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カメラ
しおりを挟むルーイは最近私に服やら小物をプレゼントしてくれる。正直、私はあまり物に執着がない方なのであまり使い道がなく困っていたのだが、ルーイが嬉しそうにしてくれるのならと、毎回ありがたく頂戴していた。
今日はルーイのリクエストで、ゆったりした感じのパーカーを着てきた。
「どう?」
「最高……カッコイイのに可愛い……無敵じゃん………」
「ありがとう」
「いや、でも勿体無いな…いや…でも……このギャップも……けど…素材の良さが……」
ぶつぶつ言いながら悩んでいる様子のルーイに思わず苦笑いしてしまう。
そんな悩むほどだろうか。
そう思っていると、ルーイはおもむろにスマホを取り出してカメラアプリを立ち上げた。
カシャリという音と共にシャッター音が響く。
「私は映らないが?」
「ッ~~~~!!忘れてた!!悔しい!!」
「いつでも着てやるから」
「ホント?嬉しい!…でもヴァンパイア用のカメラとか無いのかな~~……」
実はすでにそういうものも存在するが、まだルーイには内緒にしておく。これは写真を眺められるより私を見てほしいというエゴ以外の何物でもないのだが。
かくいう私の携帯のフォルダにはルーイの写真が無数にあることもきっとまだ彼は知らないから内緒にしておこうと心に決めた。
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