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煤けて穴だらけの建物から男達が次々に出て来て後退しかできずにトンっと背中が壁にぶつかって焦る。
でも大丈夫、これを着ていれば気付かれない。だって現に男達は鼻を鳴らしてるけど私は見えていないみたいだから。
男達は頬や肩、露出している皮膚に真っ黒い同じデザインの入れ墨が入ってる、刺々しいナイフとドクロ。
鋭い目付きに腰には帯刀、鋭利な耳の形は人間ではないのかもしれない、強く見せるために人間が魔物みたいに整形する事もあるって聞いたし、人間が悪魔と契約すると尖るとも聞いた、どちらかは分からない。
でも、とりあえず彼らからは、たくさんの血の匂いがした。
「すっげー美味そうな香りだな? 一仕事する前にどっかで女掴まえて抜かなきゃムラムラして仕事になんねえわ」
「こんなとこに猫がまよい込んでくるもんかね」
湾曲した剣やダガー、背が凸凹になった短刀を舐めながら男達は辺りを見渡して、いくら見えないからといっても、息をするのも躊躇する。
そうなのだ、さっき感じたこのブルって体が強張ったのは朝の薬が切れてきて、その反動で何かが……いっぱい体から出てる気がするの。
家の中じゃ、そんなに気にしなかったけど、このコートは発情の匂いまでは無効化できなかったみたいで男達は、近い、近い……って鼻を頼りに近付いてくる。
匂いがこれ以上でないように口塞いで、体震えないように必死に強張らせる、背中に汗が噴き出て耳ペッタンコで尻尾も下がる。
ここで猫になったら服が脱げて姿が見えてしまう、この男達の間をすり抜けて安全な場所まで走れるかなんてわからない。
「なんで、こんななんもねえーとこから匂いがすんのかなあ?」
「でも、ほらここ、絶対猫が歩いてますよ!」
地面を嗅いでる男もいて、その中で一際大柄の男がこっちに向かって歩いてきた。
口にも耳にもピアスが開いてて、この距離からでもお酒臭い。
眉尻のピアスを月光に反射させながら言う。
「もしかして、俺達のブツでも盗みに来た泥棒猫でも紛れ込んでんのか? なんかそこの壁が怪しいんだよなあ?」
「壁って? そんなとこ何もないじゃないですか兄貴」
「気配がするんだよ、わかってねえなあ」
手下の男達は物陰を探してたけれど、大柄の男だけは真っ直ぐこちらに歩いて来た。
見えないはずなのに、目の前まで迫られて心臓がどうにかなってしまいそうだ、冷たい汗が体中にダラダラ流れて、どうしよう、怖い、今までで一番怖い。
タツミ、タツミって自分のわがままでここまで来たくせに、やっぱりタツミの名前を心の中で呼んでしまう、涙が勝手にポロって零れたら、なぜかタツミが必死になって私を探してる所がレンズに映り込んだ。
タツミが私を探してる? レンズの中でもタツミが見えて嬉しくて、思わず大きく呼吸をしてしまって、しまったと思った。
ふっと男が私の服に触れそうな距離まで来ていて慄いた。
男は下卑た笑いを浮かべて上唇を舐めながら言う。
「ああ、いるぞ絶対にいる」
手下もニヤニヤしながら、首を傾げてこっちを見てくる。
見えてない、見えてない筈なのに、男がここになあ? と顔を下げて生暖かい息をフードに掛けてきて、思わず。
「い、いや…………」
ぎゅうっと背けた顔から声が漏れてしまった。
「あ? おいおい、マジでいたぜ女が」
「なんだなんだ? どういうカラクリだ?!」
しまった、声出ちゃった……姿が見えてしまって男達が視線が私に集中する、壁伝いに逃げるけど、自分を追い込むように隅に追いやらてしまって、何で、やだ、こういう時に限って猫になれない、動転してなり方が分からない。
「うっわーすっげえ可愛いじゃん、舐めてえ」
「しかも見ろよーこの金持ちそうな身なり」
男達が集まってきて、ぎゅうって時計を抱き締める、タツミタツミって涙ポロポロ零れて、それ以上は声も出なかった。
大男がこっちに手を伸ばしてきて、
「可愛がった後、骨の一本まで売りさばいてやるからな? いや、枯れるまでヤリまくって」
「やッ……」
「ブッ飛ぶクスリ使って気持ちさせてやるからさ、楽しもうぜ」
手を引っ張られた拍子にふわっとフードが落ちた、月明かりに顔が照らされて、男達が口笛を吹く。
「おお、黒猫かよ」
にやっと口を上げた瞬間だった。
「見つけた」
タツミの声だ、黒い耳がピンと立ち上がった。
瞬間、掴まれていた手首が熱くなって直視していられない程、眩しい光が噴出する。
目を顰めて、足元から湧き上がる突風に男達は吹き飛ばされた、体がふわっと温かくなって、それと匂い、タツミの匂い。
「ネネ……」
「タツミ?」
あったかいおっきな体がぎゅうってしてくれて、お鼻が鳴ってしまう、怖くて安心して涙も鼻もいっぱい出てるけど、気にしてられなかった。
「会いたかった」
「うん」
「会いたかったの」
「遅くなってごめん」
「石が急に光ったの、内緒にして来たかった訳じゃないの」
「うん」
「時計、欲しかったしネネが食べてる美味しい物もあげたかったの」
「うん」
「怒ってる?」
「怒ってない」
抱き締め返した体はいつものふんわりしたタツミのお洋服ではなかったけれど、いっぱい顔を擦りつけた。
「怪我がなくてよかったネネ、やっと見えた安心した」
「…………?」
頭にいっぱいスリスリされて黒髪と耳に沈む高いお鼻が熱くて、鼻声で私を抱く指先も震えているように感じる。
「突然、ネネの気配が消えた死ぬかと思った」
耳の奥で言われて、ごめんなさいって涙声で応えた、もっともっと謝りたい。
「タツミタツミ……」
「大好き」
頭大きい手が優しく後頭部を撫でてきて、普段だって朝いってらっしゃいして、遅くまで帰って来ない時だってあるのに、今日は会えない時間が特別長く感じた。
二人で抱き合って好き……好きっていっぱいしてたら。
「騎士団?」
「なんでこんなとこに?!!」
騎士団……? 誰の事? 少しタツミから体を離してみたら、え……? 目の前の服は真っ黒で。
キラキラの飾りボタンに胸元にたくさんの徽章、襟にも騎士団を表すバッチに腕章。
見上げたいつもの綺麗な顔に黒い帽子。
「黒服なんて隊長クラスだろ」
「いや、赤いマントって……こいつ」
男達を見れば思った以上に人数が増えてて、タツミは強いけど、さすがに心配になる。
だって人間は魔法を使うかもしれないし、どんな攻撃をしてくるかわからない。
現に、一瞬騎士団の登場に怯んだように見えた男達だったけど、もう各々武器を手にいつでも距離を詰められるように構えてるし。
「タツミ」
「大丈夫」
「こ、これあるよ?」
そうだってさっき買った防犯ブザーみたいなの出してみたら、男が鼻で笑った。
「そんなもん鳴らしたって、こんな所に誰も来やしねーよ。こんな場所に住んでる奴らなんて歩ける年になったら、誰だって盗みくらい働いてる。そうやっていかなきゃ生きていけないからな? 誰を捕まえるつもりだよ。こどもか? お前ら騎士団が俺達をここに追いやった癖に」
「タツミ…?」
「まあ、いい隊長だか団長だか知らねえけど、どうせお飾りのボンクラだろ? 聞いたぜ? 今の騎士団は呪いを脅し文句に虫一匹殺さない、平和ボケした腰抜け集団だってな。俺達は金さえ積まれれば、どんなヤベェ相手だって武器片手に仕留めに行くんだ」
大男は二本のシミターを抜き目の前で交差させると闇夜に研がれた刃を光らせて笑った。
「こんな場所まで来て生きて帰れると思うなよ」
後ろに続く男達も剣以外に武器を出していて、手が魔法で淡く光ってる人もいる。
タツミは眼鏡を直すと、静かに言った。
「触ったか」
眼鏡の奥が光って、バチバチって音がして、見れば足元で青白い火花が弾けてる。
先頭に立つ男は煽り気味に首を傾げて、
「あ?」
と答えると、タツミは私に触れるキスをして頬をするりと撫でて一歩前に出た。
「触ったか? 俺の猫に」
でも大丈夫、これを着ていれば気付かれない。だって現に男達は鼻を鳴らしてるけど私は見えていないみたいだから。
男達は頬や肩、露出している皮膚に真っ黒い同じデザインの入れ墨が入ってる、刺々しいナイフとドクロ。
鋭い目付きに腰には帯刀、鋭利な耳の形は人間ではないのかもしれない、強く見せるために人間が魔物みたいに整形する事もあるって聞いたし、人間が悪魔と契約すると尖るとも聞いた、どちらかは分からない。
でも、とりあえず彼らからは、たくさんの血の匂いがした。
「すっげー美味そうな香りだな? 一仕事する前にどっかで女掴まえて抜かなきゃムラムラして仕事になんねえわ」
「こんなとこに猫がまよい込んでくるもんかね」
湾曲した剣やダガー、背が凸凹になった短刀を舐めながら男達は辺りを見渡して、いくら見えないからといっても、息をするのも躊躇する。
そうなのだ、さっき感じたこのブルって体が強張ったのは朝の薬が切れてきて、その反動で何かが……いっぱい体から出てる気がするの。
家の中じゃ、そんなに気にしなかったけど、このコートは発情の匂いまでは無効化できなかったみたいで男達は、近い、近い……って鼻を頼りに近付いてくる。
匂いがこれ以上でないように口塞いで、体震えないように必死に強張らせる、背中に汗が噴き出て耳ペッタンコで尻尾も下がる。
ここで猫になったら服が脱げて姿が見えてしまう、この男達の間をすり抜けて安全な場所まで走れるかなんてわからない。
「なんで、こんななんもねえーとこから匂いがすんのかなあ?」
「でも、ほらここ、絶対猫が歩いてますよ!」
地面を嗅いでる男もいて、その中で一際大柄の男がこっちに向かって歩いてきた。
口にも耳にもピアスが開いてて、この距離からでもお酒臭い。
眉尻のピアスを月光に反射させながら言う。
「もしかして、俺達のブツでも盗みに来た泥棒猫でも紛れ込んでんのか? なんかそこの壁が怪しいんだよなあ?」
「壁って? そんなとこ何もないじゃないですか兄貴」
「気配がするんだよ、わかってねえなあ」
手下の男達は物陰を探してたけれど、大柄の男だけは真っ直ぐこちらに歩いて来た。
見えないはずなのに、目の前まで迫られて心臓がどうにかなってしまいそうだ、冷たい汗が体中にダラダラ流れて、どうしよう、怖い、今までで一番怖い。
タツミ、タツミって自分のわがままでここまで来たくせに、やっぱりタツミの名前を心の中で呼んでしまう、涙が勝手にポロって零れたら、なぜかタツミが必死になって私を探してる所がレンズに映り込んだ。
タツミが私を探してる? レンズの中でもタツミが見えて嬉しくて、思わず大きく呼吸をしてしまって、しまったと思った。
ふっと男が私の服に触れそうな距離まで来ていて慄いた。
男は下卑た笑いを浮かべて上唇を舐めながら言う。
「ああ、いるぞ絶対にいる」
手下もニヤニヤしながら、首を傾げてこっちを見てくる。
見えてない、見えてない筈なのに、男がここになあ? と顔を下げて生暖かい息をフードに掛けてきて、思わず。
「い、いや…………」
ぎゅうっと背けた顔から声が漏れてしまった。
「あ? おいおい、マジでいたぜ女が」
「なんだなんだ? どういうカラクリだ?!」
しまった、声出ちゃった……姿が見えてしまって男達が視線が私に集中する、壁伝いに逃げるけど、自分を追い込むように隅に追いやらてしまって、何で、やだ、こういう時に限って猫になれない、動転してなり方が分からない。
「うっわーすっげえ可愛いじゃん、舐めてえ」
「しかも見ろよーこの金持ちそうな身なり」
男達が集まってきて、ぎゅうって時計を抱き締める、タツミタツミって涙ポロポロ零れて、それ以上は声も出なかった。
大男がこっちに手を伸ばしてきて、
「可愛がった後、骨の一本まで売りさばいてやるからな? いや、枯れるまでヤリまくって」
「やッ……」
「ブッ飛ぶクスリ使って気持ちさせてやるからさ、楽しもうぜ」
手を引っ張られた拍子にふわっとフードが落ちた、月明かりに顔が照らされて、男達が口笛を吹く。
「おお、黒猫かよ」
にやっと口を上げた瞬間だった。
「見つけた」
タツミの声だ、黒い耳がピンと立ち上がった。
瞬間、掴まれていた手首が熱くなって直視していられない程、眩しい光が噴出する。
目を顰めて、足元から湧き上がる突風に男達は吹き飛ばされた、体がふわっと温かくなって、それと匂い、タツミの匂い。
「ネネ……」
「タツミ?」
あったかいおっきな体がぎゅうってしてくれて、お鼻が鳴ってしまう、怖くて安心して涙も鼻もいっぱい出てるけど、気にしてられなかった。
「会いたかった」
「うん」
「会いたかったの」
「遅くなってごめん」
「石が急に光ったの、内緒にして来たかった訳じゃないの」
「うん」
「時計、欲しかったしネネが食べてる美味しい物もあげたかったの」
「うん」
「怒ってる?」
「怒ってない」
抱き締め返した体はいつものふんわりしたタツミのお洋服ではなかったけれど、いっぱい顔を擦りつけた。
「怪我がなくてよかったネネ、やっと見えた安心した」
「…………?」
頭にいっぱいスリスリされて黒髪と耳に沈む高いお鼻が熱くて、鼻声で私を抱く指先も震えているように感じる。
「突然、ネネの気配が消えた死ぬかと思った」
耳の奥で言われて、ごめんなさいって涙声で応えた、もっともっと謝りたい。
「タツミタツミ……」
「大好き」
頭大きい手が優しく後頭部を撫でてきて、普段だって朝いってらっしゃいして、遅くまで帰って来ない時だってあるのに、今日は会えない時間が特別長く感じた。
二人で抱き合って好き……好きっていっぱいしてたら。
「騎士団?」
「なんでこんなとこに?!!」
騎士団……? 誰の事? 少しタツミから体を離してみたら、え……? 目の前の服は真っ黒で。
キラキラの飾りボタンに胸元にたくさんの徽章、襟にも騎士団を表すバッチに腕章。
見上げたいつもの綺麗な顔に黒い帽子。
「黒服なんて隊長クラスだろ」
「いや、赤いマントって……こいつ」
男達を見れば思った以上に人数が増えてて、タツミは強いけど、さすがに心配になる。
だって人間は魔法を使うかもしれないし、どんな攻撃をしてくるかわからない。
現に、一瞬騎士団の登場に怯んだように見えた男達だったけど、もう各々武器を手にいつでも距離を詰められるように構えてるし。
「タツミ」
「大丈夫」
「こ、これあるよ?」
そうだってさっき買った防犯ブザーみたいなの出してみたら、男が鼻で笑った。
「そんなもん鳴らしたって、こんな所に誰も来やしねーよ。こんな場所に住んでる奴らなんて歩ける年になったら、誰だって盗みくらい働いてる。そうやっていかなきゃ生きていけないからな? 誰を捕まえるつもりだよ。こどもか? お前ら騎士団が俺達をここに追いやった癖に」
「タツミ…?」
「まあ、いい隊長だか団長だか知らねえけど、どうせお飾りのボンクラだろ? 聞いたぜ? 今の騎士団は呪いを脅し文句に虫一匹殺さない、平和ボケした腰抜け集団だってな。俺達は金さえ積まれれば、どんなヤベェ相手だって武器片手に仕留めに行くんだ」
大男は二本のシミターを抜き目の前で交差させると闇夜に研がれた刃を光らせて笑った。
「こんな場所まで来て生きて帰れると思うなよ」
後ろに続く男達も剣以外に武器を出していて、手が魔法で淡く光ってる人もいる。
タツミは眼鏡を直すと、静かに言った。
「触ったか」
眼鏡の奥が光って、バチバチって音がして、見れば足元で青白い火花が弾けてる。
先頭に立つ男は煽り気味に首を傾げて、
「あ?」
と答えると、タツミは私に触れるキスをして頬をするりと撫でて一歩前に出た。
「触ったか? 俺の猫に」
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