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本編
第十三話 side - 但馬
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「無事に終わってやれやれだなあ」
「本城さんもお疲れ様です」
普段なら、アラート待機が終わったら報告書を提出して帰宅する本城一尉達も、今日は遅くまで基地内の片づけで残っていた。いくつか大きなゴミがエプロンに落ちていたことと、敷地外での違法駐車に警察が動いたことを除けば、今年の航空祭も成功裏に終わったと言っても良いだろう。
「どうだった? 招待したお客さん達には楽しんでもらえたか?」
「小さいお子さん達の質問攻めがすごかったですよ。やはりああいうものを実際に目にすると、男の子は好奇心がかき立てられるんでしょうね。相手が小学生なので、あれこれ説明するのが難しかったです」
にぎやかな子供達の様子を思い出すと、自然と笑みが浮かんでくる。正直言って、最初は小学生の子供達が五人も来ると聞いて身がまえていたのだが、思いのほか自分自身も楽しめた一日だった。
「男の子の夢ってやつだな」
「そんなところですね」
もちろん女の子の姪っ子さんも、その質問攻めの一員だった。だが実際に戦闘機や航空機を見て興奮するのは、やはり甥っ子さん達のほうだ。
「俺も入隊してから初めて、ブルーの展示をゆっくり見ることができました。アラート待機のシフト、配慮していただいてありがとうございます。本城さんの奥さんとお子さんには、申し訳ないことをしました」
「いやいや。あの子を招待しろって提案したのは俺だから。小さい子が多いと大変だったろ」
「でも楽しかったですよ。今回のことがきっかけになって、子供達にとって将来の夢の一つになればと思います」
自衛官は、将来の夢としては簡単に語れない部分が多くある仕事だ。それでも今日のことで、将来の選択肢の一つとして、あの子達の頭の隅に残ってくれたらと思う。
「リクルート活動、ご苦労さん。俺からのおごりだ」
そう言いながら本城さんは、自動販売機で買った缶コーヒーの一本を投げてよこしてくれた。
「ありがとうございます。ところで、来年は展示飛行に志願しようと思うんですが、どう思いますか?」
「そりゃ、お前の技量なら見せる飛行も可能だろうさ。だがえらく気が早いな、なんでまた?」
「俺が飛んでいるところを見たいらしいので」
「……」
缶コーヒーを飲んでいた本城さんが、変な顔つきをして俺を見つめる。
「誰が、お前の飛んでるところを見たがってるって?」
「ほなみちゃんですよ。それだけが心残りらしいです。誰が飛んでも顔が見えるわけでもないし、同じだと思うんですけどね」
「……スマイリーよ」
いきなりタックネームで呼ばれて首をかしげた。
「なんですか、いきなり」
「それってお前、キルされたんじゃ?」
「は?」
キルとは俺達が使う用語で、相手に撃墜された時に使うものだ。
「なんで俺がキルされるんですか。ほなみちゃんは民間人ですよ」
「正確には彼女はなんて言った?」
俺の質問を無視して、本城さんが質問をしてくる。そう問われ、彼女がなんと言ったか思い返す。
「俺が飛んでいるのを見られなかったのが残念だと」
「で?」
「それで、来年の航空祭の展示飛行で飛びますかって聞かれたので、まだ決まっていないけど、そんなに見たいなら、来年の展示飛行に志願しないといけないなと答えました」
「その返事に相手はなんて?」
本城さんはさらに先をうながした。
「俺が飛ぶのを見るのを楽しみにしていると。でも、今年の航空祭が終わったばかりなのに気が早いことですよ。一年も先のことです、俺自身が志願するのを忘れなければ良いんですが」
「おいおい、スマイリー」
本城さんがニタッと笑う。
「しっかりしろ、三沢のルーキー。お前、一年先までキープされてちまってるじゃないか。しかも、自分からのこのこされにいくとはな」
「キープって」
「一年先までキープされてるってことはだ、それはつまり、キルされたってことなんじゃないのか? なんとまあ、お前が先手を打たれるとはな。最近の女子はなかなか攻めるな」
「いや、彼女もそこまで深く考えてないでしょ。たとえキープしたつもりだとしても、ピンポイントで、航空祭当日の一日ぐらいなもんですよ」
単に、顔見知りのパイロットが飛んでいるのを、見たいと思ったに違いない。そしてそれがたまたま、自分だっただけのことだ。
「最近の子は分からんぞ?」
本城さんは相変わらずニタニタしている。気持ち悪い薄ら笑いを浮かべながら歩く後ろをついていく。
「あの、そもそも次に会うことすら約束してないんですが」
「それでも一年先の航空祭は、さっさとおさえられたじゃないか。連絡先の交換はしたんだよな? 向こう一年待機の手始めに、お前からデートにでも誘ってやれば?」
「連絡先に関しては、航空祭のことでなにかあった時のためにと交換しただけですよ。それ以外のことで連絡したら、相手に訴えられるんじゃ?」
俺の言葉に、本城さんは口をへの字に曲げる。
「なんだよ。本当に俺がお前に言った、薬の礼を口実にしろってのしか頭になかったのか? 朴念仁にもほどがあるぞ」
「そりゃあそれだけじゃありませんが、別に不純な動機で誘ったわけじゃないですよ。自分達の職場がどんなものか、見てもらいたかったというのもありましたし」
本城さんは溜め息をつきながら、俺の顔を見た。
「不純てなあ……お前、カノジョはいないんだよな?」
「今のところは……」
「一年後の展示飛行、単なる知り合いの学生さんに見てもらうか、カノジョに見てもらうか、どっちにしたいんだ?」
「そりゃあ……」
「どうなんだよ」
「カノジョに見てもらうのが良いに決まってます。誰だってそうなんじゃないですか?」
普段はなかなか見せることのない、自分達が操縦桿を握り戦闘機を駆っている姿。航空祭はそれを見せる唯一の機会だ。誰だって大切な人に、自分が飛んでいるところを見てほしいと思うに決まっている。
「だったら、出会いは大事にしないとなあ。俺達は、なかなかその手の出会いに恵まれないからな。守りたいものがあってこその自衛官だぞ? それにだ、せっかく彼女のほうからキープしてくれたんだ。ここは最大限にチャンスをいかさないと、男じゃないだろ」
「チャンスとか……」
他人事だと思ってすっかり楽しんでいる。
「お客が頭痛で悩まされているのに気づいて薬をくれるなんて、そうないぞ?」
「ええ、そこはとても感謝してます」
あんなふうに人に気遣ってもらったのは数年ぶり、いや十数年ぶりかもしれない。
「あの子、可愛いよな?」
「たしかに可愛いですね」
「笑顔もいいよな? お前の不気味スマイルとはまったく違う」
「接客時の笑顔もさわやかですよ。っていうか、俺の不気味スマイルとか余計なお世話ですよ」
余談ではあるが、飛行隊の連中が言うには、俺の笑顔は非常に怖いらしい。
「いいんじゃないか?」
「なにがですか」
「ぬわぁぁぁぁ、この朴念仁めがっっっっ」
本城さんは頭をかきむしりながら叫ぶと、俺の首にガッと腕を回して引き寄せた。
「いい子だろ、自分のカノジョにしたいと思わないのか、あん?」
「そりゃまあ、ほなみちゃんみたいな子がカノジョだったら、楽しいでしょうね」
「タイプじゃないのか? ああん?」
「そんなことないですよ。どちらかと言うとタイプです」
それもかなりど真ん中な。
「だったらだ、いいか、スマイリー。他の男にかっさらわれる前に、さっさとキルしてこい」
もう目がマジだ。本城さんは本気で俺に、彼女をおとしてこいと命令している。
「ていうか本城さん、ほなみちゃんにカレシが存在していないことを前提に話してますが、存在していたらどうするんですか」
「いたらお前が誘った時につれてくるだろうが」
「あ、そうか」
なるほどと納得したら、本城さんは俺の横で雄叫びをあげた。
「だぁぁぁぁぁぁ、この朴念仁! パイロットとしては優秀なのに、なんでプライベートではそんなに残念な朴念仁男なんだ、お前は!」
「そんなに朴念仁朴念仁て言わないでくださいよ、腹立つなあ……」
「あの子をキルした報告を聞くまでは、お前のタックネームはスマイリーじゃなくてボクネンジンだ」
「理不尽すぎる……」
あの日、あの店に立ち寄ったのは本当にたまたまだった。夜明け後から頭痛が酷くなっていたので、一休みしてから帰ろう思い、営業していたあの店に入ったのだ。そして彼女に出会った。
彼女の存在に気づいてから、勤務時間を終えてあの店に立ち寄るのが楽しみになっていたのも事実。なんとか自分にタマゴトースト以外のオーダーをさせようと躍起になっているのに気づいてからは、こっちも意地悪をして絶対にオーダーを変えなかった。そんなやり取りが実に楽しかった、自分でも意外なほどに。
長い休みの時でないと、早朝のシフトには入らないと聞いていたにもかかわらず、今でも夜勤明けの日はついあの店に立ち寄ってしまう。そしてカウンターの向こうに彼女がいないことに気づいて、ガッカリするのだ。
「本気でボクネンジンて呼ぶつもりですか?」
溜め息まじりに言い返す。
「お前のことだ、タックネームぐらいどうでも良いかとか考えてるだろ。いいか、ちんたらしてたら、それを正式なタックネームにするよう隊長に進言するからな」
「隊長に進言とか、ムチャクチャすぎますよ」
まったく。本城さんのお節介にも困ったものだ。
「それがイヤなら、さっさとあの子を捕まえてこい、スマイリー」
本城さんはニカッと笑う。
「俺のスマイルより、本城さんのスマイルのほうが、よっぽど不気味スマイルだと思いますが」
「やかましい」
思いっ切り頭をゲンコツでグリグリされた。
「本城さんもお疲れ様です」
普段なら、アラート待機が終わったら報告書を提出して帰宅する本城一尉達も、今日は遅くまで基地内の片づけで残っていた。いくつか大きなゴミがエプロンに落ちていたことと、敷地外での違法駐車に警察が動いたことを除けば、今年の航空祭も成功裏に終わったと言っても良いだろう。
「どうだった? 招待したお客さん達には楽しんでもらえたか?」
「小さいお子さん達の質問攻めがすごかったですよ。やはりああいうものを実際に目にすると、男の子は好奇心がかき立てられるんでしょうね。相手が小学生なので、あれこれ説明するのが難しかったです」
にぎやかな子供達の様子を思い出すと、自然と笑みが浮かんでくる。正直言って、最初は小学生の子供達が五人も来ると聞いて身がまえていたのだが、思いのほか自分自身も楽しめた一日だった。
「男の子の夢ってやつだな」
「そんなところですね」
もちろん女の子の姪っ子さんも、その質問攻めの一員だった。だが実際に戦闘機や航空機を見て興奮するのは、やはり甥っ子さん達のほうだ。
「俺も入隊してから初めて、ブルーの展示をゆっくり見ることができました。アラート待機のシフト、配慮していただいてありがとうございます。本城さんの奥さんとお子さんには、申し訳ないことをしました」
「いやいや。あの子を招待しろって提案したのは俺だから。小さい子が多いと大変だったろ」
「でも楽しかったですよ。今回のことがきっかけになって、子供達にとって将来の夢の一つになればと思います」
自衛官は、将来の夢としては簡単に語れない部分が多くある仕事だ。それでも今日のことで、将来の選択肢の一つとして、あの子達の頭の隅に残ってくれたらと思う。
「リクルート活動、ご苦労さん。俺からのおごりだ」
そう言いながら本城さんは、自動販売機で買った缶コーヒーの一本を投げてよこしてくれた。
「ありがとうございます。ところで、来年は展示飛行に志願しようと思うんですが、どう思いますか?」
「そりゃ、お前の技量なら見せる飛行も可能だろうさ。だがえらく気が早いな、なんでまた?」
「俺が飛んでいるところを見たいらしいので」
「……」
缶コーヒーを飲んでいた本城さんが、変な顔つきをして俺を見つめる。
「誰が、お前の飛んでるところを見たがってるって?」
「ほなみちゃんですよ。それだけが心残りらしいです。誰が飛んでも顔が見えるわけでもないし、同じだと思うんですけどね」
「……スマイリーよ」
いきなりタックネームで呼ばれて首をかしげた。
「なんですか、いきなり」
「それってお前、キルされたんじゃ?」
「は?」
キルとは俺達が使う用語で、相手に撃墜された時に使うものだ。
「なんで俺がキルされるんですか。ほなみちゃんは民間人ですよ」
「正確には彼女はなんて言った?」
俺の質問を無視して、本城さんが質問をしてくる。そう問われ、彼女がなんと言ったか思い返す。
「俺が飛んでいるのを見られなかったのが残念だと」
「で?」
「それで、来年の航空祭の展示飛行で飛びますかって聞かれたので、まだ決まっていないけど、そんなに見たいなら、来年の展示飛行に志願しないといけないなと答えました」
「その返事に相手はなんて?」
本城さんはさらに先をうながした。
「俺が飛ぶのを見るのを楽しみにしていると。でも、今年の航空祭が終わったばかりなのに気が早いことですよ。一年も先のことです、俺自身が志願するのを忘れなければ良いんですが」
「おいおい、スマイリー」
本城さんがニタッと笑う。
「しっかりしろ、三沢のルーキー。お前、一年先までキープされてちまってるじゃないか。しかも、自分からのこのこされにいくとはな」
「キープって」
「一年先までキープされてるってことはだ、それはつまり、キルされたってことなんじゃないのか? なんとまあ、お前が先手を打たれるとはな。最近の女子はなかなか攻めるな」
「いや、彼女もそこまで深く考えてないでしょ。たとえキープしたつもりだとしても、ピンポイントで、航空祭当日の一日ぐらいなもんですよ」
単に、顔見知りのパイロットが飛んでいるのを、見たいと思ったに違いない。そしてそれがたまたま、自分だっただけのことだ。
「最近の子は分からんぞ?」
本城さんは相変わらずニタニタしている。気持ち悪い薄ら笑いを浮かべながら歩く後ろをついていく。
「あの、そもそも次に会うことすら約束してないんですが」
「それでも一年先の航空祭は、さっさとおさえられたじゃないか。連絡先の交換はしたんだよな? 向こう一年待機の手始めに、お前からデートにでも誘ってやれば?」
「連絡先に関しては、航空祭のことでなにかあった時のためにと交換しただけですよ。それ以外のことで連絡したら、相手に訴えられるんじゃ?」
俺の言葉に、本城さんは口をへの字に曲げる。
「なんだよ。本当に俺がお前に言った、薬の礼を口実にしろってのしか頭になかったのか? 朴念仁にもほどがあるぞ」
「そりゃあそれだけじゃありませんが、別に不純な動機で誘ったわけじゃないですよ。自分達の職場がどんなものか、見てもらいたかったというのもありましたし」
本城さんは溜め息をつきながら、俺の顔を見た。
「不純てなあ……お前、カノジョはいないんだよな?」
「今のところは……」
「一年後の展示飛行、単なる知り合いの学生さんに見てもらうか、カノジョに見てもらうか、どっちにしたいんだ?」
「そりゃあ……」
「どうなんだよ」
「カノジョに見てもらうのが良いに決まってます。誰だってそうなんじゃないですか?」
普段はなかなか見せることのない、自分達が操縦桿を握り戦闘機を駆っている姿。航空祭はそれを見せる唯一の機会だ。誰だって大切な人に、自分が飛んでいるところを見てほしいと思うに決まっている。
「だったら、出会いは大事にしないとなあ。俺達は、なかなかその手の出会いに恵まれないからな。守りたいものがあってこその自衛官だぞ? それにだ、せっかく彼女のほうからキープしてくれたんだ。ここは最大限にチャンスをいかさないと、男じゃないだろ」
「チャンスとか……」
他人事だと思ってすっかり楽しんでいる。
「お客が頭痛で悩まされているのに気づいて薬をくれるなんて、そうないぞ?」
「ええ、そこはとても感謝してます」
あんなふうに人に気遣ってもらったのは数年ぶり、いや十数年ぶりかもしれない。
「あの子、可愛いよな?」
「たしかに可愛いですね」
「笑顔もいいよな? お前の不気味スマイルとはまったく違う」
「接客時の笑顔もさわやかですよ。っていうか、俺の不気味スマイルとか余計なお世話ですよ」
余談ではあるが、飛行隊の連中が言うには、俺の笑顔は非常に怖いらしい。
「いいんじゃないか?」
「なにがですか」
「ぬわぁぁぁぁ、この朴念仁めがっっっっ」
本城さんは頭をかきむしりながら叫ぶと、俺の首にガッと腕を回して引き寄せた。
「いい子だろ、自分のカノジョにしたいと思わないのか、あん?」
「そりゃまあ、ほなみちゃんみたいな子がカノジョだったら、楽しいでしょうね」
「タイプじゃないのか? ああん?」
「そんなことないですよ。どちらかと言うとタイプです」
それもかなりど真ん中な。
「だったらだ、いいか、スマイリー。他の男にかっさらわれる前に、さっさとキルしてこい」
もう目がマジだ。本城さんは本気で俺に、彼女をおとしてこいと命令している。
「ていうか本城さん、ほなみちゃんにカレシが存在していないことを前提に話してますが、存在していたらどうするんですか」
「いたらお前が誘った時につれてくるだろうが」
「あ、そうか」
なるほどと納得したら、本城さんは俺の横で雄叫びをあげた。
「だぁぁぁぁぁぁ、この朴念仁! パイロットとしては優秀なのに、なんでプライベートではそんなに残念な朴念仁男なんだ、お前は!」
「そんなに朴念仁朴念仁て言わないでくださいよ、腹立つなあ……」
「あの子をキルした報告を聞くまでは、お前のタックネームはスマイリーじゃなくてボクネンジンだ」
「理不尽すぎる……」
あの日、あの店に立ち寄ったのは本当にたまたまだった。夜明け後から頭痛が酷くなっていたので、一休みしてから帰ろう思い、営業していたあの店に入ったのだ。そして彼女に出会った。
彼女の存在に気づいてから、勤務時間を終えてあの店に立ち寄るのが楽しみになっていたのも事実。なんとか自分にタマゴトースト以外のオーダーをさせようと躍起になっているのに気づいてからは、こっちも意地悪をして絶対にオーダーを変えなかった。そんなやり取りが実に楽しかった、自分でも意外なほどに。
長い休みの時でないと、早朝のシフトには入らないと聞いていたにもかかわらず、今でも夜勤明けの日はついあの店に立ち寄ってしまう。そしてカウンターの向こうに彼女がいないことに気づいて、ガッカリするのだ。
「本気でボクネンジンて呼ぶつもりですか?」
溜め息まじりに言い返す。
「お前のことだ、タックネームぐらいどうでも良いかとか考えてるだろ。いいか、ちんたらしてたら、それを正式なタックネームにするよう隊長に進言するからな」
「隊長に進言とか、ムチャクチャすぎますよ」
まったく。本城さんのお節介にも困ったものだ。
「それがイヤなら、さっさとあの子を捕まえてこい、スマイリー」
本城さんはニカッと笑う。
「俺のスマイルより、本城さんのスマイルのほうが、よっぽど不気味スマイルだと思いますが」
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思いっ切り頭をゲンコツでグリグリされた。
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