15 / 23
A Midsummer Night's Dream
紅茶の幻惑
しおりを挟む
-頑固な人には、自ら招いた難儀がいちばんよい教師になる-
チャイとクリームシャンティを食べながら、ゆっくりと思考を回す。いつものやつ。違う行動って、なんか苦手なんだ。
店主と雑談。今日は特に他にお客様がいなかった。
携帯でHPを見ながら、今回のやらかした話をしている。
何故かチャリティーコンサートの方が追加公演席があると記載されていた。
「せっかくだから、抽選に応募してみたら?」と言われた。
いや、マジで音楽に興味ないし、そもそもチャリティーとは無縁にも程がある。チャリティー募るならそいつらのバイト代、赤十字に入れりゃいいだろ「人にたかんな」である。
と言い返したんだが、店主曰く「なんか、行った方がいい気がする。気分転換兼ねていいのでは?」らしい。よくわからないが、珍しく押してきた。
はっきり正直によくわからないし、俺には理解できない。だが、なんか行った方がいいらしい。何故かわからないが、俺はその時、そう思ってしまった。
抽選だし当たらないだろ。だからプラチナチケットなんだし。
まあ、とりあえずその場で抽選申し込みをしてしまったんだ。
え?なんで?って?どうしてその場でできるんだよ?って?
エンタメもサブカルも興味ないのに、応募アプリとか持ってんのかよって俺も思っていた。
チケット申し込みのアカウントなんて「だりーし」今から作るのも嫌だなと思っていた。
本音を言えば、この「音楽家」をどうやっても好きになれない。
何かに導かれるように開いたチケット予約のHP。遠い昔、10年以上前に作ったローソンチケットのアカウントが生きていた。
そしてずっと引き継いできたからか、パスワードが記録されたまま携帯機体内にあった。
抽選予約がその場で終わった。
よくわからないまま。
そう、その後、本当の苦悩と後悔が始まることを知らずに。
温かい紅茶の香りで、幻惑に眼が霞んでしまったように。
俺は1人踊り始めた。崖の上で。
チャイとクリームシャンティを食べながら、ゆっくりと思考を回す。いつものやつ。違う行動って、なんか苦手なんだ。
店主と雑談。今日は特に他にお客様がいなかった。
携帯でHPを見ながら、今回のやらかした話をしている。
何故かチャリティーコンサートの方が追加公演席があると記載されていた。
「せっかくだから、抽選に応募してみたら?」と言われた。
いや、マジで音楽に興味ないし、そもそもチャリティーとは無縁にも程がある。チャリティー募るならそいつらのバイト代、赤十字に入れりゃいいだろ「人にたかんな」である。
と言い返したんだが、店主曰く「なんか、行った方がいい気がする。気分転換兼ねていいのでは?」らしい。よくわからないが、珍しく押してきた。
はっきり正直によくわからないし、俺には理解できない。だが、なんか行った方がいいらしい。何故かわからないが、俺はその時、そう思ってしまった。
抽選だし当たらないだろ。だからプラチナチケットなんだし。
まあ、とりあえずその場で抽選申し込みをしてしまったんだ。
え?なんで?って?どうしてその場でできるんだよ?って?
エンタメもサブカルも興味ないのに、応募アプリとか持ってんのかよって俺も思っていた。
チケット申し込みのアカウントなんて「だりーし」今から作るのも嫌だなと思っていた。
本音を言えば、この「音楽家」をどうやっても好きになれない。
何かに導かれるように開いたチケット予約のHP。遠い昔、10年以上前に作ったローソンチケットのアカウントが生きていた。
そしてずっと引き継いできたからか、パスワードが記録されたまま携帯機体内にあった。
抽選予約がその場で終わった。
よくわからないまま。
そう、その後、本当の苦悩と後悔が始まることを知らずに。
温かい紅茶の香りで、幻惑に眼が霞んでしまったように。
俺は1人踊り始めた。崖の上で。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる