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お爺ちゃんと子豹
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自分の事、タツミの事、私の涙はどれで流れているか分からなかった。
ただ、今はこの目の前にある大きな体に抱き締めて欲しくて泣きながらしがみ付いた。
ぺったんこになってしまった耳と頭を大きな手が優しく撫でてくれる。
「そう、ネネが言う様に俺達の出会いは偶然ではない。必然と運命、君は出会うべきして出会った俺の番」
「恨んでないの?」
「どうして」
「ドロに人を殺させたのもタツミが孤立したのも黒猫のせいなのに」
「こんな可愛い黒猫を憎めるはずない」
顔両手で掴まれてキスしてくれて、親指が涙を拭ってくれた、引きつる呼吸の合間に舌を絡めて、好きだよって言ってくれる。
苦しい、色々と複雑な気持ちが絡み合って苦しい。
「タツミが好きなの大好きなの」
「うん」
「ずっと言えなかった、拾ってくれてありがとうって」
「伝わってた」
「もっとぎゅってして?」
熱い体が包み込んでくれて、でもいつもより力は弱かった。
好き好き、本当にこの人が好き。
「見た事のない場所だった。穏やかな野原のその先に突然岩場が現れた、真っ黒な花が覆うそこにネネは一人、座り込んでいた。不思議な光景だった、捨てられた事に悲観したり泣いている様子はない、死花を摘んで珍しそうに眺めていた。風もないのに花は同じ動きで揺れ不気味だった、ネネの目にはどう映っていたかは分からないけれど」
「綺麗でいい匂いがして、美味しそうって思ったのは覚えてる、幻覚……だったのかな」
「俺はネネに謝りたいと思ってる」
「え?」
見上げればタツミは私の両目にキスして、
「あの現場を見るに、死花は本当に痛みもなく苦しまずにその命を花に変えてくれたんだと思う」
「うん」
「俺がネネを連れて帰った事によって」
「うん」
「こうやって、ネネを苦しませ泣かせる。俺と出会わなければこの痛みは」
「バカ」
しがみ付いてキスして額擦り合わせてバカバカバカバカ。
「これは苦しいんじゃないの愛しいの」
「ネネ」
「タツミが好き過ぎて胸が痛いんだよ。痛ければ痛い程大好きって意味だよ、そんなのも分からないの?」
「わかってた、ごめん不安だった」
タツミの目がキラキラして、私は自分の眼鏡を外すとタツミに掛けさせた。
「ネネ?」
「今はこれで我慢して」
肩で息するタツミにキスをして、フードを被る、タツミに抱き付いたまま、ポケットに入った石をギュッと握った。
体の芯から震えて熱くなって頭が痺れた、目を瞑れば今までタツミと過ごした日々が目まぐるしく視界に映し出されて、出会った日、名前を付けてくれた日、ピヨの顔、笑いそうになったり泣きそうになったり忙しかった、そして映像はある所でピタリと止まった。
それは、帝都でフードを被ったタツミが懐中時計の時間を見ている場面、古びたガラス扉を開けた瞬間だ、そのドアノブを握る手に、意識が、体が、吸い込まれていく、グルグル景色が回転して、緩やかになって目を開ければ……。
「お、っと……お嬢ちゃんか」
「お爺ちゃ……?」
懐かしい木の匂い、柔らかい温度、淡いランプに、所狭しと並べられた眼鏡の棚。
さっき涙を拭いてもらったのに、ヤダ、お爺ちゃんは机に向かって作業をしていて、その大きなあったかそうな背中を見ただけで、私はまた泣きそうだ。
「何か月ぶりかの? 便りがないのは良い事だと思ってたが最近はどうだ?」
お爺ちゃんが座っている椅子のスプリングが軋んで、こちらを向く、眼鏡を外した優しい笑顔に思わず抱き付いてしまった。
「何だ何だどこか痛いのか?」
「ねえネネ、いっぱいお話し聞いたの、お爺ちゃん美味しい物食べる? この鈴高いみたいだから、大きなお家買えるよ? 今は痛くないの? 苦しい?」
「ん? ああ、そうかそうかそんな事もあったのぅ、爺じゃから記憶が曖昧で忘れとった」
具体的に何を言った訳ではないけど、お爺ちゃんはわかってくれて背中を優しく叩いて涙を拭いてくれた。
そしたら、フワッて紅茶の良い香りがして、振り抜けばお婆ちゃんもいた。
何も言わないで、微笑みながら三つのカップに紅茶を注いでいる。流星の日、タツミとの会話で映像がシンクロした。
あの夜、昔の情景が脳裏を過ったけれど声には出さなかった。
何百年も前、お店の前で身を呈す二人、切られ殴られ動けなくなる二人の目の前でこの店は焼かれた、灼熱に包まれる店を前に、泣きながら二人は首を切り落とされていた。
また記憶が蘇って、いっぱい泣きたい、もうどうしていいのか分からない。
「どうしたどうした、そんな興奮して豹に浮気でもされたか? フフフ」
「苦しいの、お爺ちゃんのお腹噛んでいい?」
「痛いから嫌じゃよ」
「じゃあ暴れていい?」
「ダメじゃな、ああ見えてうちのは鬼嫁だから悪い子はお尻を叩かれて外に放り出されるぞ」
「う」
白髪をお団子にまとめた細身のニコニコしたお婆ちゃんなんだけど怒ったら怖いの? 紅茶持ってきてくれて、こないだのパン美味しかったです!! って言えば頭を撫でてくれた、けど、あ、背中にセイバー背負ってる。嘘、武闘派?
「ねえねえ爺ちゃんお爺ちゃん、今は辛くないの? 私出来ることならなんでもするから言って?」
「ん? 何だてっきり番の豹を助けてくれって言うのかも思ったのに、わしらの事でいいのか?」
「あ、そっか……でも」
「同じだな……」
懐かしそうにお爺ちゃんは髭をかくと、お婆ちゃんが私のフードを降ろしてくれた。
「幾人との豹がこの跡地に来た。助けて下さいと、その場で髪を剃ったり豪華な供物を備えたり、時には何かの死体を持ってきたり若い娘を連れて来たリ金貨を積んだりの。でもな、そんなの余計に死霊の反感を募らせるだけだった。もちろんわしらも手が出せない、許してはいけないと、邪心は常に怒り荒立っていた。そして何百年と過ぎた頃、二匹の幼い兄弟が跡地に現れた。忌み子は隔離されている筈なのにどうやって逃げ出したのか、両目を潰された兄豹と片目が開かない弟豹、支え合ってヨチヨチと店の前に来て、ずっと鳴いていた」
「…………」
それは、私が一人で帝都に来た時の幻影に似ていて……。
「また、助けてくれと言うかと思ったら、その兄弟……というか兄は違った。わしにこう問いかけてきた。【人は必ず死ぬ、だから俺は死を恐れない、運命だ。でも呪いを解いてから死にたい。心優しかったあなたが今も尚、人を呪い続け苦しくないのか。呪いを解かないといけないのは俺ではない、あなたの方だ。どうすれば俺はあなたを救えるか、どうせ死ぬ命ならあなたを助けてから死にたい】と、その言葉に一瞬瘴気が止んだ。手を伸ばしたら二人に触れる事ができた、わしは二人を抱き上げた」
ただ、今はこの目の前にある大きな体に抱き締めて欲しくて泣きながらしがみ付いた。
ぺったんこになってしまった耳と頭を大きな手が優しく撫でてくれる。
「そう、ネネが言う様に俺達の出会いは偶然ではない。必然と運命、君は出会うべきして出会った俺の番」
「恨んでないの?」
「どうして」
「ドロに人を殺させたのもタツミが孤立したのも黒猫のせいなのに」
「こんな可愛い黒猫を憎めるはずない」
顔両手で掴まれてキスしてくれて、親指が涙を拭ってくれた、引きつる呼吸の合間に舌を絡めて、好きだよって言ってくれる。
苦しい、色々と複雑な気持ちが絡み合って苦しい。
「タツミが好きなの大好きなの」
「うん」
「ずっと言えなかった、拾ってくれてありがとうって」
「伝わってた」
「もっとぎゅってして?」
熱い体が包み込んでくれて、でもいつもより力は弱かった。
好き好き、本当にこの人が好き。
「見た事のない場所だった。穏やかな野原のその先に突然岩場が現れた、真っ黒な花が覆うそこにネネは一人、座り込んでいた。不思議な光景だった、捨てられた事に悲観したり泣いている様子はない、死花を摘んで珍しそうに眺めていた。風もないのに花は同じ動きで揺れ不気味だった、ネネの目にはどう映っていたかは分からないけれど」
「綺麗でいい匂いがして、美味しそうって思ったのは覚えてる、幻覚……だったのかな」
「俺はネネに謝りたいと思ってる」
「え?」
見上げればタツミは私の両目にキスして、
「あの現場を見るに、死花は本当に痛みもなく苦しまずにその命を花に変えてくれたんだと思う」
「うん」
「俺がネネを連れて帰った事によって」
「うん」
「こうやって、ネネを苦しませ泣かせる。俺と出会わなければこの痛みは」
「バカ」
しがみ付いてキスして額擦り合わせてバカバカバカバカ。
「これは苦しいんじゃないの愛しいの」
「ネネ」
「タツミが好き過ぎて胸が痛いんだよ。痛ければ痛い程大好きって意味だよ、そんなのも分からないの?」
「わかってた、ごめん不安だった」
タツミの目がキラキラして、私は自分の眼鏡を外すとタツミに掛けさせた。
「ネネ?」
「今はこれで我慢して」
肩で息するタツミにキスをして、フードを被る、タツミに抱き付いたまま、ポケットに入った石をギュッと握った。
体の芯から震えて熱くなって頭が痺れた、目を瞑れば今までタツミと過ごした日々が目まぐるしく視界に映し出されて、出会った日、名前を付けてくれた日、ピヨの顔、笑いそうになったり泣きそうになったり忙しかった、そして映像はある所でピタリと止まった。
それは、帝都でフードを被ったタツミが懐中時計の時間を見ている場面、古びたガラス扉を開けた瞬間だ、そのドアノブを握る手に、意識が、体が、吸い込まれていく、グルグル景色が回転して、緩やかになって目を開ければ……。
「お、っと……お嬢ちゃんか」
「お爺ちゃ……?」
懐かしい木の匂い、柔らかい温度、淡いランプに、所狭しと並べられた眼鏡の棚。
さっき涙を拭いてもらったのに、ヤダ、お爺ちゃんは机に向かって作業をしていて、その大きなあったかそうな背中を見ただけで、私はまた泣きそうだ。
「何か月ぶりかの? 便りがないのは良い事だと思ってたが最近はどうだ?」
お爺ちゃんが座っている椅子のスプリングが軋んで、こちらを向く、眼鏡を外した優しい笑顔に思わず抱き付いてしまった。
「何だ何だどこか痛いのか?」
「ねえネネ、いっぱいお話し聞いたの、お爺ちゃん美味しい物食べる? この鈴高いみたいだから、大きなお家買えるよ? 今は痛くないの? 苦しい?」
「ん? ああ、そうかそうかそんな事もあったのぅ、爺じゃから記憶が曖昧で忘れとった」
具体的に何を言った訳ではないけど、お爺ちゃんはわかってくれて背中を優しく叩いて涙を拭いてくれた。
そしたら、フワッて紅茶の良い香りがして、振り抜けばお婆ちゃんもいた。
何も言わないで、微笑みながら三つのカップに紅茶を注いでいる。流星の日、タツミとの会話で映像がシンクロした。
あの夜、昔の情景が脳裏を過ったけれど声には出さなかった。
何百年も前、お店の前で身を呈す二人、切られ殴られ動けなくなる二人の目の前でこの店は焼かれた、灼熱に包まれる店を前に、泣きながら二人は首を切り落とされていた。
また記憶が蘇って、いっぱい泣きたい、もうどうしていいのか分からない。
「どうしたどうした、そんな興奮して豹に浮気でもされたか? フフフ」
「苦しいの、お爺ちゃんのお腹噛んでいい?」
「痛いから嫌じゃよ」
「じゃあ暴れていい?」
「ダメじゃな、ああ見えてうちのは鬼嫁だから悪い子はお尻を叩かれて外に放り出されるぞ」
「う」
白髪をお団子にまとめた細身のニコニコしたお婆ちゃんなんだけど怒ったら怖いの? 紅茶持ってきてくれて、こないだのパン美味しかったです!! って言えば頭を撫でてくれた、けど、あ、背中にセイバー背負ってる。嘘、武闘派?
「ねえねえ爺ちゃんお爺ちゃん、今は辛くないの? 私出来ることならなんでもするから言って?」
「ん? 何だてっきり番の豹を助けてくれって言うのかも思ったのに、わしらの事でいいのか?」
「あ、そっか……でも」
「同じだな……」
懐かしそうにお爺ちゃんは髭をかくと、お婆ちゃんが私のフードを降ろしてくれた。
「幾人との豹がこの跡地に来た。助けて下さいと、その場で髪を剃ったり豪華な供物を備えたり、時には何かの死体を持ってきたり若い娘を連れて来たリ金貨を積んだりの。でもな、そんなの余計に死霊の反感を募らせるだけだった。もちろんわしらも手が出せない、許してはいけないと、邪心は常に怒り荒立っていた。そして何百年と過ぎた頃、二匹の幼い兄弟が跡地に現れた。忌み子は隔離されている筈なのにどうやって逃げ出したのか、両目を潰された兄豹と片目が開かない弟豹、支え合ってヨチヨチと店の前に来て、ずっと鳴いていた」
「…………」
それは、私が一人で帝都に来た時の幻影に似ていて……。
「また、助けてくれと言うかと思ったら、その兄弟……というか兄は違った。わしにこう問いかけてきた。【人は必ず死ぬ、だから俺は死を恐れない、運命だ。でも呪いを解いてから死にたい。心優しかったあなたが今も尚、人を呪い続け苦しくないのか。呪いを解かないといけないのは俺ではない、あなたの方だ。どうすれば俺はあなたを救えるか、どうせ死ぬ命ならあなたを助けてから死にたい】と、その言葉に一瞬瘴気が止んだ。手を伸ばしたら二人に触れる事ができた、わしは二人を抱き上げた」
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