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おしまいの後
尾台さんの秘密 ◎
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ふふふ……ボクこと、新井ハイジはついに上司の袴田さんの弱みを握ってしまったのだ、ふ、ふ、ふ。
おっといけない、勝手に口元がニヤけてしまう、ふふふ……。
「ちょっと新井君、そういうイキった登場の仕方、癪に障るんで止めて貰っていいですか」
「ふ、ふ、ふ……」
「無視すんなコラ」
そしたらコピー機の前にいる翔がこっち向いて、
「ん? 何だよハイジにやにやして気持ち悪いな、ない頭がもっとおかしくなったの?」
「沖田君、642300円」
「え、何袴田さん」
「だからその新井君がバンバンやってるの642300円だから壊れたら弁償してくださいね」
「すっわ!! ちょっと待って! あれ? 紙詰まりかな、うっそ!! 止まった、袴田さんこっち来てぇ!」
「行かねえよ、そろそろ新井君もそのポーズ止めないと顎に掌底打ち込みますよ」
「ふんだ! そっちこそ、そうやってイキってられるのは今のうちッスよ」
「あ? 俺にケンカ売ってる?」
「出た!! 直ぐそれなんだからさ、いくつだよ! でもまあ? ケンカしたっていいッスよ? ボク袴田さんの弱み握っちゃったんで、ばらされたくなかったら今のうちのボクに優しくしといた方が身のためッスから。あーあ明日から肩揉んでもらっちゃおうかな~」
「へえ? 凄い不愉快なんだけど少し話聞かせてもらえますか」
なんとまあ怖い顔だよ! 部下に向かって!
キーボードに手を置いたまま袴田さんは眉間を寄せてボクを睨んできて、ごめんなさい! って反射的に言いたくなるっつーの。
が、今日は怯まないぞ!
「ハッタリは止めとけよハイジ、何考えてるか知らないけど。お前はあまり頭が良くないんだぞ?」
「ええい! うるさい! 袴田さん! あのことバラされたくなかったら、ボクに「新井君いつもありがとう、君がいてくれて助かってるよ」って言ってください」
「脅しの力で褒めてもらって、君は嬉しいの? 何だよあのことってくだらねえことだったら本気でどつくぞ」
「ヒッ! じゃ、じゃあ! いいんですね?!! あのこと尾台さんに言ってもぉ!」
「は? 尾台さん?」
お、効いてる、効いてる!
キーボードの上でポキポキ鳴らしていた手を止めたぞ! 後一押しだ!
「言われたくなきゃ、ボクへの日頃の感謝の気持ちを言葉で表してください!」
「何だよ何隠してんだよ、うっぜーな俺そういうまどろこしいの一番苦手なんですよ、言うか言わないか殴っていいのか蹴っていいのかハッキリしろ」
「いいからぁ! 言ってよ袴田さん」
「お前が先にネタをバラしたらしますよ、絶対に言ってあげる」
チ、そんなに気になるのか!
まあよかろう! 見せてやろうではないか!
ボクはおもむろにスマホを取り出して操作する、ふふふ……こないだコッソリ袴田さんが写真見てて、それをバッチリ収めていたのだ!
おっと、これだこれだ!
「括目せよ! 袴田さんこの子の写真見てニヤニヤしてたでしょう?! こんなの尾台さん知ったら尾台さんヤキモチ焼きだから口利いてくれなくなっちゃうんじゃないッスか!」
意気揚々と画面を見せたら、席に戻って来た翔がじーっと覗き込んで……。
「へー可愛いね……んん? っつかコレ」
「ふぅん?」
焦るかと思った袴田さんは数秒写真を見た後に真っ黒な微笑みで俺の頭を撫でてきた。
「ななな、何ッスか!」
「新井君今までありがとうございました、君がいてくれて助かったこともあったとかなかったとか、いやなかったな。他の場所に行っても頑張って下さいね、さようなら」
「ちょちょちょちょちょ、待って待って何で過去形? 髪痛ぁい!」
前髪を鷲掴みにされて眼鏡を直しながら袴田さんは言う。
「それ、尾台さんだから」
「ひぃえ」
おっといけない、勝手に口元がニヤけてしまう、ふふふ……。
「ちょっと新井君、そういうイキった登場の仕方、癪に障るんで止めて貰っていいですか」
「ふ、ふ、ふ……」
「無視すんなコラ」
そしたらコピー機の前にいる翔がこっち向いて、
「ん? 何だよハイジにやにやして気持ち悪いな、ない頭がもっとおかしくなったの?」
「沖田君、642300円」
「え、何袴田さん」
「だからその新井君がバンバンやってるの642300円だから壊れたら弁償してくださいね」
「すっわ!! ちょっと待って! あれ? 紙詰まりかな、うっそ!! 止まった、袴田さんこっち来てぇ!」
「行かねえよ、そろそろ新井君もそのポーズ止めないと顎に掌底打ち込みますよ」
「ふんだ! そっちこそ、そうやってイキってられるのは今のうちッスよ」
「あ? 俺にケンカ売ってる?」
「出た!! 直ぐそれなんだからさ、いくつだよ! でもまあ? ケンカしたっていいッスよ? ボク袴田さんの弱み握っちゃったんで、ばらされたくなかったら今のうちのボクに優しくしといた方が身のためッスから。あーあ明日から肩揉んでもらっちゃおうかな~」
「へえ? 凄い不愉快なんだけど少し話聞かせてもらえますか」
なんとまあ怖い顔だよ! 部下に向かって!
キーボードに手を置いたまま袴田さんは眉間を寄せてボクを睨んできて、ごめんなさい! って反射的に言いたくなるっつーの。
が、今日は怯まないぞ!
「ハッタリは止めとけよハイジ、何考えてるか知らないけど。お前はあまり頭が良くないんだぞ?」
「ええい! うるさい! 袴田さん! あのことバラされたくなかったら、ボクに「新井君いつもありがとう、君がいてくれて助かってるよ」って言ってください」
「脅しの力で褒めてもらって、君は嬉しいの? 何だよあのことってくだらねえことだったら本気でどつくぞ」
「ヒッ! じゃ、じゃあ! いいんですね?!! あのこと尾台さんに言ってもぉ!」
「は? 尾台さん?」
お、効いてる、効いてる!
キーボードの上でポキポキ鳴らしていた手を止めたぞ! 後一押しだ!
「言われたくなきゃ、ボクへの日頃の感謝の気持ちを言葉で表してください!」
「何だよ何隠してんだよ、うっぜーな俺そういうまどろこしいの一番苦手なんですよ、言うか言わないか殴っていいのか蹴っていいのかハッキリしろ」
「いいからぁ! 言ってよ袴田さん」
「お前が先にネタをバラしたらしますよ、絶対に言ってあげる」
チ、そんなに気になるのか!
まあよかろう! 見せてやろうではないか!
ボクはおもむろにスマホを取り出して操作する、ふふふ……こないだコッソリ袴田さんが写真見てて、それをバッチリ収めていたのだ!
おっと、これだこれだ!
「括目せよ! 袴田さんこの子の写真見てニヤニヤしてたでしょう?! こんなの尾台さん知ったら尾台さんヤキモチ焼きだから口利いてくれなくなっちゃうんじゃないッスか!」
意気揚々と画面を見せたら、席に戻って来た翔がじーっと覗き込んで……。
「へー可愛いね……んん? っつかコレ」
「ふぅん?」
焦るかと思った袴田さんは数秒写真を見た後に真っ黒な微笑みで俺の頭を撫でてきた。
「ななな、何ッスか!」
「新井君今までありがとうございました、君がいてくれて助かったこともあったとかなかったとか、いやなかったな。他の場所に行っても頑張って下さいね、さようなら」
「ちょちょちょちょちょ、待って待って何で過去形? 髪痛ぁい!」
前髪を鷲掴みにされて眼鏡を直しながら袴田さんは言う。
「それ、尾台さんだから」
「ひぃえ」
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