【R18】モブキャラ喪女を寵愛中

寧々ちゃんまだまだ寵愛中

辰巳さんとダンス ◎

　のどかな休日のお昼すぎ辰巳家。

　私は絵を描いてて、辰巳さんはラジオを聞きながらお掃除をしてたっけ。
　屋根裏部屋から発掘された初めて見たラジカセからは、ゆったりとした洋楽が響いてて勝手に体が横に揺れてしまった。

　私じゃ届かない高い場所を辰巳さんは雑巾で拭いてて、英語を口ずさみながらこちらに振り返った。

「この歌の意味は分かりますか？」
「わかんないですよぉ英語だもん」
「ラブソングです」
「へえ」
「ずっと探し求めていた女性に巡り合えて涙を流して抱き合う二人のエモい曲」
「綺麗な声にリズムに今にも踊れてしまいそうな曲調ですよね」
「Shall we dance?」
「う？」
「ああ、そっか寧々ちゃんが三歳の時の映画でした」
「何の話ですか」
「まあいっか」

　辰巳さんは私の手を取って立ち上がって。

「え？　何、待って辰巳さん、私ダンスとかできないですから！」
「ステップ踏むだけですよ」
「ス、ステップ？！！」
「僕に体を任せてターンして」
「ちょっと、無理ッ」
「ターン、してちゅ」
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