総務の袴田君が実は肉食だった話聞く!?

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おしまいの後

尾台さんのイライラ ※

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 尾台さんが怒っている。

 なぜか俺を睨んでる。

「ねえ尾台さん」
「む」

 ほら、いつもなら何ですかって抱き付いてくるのに、そんな返事。


「どうして怒ってるの」
「オコッテマセン」

 すっごい小さい声で早口で否定してそっぽ向いちゃったし。
「じゃあこっちきて」
「やだ」
「にゃんにゃんさん」
「誰それ知らない」

 ソファーに腰掛けて手広げても飛び付きたそうな顔して我慢してる。
 はて……尾台さんが怒るなんてヤキモチ以外にないんだよなぁ。
 なんかしたっけなぁ。

 とりあえず、素直じゃない手を引っ張って抱き寄せたらやだやだって嫌がりながら胸にくっついてくんだけど、可愛い。

「キスしてもいい?」
「だめ!」
「尾台さん好きだよ」

 髪を撫でて見つめあって不満気な唇に唇を重ねる、軽く触れて離せば足らなかったと物欲しそう唇をむずむずさせるから、もどかしくなって勝手に食べにいってしまう。
 小さくて柔らかい唇が口の中に収まって舐めて歯を割らせて深く交わる。

 舌が絡まれば抵抗していた手の力が抜けて、唾液を飲ませて弱い場所を擦ってやるだけで甘い声が漏れてくる。
 指を絡ませて握って顔を撫でて首をくすぐってもう体温が上がってる。

「袴田くっ……」
「うん?」
「しゅ……き」
「はい」

 キスだけで蕩けた目が泣きそうに滲んで意識しないで言ってる顔だ。
 抱き締めて顔にたくさんキスしてあげたら首に手を回して今度は尾台さんが一生懸命俺の口を食んできた。

「キス上手ですね」
「口気持ちーの」
「俺も気持ちいいです」

 眼鏡外されて細い指が顔を両手で掴んでやらしく舌を絡ませて角度を変えて何度もされて、息荒くしながら俺のを吸い上げて喉が動いてる。

 するつもりはなかったんだけど、そんな淫らな尾台さん見せ付けられたら自然と体に手が伸びた。

「んっ……袴田君、するの?」
「したいですか?」
「うっ……だめ」
「だめなの? 尾台さんエッチ大好きでしょう」
「でも」

 服の上から胸を揉めば腰を揺らして股を俺に擦り付けてきて顔真っ赤にしてるし。

「待っ……袴田君」
「あ? 尾台さんは俺のモノなんだから、俺がいつハメようと俺の勝手だろ」
「んんん、おっぱいぎゅってしちゃダメぇ」
「どうせ濡らしながら言ってるんでしょう。直ぐよがる淫乱に拒否権なんかねぇんだよ」

 髪を寄せた首に強引に噛み付いたらビクンと背筋がしなって力の抜けた体は俺に全てを委ねてきた。








 で、割りと激しめに尾台さんを攻めて何で怒ってるのって体に聞いてるんだけど教えてくれない。

 片足だけ肩に担いで奥まで突っ込む正常位、細い首を呼吸を潰さない程度に締めれば奥から蜜が溢れてくる、トロトロになった中が吸い付いて扱いてきて腰が抜けそうな位快感だ。

「こんな汗かいて涎垂らして気持ち良くてたまんないの? 下品な顔して最高に可愛いよ、ほらこのままイカせてほしいならちゃんと俺の目見ておねだりしろ」
「あっ……んん……イカせて、下しゃ……ぁあお願いお願い、強いの欲しッ……ふぁ」

 んー……これは素直にすんのになぁ。
 とりあえず、俺も頭イカれそうで一緒にイキたくて乱暴に腰を振る。
 飛びそうな視線が可愛いあうあう言ってる唇を塞いで、もう尾台さんは舌の力入らなくなってる。
 飲み込めない唾液を啜りながらきゅうきゅうに締め付ける中に熱い精液を流し込んだ。

 ビクビク最後の一滴まで膣に吸い付くされて、イッたばかりで敏感で引き抜くのが辛い。
「尾台さん力抜いて、くっついてこないで」
「えい!」
「っ……」

 わざとぎゅって締めてきて無理無理。

「出てっちゃダーメ」
「悪戯しないよ」
「ふふふふふ」
「それで何で怒ってるんですか」
「あ、そうだった! 私袴田君とケンカちゅーなんだったぁ! 話掛けないで下さい!」
「俺は尾台さんとケンカしたくないんですけど」

 腰を引いて、飲み込めなかった精液がとろっと穴から垂れて指で掬う、何となく尾台さんの口元に持ってったら舌が出てきて丁寧に舐め取ってくれた。
 俺を見ながら指咥えて舌絡めてきて、へぇこれケンカ中なんだへぇ。

「もっと欲しい?」
「後ろもされたいの」
「だったらやらしくしゃぶって勃たせろよ、自分からお尻向けて誘ってどこに入れて欲しいのか見せて腰振れ」

 尾台さんはきゅっと目を瞑って股をもじつかせて、何も言わずに俺を押し倒すと胸や腹に唇を這わせ弱弱しい愛撫を初めて躊躇なく咥えるんだけど、何でそこは従順な癖に怒ってんだよ。

 一生懸命口動かして手も使って吐きそうになるまで奥に入れて舌動かして、ぬるぬるに勃った所見てうっとりしてる。
 命令通り俺にお尻向けて精液が垂れる穴を奥の真っ赤な肉が見える限界まで広げて震えた声が艶かしく乞う、

「絵夢のぐずぐずになっただらしないマンコに袴田君の大きいおチンチン後ろから入れていっぱい擦ってたくさんイカせて下さい」

 って満点模範解答しながら俺達ケンカ中ってどういう状況だ。

 でもいい子にできたから思いっきり最奥まで捩じ込んで一発でイカせてあげたら甘い悲鳴を上げて痙攣しちゃって涙溢れてて最高に支配欲が満たされる。
 後ろから胸をまさぐって抱き締めてガンガン子宮を突いてキスをねだられて喘ぐ合間に好きって言われて、俺も好きだよって答えてやるけどこの尾台さん怒ってるんだって意味不明。

「ねえそろそろ教えてよ、謝らせて尾台さん」
「やっ」
「俺女の子と仲良くしゃべってた?」
「違う……」

 イライラはしないけど、こういうの慣れてないから対処法が分かんねぇな。

「尾台さんごめんね、怒んないで? 俺と仲良くして下さい」
「理由もなく……あん! 謝、らないで下しゃ……ぃんんん」

 もういいや。

「わかりました」
「ん?」
「訳わかんないから尾台さん気絶させます」
「え? 何そ……」
「どうせ喋ってくれないんでしょう、だったらもう口利けなくさせる。仲直りしてくれないなら言葉なんていらないだろ。疎通のできない意思なんて必要ない」
「袴田君の乱暴者!」
「尾台さんの分からず屋」
「あっん……ひっ!」
 肩に噛み付いて無理矢理キスして限界まで腰を突き出す、細い体を揺さぶったら尾台さんは泣きながら乱れて堕ちていった。



 予言通り尾台さんは俺の胸ですやすや眠ってて、うん何の意味もなかった、あそこまでしたら観念して喋ると思ったのに快楽攻め失敗。



 そして、翌日やっぱり尾台さんとの距離感がぎこちない、甘えてきて、はっ! しまった!! ってやってツンってしてる。
 もーなんなんだよもー!!

 時間が解決してくれるのかなっと思った昼休み、お弁当箱を開けたら両側の二人が覗いてきて驚いていた。

「えー袴田さん! 尾台さんとケンカしてんスか」
「めっちゃ怒ってるじゃないですか」

 一段目のふりかけのかかったご飯はいい、問題は二段目のおかずの段で、いつもは彩り良く美味しそうなおかずが入っているのに、今日はプチトマトで埋め尽くされてるのだ。
 艶々で綺麗だけど、ぎっしりプチトマトが敷き詰められてて軽く狂気を感じるぞ。

「へぇ尾台さんってこういう怒り方するんスね」
「でも一段目はお米にしてくれる所に優しさを感じます。ハイジ中学の時ママ怒らせて弁当箱に雑巾入れられてたもんな」
「ビビったよなアレ、購買行ったら財布の中の金全部抜き取られてバブが入ってた」
「何をしてそんな仕打ちを?」
「母さんの好きなアイドルグループの写真集にお茶漬けぶっかけたんスよ、もちろんわざとじゃないのに」
「でも、へえ……尾台さん温厚だし、いつも仲良い印象しかないけど一か月も付き合うとさすがにケンカ位はするんですね」
「一か月?」
「え? そんくらい経ったでしょう?」
「袴田さんが脅迫状書いてた朝から一か月かーっつかあんなんで本当に落としてるからスゲーよな、しかも婚約までこぎ着けるって袴田さんガイジ入ってますね」

 ああ、そうか一か月……俺がプロポーズしてから一か月経つのか、あ、マジそういうの大事にするの尾台さん……いや、大事にするに決まってるか、初めての彼氏だもんな。

「ああ……んっと」

 眼鏡を直して声を整えた。

「何スか」
「君達って何で生きてるんだろうって常に疑問だったんですけど、今日初めて感謝の念を抱いています、ありがとう」
「止めて下さいよそんな事を常に思ってるの、涙で午後仕事できなくなるじゃないですか。ねえ生きる権利は平等だよ? 袴田君、地球は皆のホスピタルさ」
「素直にありがとうって言えない病気にでもかかってるんスか」
「はあ、気付けて良かった良かった」



 愛妻弁当を平らげて、早速彼女に会いに行った。

 尾台さんは自席でお弁当を食べてて、自分まで二段目トマトにする必要はないと思うんだけどゆっくりトマトを噛み締めている。
 背後に立って先に久瀬さんが俺に気付いて睨んでくる、おめー何記念日忘れてんだよみたいな目だ。
 眼鏡を押し込んで深呼吸、





「すみません尾台さん、これ……ちょっと確認してもらってもいいですか」
「ひッ!!」



 直前まで俺の話をしていたのか薄い肩がビクってしておずおずこっちに振り返る。



「これ……」
「はい」

 左上をクリップで閉じた書類を彼女の顔の前に持って来て一ページ目を捲った。






【遅れてごめんなさい】




 尾台さんは瞬きをして、次を捲る。



【好きです】




 そしたら、尾台さんが次を捲って。





【愛してます】




 俺が捲って、



【絶対結婚しましょうね】





 一緒に最後のページを捲った。





【帰ったら仲直りエッチさせて下さい】




 自分で書いた癖にちょっと恥ずかしくなって眼鏡触ったら、尾台さんは嬉しそうに目を伏せて表紙に猫の付箋を貼ってくれた。







【大好き】






 と付箋には既に書かれていて倒れるかと思った。



 ああ本当に尾台さんが好き過ぎる。
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