
「この家にはゲーム機とか遊び道具がないし、基本的にはそうなるかな」

颯が再度黙り込む。
"とっても遺憾です"と言いたげに、不服そうに顔を歪めて俯いていた。
その様子に凪は困ったように笑う。
そうして、どうしたら機嫌を直してくれるか口元に手を当てて考えた。

トントンと颯の肩を指先で叩く。
颯が顔を上げると、チュッと音を立てて、凪が口付ける。

「こういうことはしてないよ」

口元に人差し指を当てて、凪がにこりと笑う。
じわじわと顔を赤らめた颯は「ほんとに勝てない」と、悔しそうに言うのだった。


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