恋と愛とで抱きしめて

鏡野ゆう

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番外編

番外編 第五話

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 それから四日。その間に届いた封筒は二通で、合計三通となった。そのたびに加藤かとうさんが来てくれて封筒は回収されていったんだけど、相変わらず指紋はついていなくて消印もばらばらで手がかりはゼロ。私関係か信吾しんごさん関係かというのも判明していないとか。

「御主人の方で、何か分かったこととかお話はされてますか?」
「いえ。何か不審な点は無いか調べてみるとは言ってましたけど、それ以降は何も」
「そうですか。こちらから、防衛省を通じて森永もりながさんに問い合わせをさせていただいているのですが、現在調査中との返答ばかりでして」
「すみません。私も主人の仕事のことはよく分からないものですから」

 実際のところ、信吾さんが何か調べているみたいな気はするんだけど、聞いても全然答えてくれないんだよね、お前は知らなくて良いとか機密事項に引っかかるとか言って。封筒を送ってこられているのは私なんですけど!って言っても、犯人が分かったら教えるから、それまでは大人しく自分と子供達の安全を第一に考えろだって。被害を受けている張本人の私が蚊帳の外って、一体どういうこと?

「ところで、ここから自宅までの安全の確保はできていますか? 何なら警察官に送るように手配しますが」
「森永先生の旦那様か旦那様の部下の方が送ってくださっているので、心配は全くありませんよ。なにせ自衛隊の方ですし、守ることに関してはプロフェッショナルな方達ですからね」

 吉永よしながさんが速攻で口を挟んできた。吉永さんってば加藤さんを警戒しすぎ。もしかして信吾さんと何か話をしたの?って思うぐらいだよ。まさか加藤さんが封筒を送った犯人だなんて思ってないよね?

「そうなんですか?」
「封筒が届いてからは、主人か主人の部下の方に送り迎えをしてもらってます。ですから私達のことは心配ご無用です。子供達も知っている人のほうが安心しますし」
「そうですか」

 なんだかちょっとガッカリした顔の加藤さん。確かに申し出は有り難いものだけど、実のところ、私も見ず知らずの人より香取君のほうが安心だから、可能な限り香取君か信吾さんにお願いしたい気分だ。

「こちらは大丈夫ですから、早く嫌がらせをしている人を見つけていただきたいです」
「そうですね。我々もできる限りのことはします」

 話はそれで終わったはずなのに、何故か椅子から立ち上がろうとしない加藤さんに、吉永さんがちょっとだけイラッとしたのが分かった。そのうち無理やり椅子を取り上げて追い出すんじゃないかって、少しハラハラしちゃっていると、診察室のドアがリズミカルにノックされた。誰だろ、あんな風にふざけた感じでノックをするような人って、うちの病院にいたかな。

「どうぞー」

 声をかけるとドアが開いて、そこから顔を出したのは矢野やのさん、安住あずみさん、下山しもやまさんの三人だった。

「お久し振りです、奈緒なおさん。ちょっと近くまで遊びに来たんで挨拶に来ましたよっと。あれ? もしかしてお邪魔だった? 患者さんいないって、あっちで聞いてきたんだけど」
「ええ、こちらは患者さんじゃなくて刑事さんです」

 私の言葉に納得したとうなづく矢野さん。

「ああ、二佐から話は聞いてる。災難だったね、今は香取が送迎してるんだろ? あいつの実力は二佐も認めている。奴だったら送迎任務を任せておいても安心だ」
「警察がこの程度で動いてくれるなんて、やっぱり理事長先生の人脈のお陰? それとも奈緒さんの人徳かな?」

 下山さんが加藤さんを手で示しながら、首をかしげてみせた。

「理事長先生の息子さんのお知り合いなんです、こちらの刑事さん」
「へえ、持つべきものはなんちゃらってやつなんだね。まあ頑張って捜査して、サクッとお馬鹿な犯人を逮捕しちゃってくださいよ、刑事さん」
「この人の旦那さん、俺達の上官でね。愛する嫁さんが危険な目に遭うかもしれないからって、落ち着きがなくて困ってるんだよ、頼むよ?」
「善処します」

 下山さんだけではなく安住さんにも言われ、少し硬い表情でうなづく加藤さん。吉永さんが、三人のためにお茶を煎れて持ってきてくれた。なんだか加藤さんに対する態度と、三人に対する態度に温度差があるように見えるのは気のせい?

「先生の旦那様、本当に先生のこと大切になさってますもんねえ……」
「もうね、見ているだけでお腹いっぱい愛情てんこ盛りの溺愛ですよ。よくあれで奈緒さんが窒息しないもんだと、いつも感心しています。しかも妻に近づく男は何が何でも排除しちゃいたいって人ですから、シャレにならない」
「あら素敵。ね、先生」
「溺愛ってほどじゃないですよ?」
「あらー……まだ溺愛されている自覚が無いんだね、奈緒さん」

 三人が物凄く同情した表情で私を見つめてくる。え、だって溺愛されてる感じじゃないよ? そりゃ信吾さんは優しいし愛してくれているのは感じるけど、別に猫可愛がりされているって感じじゃないし、たまにドSだし意地悪してくるし。んー……ラブラブだってのは認めるけど、溺愛じゃないと思う、多分。

「俺達がこうやって奈緒さんと話せるのは信頼関係のお陰。そうでなかったら、今頃どんな目に遭わされているのやら。あ、だから刑事さんも気をつけて。まあ、法の番人が他人様の嫁に言い寄るだなんて間抜けたことはしないと思うけどさ、うちの上官、怒ると怖いから」
「しかも後ろに大物ついてるから、その人まで敵に回したら出世どころか日本では生きていけないよ? そちらは法の番人なんだからそんな馬鹿なことしないと思うけど、念のために言っておくよ~。俺達って親切だよなー」

 アハハハと楽しそうに三人+吉永さんとで笑っている。加藤さん、何だか落ち着きがないし、心なしか顔色が悪くなってきていませんか?

「では森永先生、私はこれで失礼します。何かあったら連絡してください」
「お忙しいのにありがとうございました」

 廊下を歩いていく加藤さんの肩が、ガックリと下がっていたのはどうしてだろう? 診察室に戻れば、矢野さん達と吉永さんが楽しそうにお喋りを継続中。えっと初対面のはずですよね、矢野さん達と吉永さんとは。なんでそんなに打ち解けちゃってるのかな?

「皆さん、お休みでってことは、奥様やお子さんたちも一緒に?」
「いえ、ちょっと男同士で色々と行くところがありまして。あ、別にいかがわしいところじゃないので御安心ください。俺達は二佐と同じで嫁一筋ですから」

 矢野さん、何だかとっても楽しそう。その顔を見ていると、何となく学生の時にあった『探偵さんに忠告してあげた』事件が思い出されて怪しさ全開なんだけど、私の考えすぎかなあ。

「一筋なのは分かってますけど、せっかくお休みなのに家族サービスしなくても良いんですか?」
「俺達は指導教官になりましたからね。二佐と同じで週休二日で普通に休みがとれる、中間管理職なんですよ。休みの時はきちんと嫁と家族に奉仕していますから、大丈夫です」
「そうなんですか?」
「「「そうなんです」」」

 三人に同時に返事を返されて言葉につまってしまった。

「しかし奈緒さんが元気そうで良かったですよ。変な嫌がらせを受けているから、テンション下がりまくってドンヨリしちゃってるんじゃないかって、心配してたんです」
「何て言うか……写真まで撮られているのに、相手が誰だか分からないのは気持ち悪いです。早く捕まって欲しいですよ、子供達にまで危害を加えられたらって思うと怖いですし」
「心配ないですよ。ここまで来る間に見て回りましたが、この病院のセキュリティは民間施設としてはしっかりしているし、お子さんもここにいる限りは安心でしょう。それで、さっきの刑事、犯人の特定とかできてそうでしたか?」
「いえ、まだみたいです」
「なーるほど」

 なんでそんなに、嬉しそうな顔してニヤニヤしているのかな、三人とも。

「ま、警察があてにならなくても、俺達がついているから大丈夫。ちゃーんと犯人とっ捕まえて二佐の前に差し出してやりますから、御安心を」
「え? どういうことです?」

 思わず聞き返しちゃった。こう言っちゃなんだけど、悪い予感しかしないよ? ねえ、また何か忠告とか警告とかしちゃうつもりでいる?

「「「気にしない気にしない」」」

 だから三人ではもらないで……。

「あのぅ、きっと前みたいに知らない方が良いってことで教えてもらえないんでしょうけど、三人とも危ないことだけはしないでくださいね?」
「……奈緒さん」

 三人が顔をしかめた。

「なんでしょう」
「そんな顔して他の男を見ちゃ駄目ですよ? 特にさっきの刑事さんとか」
「はい?」
「俺達は奈緒さんが二佐LOVEだって知ってるから勘違いしないけど、それでもグッときた」
「やばい、今の気持ち二佐に知られたら俺達きっと東京湾に浮かぶ」
「えっとですね、とにかく無茶はしないように。信吾さんも皆さんに何かあったら、きっと悲しみますからね?」
「「「心得てます」」」

 だからはもらないでー!!


+++++


「どう思う、あの加藤ってやつ」

 病院を出て目的地近くに来てからの俺の言葉に、安住と下山がフンと鼻をならす。言いたいことはそれで充分に伝わった。

「黒じゃないと見たが、絶対に奈緒さんに気があるよな、あの刑事」
「クソガキよりも、あの刑事を先に何とかした方が良いんじゃないのか? 奈緒さんはまったく気にも留めてないみたいだけどな」
「奈緒さんのアレは反則だよなー。なんなの、あの可愛さは。二児の母があんなに可愛くて許されるのか? そりゃ変な男が寄ってくるはずだ、二佐も大変だな」

 下山はあきれたように呟いた。初めて会った時にも思ったが、二佐が溺愛する気持ちも理解できないでもない。ただ、溺愛されている本人が二佐の度を越した溺愛っぷりに未だ気がついていないというのが、愉快と言うか不思議と言うか。あれが普通の愛情だと思っているところが凄い。

「あの外来って患者さんの愚痴を聞くところなんだろ? あのフンワリした雰囲気が落ち着かせるものなのかもな、患者さんの気持ちを」
「あれが素というのが彼女の凄いところだよな。ある意味、絶滅危惧種かもしれん」

 出会った当時は、絶対に天然なキャラを演じていると思っていたので、あれが彼女の素だと知った時は、正直驚いたというのが俺達三人の共通の感想だった。そんな絶滅危惧種な二佐嫁殿に嫌がらせをするとは、まったくもってけしからん。そんなことを考える自分達も溺愛二佐と大して変わらないのだが、そのあたりは都合良くはるか彼方の棚の中にしまっておく。

「さて、こっちの休暇もあと一日だ。そろそろ押さえても良いんじゃないかね、あのクソガキ。尾行するのも飽きた」

 そう言ったのは安住。この群の中でもストーキングさせたら右に出る者はいないとまで言われている男、優秀なのだが唯一の欠点は飽き性であるということ。堪え性が無いと言うわけではない、ただ飽きっぽいということだ。

「そうだな。前回の投函中の写真は撮ったし、首根っこふん捕まえて二佐の前に連れて行くか」
「バカだよなあ、せっかくの素質がパァだ」
「ここまで養成した税金もパァだ、けしからん」
「それなりに償いをしてもらわんとな。お、噂をすればクソガキ三等陸曹ちゃんのお出ましだぞ」

 所属している駐屯地の官舎から出てくる戸川とがわ。肩にかけたデイバッグの中には、恐らく奈緒さんに送る封筒が入っているに違いない。たとえ入っていなくても、前回の投函現場は写真に撮ってある、こちらは警察ではないのだから、証拠は写真だけで充分だ。

「なあ矢野、隊内での教育的指導っていうのは、一人前になっても有効なのか?」

 下山がニヤリと笑いながら、こちらに気づくことなく駅方面へと歩いていく戸川の後ろ姿を見つめた。

「あいつは俺達の生徒じゃないぞ。それにだ、あいつのママがどんな奴だったか思い出してみろ。そいつの息子だ、大人しく泣き寝入りするような男か? 騒いで二佐がとばっちりを食うのはNGだろ」
「めんどくせーガキだな。だが一度きちんと痛い目に遭わせないと分からんだろ、あのバカ」

 安住も下山も、奈緒さんの前で被っていた猫を何処かに放り出している。奈緒さんが一度『特作って怖い人の集まりだと思っていたんですけど、矢野さん達はとっても優しいんですね』と言ったことがあるが、まさか彼女の前では俺達が猫を十匹ぐらい重ね着しているなんて、思いもしないんだろうな。

「投函するところを押さえるからな」

 安住が歩調を早めて、ディバッグに手を入れた戸川に接近する。そして取り出された茶色い封筒を投函しようとしたところで、安住の手がそれをつかんだ。

「よお、小僧。また森永先生にラブレターか?」
「?!」

 手を振り払って逃げようとしたところを、下山と俺とで退路を断つ。

「事務屋だから仕方がないが、まったくこちらの尾行に気がつかないとは、先輩として情けないぞ。教育隊で何を習ってきたんだ、あ?」

 おいおい、下山。口調がヤのつく職業の人になってるぞ。

「お前、まさか自分がマークされるはずがないだなんて、思ってないよな?」
「隊というか、お前の上官の向井むかい三佐のこと舐めてないか? あの人はS級ハッカー並の腕を持ってるんだぞ? お前が二佐のことを調べたことなんてバレバレだっつーの。まったくなあ、泳がされていたのに気づかないとは、母親もアレだが息子も息子だな……」
「さて戸川三曹、一緒に来てもらうぞ」
「あ、あんた達は……」

 ここに来てやっと口を開く戸川。

「お前さんが脅している人の知り合いだ。そう言えば何処の人間か分かるよな」

 そう言いながら、近くに止めてある車の方へと引き摺っていく。さすがに特作三人に囲まれては逃げられないと観念したのか、大人しいものだ。戸川を車の後部シートに押し込むとその隣には安住が座った。

「どうせ隣に座るなら可愛いお姉ちゃんの隣が良いのにな、なんでこんなクソガキと」
「文句言うな」
「ところでこの封筒、えらく中身が重たくなっているが、中身は最初と同じものか?」
「……」

 火薬ならその気になれば何処ででも入手できる。だがその入手元が隊だとしたら大問題だ。今のところ不明になった武器があるという話は聞いていないから大丈夫だとは思うが。

「この量の火薬が破裂すれば下手すれば大怪我だが、そのへんの覚悟はできてるんだろうな、お前」
「しかし下山、お前よく平気な顔して持っていられるな。破裂したらどうするんだ?」
「これ、投函しようとしていたんだぞ? っていうことは開封して空気に触れなければ破裂しない仕掛けってことだろうが」
「あ、いいこと思いついた。それ、こいつの顔の前で開けてやろうぜ」

 安住の言葉に、戸川の顔が青くなったのがミラー越しに分かった。

「おいおい、車の中でそんなもの開けるな。顔が吹っ飛んで車内が血まみれになったらどうするんだ。俺が嫁に叱られるからやめろ」
「なんだ、つまらん」
「やりたいなら自分の車の中でやれ」
「俺だって嫁に叱られるのは嫌だ」

 だったら大人しく座ってろっつーの。
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