6 / 39
第六話 ちょっとスパイ映画っぽい
しおりを挟む
いきなり行き先が変わってしまったので、デスクに戻ってからスマホで行き方を調べる。幸いなことに、東都銀行本店は、ここから病院に行くルートの途中にあった。
―― よし、大丈夫。そんなに違わない。むしろ行くのが簡単になった ――
行く予定のデパートにも、問題なく立ち寄ることができるルートだ。
「ところで羽織屋。小此木さんの書くペースの件はどうした? そろそろ、締め切り日を決めなくちゃならんだろ」
新聞の向こう側から河野さんの声がする。
「今日の量を見てから決めようかと。前回は投薬前で、それなりにスムーズに書けていたみたいですけど、今回は投薬した後ですから、間違いなく遅くなっているでしょうし」
「今回の量を基準にしたほうが、間違いはないか」
「はい。副作用がどのぐらい影響するか、小此木さんも今回の投薬でわかると思うって、おっしゃっていましたし」
「まあ、回顧録の担当は羽織屋なんだ。そこは、あっちとよく話し合って決めろ」
「そのつもりです」
そしてお昼前、編集長と河野さんに声をかけてから、東都銀行の本店に向かうことにした。だがその前に、寄るところがある。デパ地下だ。
「なににしようかなー……」
あれこれ迷いながら、スイーツの店がある場所を見てまわる。小此木さんも奥様も、甘いものが好きと言っていた。最初の打ち合わせの時は、定番の和菓子を持っていった。だから今回は、洋菓子系を持っていこうと思う。だがケーキは生モノだから日持ちしない。しかも場所をとる。
「となれば、チョコレートかな」
チョコレートの詰め合わせを選んだ。これなら冷蔵庫に入れておけば日持ちする。そして一つずつ食べれば、食べすぎと言われることもないだろう。それと万が一、夜遅く原稿を書いているのを看護師さんに見つかったとしても、袖の下として一つ差し出すことも可能だ。
「我ながらいい考え~~」
特に袖の下に関しては。
支払いをして領収書を書いてもらう。小此木さんへの差し入れは、営業経費として認めてもらっていた。ちなみにあの回顧録三冊は、なぜか自腹になってしまった。そのことを河野さんに愚痴ったら、自社の本をバカ正直に買うヤツがいるかと笑われた。1冊ずつではあったが、自社の売り上げに貢献してなにが悪いのか。ちょっと納得がいかない。
+++
「さすが大手銀行の本店。立派なビル~~!」
目の前にそびえ立っているビルを見上げる。うちの会社の何倍の大きさだろう。しかも新しい。ピカピカだ。実にうらやましい。
「そう言えば、移転して本社ビルを建て替えたってニュースになっていたっけ。銀行さんて、お金もってるんだなあ、うらやましい」
もちろんそのお金の中には、微々たる金額ではあるが、自分の預貯金も含まれているわけだ。ビルを見上げながら、正面玄関に向かった。玄関脇には、いかつい顔をした二人の警備員さんが立っている。
―― うちの警備員さんとはずいぶんと雰囲気が違うなあ…… ――
毎日のようにあいさつを交わしている、フレンドリーな警備員さんを思い浮かべた。
―― こういうところも、さすが大手銀行本店ってことかな…… ――
警備員さんの視線を感じながらビルに入った。そしてその広さに驚く。
「ひょー……」
思わずその場で立ち止まり、上から下まで見渡した。吹き抜けになっていて開放感が半端ない。いたる所に資料が積み上げられている我が社とは大違いだ。
「……本当にうらやましい」
入口正面には受付があり、女性が二人、座っている。
「光栄出版の羽織屋と申します。秘書室の安達さんをお願いしたいのですが」
「本日、お約束はされていますか?」
「はい。一時にお約束をさせていただいています」
その人は、手元にある端末を操作して確認をとっている。
「羽織屋様、ですね。たしかにお約束が入っております。安達を呼びますので、あちらでお待ちください」
そう言って女性が手で示したのは、観葉植物で区切られている一角だった。そこは来客用のスペースらしく、座り心地の良さそうなイスがならんでいる。
「わかりました」
そこへ行き、イスに座った。見た目通り、なかなか座り心地の良いイスだ。
―― 来社理由、聞かれなかったけど、もう通達済みなのかな…… ――
そんなことを考えていると、さきほどの女性がお茶を持ってきてくれた。
「ありがとうございます。お気づかいなく」
「お待たせして申し訳ありません」
「いえいえ。本当にお気づかいなく」
テーブルに置かれたのは、お茶と可愛らしい形をした干菓子。こちらは仕事柄、待たされることには慣れている。だからこんなふうに気をつかわれると、ちょっと居心地が悪かった。
一人になると、お茶に口をつけつつ、目だけを動かしてフロアーを観察する。天井が吹き抜けになっているせいか、かなりの解放感だ。色調も銀行の窓口と違って暖かい感じ。
「営業するお店と本社って、かなり雰囲気が違うんだなー……」
しばらく待っていると、メガネをかけた男性がやってきた。私を見た視線が一度はずれ、他の場所に誰かいないか探している。そして誰もいないことがわかると、視線がこちらに戻ってきた。
「光栄出版社さん、ですか?」
「はい」
そう言いながら立ち上がる。
「失礼しました。秘書室の安達と申します」
「羽織屋です。よろしくお願いします」
お互いにあいさつをする。
「さっそくですが、どうぞこちらへ」
そう言って、自分が来た方向を手で示した。ついていくとエレベーターホールがある。
「あの、自分はこちらの指示に従うようにと、言われているのですが」
「はい。私もそのように聞いております」
エレベーターに乗ると、上に行くかと思ったら下に向かっている。
「???」
「なにか?」
「上に行くんじゃなかったのかと。いま、下に行ってますよね、これ」
「まあ、屋上からヘリという手もありはしますが、移動手段としては派手すぎますのでね。経費もかかりますし」
「はい?」
そう言った安達さんは、冗談なのか本気なのかわからない表情をしている。
「私達の行き先は地下駐車場です」
「あー……」
と言ったものの、よくわからない。
「週刊誌の取材対象は、芸能人や政治家だけではありませんのでね。当行でも、こういう時のマニュアルはできているのですよ」
「そうなんですか」
と言ったものの、やはりよくわからない。
「今回の件では、光栄出版さんが尾行される可能性があると聞きまして。こちらの決めた移動手段で、頭取の元へ向かっていただきます」
「私が本社にうかがい、そこで原稿を受け取る方法のほうが、手間がかからないと思うのですが」
そう指摘すると、安達さんはため息をつく。
「私もそう提案したのですが、原稿の受け渡しは直接、どうしても顔を合わせてしたいと申しておりまして。こちらの都合ばかりで申し訳ないのですが」
「ああ、小此木さんの」
「そういうことです」
その気持ちはわからなくもない。顔を合わせて話した方が、細かいニュアンスもしっかりと伝わる。河野さんが担当している加茂先生も、そういう考えの持ち主だ。
「お世話をおかけします」
「それはこちらの言うことです。余計な手間をかけさせてしまって、本当に申し訳ありません」
エレベーターがとまり、ドアがあくとそこは地下駐車場だった。
「ここは社員用の駐車場でして、来客用とは別の出入口を利用しているので、社外の人間は入ることができません」
「なかなかセキュリティがしっかりしていますね」
「最近はいろいろと物騒になりましたからね」
「あの、トランクの中に隠れて移動するとか、言いませんよね?」
恐る恐る質問をすると、安達さんは首をかしげてこちらを見た。
「なるほど。羽織屋さんは小柄ですから、私の車のトランクにも入れそうですよね」
「え? 本当にトランクなんですか?」
「まさか! それに人をトランクに乗せるのは、交通違反になるのでは?」
「まあ、そうかもしれないですね」
「まさか、トランクに入りたいなんて、言いませんよね?」
「もちろん言いません」
スパイ映画っぽい事態だと思っていたので、もしかしたら有り得るかもとは思わないでもなかったが。
「ご安心ください。普通に車に乗っていただきますので」
「それを聞いて安心しました」
少しだけガッカリした気持ちがわかないでもない。
「ちなみに病院のほうでも、職員専用の地下駐車場を利用させてもらいます。そこから職員専用エレベーターで院内に入りますので、関係者以外の人間と接触する可能性はありません」
「そんなルートが確保されているんですね。なんだか秘密基地に行く気分です」
「それでも写真を撮られたりするので、油断はできませんけどね」
安達さんはポケットから車のキーを出しながら笑った。
―― よし、大丈夫。そんなに違わない。むしろ行くのが簡単になった ――
行く予定のデパートにも、問題なく立ち寄ることができるルートだ。
「ところで羽織屋。小此木さんの書くペースの件はどうした? そろそろ、締め切り日を決めなくちゃならんだろ」
新聞の向こう側から河野さんの声がする。
「今日の量を見てから決めようかと。前回は投薬前で、それなりにスムーズに書けていたみたいですけど、今回は投薬した後ですから、間違いなく遅くなっているでしょうし」
「今回の量を基準にしたほうが、間違いはないか」
「はい。副作用がどのぐらい影響するか、小此木さんも今回の投薬でわかると思うって、おっしゃっていましたし」
「まあ、回顧録の担当は羽織屋なんだ。そこは、あっちとよく話し合って決めろ」
「そのつもりです」
そしてお昼前、編集長と河野さんに声をかけてから、東都銀行の本店に向かうことにした。だがその前に、寄るところがある。デパ地下だ。
「なににしようかなー……」
あれこれ迷いながら、スイーツの店がある場所を見てまわる。小此木さんも奥様も、甘いものが好きと言っていた。最初の打ち合わせの時は、定番の和菓子を持っていった。だから今回は、洋菓子系を持っていこうと思う。だがケーキは生モノだから日持ちしない。しかも場所をとる。
「となれば、チョコレートかな」
チョコレートの詰め合わせを選んだ。これなら冷蔵庫に入れておけば日持ちする。そして一つずつ食べれば、食べすぎと言われることもないだろう。それと万が一、夜遅く原稿を書いているのを看護師さんに見つかったとしても、袖の下として一つ差し出すことも可能だ。
「我ながらいい考え~~」
特に袖の下に関しては。
支払いをして領収書を書いてもらう。小此木さんへの差し入れは、営業経費として認めてもらっていた。ちなみにあの回顧録三冊は、なぜか自腹になってしまった。そのことを河野さんに愚痴ったら、自社の本をバカ正直に買うヤツがいるかと笑われた。1冊ずつではあったが、自社の売り上げに貢献してなにが悪いのか。ちょっと納得がいかない。
+++
「さすが大手銀行の本店。立派なビル~~!」
目の前にそびえ立っているビルを見上げる。うちの会社の何倍の大きさだろう。しかも新しい。ピカピカだ。実にうらやましい。
「そう言えば、移転して本社ビルを建て替えたってニュースになっていたっけ。銀行さんて、お金もってるんだなあ、うらやましい」
もちろんそのお金の中には、微々たる金額ではあるが、自分の預貯金も含まれているわけだ。ビルを見上げながら、正面玄関に向かった。玄関脇には、いかつい顔をした二人の警備員さんが立っている。
―― うちの警備員さんとはずいぶんと雰囲気が違うなあ…… ――
毎日のようにあいさつを交わしている、フレンドリーな警備員さんを思い浮かべた。
―― こういうところも、さすが大手銀行本店ってことかな…… ――
警備員さんの視線を感じながらビルに入った。そしてその広さに驚く。
「ひょー……」
思わずその場で立ち止まり、上から下まで見渡した。吹き抜けになっていて開放感が半端ない。いたる所に資料が積み上げられている我が社とは大違いだ。
「……本当にうらやましい」
入口正面には受付があり、女性が二人、座っている。
「光栄出版の羽織屋と申します。秘書室の安達さんをお願いしたいのですが」
「本日、お約束はされていますか?」
「はい。一時にお約束をさせていただいています」
その人は、手元にある端末を操作して確認をとっている。
「羽織屋様、ですね。たしかにお約束が入っております。安達を呼びますので、あちらでお待ちください」
そう言って女性が手で示したのは、観葉植物で区切られている一角だった。そこは来客用のスペースらしく、座り心地の良さそうなイスがならんでいる。
「わかりました」
そこへ行き、イスに座った。見た目通り、なかなか座り心地の良いイスだ。
―― 来社理由、聞かれなかったけど、もう通達済みなのかな…… ――
そんなことを考えていると、さきほどの女性がお茶を持ってきてくれた。
「ありがとうございます。お気づかいなく」
「お待たせして申し訳ありません」
「いえいえ。本当にお気づかいなく」
テーブルに置かれたのは、お茶と可愛らしい形をした干菓子。こちらは仕事柄、待たされることには慣れている。だからこんなふうに気をつかわれると、ちょっと居心地が悪かった。
一人になると、お茶に口をつけつつ、目だけを動かしてフロアーを観察する。天井が吹き抜けになっているせいか、かなりの解放感だ。色調も銀行の窓口と違って暖かい感じ。
「営業するお店と本社って、かなり雰囲気が違うんだなー……」
しばらく待っていると、メガネをかけた男性がやってきた。私を見た視線が一度はずれ、他の場所に誰かいないか探している。そして誰もいないことがわかると、視線がこちらに戻ってきた。
「光栄出版社さん、ですか?」
「はい」
そう言いながら立ち上がる。
「失礼しました。秘書室の安達と申します」
「羽織屋です。よろしくお願いします」
お互いにあいさつをする。
「さっそくですが、どうぞこちらへ」
そう言って、自分が来た方向を手で示した。ついていくとエレベーターホールがある。
「あの、自分はこちらの指示に従うようにと、言われているのですが」
「はい。私もそのように聞いております」
エレベーターに乗ると、上に行くかと思ったら下に向かっている。
「???」
「なにか?」
「上に行くんじゃなかったのかと。いま、下に行ってますよね、これ」
「まあ、屋上からヘリという手もありはしますが、移動手段としては派手すぎますのでね。経費もかかりますし」
「はい?」
そう言った安達さんは、冗談なのか本気なのかわからない表情をしている。
「私達の行き先は地下駐車場です」
「あー……」
と言ったものの、よくわからない。
「週刊誌の取材対象は、芸能人や政治家だけではありませんのでね。当行でも、こういう時のマニュアルはできているのですよ」
「そうなんですか」
と言ったものの、やはりよくわからない。
「今回の件では、光栄出版さんが尾行される可能性があると聞きまして。こちらの決めた移動手段で、頭取の元へ向かっていただきます」
「私が本社にうかがい、そこで原稿を受け取る方法のほうが、手間がかからないと思うのですが」
そう指摘すると、安達さんはため息をつく。
「私もそう提案したのですが、原稿の受け渡しは直接、どうしても顔を合わせてしたいと申しておりまして。こちらの都合ばかりで申し訳ないのですが」
「ああ、小此木さんの」
「そういうことです」
その気持ちはわからなくもない。顔を合わせて話した方が、細かいニュアンスもしっかりと伝わる。河野さんが担当している加茂先生も、そういう考えの持ち主だ。
「お世話をおかけします」
「それはこちらの言うことです。余計な手間をかけさせてしまって、本当に申し訳ありません」
エレベーターがとまり、ドアがあくとそこは地下駐車場だった。
「ここは社員用の駐車場でして、来客用とは別の出入口を利用しているので、社外の人間は入ることができません」
「なかなかセキュリティがしっかりしていますね」
「最近はいろいろと物騒になりましたからね」
「あの、トランクの中に隠れて移動するとか、言いませんよね?」
恐る恐る質問をすると、安達さんは首をかしげてこちらを見た。
「なるほど。羽織屋さんは小柄ですから、私の車のトランクにも入れそうですよね」
「え? 本当にトランクなんですか?」
「まさか! それに人をトランクに乗せるのは、交通違反になるのでは?」
「まあ、そうかもしれないですね」
「まさか、トランクに入りたいなんて、言いませんよね?」
「もちろん言いません」
スパイ映画っぽい事態だと思っていたので、もしかしたら有り得るかもとは思わないでもなかったが。
「ご安心ください。普通に車に乗っていただきますので」
「それを聞いて安心しました」
少しだけガッカリした気持ちがわかないでもない。
「ちなみに病院のほうでも、職員専用の地下駐車場を利用させてもらいます。そこから職員専用エレベーターで院内に入りますので、関係者以外の人間と接触する可能性はありません」
「そんなルートが確保されているんですね。なんだか秘密基地に行く気分です」
「それでも写真を撮られたりするので、油断はできませんけどね」
安達さんはポケットから車のキーを出しながら笑った。
2
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
報酬はその笑顔で
鏡野ゆう
ライト文芸
彼女がその人と初めて会ったのは夏休みのバイト先でのことだった。
自分に正直で真っ直ぐな女子大生さんと、にこにこスマイルのパイロットさんとのお話。
『貴方は翼を失くさない』で榎本さんの部下として登場した飛行教導群のパイロット、但馬一尉のお話です。
※小説家になろう、カクヨムでも公開中※
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
とある女房たちの物語
ariya
ライト文芸
時は平安時代。
留衣子は弘徽殿女御に仕える女房であった。
宮仕えに戸惑う最中慣れつつあった日々、彼女の隣の部屋の女房にて殿方が訪れて……彼女は男女の別れ話の現場を見聞きしてしまう。
------------------
平安時代を舞台にしていますが、カタカナ文字が出てきたり時代考証をしっかりとはしていません。
------------------
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる