俺の彼女は中の人

鏡野ゆう

文字の大きさ
上 下
15 / 39
本編

第十四話 杏奈さん謎のお婆ちゃんに出会う

しおりを挟む
 五時半になって終業のチャイムが鳴る中、座ったまま大きく伸びをした。久し振りに広報誌の入稿作業をしたら、肩がこっちゃったよ。

「あー、肩こったぁ。今週は久し振りに、広報課らしい事務仕事をした感じですよ」
「ここしばらく、マツラー君で忙しかったものね」

 年末年始は、あちらこちらのイベントにマツラー君は呼ばれたので、三体総動員で各地を回った。ちなみに私は関東一帯で、あっちに行ったりこっちに行ったり。二号君は東北から北海道へ、三号君は関西から九州へ、それぞれマスコットキャラが参加するイベントに参加。仕事納めって何日でしたっけ?な感じで、気がつけば新しい年になっていた。そのお蔭か、広報課には御当地お菓子のおみやげがあふれていて、隣の秘書課の人達が、こっそりとおやつの時間にやってくるほど。もちろんお菓子はトレード制。

武藤むとうさんはどうするんですか? まだ代休も有給も、残ってますよね」
「うん。ただ三月に子供達の卒業式があるでしょ? あの時に使わせてもらおうかなって、考えているから」
「なるほどー。お子さん、いよいよ中学生なんですね~」
「高校受験が視野に入ってきて心配だわ……進路に関してものらりくらりで、何も考えてないみたいなのよね」
「まだ早いですよ、小学生なんだし」
「三年間なんてあっという間よ~~」

 武藤さんはお子さんがいるから、年末年始の休みを返上することはなかったんだけど、そのかわりと言って、なかなか手をつけられない事務仕事を一手に引き受け、留守番をしながら粛々と処理してくれていた。武藤さんがいなかったら、広報課は一体どうなっていたんだろうねって、仕事納めの日にみんなで拝んでしまったほど。お蔭で私もマツラー君も楽させてもらいましたよ、感謝感謝。

立原たちはらさんは明日から代休なんだっけ?」

 広島名物もみじまんじゅうを食べながら、東雲しののめさんが声をかけてきた。机の上に山盛りになっているお菓子。このもみじまんじゅうも、佐伯さえきさんがいたら、きっと喜ぶだろうなあ……。

「はい、季節はずれのお正月休みです」
「じゃあ、やっとカレシさんとデートができるってわけだね」
「あー……」
「ん? 違うの?」
「私のカレシさんは少し遠くに行っているみたいで、しばらく連絡がとれないんですよ」
「え、そうなんだ。それってどれぐらい、連絡がとれなくなるものなんだい?」
「下手したら、二ヶ月ぐらいになるんじゃないかなって話です」

 東雲さんは、私の言葉に目を丸くした。そりゃそうだよね、普通の恋人同士なら、会えなくても電話で話すぐらいできそうだって思われそうだもの。

 だけど、私のカレシさんは海の男で、現在はどこかの海のど真ん中にいるはず。護衛艦の中には、一応、公衆電話はあるということだけど、海の真ん中ではつながりそうにない。あと、衛星回線というSF映画のような通信手段もあるらしいけど、当然のことながらそれだって緊急用。そんなわけで、どこかの港に立ち寄らない限り、音信不通なのだ。いや、もしかしたら立ち寄っても音信不通なのかも。寺脇さんの奥さんが、今回は行動制限もあるみたいよって、言っていたから。

「電話もなし?」
「基本的には」
「それって……寂しくない?」
「寂しくないって言えば嘘になりますけど、どちらかと言えば心配の方が先かな。行った先で事故とか病気にならないかとか、そっちの方で」
「連絡がつかないっていうのはつらいねえ。あ、じゃあさ、気晴らしに今度の休みに映画でも行かない? ほら、何とかっていうファンタジー物の新作、観たいって言ってたよね」

 東雲さんは何気ない口調でそう言っただけなのに、なぜか佐伯さんが言っていた言葉が頭の中をよぎった。

= あの背の高いお兄さんが近くにいる事の方が不安なんだけどな =

 こちらの返事を待っている東雲さんの顔を見ても、別に変な下心があるような感じには見えなくて、いつもの面倒見の良い先輩の顔をしている。だけど佐伯さんが心配だなって言っていたのは、こういうことなのかなって急に思い至っちゃって、この場合はお断りしておいた方が良いのかな?って思えてきた。それにこの映画、佐伯さんも観たいって言ってたんだよね。だからレンタル出てから、一緒に観ようかなとも思っていたし。

「あー。その映画は、友達と行く約束しちゃったんですよ~」
「そうなのか、残念。じゃあ、どこかで夕飯でもどう? カレシさんと会えないと寂しいだろ?」
「それがですね、実のところ、あまり寂しいがってるヒマもなさそうなんですよ。佐伯さんの同僚さんの、奥様方とお知り合いになる機会がありまして、何気にお誘いが増えているんです。これって逃がさないわよっていう、意思表示なんですかね」

 これは本当。カレンダー上の年末に、寺脇てらわきさんの奥さんに誘われて夕飯を食べに行ったら、何故か、同じ護衛艦の艦橋勤務をしている他の人達の奥様方が、次々と現れた。口では皆「あら偶然よねー、ここはよく来る所お店だものねー」なんて言っていたけど、そんな都合の良い偶然なんてそうそうあるわけない。つまりは偶然を装った確信犯に決まっているわけ。こんな奥様包囲網ってやつに囲まれて、まだお試しなんですよなんていう理屈が通るんだろうか?と、ちょっと心配になってくる。

「なかなか凄いことになってるんだね、立原さんの周辺」
「なかなか凄いっていうか、面白い人が多くで楽しいんですけどね。それに無碍むげ断ると、佐伯さんの立場が悪くなったら困りますし」
「困ってるってわけじゃなさそうだね……」
「はい。それなりに楽しんでます。お子さん達には私の正体はマツラー君って話になっていて、尊敬の目で見られてますし」

 小さい子達には中の人なんて言っても理解できなくて、あれこれ話しているうちに、何故か「あんなちゃんは、じつはまつらーくんなのだ」ということで落ち着いてしまった。まつらー君が私、ではなく、私がまつらー君というのは、ちょっとおかしいような気はするんだけど。

「で、明日はその奥さんのお一人と一緒に、海難よけの神様にお参り行くんですよ。船乗りさんのカレシ持ちらしいでしょ?」
「へえ、そんなところがあるんだ」
「はい」
「ふーん。すっかりカレシさんや周辺の人達と、家族みたいになっちゃってるね」
「ですよねー。私もまさか、海難避けのお参りをすることになるとは、去年の今頃は思いもしませんでした。じゃ、お疲れ様でした。お休みの間のことは、よろしくお願いします。何か分からないことがあったら、携帯のメールにでも入れておいてください」
「分かったよ。ゆっくり休んで」

 んー……? なんだろう、この何とも言えない空気。東雲さんの視線を背中に感じながら、部屋を出た。


+++++


『ごめんね、せっかく予定あけてくれたのに』

 次の日の朝、寺脇さんの奥さん、奈美子みなこさんから電話がかかってきた。朝になって、チビちゃんが急に熱を出したとか。小さい子って、急に体調が変わったりするので大変だったと、武藤さんが話していたことがあるのを覚えていたので、お大事にってことで電話を切る。ま、でも行き方は調べて分かっているし、行こうって話していたのを急に取り止めたりしたら、神様が怒っちゃうって話を小耳にはさんだことがあるので、一人で出掛ける準備をして家を出た。

 行き先は虎ノ門とらのもんにある金刀比羅宮こんぴらぐう。平日の午前中ということもあって、ビルの谷間にある神社の境内は人の姿も少なく、休み時間を利用してマッタリしているサラリーマンさんの姿もない。あまり騒がしいより、このぐらい静かな方が良いかもと思いながら本殿に向かうと、参道の途中のベンチにお婆ちゃんが座っていた。何となく目がそちらに行ってしまっていたら、お婆ちゃんがこちらを向いてニッコリと微笑んだので、思わず会釈えしゃくしてしまった。

 ま、まさか知り合いじゃないよね? だけどどこかで会ったことがあるような気も。誰だったかな。そんなことを考えながら本殿でお参りをして戻ってくると、まだお婆ちゃんはそこに座っていて、私のことを見て再び微笑んだ。

「おはよう。もしかして、どなたかの安全祈願?」

 私が思わず立ち止まると、声をかけてきた。

「あ、はい。航海安全の祈願に」
「お知り合いが船乗りさんなの?」
「まあ、お付き合いしている人なんですけど」
「ああ。カレシさん、ってことかしら?」
「そんなところです」

 お座りなさいなとベンチの隣を手で軽く叩いたので、万が一、どこかで会っている役所関係の偉い人だったら困るので、おとなしくそれに従った。ほら、偉い先生のお母さんがどこかの外郭がいかく団体の理事とか、知事さんの奥さんが設立に尽力した市民団体の理事をしているとか、そういう可能性もあるし。ここは色々な企業の入ったビルがたくさん立ち並んでいるから、どこで誰の関係者と会うか、分かったもんじゃないものね。

「珍しいわね、あなたみたいなお若い人が、ここにお参りに来るなんて」
「そうなんですか? 交通安全のお守りを車にぶら下げているので、普通だと思っていたんですけれど。兄が消防士なので、火難除けに愛宕あたご神社にお参りに行ったこともあるんですよ。最近はサボり気味で、兄のカノジョさん任せですけど」
「あら、そちらも感心ね。信心深い御家族だこと」
「危険な職業についていると、周囲の家族はこれぐらいしかできませんからね」

 兄貴が消防士になるって言い出したのは、いつだったか。多分、尊敬していた高校の先輩が消防士になったのが大きいんだけど、そりゃもう母親は大反対だった。って言うのも、母親の親戚にも消防士になった人がいて、仕事中に亡くなっていたから。

 もちろん兄貴は、母親のそんな言い分を押し切って今に至るけど、とにかくなり立ての頃は、母親は毎週のようにお参りに行ってたっけ。今ではさすがに落ち着いたのか、お参りに行くのは、半年に一度とか一年に一度になっている。随分と扱いが軽くなったよな俺、なんて兄貴は笑っているけどね。母親の信心のお蔭か本人が優秀だったのか、兄貴は今も怪我一つすることなく、元気に消防士をやっている。

「たしかにそうね、こっちがいくら心配しても、本人が望んで進んだ道ですものねえ」
「そちらも?」
「息子と孫がね、やっぱり船乗りなのよ。この勢いだとひ孫も船乗りになって、船乗り三代になるかもしれないわ」
「それはすごいですね!」

 お婆ちゃんは困ったものよねと呟きながら、ため息をついた。

「まったくねえ。こっちが苦労しているのを見ていたから、違う道を進んでくれると期待したんだけど。男って困った生き物だわ」
「ひ孫さんも、ですか?」
「まだ小さいから分からないけれど、私の勘、良く当たるのよ。あなたのカレシさんも船乗りなのよね、留守がちなんでしょ? 寂しくない?」
「もちろん寂しいですよ。ですけど仕事の都合で会えないのは、どのカップルさんでもあることですし、たまたま私達のところは、会えない時間が長いっていうか頻繁ひんぱんっていうか。今は会えないなりに、楽しい思い出作りをしようと、お互いに創意工夫中ってところです。だから今日のお参りのことも、メールで送るつもりなんですよ」
「なかなかたくましいのね、あなた」」
「そうですか? あ、そうだ。もしよろしければ、一緒に写真撮ってもらえますか? お参りした時に会いましたって、相手に送りたいので」
「あら、素敵」

 そんなわけで、私とお婆ちゃんは一緒に写真を撮った。

 うちも親子三代の船乗り目指してみようかなって呟いたら、お婆ちゃんはとても楽しそうに笑っていた。それからお別れをして自宅に戻ってから、写真をメールに添付して佐伯さん宛に送る。もしかしたら金毘羅宮こんぴらぐうの御利益よりも、見ず知らずのお婆ちゃんとの写真の方が、私達にとっては御利益があるんじゃ?なんて、ちょっと罰当たりなことを考えてしまったのは秘密だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

完結【R-18】公爵様と侍女

みるく
恋愛
私のお仕えしてる公爵様。 お優しくてちょっぴりお茶目な旦那様。 憧れからいつの間にか・・・

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

性欲の強すぎるヤクザに捕まった話

古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。 どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。 「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」 「たまには惣菜パンも悪くねぇ」 ……嘘でしょ。 2019/11/4 33話+2話で本編完結 2021/1/15 書籍出版されました 2021/1/22 続き頑張ります 半分くらいR18な話なので予告はしません。 強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。 誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。 当然の事ながら、この話はフィクションです。

交際0日。湖月夫婦の恋愛模様

なかむ楽
恋愛
「いらっしゃいませ」 「結婚してください」 「はい。いいですよ。……ん?」 <パンののぞえ>のレジに立つ元看板娘・藍(30)の前にやって来たのは、噂では売れない画家で常連客の舜太郎(36)だった。 気前よく電撃結婚をした藍を新居で待っていたのは、スランプ中の日本画家・舜日(本名・湖月舜太郎)との新婚生活だった。 超がつく豪邸で穏やかで癒される新婚生活を送るうちに、藍は舜太郎に惹かれていく。夜の相性も抜群だった。 ある日藍は、ひとりで舜太郎の仕事場に行くと、未発表の美しい女性ただ一人を描き続けた絵を見つけてしまった。絵に嫉妬する。そして自分の気持ちに気がついた藍は……。(✦1章 湖月夫婦の恋愛模様✦ 2章 湖月夫婦の問題解決 ✦07✦深い傷を癒して。愛しい人。 身も心も両思いになった藍は、元カレと偶然再会(ストーキング)し「やり直さないか」と言われるが── 藍は舜太郎に元カレとのトラブルで会社を退職した過去を話す。嫉妬する舜太郎と忘れさせてほしい藍の夜は ✦08✦嵐:愛情表現が斜め上では? 突如やって来た舜太郎の祖母・花蓮から「子を作るまで嫁じゃない!」と言われてしまい? 花蓮に振り回される藍と、藍不足の舜太郎。声を殺して……? ✦09✦恋人以上、夫婦以上です。 藍は花蓮の紹介で、舜太郎が筆を折りかけた原因を作った師匠に会いに行き、その真実を知る。 そして、迎えた個展では藍が取った行動で、夫婦の絆がより深くなり……<一部完結> ✦直感で結婚した相性抜群らぶらぶ夫婦✦ 2023年第16回恋愛小説大賞にて奨励賞をいただきました!応援ありがとうございました! ⚠えっちが書きたくて(動機)書いたのでえっちしかしてません ⚠あらすじやタグで自衛してください  →番外編③に剃毛ぷれいがありますので苦手な方は回れ右でお願いします 誤字報告ありがとうございます!大変助かります汗 誤字修正などは適宜対応 一旦完結後は各エピソード追加します。完結まで毎日22時に2話ずつ予約投稿します 予告なしでRシーンあります よろしくお願いします(一旦完結48話

冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました

せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜 神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。 舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。 専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。 そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。 さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。 その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。 海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。 会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。 一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。 再会の日は……。

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?

副社長氏の一途な恋~執心が結んだ授かり婚~

真木
恋愛
相原麻衣子は、冷たく見えて情に厚い。彼女がいつも衝突ばかりしている、同期の「副社長氏」反田晃を想っているのは秘密だ。麻衣子はある日、晃と一夜を過ごした後、姿をくらます。数年後、晃はミス・アイハラという女性が小さな男の子の手を引いて暮らしているのを知って……。

処理中です...