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まったり
しおりを挟む激しい行為の後、僕と隆弘さんは裸のままベッドの上で抱き合っていた。隆弘さんは今までの疲労もあってか、ぐっすりと眠っている。
普段はあんなに男前なのに、眠っているとなんだか可愛らしく見える。
こっそり寝顔の写真を撮ってみたり、頬を突いてみたり、あらゆる場所にキスしてみたりと、彼が眠っている間にしかできないことを存分にやった。
でもそれも少し飽きてきて、太陽もだいぶ傾いてきたので、晩御飯を作りに行こうかとそっとベッドを抜け出した。
体力をつけるには美味しいものをたくさん食べて寝ることが一番だと思うので、隆弘さんの好きなものを作ってあげたい。そんな思いから僕は気合いを入れてスーパーへと向かうのだった。
ーーー
隆弘side
目が覚めたときにはすっかり日も落ちていて、隣にいたはずの翔もいなくなっていた。きっとリビングにいるだろうとリビングに向かえば予想通り翔はそこにいて、どうやら料理を作ってくれているらしい。
「おはよう」
「おはようございます。ゆっくり休めました?」
「おかげさまで」
エプロンで料理している姿は何度見ても可愛くて、後ろから抱きしめてしまう。そのまま首筋にキスをすればくすぐったそうに名前を呼んでくれる。
本当に可愛い。なんて僕は幸せ者なんだ。
「もうご飯食べますか?」
「食べたい」
「じゃあお肉焼いちゃいますね」
翔は鼻歌まじりに料理を進めていき、しばらくしてテーブルには美味しそうな食事が並んだ。今日は生姜焼きに、きんぴらごぼうに、ほうれん草のおひたし、そして味噌汁という純和食。どれも全部僕の好きなもので、翔が気を遣ってくれたんだろうなと胸が熱くなる。
「いただきます」
翔と向かい合って手を合わせ、料理を口に運ぶ。久しぶりの温かい翔の手料理はどれも美味しくて幸せだった。
食事を終えた後、食器を洗ってくれている翔の後ろに立って腰に手を回す。この華奢な腰に今まで何度も甘えてしまっていて反省したばかりなのにまた同じことをしてしまう自分に呆れてしまうが、嬉しいことに翔は嫌そうな素振りを見せない。
「もう、洗い物中ですよ」
「ちょっとだけ」
翔を後ろから抱きしめるようにしたまま首筋に何度もキスをしていれば、流石に邪魔だったのか彼の手が僕の頭を押した。そしてクルリと向きを変えて僕のことを見上げながらにこりと笑う。
「いちゃいちゃは片付け終わってからね?」
そう可愛く言われてしまえば、言われた通りにするしかない。
「手伝えることない?」
「うん、大丈夫」
「……いつも家事してくれてありがとな」
「いやいや、僕は最低限しかしてないですよ。大学行ってる間にハウスキーパーさんが掃除も洗濯も完璧にこなしてくれるから」
「それでも毎日料理作ってくれたり、細かな家事もたくさんしてくれてるだろ?嫌になったらすぐに言って。僕も手伝うし、シェフでも家政婦でも雇うから。金ならある」
「ははっ、じゃあ必要なときはお願いします」
軽く雑談をしていると翔はパパッと片付けを終わらせてしまう。
手を洗い、水気をタオルで拭うと再び体を僕の方に向き直すと、目を閉じて唇を尖らせてくる。
「ん」
そんな翔が可愛くて、少し屈んで口付けた。唇を押し付け合うだけのキスだったが、そんなキスだけで物足りなくなったのか翔の方から舌を差し入れてくる。そして僕の首に腕を回してきてぎゅっと抱きついてきた。可愛すぎてたまらないと思いながら抱きしめ返すと嬉しそうに笑っているのが分かる。そのまま僕もさらに強く抱きしめればお互いの体温を感じて心地良かった。
しばらく抱き合っていたが、先に行動したのは翔だった。ゆっくりと唇を離した彼は頬を染めながら上目遣いで見てくる。
「あの、お風呂にお湯入れてるから一緒に入りませんか……?」
突然のお誘いに心臓の音が大きく鳴る。僕に断るという選択肢なんてあるはずもなかった。
「喜んで」
「あ、でもえっちなことは無しですからね?さっきは勢いでシちゃいましたけど、ゆっくり休まないと」
「休むより翔を摂取したほうが元気になれる」
「…別々で入りますか?」
「それは嫌だ」
「なら静かに入りましょう」
どうやら翔はすでに僕の扱い方をマスターしているらしい。敵わないなと思いながら僕は翔に手を引かれながら浴室へと向かった。
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