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第十三話 商売の神様 5
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「あら、また来ちゃったのー! こっちはうれしいけど、週末ごとに通ったら、お財布がもたないわよー! ああ、公務員さんて高給とりだから、そんな心配ないのかしらねー! うらやましいわー!」
お肉屋さんに向かう途中、またあのオバチャン神様と鉢合わせした。
「ケーキ屋さんのイチゴショートがおいしかったので、また来ちゃいました」
「だったら口コミサイトに、あそこのケーキ屋さんは最高だって、書いくれるとうれしいわー!」
そう言ったオバチャン神様が、いきなり変な顔をした。
「あらま、今日は人間じゃなくて、神様同伴なの?」
「え?」
オバチャン神様の視線につられて横を見ると、なぜか等身大のパソコンの神様が立っていた。
「うわ、神様、いつの間に?!」
「せっかくだからのう」
神様は無邪気な笑顔を浮かべて、私の横に立っている。
「せっかくじゃからって、出てくるところを誰かに見られたら、どうするんですか」
「大丈夫じゃ、大丈夫じゃ」
「どこが大丈夫じゃ、なんですか。油断大敵ですよ?」
神様の無防備さに、ため息をついた。
「まあまあ、そう固いこと言わずに。それで? お目当てのケーキ屋さんは、うちの店とは反対側の場所にあるんだけど、なんでこっちに?」
「こちらのお爺ちゃんがですね、お肉屋さんのコロッケと、アメリカンドッグを買い食いしたいらしいんです」
「あら、それはうれしいわねー! ちょうど今、揚げているところだから、買っていってー!」
店前に行くと、ちょうど揚げたてが出来上がる時間だったらしく、フライヤーの横には、コロッケが山積みになっていた。
「コロッケ一個とアメリカンドッグ二個ください」
「はいよー。ミンチカツも揚げたてだけど、一個どうだい?」
神様だけでなく、ご主人もなかなかのやり手のようだ。
「じゃあそれも、一個お願いします」
「まいどありー」
熱々の揚げ物が入った袋を受け取ると、その場を離れる。後ろを振り返ると、けっこうな人数が並んでいて驚いた。
「なんじゃ、結局はお前さんも、食べる気満々なんじゃな」
「だってアメリカンドッグ、食べたかったんですもん。でもコロッケとミンチカツ、どうしましょうね。ご主人の口車に乗せられちゃいましたけど、神様、二個とも食べられますか?」
「それぞれを半分ずつにして、二人で食べれば良いじゃろ?」
「そうなんですけどねー……」
お店の前に置かれているベンチは、すでにコロッケを食べている人達で満員だ。どこで食べようかと迷っていると、少し離れた場所から、オバチャン神様が手招きをしているのが見えた。
「神様、あっちに行きましょうか。呼ばれてるみたいだし」
「そうじゃの」
私と神様は、オバチャン神様のところへ向かう。
「休日は人が多くて、店前に置いてあるベンチも満員でしょー? こっちなら誰も来ないから、ゆっくりできるわよ」
オバチャン神様につれられて、お店とお店の間の路地に入る。奥は小さな箱庭のような場所で、周辺のいくつかのお店の勝手口と面していた。庭の真ん中には古い井戸と、その井戸を囲むようにベンチが置いてある。
「良かったんですか? ここ、商店街のプライベートな場所じゃ? 私達が入ってきても良かったんですか?」
「大丈夫よー。ここは私達もよく使う場所で、この時間は誰も来ないから」
ベンチに座らせてもらう。コロッケとミンチカツを二つに割っていると、急にザワザワとした気配が近づいてきた。
「おお、この前の窓口の人じゃ」
「先週も来ておったな? それなのにまた来てくれたんか。ありがたや、ありがたや」
「お? 神もおるぞ? おお、あの時のパソコンの神様かい」
いつの間にか、ハロワに来た神様達が集まってきた。
「ちょっと、あんた達、あんまりジロジロみるんじゃないわよ! コロッケを食べる場所がないから、ここに来てもらったんだからね! 今日は募集の相談の話はなしよ!」
「なんじゃ、自分の店のもんだけを買わせたのか? ここには、他の店もたくさんあるじゃろー?」
神様が神様を呼ぶ状態になり、周囲はどんどん騒がしくなっていく。だがそこはさすが神様。私の横に座っているパソコンの神様は、騒ぎをものともせずに、平然とした顔でアメリカンドッグを食べていた。
「こんなに神様に囲まれることってないですよ。よく平気ですね、神様」
「そりゃあ、同じ神じゃからの」
「人間の私、圧倒的な少数派で肩身がせまいです」
そう呟くと、アメリカンドッグをかじった。
「!! うまーっ!! このアメリカンドッグのころも、スパイスがきいていて、すっごいおいしいですよ!」
思っていた味とまったく違って驚いた。そして私の言葉に、オバチャン神様がニッコリと笑う。
「それ、あの店のオリジナルなのよー! 先代が、甘いころもなんて、ありきたりすぎると言ってね! そのころもにたどりついたのよー! すごいでしょー? それも口コミで広めてもらえるとうれしいわー!」
「ちょっと肉屋の神! 自分の店だけを宣伝するな! わしらの店も口コミで書いてほしいぞ!」
「食べものじゃない店はどうするんじゃ!」
あっちこっちから声があがり、収拾がつかなくなってきた。
―― きっと普段の神様的な会合も、こんな感じなんだろうなあ……ちょっと騒がしすぎだけど…… ――
そしてそんな中でも、パソコンの神様はマイペースだ。アメリカンドッグを食べ終わると、今度はコロッケに手をのばした。
「そう言えば、さつま揚げのことは、うちの一宮さんが、口コミサイトに書き込むって言ってましたよ?」
「おお、それはありがたい!」
そう言った神様が、あのお店の神様なんだろう。そうなると黙ってはいられないのが、その他のお店の神様達だ。
「榊さんは、アンティークのお店が素敵だったって言ってました。ところで、ああいう古い道具の神様達って、一体どうされているんですか?」
あの井戸の神様のお宅もそうだったが、あの手の道具の神様達はどうしているんだろう。あれからこっち、あの家の古い道具の神様達が、うちのハロワに来たという話は聞いていない。みんな、神様の世界に帰っていったのだろうか?
「そのまま道具についている神もいれば、帰っていく神もいるし、私達のように転職する神もいるわよ? この神、実は昔、古い茶釜の神だったのよー。今じゃ、この井戸の神をしてるけどー」
オバチャン神様が、井戸の縁に座っていた神様を指でさした。
「茶釜ですか。茶釜と井戸では、ずいぶん規模が違うような気がしますけど、そのへんは大丈夫なんですか?」
小さな茶釜と、それなりの大きさの井戸。急に居場所の大きさが変わっても、大丈夫なものなんだろうか? そう感じるのは人間の私だけで、神様的にはその手の規模は関係ないのだろうか?
「まあ長いこと神をしていますと、それなりになんと言いますか、今でいうところの、レベルが上がると申しますか。長ければ長いほど、様々なモノの神になれるようになるのですよ」
私の質問には、元茶釜の神様が答えてくれた。
「ほー……では、神様になりたての神様は、神になれるモノも行ける場所も、限られていると」
「そういうことですな。ちにみにですが、人間が感じる広さとか狭さといものは、我々には関係ないのですよ。ですから、茶釜の中がせまくて困るという話ではないのです」
「なるほどー……」
また新しいことを知った。これは職場のカンペに書いておかなければ。
「ごちそうさまじゃ。次はなにを買うてもらおうかのう」
パソコンの神様がごちそうさまをして、私を見た。
「え、もう食べちゃったんですか? あ、私のミンチカツが!」
袋の中にからっぽだ。コロッケもミンチカツもない。
「アメリカンドッグもまだ食べ終わっておらんじゃろ? 冷めたらもったいないからのう」
「本当に油断もスキもない……」
「油断大敵じゃの。フォッフォッフォッ」
「じゃあ次は、わしの店の茶団子じゃ!」
「いやいや! わしの店の豆腐じゃ!」
「漬物じゃ!」
「回らない寿司はどうじゃ!」
「どれもうまそうじゃのう」
物理的に限界のある私の胃袋とは違い、神様の胃袋は無限大だ。
―― 毎週来てたら、お財布がどうこうなるより先に、私の体重がとんでもないことになりそう…… ――
それぞれの神様達が、自分達のお店を推す声を聞きながら、今日の夕飯はお茶漬けにしようと決めた。
お肉屋さんに向かう途中、またあのオバチャン神様と鉢合わせした。
「ケーキ屋さんのイチゴショートがおいしかったので、また来ちゃいました」
「だったら口コミサイトに、あそこのケーキ屋さんは最高だって、書いくれるとうれしいわー!」
そう言ったオバチャン神様が、いきなり変な顔をした。
「あらま、今日は人間じゃなくて、神様同伴なの?」
「え?」
オバチャン神様の視線につられて横を見ると、なぜか等身大のパソコンの神様が立っていた。
「うわ、神様、いつの間に?!」
「せっかくだからのう」
神様は無邪気な笑顔を浮かべて、私の横に立っている。
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「大丈夫じゃ、大丈夫じゃ」
「どこが大丈夫じゃ、なんですか。油断大敵ですよ?」
神様の無防備さに、ため息をついた。
「まあまあ、そう固いこと言わずに。それで? お目当てのケーキ屋さんは、うちの店とは反対側の場所にあるんだけど、なんでこっちに?」
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「あら、それはうれしいわねー! ちょうど今、揚げているところだから、買っていってー!」
店前に行くと、ちょうど揚げたてが出来上がる時間だったらしく、フライヤーの横には、コロッケが山積みになっていた。
「コロッケ一個とアメリカンドッグ二個ください」
「はいよー。ミンチカツも揚げたてだけど、一個どうだい?」
神様だけでなく、ご主人もなかなかのやり手のようだ。
「じゃあそれも、一個お願いします」
「まいどありー」
熱々の揚げ物が入った袋を受け取ると、その場を離れる。後ろを振り返ると、けっこうな人数が並んでいて驚いた。
「なんじゃ、結局はお前さんも、食べる気満々なんじゃな」
「だってアメリカンドッグ、食べたかったんですもん。でもコロッケとミンチカツ、どうしましょうね。ご主人の口車に乗せられちゃいましたけど、神様、二個とも食べられますか?」
「それぞれを半分ずつにして、二人で食べれば良いじゃろ?」
「そうなんですけどねー……」
お店の前に置かれているベンチは、すでにコロッケを食べている人達で満員だ。どこで食べようかと迷っていると、少し離れた場所から、オバチャン神様が手招きをしているのが見えた。
「神様、あっちに行きましょうか。呼ばれてるみたいだし」
「そうじゃの」
私と神様は、オバチャン神様のところへ向かう。
「休日は人が多くて、店前に置いてあるベンチも満員でしょー? こっちなら誰も来ないから、ゆっくりできるわよ」
オバチャン神様につれられて、お店とお店の間の路地に入る。奥は小さな箱庭のような場所で、周辺のいくつかのお店の勝手口と面していた。庭の真ん中には古い井戸と、その井戸を囲むようにベンチが置いてある。
「良かったんですか? ここ、商店街のプライベートな場所じゃ? 私達が入ってきても良かったんですか?」
「大丈夫よー。ここは私達もよく使う場所で、この時間は誰も来ないから」
ベンチに座らせてもらう。コロッケとミンチカツを二つに割っていると、急にザワザワとした気配が近づいてきた。
「おお、この前の窓口の人じゃ」
「先週も来ておったな? それなのにまた来てくれたんか。ありがたや、ありがたや」
「お? 神もおるぞ? おお、あの時のパソコンの神様かい」
いつの間にか、ハロワに来た神様達が集まってきた。
「ちょっと、あんた達、あんまりジロジロみるんじゃないわよ! コロッケを食べる場所がないから、ここに来てもらったんだからね! 今日は募集の相談の話はなしよ!」
「なんじゃ、自分の店のもんだけを買わせたのか? ここには、他の店もたくさんあるじゃろー?」
神様が神様を呼ぶ状態になり、周囲はどんどん騒がしくなっていく。だがそこはさすが神様。私の横に座っているパソコンの神様は、騒ぎをものともせずに、平然とした顔でアメリカンドッグを食べていた。
「こんなに神様に囲まれることってないですよ。よく平気ですね、神様」
「そりゃあ、同じ神じゃからの」
「人間の私、圧倒的な少数派で肩身がせまいです」
そう呟くと、アメリカンドッグをかじった。
「!! うまーっ!! このアメリカンドッグのころも、スパイスがきいていて、すっごいおいしいですよ!」
思っていた味とまったく違って驚いた。そして私の言葉に、オバチャン神様がニッコリと笑う。
「それ、あの店のオリジナルなのよー! 先代が、甘いころもなんて、ありきたりすぎると言ってね! そのころもにたどりついたのよー! すごいでしょー? それも口コミで広めてもらえるとうれしいわー!」
「ちょっと肉屋の神! 自分の店だけを宣伝するな! わしらの店も口コミで書いてほしいぞ!」
「食べものじゃない店はどうするんじゃ!」
あっちこっちから声があがり、収拾がつかなくなってきた。
―― きっと普段の神様的な会合も、こんな感じなんだろうなあ……ちょっと騒がしすぎだけど…… ――
そしてそんな中でも、パソコンの神様はマイペースだ。アメリカンドッグを食べ終わると、今度はコロッケに手をのばした。
「そう言えば、さつま揚げのことは、うちの一宮さんが、口コミサイトに書き込むって言ってましたよ?」
「おお、それはありがたい!」
そう言った神様が、あのお店の神様なんだろう。そうなると黙ってはいられないのが、その他のお店の神様達だ。
「榊さんは、アンティークのお店が素敵だったって言ってました。ところで、ああいう古い道具の神様達って、一体どうされているんですか?」
あの井戸の神様のお宅もそうだったが、あの手の道具の神様達はどうしているんだろう。あれからこっち、あの家の古い道具の神様達が、うちのハロワに来たという話は聞いていない。みんな、神様の世界に帰っていったのだろうか?
「そのまま道具についている神もいれば、帰っていく神もいるし、私達のように転職する神もいるわよ? この神、実は昔、古い茶釜の神だったのよー。今じゃ、この井戸の神をしてるけどー」
オバチャン神様が、井戸の縁に座っていた神様を指でさした。
「茶釜ですか。茶釜と井戸では、ずいぶん規模が違うような気がしますけど、そのへんは大丈夫なんですか?」
小さな茶釜と、それなりの大きさの井戸。急に居場所の大きさが変わっても、大丈夫なものなんだろうか? そう感じるのは人間の私だけで、神様的にはその手の規模は関係ないのだろうか?
「まあ長いこと神をしていますと、それなりになんと言いますか、今でいうところの、レベルが上がると申しますか。長ければ長いほど、様々なモノの神になれるようになるのですよ」
私の質問には、元茶釜の神様が答えてくれた。
「ほー……では、神様になりたての神様は、神になれるモノも行ける場所も、限られていると」
「そういうことですな。ちにみにですが、人間が感じる広さとか狭さといものは、我々には関係ないのですよ。ですから、茶釜の中がせまくて困るという話ではないのです」
「なるほどー……」
また新しいことを知った。これは職場のカンペに書いておかなければ。
「ごちそうさまじゃ。次はなにを買うてもらおうかのう」
パソコンの神様がごちそうさまをして、私を見た。
「え、もう食べちゃったんですか? あ、私のミンチカツが!」
袋の中にからっぽだ。コロッケもミンチカツもない。
「アメリカンドッグもまだ食べ終わっておらんじゃろ? 冷めたらもったいないからのう」
「本当に油断もスキもない……」
「油断大敵じゃの。フォッフォッフォッ」
「じゃあ次は、わしの店の茶団子じゃ!」
「いやいや! わしの店の豆腐じゃ!」
「漬物じゃ!」
「回らない寿司はどうじゃ!」
「どれもうまそうじゃのう」
物理的に限界のある私の胃袋とは違い、神様の胃袋は無限大だ。
―― 毎週来てたら、お財布がどうこうなるより先に、私の体重がとんでもないことになりそう…… ――
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