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ご想像に ※

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「こらこら近い、ネネ」
「う? でもぉ」
 絵本に近付いたおでこを大きな手の平で押えられて後ろに引き剥がされてしまった、見てたのにぃ。

 タツミがお家にいる午後、お膝に乗って本を読んでもらっていた、文字は読めるようになったけど、まだまだ知らない単語がたくさんある。
 タツミがいない時は、もらった辞書をひいてる、私専用の辞書にいっぱい字や絵を描き込んで(【好き】って単語に豹の絵とタツミっていっぱい書く、【大好き】や【愛】にもいっぱいタツミ書く!!)それでこれは絶対覚えるぞ! って目に止まった言葉は紙に書いておくとピヨが壁に張っといてくれる(アクメ、蟻の門渡り、馬並み、素股)。だいたいタツミに剥がされる!
 ピヨも意外と勉強熱心で私が寝っ転がって本読んでると必ず二人も来る。
 お膝絵本の時は何でもタツミに聞いていいから楽しいし、言葉の他にも色々教えてくれるから面白い。

 で、絵本を食い入るように見ていたら、後頭部をタツミのお胸に付けられてしまって困った。
「ネネ見てたよ!」
「だから、近い…………」
 むぅ! って見上げたらタツミは私を見て、瞬きをして、
「なあに? タツミ」
「ああ……ネネもしかして」
「うん」
「そうか、この距離からじゃ絵本が見えない?」
「へ?」
 私も瞬きして、そのままタツミの胸に頭を預けて、絵本を見てみる。
「読める?」
「うん、読めるよ」
「目、細めてる」
「う?」
「目、ちゃんと開けて? ここの木は何本ある?」
「あう」
 目見開いてみたら、文字よりも小さい背景の木はぼやけて見えて、木……と言うか緑だなってくらいしか分からない。
「なるほど、ごめんネネ」

「どうして謝るの?」
 ごめんって言葉は何だか私まで悲しくなってタツミの口元に擦り寄る、タツミは眼鏡を直して優しく頭を撫でてくれた。
「俺達は鼻も耳も利くから、目だけを頼りに生活していない分、視力が弱まってるのに気が付きにくい」
「うん」
「ネネはこの家なら俺がどこにいてもわかる」
「うん! わかる」
「行動範囲が家の中だと不自由がないから目が悪いって気が付かなかった、ごめん」
「だからー謝っちゃいやってば」
 抱き付いていっぱいちゅうして舌頂戴って唇を舌でツンツンした、抱き締め直してくれてタツミが大きく息を吸うから深いキスをしてくれるんだって期待してお尻尾揺れてしまった。

 今日はタツミが家にいるって分かっていた日だから朝のお薬を飲んでいない。
 飲んでいないとどうなるのかというと、飲んで抑えていた分の反動がくるのだ。
 他の猫達は薬で抑えた反動をまた薬で和らげたり、パートナーがいなければ一人でしたりするみたい。
 でも私はタツミがいるから、今日は疼いた分だけタツミにしてもらえる。
 正直さっきからお股にお尻擦りつけてたし、タツミを待ってる間ちょっと喉鳴らしてた。
 ソファーでいっぱいクネクネしたし、エッチな匂いも出しといた、何かね、自分で内側から、タツミに触られたい触られたいって思うとあの匂いが出せるんだ、ピヨがうっとりしてるのきっとそのせい。

 少し伸びた髪を梳いてくれて、混じり合う舌がこのまま気持ちいい事するよって教えてくれた。
 読んでいた本を取られて、骨張った手がお腹に回てきて繊細に皮膚をなぞる、服の合間から直接肌に触れられただけで、もう息が上がってしまった。
 見つめ合ってぬるぬるのキスしてちょっと滲んだ視界で少しだけ唇を離して聞く。
「まだ明るいよ?」
「なら、中までよく見えるね」
 唇啄ばまれて、また奥まで混じり合う、胸両手で優しく揉まれて、口の中はくちゅくちゅ鳴ってて、もう頭の中蕩けてきてる。
 タツミの唇が顎に滑って首筋に噛み付いてきて、抑えようのない声がでてしまった。
 尖った牙が貫通しない程度に食い込んで、離れて凹んだ皮膚に舌が這う、同時に吸われて真っ赤に残る、息が震える程気持ちいい痛みで、もっともっとしてしまうから、私の体は痣だらけになってる。
 首の快感だけでも理性を手放しそうなのに、柔く揉んでいた指先が牙の動きに合わせてきゅって乳首を抓ってくるから、爪先まで痺れてしまうんだ。
 ガクガク震えちゃって、もう口だって開きっぱなし、タツミの太い腕に爪立ててガリガリやって、お股もじつかせてしまう。
「また胸大きくなった」
「うん、嫌い?」
「好きに決まってる」
 耳をくにゅって噛まれてビリビリ背筋に電気が走る、胸をぎゅうって握られて長い指の間からお肉がはみ出した。
 耳と首筋とキスと胸と長い時間弄められて、額に頬に汗が滲んで黒い髪が張り付く、もうお胸はいいよおって言いたいのに、声にならなくて動かした舌を絡め取られてしまうんだ。
 もう胸だけで力入らなくなった頃に、タツミの手がスカートをたくしあげて私の足を開かせた内腿を撫でられれば、恥ずかしいくらいそこは期待してた。

「あれ、ネネ下着」
「汚れちゃうから……脱いだ」
「いつから」
「朝、タツミがお休みって言ってたから」
 頭の上にあるタツミの顔に手を伸ばして頬に爪を立てる、唇に触れたらガリって指先を噛まれてヒクンって下半身が反応して部屋に私の発情した濃い香りがふわりと立ち込めた。
「エッチな子猫」
「ぁう、だって」
 耳にちゅっちゅっていっぱいされて、割れ目を指がなぞると当たり前だけどくちゅくちゅ音がして、両手で開かれれば奥から体液がトロリで垂れていくのが自分でもわかった。
 お尻の下にあるタツミの服を濡らして、下からもビクンビクンって振動伝わってくるから、余計濡れてしまう。
「雄が欲しくて堪らない?」
「違ッ……!」
 首引っ張って、下から唇に噛み付く、舌捩じ込んで広い口の中いっぱい舐めて、きゅって下唇噛んだ。
「何でそんな意地悪言うの? ネネはタツミが欲しいのに」
「知ってる」
「じゃあ、なッ! ぅんんん」
 声を塞がれて、会話の途中! って睨んだけど、緑の瞳は満足そうに目を細めて、濡れた道をなぞる指が探るように中に入ってくる、お腹の奥からゾゾゾッて快感走って反対の手は敏感な突起を捏ねてくる、そんないきなり無理って言いたいのに、上からキスで押さえつけされて首も触れない。
 一応イヤイヤって僅かな力で首を振るけど、擦り合ってる唇の隙間で言われてしまう。
「尻尾も耳もこっちもビンビンに勃ってる」
 中に潜り込んだ指がイイ所を擦って、突起も一緒に撫でられて、太い腕に爪を立てれば立てる程激しくなって、汗が噴き出た。
 頭可笑しくなって崩壊寸前で、私から舌を差し出す、タツミは興奮した荒い息使いで咥内を掻き回して指の動きを速めてくる。
「ああ、待ってもう、無理らから、ヤッ」
「一回目だから浅くイッて」
 首に噛み付かれて、足が勝手に開いて腰が浮く、イッちゃうって大きな声出ちゃって、ゾワゾワももう耐えきれなくて、全身から熱が飛んでく、体ガクガクして固まって頭真っ白。
「大好き、可愛いネネ」
「たちゅ……ぁんんぅむ」
 力の抜けた体を支えてもらって顎を持たれてトロトロのキスだった、乾いた喉にタツミの唾液が染み渡って全部タツミに染まってく。
 全然いやじゃないから、蜜を飲み込みながら目を瞑って絶え絶えの息を整えた、だって唇を離して、眼鏡を直したタツミが何を言うかもう見当がついてるから。
「今度は奥から時間かけてイこうか」
「うん、ネネまだ体うずうずするよお」
「大丈夫、ネネが俺の匂いになるまで止めない」
 キスしていた唇の間に甘く濡れた指が割り込んできて二人で舐める、自分の匂いにまた発情して尻尾の毛が逆立った。
「うん、してしてタツミ」
 長い指を舐め上げてスリスリ首にすり寄れば、タツミは汗で湿った私の額にキスをしてまた指を入り口に押し当てた。
「上手にできたら、ネネの眼鏡買いに行こうね」
「え、待ってそれは先に行った方が…………ひあ」

 その後どうなったかはご想像にお任せします。
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