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序章:死神先生と死学の時間

さあ、授業を始めようか 2

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様々な反対意見もあったし、国会前でのデモも連日行われた。

だが、それらの行為はある青年の登場により呆気なく終わりを迎えた。


青年の名は神代 薫かみしろ かおる当時20歳の青年だった。


彼は人とは違う特異体質の持ち主だった。
彼の五感は死を察知する。

例えば道を歩いているとき、先を歩くカップルの男性が突然飛び出してきた車に轢かれて死ぬとか。

学校の体育の授業中、クラスメイトが突然心臓発作になり、搬送先の病院で亡くなったり。

幼かった薫は死を察知するとそれを回避するように本人や先生、両親に訴えたが、子どもの戯言だと相手にはされなかった。

結果、生き延びることが出来たかもしれない命が亡くなる瞬間を幾度となく見てきた。


薫の周りで人が死ぬ、彼は死神だ、近づいてはならない。

そんな噂が瞬く間に広まった。
誰も彼の言葉を信じず、死んでしまった。

薫は死を察知しても誰にいうわけでもなく、そういう運命だったのだと、自分に言い聞かせ、死から目を背けてきた。


誰も、死から逃れられない。
いつかは死ぬのだから。
だったら、死について問うのはどうだろうか。

死とは何か。
生きるとは何か。
死の運命に抗うことは可能か。
自分の死を知ることは出来るのか。


人の死を察知する、この忌まわしい能力は何のためにあるのか。



国会前に群がる蟻どもよく聞け。
俺がお前らの死生観をぶっ壊してやる。
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