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寧々ちゃんまだまだ寵愛中
寧々ちゃんの神様?
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最寄り駅に着いて、階段を降りた改札前のちょっとしたスペースでどら焼きが売られていた。
二日間だけの出張販売、普通のどら焼きじゃなくて、生地に黒蜜が練り込まれててほんのり焦げたような香りがして、甘さ控えめな餡子とクリームが入ってるの、ちょっと変わったどら焼きだ。
他にも苺クリーム餡やバナナクリーム餡って、正統派にはふざけんな! のどら焼きかもしれないけれど、辰巳さんこれ好きだったなあって思い出した。本店がある町にお散歩した時、半分こしたの覚えてる。
半分に割ったらいつも大きい方くれるのに、その日は割り口じっと見てたから、小さい方下さいって言ったらにっこり笑った顔がちょっと照れていたのだ、あ、これ好きなんだって思った、私の可愛い可愛い辰巳さん。
よし買ってこって、一種類づ頼んで一緒に食べるの想像して楽しい帰路。
今日はね~辰巳さん外で打ち合わせがあって、そのまま直帰するって言ってたから私より先に家着いてると思うのだ。
会社と電車の中でゲームやりすぎて充電なくなっちゃって連絡取れてないんだけど、家に帰れば辰巳さんがいるからいーんだもん!
どら焼きつまみ食いしたいけど、我慢よ寧々!! 右手の誘惑と葛藤しながら帰って玄関開ければ、そこには革靴が脱ぎ捨てられていた。
ん? んんん??
いつも綺麗に靴揃えて脱いでる辰巳さんがこんな脱ぎ方……? え? ちょっと待って具合悪いのかな?
靴揃えるのも億劫だったの? だってそうだよね、大体出向や打ち合わがあっても一度は会社にきて私に会いに来てくれるもんな? それが今日は直帰。
そっか体調悪かったのか辰巳さん!! って心配で泣きそうになって、早くどら焼き食べさせてあげなきゃって部屋に急いだ。
あ、靴揃えなきゃ怒られちゃう。
お靴ピチッてしてなんなら、辰巳さんのも、ピチッ……して…………ん? この靴? ……まあいいや、私の大好きなエロちゃんどこ!!
って居間開けたら、意外と直にいた、こたつで寝てた。
机に頭を預けてるから、おっきな背中だけが見えて、お着替えはできたんだ。
なら、お部屋で寝ればいいのに、って思ったけど私の事待ってる間に寝ちゃったのかな?
とりあえず、だーれだ? じゃなくて、寧ー々だ! したいから背中に飛び付かねば。
体調悪いんだから、助走は軽めにしてえいってくっつく。
「ただいま辰巳さん、おかえりなさい大好きです」
「…………んん?」
しゅき~ってゴロゴロすりすりし…………あ? うう??
あれ??? あれれ??? これなんか、あれ??
背中、薄い? お腹に回した手で体まさぐって、これ? ん? 何か筋肉とか違う? 匂いも?
え!!!!
誰だこの人って甘い時間が恐怖に変わった瞬間、お腹に回した手を掴まれて、大きな背中が起き上がる。
辰巳さんくらい、背が伸びて、その頭は金髪なんだけど、襟足は短くて刈り上げてて……やだやだ、この人本当に誰?!! 恐くって逃げたいのに、手掴まえられてて離れない、あくびの声が聞こえてゆっくり金髪がこちらに振り向いた。
「誰だお前」
「?!」
そこには私とお揃いの眼鏡がなくて……瞳こそ緑だけれど全然辰巳さん違う!! 前髪の金髪は癖がなくて、肌の色は青白くて、体の作りも華奢だ。
あの私の大好きなDIYで培われた筋肉皆無で、ピアスもいっぱい開いてるし怖い! …………何より、若い? この人誰?!!
声も出ないまま見つめ合って、その人は私をジロジロ見た後掴んだ右手を見て言った。
「お? マジか、指輪してんじゃんアンタ」
「??」
吊り上げられた右手には辰巳さんから貰った金色のリングが光って、よく見たら私の手首を握るその人の小指にも指輪が光っている、そうお揃い。
指輪にキスされて、ひええ! ってなるけど、まだ声でなくて、でも抵抗しなきゃってやだやだ暴れて、手抜いて体離して後退った。
座ったままずりずり後ろに下がって背中に障子がぶつかって、その人は体をこっちに向けて私を捉える。
「へえ兄貴が彼女、ねえ? いや彼女じゃないか指輪してるんだもんな? 婚約者なのか? 結婚したとは聞いてねえし」
「!」
え? 兄貴って言った? 兄貴??
じゃあこの人、あの……辰巳さんの弟……? 辰巳さんが言うにはどこで何してるのか分からないって言ってた弟??
10歳年が離れてるから、仲良くも悪くもなかったって聞いた、ん? じゃあこの人29歳?
身内なら一安心なのかなって思ったのに、何かニヤニヤしながらこっちくる。
「へえ、あの兄貴に女かあー……ああ、いやね? 家入った瞬間に誰か住み付いてるとは思ったよ。匂いが変わってるし、増える事はあっても減る事はなかった本が整理されてるし、家が明るくなってるしな。そんなのありえなかったから、兄貴に心情の変化があったのかな、とは思ったけど」
「…………」
「まさかこんな子供みたいな女とはね」
「!!」
あ、超失礼!! ってなったけど、全くお色気のないモサ眼鏡だから言い返せず黙るしかない。
だってやっぱり辰巳さんの弟だけあって、めちゃめちゃ美形なんだよ話した事ない人種、そっか辰巳さんの20代ってこんな感じだったのかなって思わせる表情の青さ。
「あのルックスと学歴に、温和な性格ときたら、あっちこっち女が湧いてくるだろ? しかもこんな場所に土地も持っててさ? でも兄貴ときたら本を読む時は水を得た魚だけど、女見る時は死んだ魚の目だったからなあ」
「…………」
そ、そうなんだ。
よくわかんないけど、第三者? から聞く辰巳さんの話って初めてだったから、聞き入ってたら、いつの間にか至近距離まで迫られていた。
「何? アンタもしかして眼鏡外すとすっげーエロくなる特殊機能付きなの?」
「??!」
ないないって首振れば、寄りかかってる障子の横のとこに手突かれて、眼鏡はないけど、細めた威圧的な瞳は辰巳さんそっくりだった。
「ないよな、こんなモブ眼鏡に。ああでもそっか結構胸ありそうだな? いや、別に兄貴って乳なんか興味ねえもんな、これ見よがしな乳強調させてる女なんて腐る程いたし。うーん、それにしてもこんな小さい体ハメ倒してるってマジかよ、アンタ夜になると兄貴に跨って腰振ったりすんの? 想像つかねえなあ…………でも」
「!!!?」
顎持ち上げられて、股に膝が入ってきて、まだ変なことされてないけど、顔近すぎて押し返したい怖い、できない。
「やっぱ婚約するくらいなんだから、体がイイんだろ? 気持ちいいの? アンタのココ」
「!」
「ええー顔赤くしてイイ顔するじゃん、この先もすげー気になる」
気になってもダメ!! っていっぱい顔振っても距離迫ってきてとりあえずちゅうされないように、唇にしまっておく。
そしたらクスッて笑われて、その顔辰巳さんそっくりで怯んだら耳の下の所にぬるい唇が触れて、ゾワって鳥肌立ってしまった。
「ヤバイ、アンタすっげーいい匂いすんね、よく見たら可愛いしちょっと味見してい?」
「……ぃ、ゃ」
「煽られるーその涙目最高にイイネ」
「よくないよ、ドーラ」
傾いた顔が近付いて、キスされちゃうってぎゅうて床に付いた手を握ったら、私の神様の声がした。
ドーラ? の頭頂部にドサっとどら焼き屋さんの袋が落ちて、動きが止まる。
「辰巳さッ!!」
「ただいま寧々ちゃん」
抱っこで助けだしてくれて、直に足を大きな体に絡ませた、っもうだいしゅきホールドですよ! 頭抱え込んで寧々怖かった!!
「ッんだよー相変わらす冗談の通じない男だね」
「相手が涙を見せてるのに冗談で通そうとするクズは死んでいいと思うよ。殺してあげようか」
首に巻き付いて、とりあえず嫌だった! の意思表示に辰巳さん越しに睨んでおくのだ。
「あ? 何だよその目、元はと言えばそいつが俺に抱き付いてきたんだぞ? 辰巳さん大好きですって」
「!!!!!!」
「うん?」
辰巳さんが低く唸って、後ろ髪掴まれてしまって顔を引き剥がされる、あ、やだ怒っちゃう。
「寧々」
「あ! だ、だって靴脱ぎ散らかしてあって、こたつで寝てたから、具合悪いのかなって、私知らなくて……」
「ああ、なるほど……僕、今日は弟が来てるからって連絡したんだけど?」
「え? 嘘ごめんなさい、充電切れちゃってて……携帯見てないです」
「そうか、それは仕方ないね」
って言ってるけど、その眼鏡の奥が全然仕方ないって思ってない。
そう、この据わった翡翠は経緯は理解できたし、不可抗力でしょうけど、僕納得してませんよ、の顔。
私が男の社員さんと談笑してると、楽しそうだったね? って笑って言ってくる時の顔!!
よって……。
「ドロフェイ」
「何」
「せっかく三人で仲良く夕飯囲みたかったんだけど、僕の妻は欠席するから宜しく」
「あっれー? 何か俺まじーこと言った? 俺だって辰巳だしー間違ってないもーん」
「いや? 彼女への愛が再確認できていい機会でした」
「ぁぅ、辰巳さん怒ってる?」
「怒ってませんよ」
って言いながらやっぱ怒ってる顔!! 辰巳さんは抱っこしたまま、目あわざわ合えばキスしてきて、あ、待ってまだ自己紹介もしてないのに。
でも親指口に突っ込んで無理矢理口開けてくるこの辰巳さんは、言う事聞けってちょっと調教入ってるから素直に聞かないと後でいっぱいごめんなさいしないといけなくなっちゃう。
人前だけど、いっぱいキスして、薄目で目が合えば緑の瞳はもう濡れててそんな目で見られたら、私の体はじんっと熱くなってしまう。
ダメ、理性! って分かってても、辰巳さんが角度を変えて深く唇噛み合わせてきて、口の奥の奥まで舌を伸ばしてくるから、ぞわぞわしてもう声が我慢できなかった。
差し出した舌をきりって噛まれて、気持よくて大きな体抱き締めて、呼吸の合間に名前呼んでくれるから嬉しいし、好きだよって言ってくれるの、心臓の音どんどん加速して、体あっつくなって、早くえっちしたい、えっちしたいいっぱい体の中擦られたい。
「辰巳さん辰巳さん」
「ここで開けちゃダメだよ」
プチプチって自分でブラウスのボタンを肌蹴させれば、大きな手に止められて、続きがしたいから、だったらもっとちゅうだ、自分から辰巳さんの口食みにいって、音いっぱいさせてたら辰巳さんの体が動いた。
「そんなんだから、僕達少し上にこもるので、お前はもうちょっと寝てな? 後で起こしに来る。挨拶は明日でいいよね」
「ん、了ー解あんまドスドスすんなよな」
「んんぅ……辰巳さ……?」
「何も心配いらないよ、いっぱいしようね。大好きだよ寧々」
二日間だけの出張販売、普通のどら焼きじゃなくて、生地に黒蜜が練り込まれててほんのり焦げたような香りがして、甘さ控えめな餡子とクリームが入ってるの、ちょっと変わったどら焼きだ。
他にも苺クリーム餡やバナナクリーム餡って、正統派にはふざけんな! のどら焼きかもしれないけれど、辰巳さんこれ好きだったなあって思い出した。本店がある町にお散歩した時、半分こしたの覚えてる。
半分に割ったらいつも大きい方くれるのに、その日は割り口じっと見てたから、小さい方下さいって言ったらにっこり笑った顔がちょっと照れていたのだ、あ、これ好きなんだって思った、私の可愛い可愛い辰巳さん。
よし買ってこって、一種類づ頼んで一緒に食べるの想像して楽しい帰路。
今日はね~辰巳さん外で打ち合わせがあって、そのまま直帰するって言ってたから私より先に家着いてると思うのだ。
会社と電車の中でゲームやりすぎて充電なくなっちゃって連絡取れてないんだけど、家に帰れば辰巳さんがいるからいーんだもん!
どら焼きつまみ食いしたいけど、我慢よ寧々!! 右手の誘惑と葛藤しながら帰って玄関開ければ、そこには革靴が脱ぎ捨てられていた。
ん? んんん??
いつも綺麗に靴揃えて脱いでる辰巳さんがこんな脱ぎ方……? え? ちょっと待って具合悪いのかな?
靴揃えるのも億劫だったの? だってそうだよね、大体出向や打ち合わがあっても一度は会社にきて私に会いに来てくれるもんな? それが今日は直帰。
そっか体調悪かったのか辰巳さん!! って心配で泣きそうになって、早くどら焼き食べさせてあげなきゃって部屋に急いだ。
あ、靴揃えなきゃ怒られちゃう。
お靴ピチッてしてなんなら、辰巳さんのも、ピチッ……して…………ん? この靴? ……まあいいや、私の大好きなエロちゃんどこ!!
って居間開けたら、意外と直にいた、こたつで寝てた。
机に頭を預けてるから、おっきな背中だけが見えて、お着替えはできたんだ。
なら、お部屋で寝ればいいのに、って思ったけど私の事待ってる間に寝ちゃったのかな?
とりあえず、だーれだ? じゃなくて、寧ー々だ! したいから背中に飛び付かねば。
体調悪いんだから、助走は軽めにしてえいってくっつく。
「ただいま辰巳さん、おかえりなさい大好きです」
「…………んん?」
しゅき~ってゴロゴロすりすりし…………あ? うう??
あれ??? あれれ??? これなんか、あれ??
背中、薄い? お腹に回した手で体まさぐって、これ? ん? 何か筋肉とか違う? 匂いも?
え!!!!
誰だこの人って甘い時間が恐怖に変わった瞬間、お腹に回した手を掴まれて、大きな背中が起き上がる。
辰巳さんくらい、背が伸びて、その頭は金髪なんだけど、襟足は短くて刈り上げてて……やだやだ、この人本当に誰?!! 恐くって逃げたいのに、手掴まえられてて離れない、あくびの声が聞こえてゆっくり金髪がこちらに振り向いた。
「誰だお前」
「?!」
そこには私とお揃いの眼鏡がなくて……瞳こそ緑だけれど全然辰巳さん違う!! 前髪の金髪は癖がなくて、肌の色は青白くて、体の作りも華奢だ。
あの私の大好きなDIYで培われた筋肉皆無で、ピアスもいっぱい開いてるし怖い! …………何より、若い? この人誰?!!
声も出ないまま見つめ合って、その人は私をジロジロ見た後掴んだ右手を見て言った。
「お? マジか、指輪してんじゃんアンタ」
「??」
吊り上げられた右手には辰巳さんから貰った金色のリングが光って、よく見たら私の手首を握るその人の小指にも指輪が光っている、そうお揃い。
指輪にキスされて、ひええ! ってなるけど、まだ声でなくて、でも抵抗しなきゃってやだやだ暴れて、手抜いて体離して後退った。
座ったままずりずり後ろに下がって背中に障子がぶつかって、その人は体をこっちに向けて私を捉える。
「へえ兄貴が彼女、ねえ? いや彼女じゃないか指輪してるんだもんな? 婚約者なのか? 結婚したとは聞いてねえし」
「!」
え? 兄貴って言った? 兄貴??
じゃあこの人、あの……辰巳さんの弟……? 辰巳さんが言うにはどこで何してるのか分からないって言ってた弟??
10歳年が離れてるから、仲良くも悪くもなかったって聞いた、ん? じゃあこの人29歳?
身内なら一安心なのかなって思ったのに、何かニヤニヤしながらこっちくる。
「へえ、あの兄貴に女かあー……ああ、いやね? 家入った瞬間に誰か住み付いてるとは思ったよ。匂いが変わってるし、増える事はあっても減る事はなかった本が整理されてるし、家が明るくなってるしな。そんなのありえなかったから、兄貴に心情の変化があったのかな、とは思ったけど」
「…………」
「まさかこんな子供みたいな女とはね」
「!!」
あ、超失礼!! ってなったけど、全くお色気のないモサ眼鏡だから言い返せず黙るしかない。
だってやっぱり辰巳さんの弟だけあって、めちゃめちゃ美形なんだよ話した事ない人種、そっか辰巳さんの20代ってこんな感じだったのかなって思わせる表情の青さ。
「あのルックスと学歴に、温和な性格ときたら、あっちこっち女が湧いてくるだろ? しかもこんな場所に土地も持っててさ? でも兄貴ときたら本を読む時は水を得た魚だけど、女見る時は死んだ魚の目だったからなあ」
「…………」
そ、そうなんだ。
よくわかんないけど、第三者? から聞く辰巳さんの話って初めてだったから、聞き入ってたら、いつの間にか至近距離まで迫られていた。
「何? アンタもしかして眼鏡外すとすっげーエロくなる特殊機能付きなの?」
「??!」
ないないって首振れば、寄りかかってる障子の横のとこに手突かれて、眼鏡はないけど、細めた威圧的な瞳は辰巳さんそっくりだった。
「ないよな、こんなモブ眼鏡に。ああでもそっか結構胸ありそうだな? いや、別に兄貴って乳なんか興味ねえもんな、これ見よがしな乳強調させてる女なんて腐る程いたし。うーん、それにしてもこんな小さい体ハメ倒してるってマジかよ、アンタ夜になると兄貴に跨って腰振ったりすんの? 想像つかねえなあ…………でも」
「!!!?」
顎持ち上げられて、股に膝が入ってきて、まだ変なことされてないけど、顔近すぎて押し返したい怖い、できない。
「やっぱ婚約するくらいなんだから、体がイイんだろ? 気持ちいいの? アンタのココ」
「!」
「ええー顔赤くしてイイ顔するじゃん、この先もすげー気になる」
気になってもダメ!! っていっぱい顔振っても距離迫ってきてとりあえずちゅうされないように、唇にしまっておく。
そしたらクスッて笑われて、その顔辰巳さんそっくりで怯んだら耳の下の所にぬるい唇が触れて、ゾワって鳥肌立ってしまった。
「ヤバイ、アンタすっげーいい匂いすんね、よく見たら可愛いしちょっと味見してい?」
「……ぃ、ゃ」
「煽られるーその涙目最高にイイネ」
「よくないよ、ドーラ」
傾いた顔が近付いて、キスされちゃうってぎゅうて床に付いた手を握ったら、私の神様の声がした。
ドーラ? の頭頂部にドサっとどら焼き屋さんの袋が落ちて、動きが止まる。
「辰巳さッ!!」
「ただいま寧々ちゃん」
抱っこで助けだしてくれて、直に足を大きな体に絡ませた、っもうだいしゅきホールドですよ! 頭抱え込んで寧々怖かった!!
「ッんだよー相変わらす冗談の通じない男だね」
「相手が涙を見せてるのに冗談で通そうとするクズは死んでいいと思うよ。殺してあげようか」
首に巻き付いて、とりあえず嫌だった! の意思表示に辰巳さん越しに睨んでおくのだ。
「あ? 何だよその目、元はと言えばそいつが俺に抱き付いてきたんだぞ? 辰巳さん大好きですって」
「!!!!!!」
「うん?」
辰巳さんが低く唸って、後ろ髪掴まれてしまって顔を引き剥がされる、あ、やだ怒っちゃう。
「寧々」
「あ! だ、だって靴脱ぎ散らかしてあって、こたつで寝てたから、具合悪いのかなって、私知らなくて……」
「ああ、なるほど……僕、今日は弟が来てるからって連絡したんだけど?」
「え? 嘘ごめんなさい、充電切れちゃってて……携帯見てないです」
「そうか、それは仕方ないね」
って言ってるけど、その眼鏡の奥が全然仕方ないって思ってない。
そう、この据わった翡翠は経緯は理解できたし、不可抗力でしょうけど、僕納得してませんよ、の顔。
私が男の社員さんと談笑してると、楽しそうだったね? って笑って言ってくる時の顔!!
よって……。
「ドロフェイ」
「何」
「せっかく三人で仲良く夕飯囲みたかったんだけど、僕の妻は欠席するから宜しく」
「あっれー? 何か俺まじーこと言った? 俺だって辰巳だしー間違ってないもーん」
「いや? 彼女への愛が再確認できていい機会でした」
「ぁぅ、辰巳さん怒ってる?」
「怒ってませんよ」
って言いながらやっぱ怒ってる顔!! 辰巳さんは抱っこしたまま、目あわざわ合えばキスしてきて、あ、待ってまだ自己紹介もしてないのに。
でも親指口に突っ込んで無理矢理口開けてくるこの辰巳さんは、言う事聞けってちょっと調教入ってるから素直に聞かないと後でいっぱいごめんなさいしないといけなくなっちゃう。
人前だけど、いっぱいキスして、薄目で目が合えば緑の瞳はもう濡れててそんな目で見られたら、私の体はじんっと熱くなってしまう。
ダメ、理性! って分かってても、辰巳さんが角度を変えて深く唇噛み合わせてきて、口の奥の奥まで舌を伸ばしてくるから、ぞわぞわしてもう声が我慢できなかった。
差し出した舌をきりって噛まれて、気持よくて大きな体抱き締めて、呼吸の合間に名前呼んでくれるから嬉しいし、好きだよって言ってくれるの、心臓の音どんどん加速して、体あっつくなって、早くえっちしたい、えっちしたいいっぱい体の中擦られたい。
「辰巳さん辰巳さん」
「ここで開けちゃダメだよ」
プチプチって自分でブラウスのボタンを肌蹴させれば、大きな手に止められて、続きがしたいから、だったらもっとちゅうだ、自分から辰巳さんの口食みにいって、音いっぱいさせてたら辰巳さんの体が動いた。
「そんなんだから、僕達少し上にこもるので、お前はもうちょっと寝てな? 後で起こしに来る。挨拶は明日でいいよね」
「ん、了ー解あんまドスドスすんなよな」
「んんぅ……辰巳さ……?」
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