108 / 154
おしまいの後
総務君達の日常2 ◎
しおりを挟む
「ねーねー袴田さん」
「何沖田君、殴っていいの?」
「言い訳ないでしょ。いいじゃんちょっと話かけたって部下とのコミュニケーション大事でしょうが」
「別に大事じゃないですね。君達は感情のない人形が如く俺のいう事だけ聞いて黙って仕事していればいいと思ってます。なぜかというと、いくらでも替えが利くからです」
眼鏡キリってしている袴田さんの後ろからハイジが肘を引っ張った。
「そんなこと言って~こないだボクが体調悪いって言ったら昼休みに栄養ドリンク買ってきてくれたくせにぃ~このツンデレ上司ちゃん」
「あ? それは君が仕事に穴開けたら俺がリカバーしなきゃならないから、仕方なくなんだけど。仕事ちゃんと引き継いでくれるのなら今すぐ死んでくれても俺は構わないんだけど」
「もう、雄太ったら素直じゃないんだか……っんがぁあ!!」
引っ張った肘を思いっきり、みぞおちに入れられて、ハイジは悶絶して腹を抱え込む、ああもう本当にバカだなアイツは直ぐ調子に乗るんだから。
「で? 沖田君何、くだらねえことだと俺今機嫌悪いから、初めての時みたいに優しくできないかも」
「一服しに行きましょうって言いたかっただけです」
「ああ」
袴田さんは腹を押えるハイジに冷たい視線を送って、蓋の開いてない缶コーヒーを差し出すと席を立った。
「俺がタバコ吸ってる間に、それでも飲んでシャキッとしといて下さいね。グダグダしてたら人事評価の業務態度に響かせます」
そのまま行っちゃって、ハイジは直ぐコーヒー開けて飲んでウメーって背中に手振ってる。
オレも席を立って袴田さんの後を追い掛けた。
正直、袴田さんと話す事なんて特にない。
話題でも振らなきゃオレ達って常に無言だ。
つまらなそうに見えるかな? でも、それでいいのだ、喫煙所で他の部署の奴ら見てると上司にお世辞言ったり愛想笑いしたり大変そうだ。
オレもちょっと顔見知りがいると、何か話さなきゃって焦るしさ。コミュ症だから先に人がいても声掛けるタイミングもわからないし、いつ帰っていいかもわからないから困るんだよ。
その点、袴田さんは無言でも、なんも気にならない。
変に話題探す必要もないし、ただ空見て、おっぱいみたいな雲……って言っても無視される、でも袴田さんが今日は日差し強いなって言ってもオレも答えないし。
そんなオレ達だよ。どうかな寂しいかな、オレは特にそういう風には思わないけどな。
それで喫煙所の扉を開けたら、袴田さんはもう煙草を咥えて煙を吹かしていた。
もちろんオレと目が合っても何も言わないし、表情一つ動かさない、誰だよ総務の袴田君優しいって言ったのは。
でもオレがタバコを取り出したら、袴田さんは何も言わずにライター出して火を点けてくれた。
ちゃんと火が灯ったのを見届けてからポケットに引っ込めて、煙を吐き出す。
そんでやっぱり俺達に会話はなかった。
そんなツンが9割を占める袴田さんだが、1だけはデレるのだ。
もちろん、さっきハイジが言った栄養ドリンクなんかじゃない。
この人はオレ達になんかには死んでもデレないだろうよ。
だって袴田さんのデレはそんなレベルじゃないから、1のデレが尋常じゃない。
ちょうど午後、その瞬間はやってきた、PCに向かっていた袴田さんが突然両拳を握り締めて
゜+。:.+。(っ'ヮ'c)ウゥッヒョオアアァアアアァって……一人で感極まってぷるぷるしてて、何をそんなに? と思って覗き込んだら尾台さんとメールしていた。
内容はこうだ、
【はいはい、もうわがままなんだから。でも頑張ったもんね? じゃあ今夜はーハンバーグとケチャプライスとエビフライ、スパゲッテイとタコさんウィンナーね? 野菜も食べるんですよ! ふふふ雄太君ランチ……楽しみだね。デザートはプリンあーんで食べますか?】
まぁああああってくれよ、オレもわぁあああ!! ってなるわこんなん!!
袴田さんはデレながら返信してて、お前の業務態度いかがなもんだよオイ!! いいなあ、尾台さんが作ってくれるお子様ランチ。
金髪袴田君バージョンもあるから皆でデュフフってしようず。
「何沖田君、殴っていいの?」
「言い訳ないでしょ。いいじゃんちょっと話かけたって部下とのコミュニケーション大事でしょうが」
「別に大事じゃないですね。君達は感情のない人形が如く俺のいう事だけ聞いて黙って仕事していればいいと思ってます。なぜかというと、いくらでも替えが利くからです」
眼鏡キリってしている袴田さんの後ろからハイジが肘を引っ張った。
「そんなこと言って~こないだボクが体調悪いって言ったら昼休みに栄養ドリンク買ってきてくれたくせにぃ~このツンデレ上司ちゃん」
「あ? それは君が仕事に穴開けたら俺がリカバーしなきゃならないから、仕方なくなんだけど。仕事ちゃんと引き継いでくれるのなら今すぐ死んでくれても俺は構わないんだけど」
「もう、雄太ったら素直じゃないんだか……っんがぁあ!!」
引っ張った肘を思いっきり、みぞおちに入れられて、ハイジは悶絶して腹を抱え込む、ああもう本当にバカだなアイツは直ぐ調子に乗るんだから。
「で? 沖田君何、くだらねえことだと俺今機嫌悪いから、初めての時みたいに優しくできないかも」
「一服しに行きましょうって言いたかっただけです」
「ああ」
袴田さんは腹を押えるハイジに冷たい視線を送って、蓋の開いてない缶コーヒーを差し出すと席を立った。
「俺がタバコ吸ってる間に、それでも飲んでシャキッとしといて下さいね。グダグダしてたら人事評価の業務態度に響かせます」
そのまま行っちゃって、ハイジは直ぐコーヒー開けて飲んでウメーって背中に手振ってる。
オレも席を立って袴田さんの後を追い掛けた。
正直、袴田さんと話す事なんて特にない。
話題でも振らなきゃオレ達って常に無言だ。
つまらなそうに見えるかな? でも、それでいいのだ、喫煙所で他の部署の奴ら見てると上司にお世辞言ったり愛想笑いしたり大変そうだ。
オレもちょっと顔見知りがいると、何か話さなきゃって焦るしさ。コミュ症だから先に人がいても声掛けるタイミングもわからないし、いつ帰っていいかもわからないから困るんだよ。
その点、袴田さんは無言でも、なんも気にならない。
変に話題探す必要もないし、ただ空見て、おっぱいみたいな雲……って言っても無視される、でも袴田さんが今日は日差し強いなって言ってもオレも答えないし。
そんなオレ達だよ。どうかな寂しいかな、オレは特にそういう風には思わないけどな。
それで喫煙所の扉を開けたら、袴田さんはもう煙草を咥えて煙を吹かしていた。
もちろんオレと目が合っても何も言わないし、表情一つ動かさない、誰だよ総務の袴田君優しいって言ったのは。
でもオレがタバコを取り出したら、袴田さんは何も言わずにライター出して火を点けてくれた。
ちゃんと火が灯ったのを見届けてからポケットに引っ込めて、煙を吐き出す。
そんでやっぱり俺達に会話はなかった。
そんなツンが9割を占める袴田さんだが、1だけはデレるのだ。
もちろん、さっきハイジが言った栄養ドリンクなんかじゃない。
この人はオレ達になんかには死んでもデレないだろうよ。
だって袴田さんのデレはそんなレベルじゃないから、1のデレが尋常じゃない。
ちょうど午後、その瞬間はやってきた、PCに向かっていた袴田さんが突然両拳を握り締めて
゜+。:.+。(っ'ヮ'c)ウゥッヒョオアアァアアアァって……一人で感極まってぷるぷるしてて、何をそんなに? と思って覗き込んだら尾台さんとメールしていた。
内容はこうだ、
【はいはい、もうわがままなんだから。でも頑張ったもんね? じゃあ今夜はーハンバーグとケチャプライスとエビフライ、スパゲッテイとタコさんウィンナーね? 野菜も食べるんですよ! ふふふ雄太君ランチ……楽しみだね。デザートはプリンあーんで食べますか?】
まぁああああってくれよ、オレもわぁあああ!! ってなるわこんなん!!
袴田さんはデレながら返信してて、お前の業務態度いかがなもんだよオイ!! いいなあ、尾台さんが作ってくれるお子様ランチ。
金髪袴田君バージョンもあるから皆でデュフフってしようず。
0
お気に入りに追加
1,826
あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

勘違いで別れを告げた日から豹変した婚約者が毎晩迫ってきて困っています
Adria
恋愛
詩音は怪我をして実家の病院に診察に行った時に、婚約者のある噂を耳にした。その噂を聞いて、今まで彼が自分に触れなかった理由に気づく。
意を決して彼を解放してあげるつもりで別れを告げると、その日から穏やかだった彼はいなくなり、執着を剥き出しにしたSな彼になってしまった。
戸惑う反面、毎日激愛を注がれ次第に溺れていく――
イラスト:らぎ様
《エブリスタとムーンにも投稿しています》
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている
と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている
と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。