アイテムは誰が隠すか知ってますか？

ミシェル式の偏見と解説

僕はミシェル

濃紺と黒の衣装と燕の意匠を刺繍した鞄を肩から掛けた

ミッション･ドール

工房から指定されたアイテムを受け取り、指定された場所に隠してます

それが僕の存在理由なのです

工房にいる親方が指定書を作成して、働く僕らを点検と保守をしてくれる

今の親方は七代目の方です

(ひげもじゃってアイビーが言ってた)

その親方は異観能力いかんのうりょくって稀有な能力者だ

親方が初点検の時に僕達は新しい機能として複製を授けられた

『これは異世界を観る力だ。深く観すぎると連れて行かれるから気をつけろよ』

僕達は人々がみる【夢】を見る体験をする様に異世界を観ていた

『あれ？なんかいる？』

その日は巨大な廃墟の世界を観ていたんだ

普段は誰も居ないのに、人がいたのだ

『若い、男？』

服や顔で異世界に迷い込んだのだろう

キョロキョロして見回し、立ち止まると背後の物陰に身を寄せていた

『親方に知らせよう』

工房への扉を開けると、僕の分担の指示書とアイテムの詰められた袋が出来ていた

『おやかた、まよいごです』

こうして僕はその日、異世界人の救出に向かったのだ