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目標設定シートかぁ……。
事務職は営業職と違って売り上げがないので目標を数値化して具体的な要素を盛り込むことが難しいから、いっつも悩む。
それでも期日を書いたり出来る限り数字にして目標は明確に丁寧に書いてるつもりだけど。
毎度毎度大変だけど、でもこの制度のお陰でお給料がぐんっとアップしたしね。
個人で定めた目標をクリアできれば評価が上がってお給料が上がるシステム。
前まではどんな理由で給料が上がってるのかわからなかった。
しかも、押し付けられた仕事のせいで起こったミスや業務の遅れで始末書書いたりなんかして、頑張って成果を上げても帳消しされちゃってたんだよね。
まあ、あの時は業績よりも会社に来ることに必死だったしなぁ……。
で、この他にも営業頑張ったり優秀な人には賞与と別にインセンティブが支給される。
桐生さん凄い額貰ってるって聞いたな、でもそれまでなかった方が可笑しいんだよね、それくらい頑張ってたもん。
今まで自分がどれだけ仕事してたか分からなかったし、最後の所で私がやるわって葛西さんに持ってかれちゃう事もあったから、目標や業績を可視できるこういう制度は助かってる。
「あれ、何だほとんど書けてるじゃん」
「ああ、えっと……はい」
三階のミーティングルームは六人掛けのテーブルが一つ設置されてるだけの狭い部屋だ。
ここしか空いてなくてゲッ! って思ったけど仕方ないです、行きます。
時間になってドアを叩いたら桐生さんは既にいてPCで仕事をしていた。
「すみません、お待たせしました」
「待ってない待ってない、まだ十分前だろ」
手を振る桐生さんの腕時計がキラキラ光っていた。
前の席に座ろうとしたら、隣の席叩かれて、
「ちょっとPCで一緒に見てもらいたいからこっち来て」
「はい」
筆箱とファイルと巾着と……巾着の中にはミルクティーが入ってる。
荷物を置いて隣座って髪を結わいて背筋を伸ばした。
「期日を守らなくてすみませんでした。時間まで取ってもらって……桐生さん忙しいのに」
「ん? 僕達はチームだからね? 忙しいからって仲間見捨てたらどんな仕事も勝てないよ」
歯を見せて笑う桐生さんは、誠実で潔癖で淀みのない誰からも信頼されてる好青年だ。
チームチームって口癖がうるさくて、何でもスポーツになぞってくるから、ウザいよ桐生ってたまに言われてるけど、この仲間思いな感じ私は好きだな。
「で、シートどこまで埋まってるの? 見せてみな」
「はい」
「あれ、何だほとんど書けてるじゃん」
「あのえっと……はい」
目標シートは何項目かあって、実は最後以外埋まっていた。
最後は自己開発、啓発、スキルアップについてって項目でここが結構自由に書けるもんだから、眼鏡の人に産休目標にしたらどうですか(にやり)って言われてもじついてたのだ。
「業務関連の目標はこれでいいんじゃないの。で、はあ? 自己開発? こんなん一番適当でいいとこだろ、英語勉強します、とか資格の勉強します、とか書いときゃいーじゃん(受かるとは言ってない)みたいな」
「そんな適当な目標はアレですけど、だって本当に忘れてて今直ぐ出します! って思ったのに桐生さんがそのまま持ってこいって言うから」
「何? 僕のせい?」
意地悪に眉を上げられて、
「すみません、忘れた私の責任です」
頭を下げたら、ポンポンされてさっきまでの意地悪な表情は消えていた。
「ああ……尾台はさ、すみませんじゃなくてありがとうの回数や増やした方がいいな」
「え? ああすみません」
「それ」
「ああ、え? あの、やだすみませ」
「ストップ!」
「ん」
唇を人差し指で押されて黙った。
「わざとやってるの? ちょっとした時のさ……ほら荷物持ったり書類渡したり、尾台すみませんって返事するだろ? あれ、ありがとうございますって笑った方がいいよ」
「あ、りがとうございます?」
「そ、そ! ほら目標に書いて! 書いて!」
「え? こんなんでいいんですか」
「いいんじゃないの? 大事だろ笑顔、営業事務なんだからさ。私もニッコリあなたもニッコリ、笑顔を増やしてその場の空気を和ませます! 私の笑顔で取り引きが円滑に進むように努力します! ってそれっぽく書いとけよ」
「ちょっと待って待って! メモとります、私もニッコリあなたも何ですか?」
「真面目か」
軽く頭に手刀されたんだけど、だって! そんな風に書いた事ないから。
「覚えてないの? 【尾台絵夢です笑顔の笑むで頑張ります!】って入社式の時言っ」
「もぉおおお!!! そういう恥ずかしい過去掘り返さなくていいですからぁ!」
「上司を叩くなよ」
「ああもう……はいわかりましたそれっぽく書いときます。ア、アリガトウゴザイマス」
「引きつった笑顔も可愛いよ尾台。こないだ久瀬さんにバイトでも目標くらいは設定してみたら? ってもっとザックリした設定シート渡したら、二酸化炭素排出量削減って規模だけはデカイ事書いてるからコレ何? って聞いたらお仕事ちゅーはえっちゃんとおしゃべり程々にしま~す☆ ってふざけた回答だったよ」
「ふふふ」
めぐちゃんっぽくて、その風景が頭に浮かんで思わず笑ったら桐生さんは頭を撫でてきた。
「やっぱり本当の笑顔には負けるな」
って目を細めて言われて、ちょっと頭に乗った手を意識してしまった。
最近、袴田君にいっぱい撫でられてて……袴田君はもっとこう軽いって言うか頭に触れた手を滑らせるみたいなソフトタッチなんだ。
私から擦り寄っていかないともどかしい位で、指先で繊細になぞられてもっともっとってなる感じ。
桐生さんは力強くて頭揺れるレベル。
「良かった」
「はい?」
「だって初めてだろ? 仕事遅れる事はあっても尾台が仕事忘れるなんて過去になかったから、何か深刻に悩んでるのかと思ったよ。目標が書けないって退職したいのかな……とか」
「ええ!! やだ! 違いますよ!」
「後はほら…………結婚したい、とか?」
「結婚……?」
「否定しないの?」
「だってそれアクションプランに書くことじゃないですよね」
「そーだな…………ま、いっかPC見てもらっていい? 仕事の話しようか、ちょっと頭借して」
「はい」
焦った……。
そっか、もし結婚するってなったら、まずは課長に伝えるんだから桐生さんに言うんだ。
でもそうだな……本当に結婚だ出産だってなって今のこの状態で仕事をお休みするのは、凄い皆に迷惑かけるんじゃないのかな。
というか、こないだ経理の人で不妊治療悩んでる人いたな……それで急に私が産休とか……直接関係ある訳じゃないけど……受付のギャルさん達は袴田君が好きなんだっけ? めぐちゃんも笑ってるけどまだ辛いよね? 私だけ一人浮かれてるのってなんか……。
あれ、ちょっと身の回りを考えただけでも色々あるんだな。
でも、そんな事悩んだって袴田君といると、もっともっと側にいたいって思うし、それってやっぱり一緒になるって意味だと思うし……。
仕事はもちろん大事だけど、それを理由に私はどこまで自分を我慢すればいいのだろう。
「尾台……?」
「うん? はい、聞いてますよ」
「ま、そんなんで見せたいもんも終わったな」
「お役に立てて良かったです」
「お、まだ三十分も時間残ってんじゃん、よっしゃ寝よ! 五時になったら起こして」
時計見た桐生さんは机に突っ伏した。
「就労時間中ですよ大丈夫なんですか」
「お前がそれ言う?」
うつ伏せから顔だけこっち向けて言われて。
「え?」
「じゃあ僕に何か言いたい事ある?」
「言いたい事…………」
「あるだろー? おめでとうとかさ」
「ああ、そうですね! ありますあります! 個人的な話だったから帰り際に渡そうと思ったんですが」
「なあに?」
巾着からミルクティーを取り出すと机に置いて、桐生さんに近付けた。
「まず、課長おめでとうございます。身近な人が昇進するって初めての経験だったのでとっても嬉しかったです。桐生さんは謙遜してましたけど、課長の役割を聞いて私は桐生さんが課長で適任だなって思いましたよ。私ずっと側で見てきたからわかります、気配りができて努力家でリーダーシップが取れて全体を見渡しながら仕事進めてるじゃないですか、管理職ピッタリですよ絶対偉くなる人だって思ってました」
桐生さんは顔を起こさないまま手前にある缶を手に取って私と交互に眺めた。
「うん、ありがと」
「それと、ああっと……ずっと言いたかった事があって」
「うん」
結わいていた髪を解いて、お金より言葉……瞼を閉じて深呼吸して視界を開いた。
事務職は営業職と違って売り上げがないので目標を数値化して具体的な要素を盛り込むことが難しいから、いっつも悩む。
それでも期日を書いたり出来る限り数字にして目標は明確に丁寧に書いてるつもりだけど。
毎度毎度大変だけど、でもこの制度のお陰でお給料がぐんっとアップしたしね。
個人で定めた目標をクリアできれば評価が上がってお給料が上がるシステム。
前まではどんな理由で給料が上がってるのかわからなかった。
しかも、押し付けられた仕事のせいで起こったミスや業務の遅れで始末書書いたりなんかして、頑張って成果を上げても帳消しされちゃってたんだよね。
まあ、あの時は業績よりも会社に来ることに必死だったしなぁ……。
で、この他にも営業頑張ったり優秀な人には賞与と別にインセンティブが支給される。
桐生さん凄い額貰ってるって聞いたな、でもそれまでなかった方が可笑しいんだよね、それくらい頑張ってたもん。
今まで自分がどれだけ仕事してたか分からなかったし、最後の所で私がやるわって葛西さんに持ってかれちゃう事もあったから、目標や業績を可視できるこういう制度は助かってる。
「あれ、何だほとんど書けてるじゃん」
「ああ、えっと……はい」
三階のミーティングルームは六人掛けのテーブルが一つ設置されてるだけの狭い部屋だ。
ここしか空いてなくてゲッ! って思ったけど仕方ないです、行きます。
時間になってドアを叩いたら桐生さんは既にいてPCで仕事をしていた。
「すみません、お待たせしました」
「待ってない待ってない、まだ十分前だろ」
手を振る桐生さんの腕時計がキラキラ光っていた。
前の席に座ろうとしたら、隣の席叩かれて、
「ちょっとPCで一緒に見てもらいたいからこっち来て」
「はい」
筆箱とファイルと巾着と……巾着の中にはミルクティーが入ってる。
荷物を置いて隣座って髪を結わいて背筋を伸ばした。
「期日を守らなくてすみませんでした。時間まで取ってもらって……桐生さん忙しいのに」
「ん? 僕達はチームだからね? 忙しいからって仲間見捨てたらどんな仕事も勝てないよ」
歯を見せて笑う桐生さんは、誠実で潔癖で淀みのない誰からも信頼されてる好青年だ。
チームチームって口癖がうるさくて、何でもスポーツになぞってくるから、ウザいよ桐生ってたまに言われてるけど、この仲間思いな感じ私は好きだな。
「で、シートどこまで埋まってるの? 見せてみな」
「はい」
「あれ、何だほとんど書けてるじゃん」
「あのえっと……はい」
目標シートは何項目かあって、実は最後以外埋まっていた。
最後は自己開発、啓発、スキルアップについてって項目でここが結構自由に書けるもんだから、眼鏡の人に産休目標にしたらどうですか(にやり)って言われてもじついてたのだ。
「業務関連の目標はこれでいいんじゃないの。で、はあ? 自己開発? こんなん一番適当でいいとこだろ、英語勉強します、とか資格の勉強します、とか書いときゃいーじゃん(受かるとは言ってない)みたいな」
「そんな適当な目標はアレですけど、だって本当に忘れてて今直ぐ出します! って思ったのに桐生さんがそのまま持ってこいって言うから」
「何? 僕のせい?」
意地悪に眉を上げられて、
「すみません、忘れた私の責任です」
頭を下げたら、ポンポンされてさっきまでの意地悪な表情は消えていた。
「ああ……尾台はさ、すみませんじゃなくてありがとうの回数や増やした方がいいな」
「え? ああすみません」
「それ」
「ああ、え? あの、やだすみませ」
「ストップ!」
「ん」
唇を人差し指で押されて黙った。
「わざとやってるの? ちょっとした時のさ……ほら荷物持ったり書類渡したり、尾台すみませんって返事するだろ? あれ、ありがとうございますって笑った方がいいよ」
「あ、りがとうございます?」
「そ、そ! ほら目標に書いて! 書いて!」
「え? こんなんでいいんですか」
「いいんじゃないの? 大事だろ笑顔、営業事務なんだからさ。私もニッコリあなたもニッコリ、笑顔を増やしてその場の空気を和ませます! 私の笑顔で取り引きが円滑に進むように努力します! ってそれっぽく書いとけよ」
「ちょっと待って待って! メモとります、私もニッコリあなたも何ですか?」
「真面目か」
軽く頭に手刀されたんだけど、だって! そんな風に書いた事ないから。
「覚えてないの? 【尾台絵夢です笑顔の笑むで頑張ります!】って入社式の時言っ」
「もぉおおお!!! そういう恥ずかしい過去掘り返さなくていいですからぁ!」
「上司を叩くなよ」
「ああもう……はいわかりましたそれっぽく書いときます。ア、アリガトウゴザイマス」
「引きつった笑顔も可愛いよ尾台。こないだ久瀬さんにバイトでも目標くらいは設定してみたら? ってもっとザックリした設定シート渡したら、二酸化炭素排出量削減って規模だけはデカイ事書いてるからコレ何? って聞いたらお仕事ちゅーはえっちゃんとおしゃべり程々にしま~す☆ ってふざけた回答だったよ」
「ふふふ」
めぐちゃんっぽくて、その風景が頭に浮かんで思わず笑ったら桐生さんは頭を撫でてきた。
「やっぱり本当の笑顔には負けるな」
って目を細めて言われて、ちょっと頭に乗った手を意識してしまった。
最近、袴田君にいっぱい撫でられてて……袴田君はもっとこう軽いって言うか頭に触れた手を滑らせるみたいなソフトタッチなんだ。
私から擦り寄っていかないともどかしい位で、指先で繊細になぞられてもっともっとってなる感じ。
桐生さんは力強くて頭揺れるレベル。
「良かった」
「はい?」
「だって初めてだろ? 仕事遅れる事はあっても尾台が仕事忘れるなんて過去になかったから、何か深刻に悩んでるのかと思ったよ。目標が書けないって退職したいのかな……とか」
「ええ!! やだ! 違いますよ!」
「後はほら…………結婚したい、とか?」
「結婚……?」
「否定しないの?」
「だってそれアクションプランに書くことじゃないですよね」
「そーだな…………ま、いっかPC見てもらっていい? 仕事の話しようか、ちょっと頭借して」
「はい」
焦った……。
そっか、もし結婚するってなったら、まずは課長に伝えるんだから桐生さんに言うんだ。
でもそうだな……本当に結婚だ出産だってなって今のこの状態で仕事をお休みするのは、凄い皆に迷惑かけるんじゃないのかな。
というか、こないだ経理の人で不妊治療悩んでる人いたな……それで急に私が産休とか……直接関係ある訳じゃないけど……受付のギャルさん達は袴田君が好きなんだっけ? めぐちゃんも笑ってるけどまだ辛いよね? 私だけ一人浮かれてるのってなんか……。
あれ、ちょっと身の回りを考えただけでも色々あるんだな。
でも、そんな事悩んだって袴田君といると、もっともっと側にいたいって思うし、それってやっぱり一緒になるって意味だと思うし……。
仕事はもちろん大事だけど、それを理由に私はどこまで自分を我慢すればいいのだろう。
「尾台……?」
「うん? はい、聞いてますよ」
「ま、そんなんで見せたいもんも終わったな」
「お役に立てて良かったです」
「お、まだ三十分も時間残ってんじゃん、よっしゃ寝よ! 五時になったら起こして」
時計見た桐生さんは机に突っ伏した。
「就労時間中ですよ大丈夫なんですか」
「お前がそれ言う?」
うつ伏せから顔だけこっち向けて言われて。
「え?」
「じゃあ僕に何か言いたい事ある?」
「言いたい事…………」
「あるだろー? おめでとうとかさ」
「ああ、そうですね! ありますあります! 個人的な話だったから帰り際に渡そうと思ったんですが」
「なあに?」
巾着からミルクティーを取り出すと机に置いて、桐生さんに近付けた。
「まず、課長おめでとうございます。身近な人が昇進するって初めての経験だったのでとっても嬉しかったです。桐生さんは謙遜してましたけど、課長の役割を聞いて私は桐生さんが課長で適任だなって思いましたよ。私ずっと側で見てきたからわかります、気配りができて努力家でリーダーシップが取れて全体を見渡しながら仕事進めてるじゃないですか、管理職ピッタリですよ絶対偉くなる人だって思ってました」
桐生さんは顔を起こさないまま手前にある缶を手に取って私と交互に眺めた。
「うん、ありがと」
「それと、ああっと……ずっと言いたかった事があって」
「うん」
結わいていた髪を解いて、お金より言葉……瞼を閉じて深呼吸して視界を開いた。
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