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おしまいの後
袴田君のハジメテ ◎
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ねえ、ウザイこと言っていい?
すごい自慢なんですけど、私の彼氏は格好いいんです。
こないだ家にいる時、電話してたから一周して360℃観察してみたんだけど、すっごい格好よくて、なんなら上から見ようと思ってカウンターに登って見下ろしても格好良かったんです(危ないから降りましょうって降ろされる)
あのね、見た目もさることながら、まず声がイイ!! やたらと艶っぽい!
仕事中に「尾台さんすみません、ちょっとイイですか」って耳元で言われただけで軽くイク。(調教済み)
その後振り向いたら癖毛眼鏡の奥に切れ長二重の綺麗な目が待っちゃってるもんだから、軽く泡吹く。
吹きそうになって両脇の後輩に心配されて、正気を保とうとするんだけど、小さな声で「今日もお仕事頑張ってるから帰ったらでご褒美あげるね」って言われて結局キーボードに頭を打ち付けるはめになる。
でね、いいところは見た目だけじゃないんだ!
そう性格もイイ!(異論は認める)
「もう! 直ぐ舌打ちして! 皆に優しくしなきゃダメでしょ!!」って注意したりするけど、正直本当に皆に優しくした日は拗ねる。
背中合わせに席を置いてる経理の子と談笑してるのを目撃した日は、夕飯野菜増し増し。
俺には尾台さんしかいません、尾台さん以外受け付けない、尾台さんといる時が一番楽しい、なんて言ってた癖にぃ!!
受付の子にも笑顔で話掛けて(「新調した内線電話の調子どうですか」だってぇえ!! キィイ)、ムカつくから今日は胸元いつもより開けてやるんだから!! って反抗予告したら、眼鏡キラっで掴まって給湯室に閉じ込められ、お話し出来なくなるくらいイカされ胸元はおろかスカーフまで巻かないといけないような首元にされた。
ね! 袴田君は性格もイイでしょ!
昔から一途に私のこと思ってくれてたなんて非常にキュンなエピソードなので披露宴の際はそこを強調して言ってもらお!!
ってソファーで猫のクッション抱きながら袴田君のこと袴田君を見ながら考えていた。
資格の勉強に、家まで持ち帰った仕事に、袴田君はあんまり休みがないけれど、本人曰く今までフラフラしてたツケが回ってきた、だそうだ。
しかも全部尾台さんの為ですよって言う。
もし尾台さんが仕事も辞めて放浪の旅に出たいって言うならいつでも仕事なんか辞めるし、お店やりたい、とか何か夢があるなら全力でサポートするので言って下さいね、だって。
そう、袴田君は私が仕事を続けたいって言ったから会社をもっと良くしたり、いやむしろ俺が支配する(?!!!)って頑張ってるだけなのだ。
はああ、何て私想いな袴田きゅん!
生まれて初めて真っ直ぐ私を好きって言ってくれた人、私を救ってくれた人、私だけを見つめてくれる人。
そんな人がこんなカッコいいだなんてぇ!! 私はきっと「俺だけの尾台さん」って言われる為に処女を取っておいたんだな! そうかそうか! 知ってました!!!
ん……?
んんん?
あれ?
おやおや?
そういうとこ考えると、ちょっと気になることあるなあ……。
そう、今だってPCに向かう袴田君は横顔も姿勢も綺麗できっと近付いたらいい匂いだってする……多分昔そうだったはずで…………むむむ。
で、気になったらもう止まらなくて近寄った。
「ねーねー袴田君」
「はい尾台さん、何ですか」
服クイクイすれば袴田君は嫌な顔一つしないで手を止めて私の方を向いてくれる。
ここは……やっぱり……聞いとくべきでしょう…………!!
「あのさー」
「うん」
「袴田君って童貞だったの?」
「え」
袴田君の動きが止まって、視線は合ったまま無言になっちゃって。
「だってほら、袴田君エッチ上手い? 比べるものがないから分からないけど、初めてエッチなことする人があんなにイカせたりできるのかなって」
「尾台さんは特異体質でしょう」
「え? 私が可笑しいの? …………へ? ええ? あ、なに? 袴田君には比べる人がいるんだぁあ!!!!???」
「あ、いや、ちょっと待って」
何かヤダ! 何かヤダヤダ!! ヤダダダダダダダダ!!!!!
とりあえず猫パンチ!! ってしてみた所、振れる寸前で拳受け止められちゃって気付いたら袴田君の右手が私の顎を鷲掴んでた。
「んむ!」
「尾台さん、そういう急に攻撃仕掛けてくるの止めてって言ってるでしょう。俺カウンター出ちゃうから、当たったら危ないよ?」
「だってぇえ」
よくわからないけど、涙がじわじわきちゃって、袴田君は目にキスして唇も重なてくるんだけどぉ。
「ああ尾台さん泣かないで、俺尾台さんが泣くの耐えられないです」
「でも、俺だって尾台さんが初めてだよって言われても嘘くさいしいい!!」
「うーんと」
「でもでも! 尾台さんが52人目だよって言われたら、じゃあ私だけを見てたってなんだったの? ってな…………へえ? 袴田君はそうやって好きでもない女の子でもエッチできちゃうんだあ! はあ?! ちょっとやだ! 52人多すぎだよ何考えてんの?! 最悪最低遊び過ぎ、この不潔眼鏡!! 何が草食系だよ! もうこれから詐欺ま田君って呼ぶよ!? じゃあ何ですか? 袴田君が他の子とちゅぅうううううう?!!!!!!」
「もう尾台さんは本当に面倒臭可愛いいなぁ」
体攫われて膝の上で「落ち着いて?」っていっぱい体触ってくるし色んな所にキスしてくるしぃい!!
「あっち行って! 触らないで! お尻の下で硬くしないで下さい!!」
「知りたいですか? 俺の経験人数」
「袴田君なんて大嫌い!」
「俺は尾台さんが大好き」
すごい自慢なんですけど、私の彼氏は格好いいんです。
こないだ家にいる時、電話してたから一周して360℃観察してみたんだけど、すっごい格好よくて、なんなら上から見ようと思ってカウンターに登って見下ろしても格好良かったんです(危ないから降りましょうって降ろされる)
あのね、見た目もさることながら、まず声がイイ!! やたらと艶っぽい!
仕事中に「尾台さんすみません、ちょっとイイですか」って耳元で言われただけで軽くイク。(調教済み)
その後振り向いたら癖毛眼鏡の奥に切れ長二重の綺麗な目が待っちゃってるもんだから、軽く泡吹く。
吹きそうになって両脇の後輩に心配されて、正気を保とうとするんだけど、小さな声で「今日もお仕事頑張ってるから帰ったらでご褒美あげるね」って言われて結局キーボードに頭を打ち付けるはめになる。
でね、いいところは見た目だけじゃないんだ!
そう性格もイイ!(異論は認める)
「もう! 直ぐ舌打ちして! 皆に優しくしなきゃダメでしょ!!」って注意したりするけど、正直本当に皆に優しくした日は拗ねる。
背中合わせに席を置いてる経理の子と談笑してるのを目撃した日は、夕飯野菜増し増し。
俺には尾台さんしかいません、尾台さん以外受け付けない、尾台さんといる時が一番楽しい、なんて言ってた癖にぃ!!
受付の子にも笑顔で話掛けて(「新調した内線電話の調子どうですか」だってぇえ!! キィイ)、ムカつくから今日は胸元いつもより開けてやるんだから!! って反抗予告したら、眼鏡キラっで掴まって給湯室に閉じ込められ、お話し出来なくなるくらいイカされ胸元はおろかスカーフまで巻かないといけないような首元にされた。
ね! 袴田君は性格もイイでしょ!
昔から一途に私のこと思ってくれてたなんて非常にキュンなエピソードなので披露宴の際はそこを強調して言ってもらお!!
ってソファーで猫のクッション抱きながら袴田君のこと袴田君を見ながら考えていた。
資格の勉強に、家まで持ち帰った仕事に、袴田君はあんまり休みがないけれど、本人曰く今までフラフラしてたツケが回ってきた、だそうだ。
しかも全部尾台さんの為ですよって言う。
もし尾台さんが仕事も辞めて放浪の旅に出たいって言うならいつでも仕事なんか辞めるし、お店やりたい、とか何か夢があるなら全力でサポートするので言って下さいね、だって。
そう、袴田君は私が仕事を続けたいって言ったから会社をもっと良くしたり、いやむしろ俺が支配する(?!!!)って頑張ってるだけなのだ。
はああ、何て私想いな袴田きゅん!
生まれて初めて真っ直ぐ私を好きって言ってくれた人、私を救ってくれた人、私だけを見つめてくれる人。
そんな人がこんなカッコいいだなんてぇ!! 私はきっと「俺だけの尾台さん」って言われる為に処女を取っておいたんだな! そうかそうか! 知ってました!!!
ん……?
んんん?
あれ?
おやおや?
そういうとこ考えると、ちょっと気になることあるなあ……。
そう、今だってPCに向かう袴田君は横顔も姿勢も綺麗できっと近付いたらいい匂いだってする……多分昔そうだったはずで…………むむむ。
で、気になったらもう止まらなくて近寄った。
「ねーねー袴田君」
「はい尾台さん、何ですか」
服クイクイすれば袴田君は嫌な顔一つしないで手を止めて私の方を向いてくれる。
ここは……やっぱり……聞いとくべきでしょう…………!!
「あのさー」
「うん」
「袴田君って童貞だったの?」
「え」
袴田君の動きが止まって、視線は合ったまま無言になっちゃって。
「だってほら、袴田君エッチ上手い? 比べるものがないから分からないけど、初めてエッチなことする人があんなにイカせたりできるのかなって」
「尾台さんは特異体質でしょう」
「え? 私が可笑しいの? …………へ? ええ? あ、なに? 袴田君には比べる人がいるんだぁあ!!!!???」
「あ、いや、ちょっと待って」
何かヤダ! 何かヤダヤダ!! ヤダダダダダダダダ!!!!!
とりあえず猫パンチ!! ってしてみた所、振れる寸前で拳受け止められちゃって気付いたら袴田君の右手が私の顎を鷲掴んでた。
「んむ!」
「尾台さん、そういう急に攻撃仕掛けてくるの止めてって言ってるでしょう。俺カウンター出ちゃうから、当たったら危ないよ?」
「だってぇえ」
よくわからないけど、涙がじわじわきちゃって、袴田君は目にキスして唇も重なてくるんだけどぉ。
「ああ尾台さん泣かないで、俺尾台さんが泣くの耐えられないです」
「でも、俺だって尾台さんが初めてだよって言われても嘘くさいしいい!!」
「うーんと」
「でもでも! 尾台さんが52人目だよって言われたら、じゃあ私だけを見てたってなんだったの? ってな…………へえ? 袴田君はそうやって好きでもない女の子でもエッチできちゃうんだあ! はあ?! ちょっとやだ! 52人多すぎだよ何考えてんの?! 最悪最低遊び過ぎ、この不潔眼鏡!! 何が草食系だよ! もうこれから詐欺ま田君って呼ぶよ!? じゃあ何ですか? 袴田君が他の子とちゅぅうううううう?!!!!!!」
「もう尾台さんは本当に面倒臭可愛いいなぁ」
体攫われて膝の上で「落ち着いて?」っていっぱい体触ってくるし色んな所にキスしてくるしぃい!!
「あっち行って! 触らないで! お尻の下で硬くしないで下さい!!」
「知りたいですか? 俺の経験人数」
「袴田君なんて大嫌い!」
「俺は尾台さんが大好き」
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