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第五話 極秘事項がもれそうです
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「羽織屋さん、おはよう」
その日、いつものように出社すると、編集部から別の部署に異動になった、平井さんに声をかけられた。
「あ、はおようございます、平井さん!」
「そういえば羽織屋さん、東都銀行頭取が書く回顧録の、担当になったんだって?」
「そうなんですよ! もうめちゃくちゃ緊張してます!」
小此木さんの回顧録の件は、社内では特に機密事項でもなかった。機密事項なのは、回顧録を書くきっかけになった病気のほうだ。
「すごい大抜擢じゃないか」
「大抜擢すぎて、パワハラを疑ってるんですが、どう思います?」
平井さんは私の言葉に、大きな声で笑った。
「パワハラかー。河野さんならやりかねないな」
「ですよね! やっぱりこれは、パワハラですよね!」
やっぱり!と私がうなづくと、平井さんはあわてて首を横にふった。
「冗談だよ、冗談! 河野さんは、そんな無責任なことはしないから。この一年、羽織屋さんの仕事ぶりを見て、大丈夫だと判断したんだよ。パワハラなんてとんでもない!」
「そうですかねえ……」
私は今も半分は本気で、この件は編集長と河野さんの、パワハラ案件だと思っているのだが。
「で、その頭取なんだけど、ここしばらく、政財界の懇談会にも顔を出さないらしいよ。本社の経済部の連中も、首をかしげてるらしい。もしかしたら、勇退を考えているんじゃないかって」
本社とは、うちの会社の親会社の東都新聞社のことだ。
「そうなんですか?」
「噂のレベルだけどね。風邪で療養した時も、なにか別の病気にかかったんじゃないかって、そんな噂話も出たらしい。そこにきて回顧録だろ? 羽織屋さん、なにか聞いてない? 頭取とは、雑談ぐらいするだろ?」
これはいわば、カマかけというやつだろうか。だとしたら、返答内容は要注意だ。
「特に何も。これは私の想像ですけど、偉くなってヒマになったからじゃないですか? あの頭取さんって、もとは営業一筋でやってきたらしいですし。転勤の回数を聞いてびっくりですよ。私が娘だったら、絶対に単身赴任してもらいます」
この話は本当だ。最初の原稿を受け取りにうかがった時、ちなみに転勤は何回ほど?と質問して驚いた。しかもご家族は、必ず小此木さんについていったそうだ。私だったら絶対に、転校したくないと言い張っていただろう。
「大手メガバンクの頭取が、ヒマってことはないだろー」
「え、そうなんですか? 私、てっきりヒマしてるんだと思ってました。だって社長さんですよね? 秘書さんが持ってきた書類に、最終決済のハンコをおすだけっぽいじゃないですか。懇談会に関しては、そうですねえ……年寄り同士、同じ話題ばかりで飽きちゃったとか?」
平井さんはあきれたように笑った。その様子からして、うまくごまかせているようだ。
「まったく羽織屋さんときたら。せっかくだから、銀行の頭取がどんな仕事をしているか、取材してみると良いよ。ヒマなんて思えないから」
「え、ヒマじゃないんですか? じゃあ、次に原稿をとりに行った時にでも、頭取さんのお仕事ってどんなものがあるのか、質問してみます!」
そう言って、その場を離れた。
「……そろそろ、ざわついてきたっぽいなあ」
その可能性の話は、一回目の原稿の受け取りの時に出ていたのだ。それに対する対策案も。今のことを編集長に報告して、相談してみよう。そう考え、自分のデスクに向かう。河野さんはすでに出社していて、のんびりとコーヒーを飲みながら、スポーツ新聞を読んでいた。
「おはようございます、河野さん」
「おう、おはようさん。今日は、頭取のところに顔を出す日だったよな?」
河野さんに声をかけると、そんな質問が返ってきた。一回目の原稿を受け取った時は、投薬治療が始まる日だった。その時に主治医の先生と話をさせてもらったのだが、薬の投与は三週間に一度なので、副作用が落ち着くタイミングで来るのが良いだろうと、アドバイスをもらったのだ。そして今日がその日だった。
「はい。ちょっと硬い表現が多いかなって印象なので、そのへんを少しマイルドにしませんかって、提案をする予定です」
「なるほど。それは良い提案だと思う」
河野さんも一回目の原稿に目を通していた。そのうえで「良い提案」と認めてくれたということは、河野さんも同じ印象を受けたということだ。小説ばかり読んでいる自分の判断に自信がなかったが、それを聞いて少し安心した。
「で、今日の件で編集長に相談ができました」
「ん?」
「平井さんから、小此木さんのことで質問をされたんですよ」
平井さんとの会話を話す。それを聞いた河野さんは「ふむ」とアゴに手をやり、思案顔になった。
「どう思います? カマかけでしょうか?」
「平井はそんなことをするヤツじゃないが、用心にこしたことはないな。あいつを情報源として、利用している輩がいないとも限らん」
「ですよね。なので編集長に報告して、先方と相談しようと」
「それが良いな」
「じゃあ、いってきます」
そう言って、編集長のデスクに向かう。
「おはようございます、編集長」
「おはよう。どうした? なにか急ぎの用でも?」
「あ、はい。今日、受け取りに行く回顧録の原稿のことで、ちょっと相談が」
「もしかして、特殊紙と箔押しのタイトルに、お許しが出た?」
「その話は却下だって言ったじゃないですか。そこじゃなくて」
編集長ときたら、まだ自分の装丁案をあきらめていないのだ。
「金箔の文字は、さすがに派手かな」
「そうじゃなくてですね。原稿の受け取り方法についての相談です」
「ん? もしかして、どこかから話がもれたかな?」
少しだけ真面目な顔になる。あくまでも少しだけ。
「平井さんから言われたんです。本社の経済部が、小此木さんの動向で少しざわついているって」
「なるほど。そっちからか」
河野さんに話したことを、もう一度、編集長に話して聞かせる。すると編集長も、河野さんと同じように「ふむ」と言って、思案顔になった。
「そりゃ経済部の連中からしたら、銀行頭取の動向は気になるよな」
「ですよね。で、下手したら私、尾行されるんじゃないかと心配になったので、相談させてもらおうと」
「ブンヤなら可能性はなきにしもあらずだね。じゃあ、ここからはプランBに移行かな」
「プランB? なんですか、それ」
聞いたことがない話に、首をかしげる。
「ん? 週刊誌にかぎつけられないための、機密漏洩防止の予防措置ってやつだ。今回は新聞記者だけど、あっちもこっちも似たようなものだからね」
編集長は自分のスマホを出すと、私にその場で待つように言ってから、どこかに電話をした。
「光栄出版の上川です。おはようございます。今よろしいですか? はい、例の件でお話が」
相手が出ると、少し早口であれこれと話を進めていく。車で乗り継ぐとか、直行させずに迂回させるとか。編集長の言葉だけしかわからないが、やはり私が尾行される可能性を考えているらしい。
「では、そうさせていただきます。十三時に羽織屋をそちらへ行かせますので、手配をよろしくお願いします」
電話を切ると、編集長は私の顔を見あげた。
「ちょっと面倒だけど、以後は直行せずに、遠回りしてもらうことになるよ」
「ずっとですか?」
「そうだね。あっちから新たな指示が出るまでは、そうなると思ってくれ」
「了解しました。それでどこへ行けば?」
昼からどこか別の場所に行くことになりそうだ。
「もちろん東都銀行本店だよ。小此木さんは、普段ならそこで仕事をしているんだからね。本社に行ったら、秘書室の安達さんを呼んでもらうように。あとはあちらの指示に従えば良いよ」
「呼び出してもらう時、小此木さんの原稿受け取りの件でと、話しても良いんですか?」
「そこは問題ない」
「わかりました」
「ん? どうした?」
編集長が私の表情を見て、首をかしげた。
「え、あー……なんていいますか、不謹慎ですけど、スパイ映画みたいだなと」
「ま、否定はしないかな」
編集長がクスリと笑ってから、真面目な顔つきになった。
「小此木さんは国内外の政界にも財界にも、かなり太いパイプを持っている人だ。今回のことは東都銀行だけでなく、他の株価にも大きく影響する。それもあって、銀行側はかなり神経質になっているんだと思うよ。だから僕達も、今まで以上に気をつけないと。羽織屋さんもそのつもりでね」
「はい!」
そう返事をしつつ、頭の中ではまったく別のことを考えていた。
―― 今度こそ、銀行の頭取さんが使う部屋を、見ることができる!! ――
その日、いつものように出社すると、編集部から別の部署に異動になった、平井さんに声をかけられた。
「あ、はおようございます、平井さん!」
「そういえば羽織屋さん、東都銀行頭取が書く回顧録の、担当になったんだって?」
「そうなんですよ! もうめちゃくちゃ緊張してます!」
小此木さんの回顧録の件は、社内では特に機密事項でもなかった。機密事項なのは、回顧録を書くきっかけになった病気のほうだ。
「すごい大抜擢じゃないか」
「大抜擢すぎて、パワハラを疑ってるんですが、どう思います?」
平井さんは私の言葉に、大きな声で笑った。
「パワハラかー。河野さんならやりかねないな」
「ですよね! やっぱりこれは、パワハラですよね!」
やっぱり!と私がうなづくと、平井さんはあわてて首を横にふった。
「冗談だよ、冗談! 河野さんは、そんな無責任なことはしないから。この一年、羽織屋さんの仕事ぶりを見て、大丈夫だと判断したんだよ。パワハラなんてとんでもない!」
「そうですかねえ……」
私は今も半分は本気で、この件は編集長と河野さんの、パワハラ案件だと思っているのだが。
「で、その頭取なんだけど、ここしばらく、政財界の懇談会にも顔を出さないらしいよ。本社の経済部の連中も、首をかしげてるらしい。もしかしたら、勇退を考えているんじゃないかって」
本社とは、うちの会社の親会社の東都新聞社のことだ。
「そうなんですか?」
「噂のレベルだけどね。風邪で療養した時も、なにか別の病気にかかったんじゃないかって、そんな噂話も出たらしい。そこにきて回顧録だろ? 羽織屋さん、なにか聞いてない? 頭取とは、雑談ぐらいするだろ?」
これはいわば、カマかけというやつだろうか。だとしたら、返答内容は要注意だ。
「特に何も。これは私の想像ですけど、偉くなってヒマになったからじゃないですか? あの頭取さんって、もとは営業一筋でやってきたらしいですし。転勤の回数を聞いてびっくりですよ。私が娘だったら、絶対に単身赴任してもらいます」
この話は本当だ。最初の原稿を受け取りにうかがった時、ちなみに転勤は何回ほど?と質問して驚いた。しかもご家族は、必ず小此木さんについていったそうだ。私だったら絶対に、転校したくないと言い張っていただろう。
「大手メガバンクの頭取が、ヒマってことはないだろー」
「え、そうなんですか? 私、てっきりヒマしてるんだと思ってました。だって社長さんですよね? 秘書さんが持ってきた書類に、最終決済のハンコをおすだけっぽいじゃないですか。懇談会に関しては、そうですねえ……年寄り同士、同じ話題ばかりで飽きちゃったとか?」
平井さんはあきれたように笑った。その様子からして、うまくごまかせているようだ。
「まったく羽織屋さんときたら。せっかくだから、銀行の頭取がどんな仕事をしているか、取材してみると良いよ。ヒマなんて思えないから」
「え、ヒマじゃないんですか? じゃあ、次に原稿をとりに行った時にでも、頭取さんのお仕事ってどんなものがあるのか、質問してみます!」
そう言って、その場を離れた。
「……そろそろ、ざわついてきたっぽいなあ」
その可能性の話は、一回目の原稿の受け取りの時に出ていたのだ。それに対する対策案も。今のことを編集長に報告して、相談してみよう。そう考え、自分のデスクに向かう。河野さんはすでに出社していて、のんびりとコーヒーを飲みながら、スポーツ新聞を読んでいた。
「おはようございます、河野さん」
「おう、おはようさん。今日は、頭取のところに顔を出す日だったよな?」
河野さんに声をかけると、そんな質問が返ってきた。一回目の原稿を受け取った時は、投薬治療が始まる日だった。その時に主治医の先生と話をさせてもらったのだが、薬の投与は三週間に一度なので、副作用が落ち着くタイミングで来るのが良いだろうと、アドバイスをもらったのだ。そして今日がその日だった。
「はい。ちょっと硬い表現が多いかなって印象なので、そのへんを少しマイルドにしませんかって、提案をする予定です」
「なるほど。それは良い提案だと思う」
河野さんも一回目の原稿に目を通していた。そのうえで「良い提案」と認めてくれたということは、河野さんも同じ印象を受けたということだ。小説ばかり読んでいる自分の判断に自信がなかったが、それを聞いて少し安心した。
「で、今日の件で編集長に相談ができました」
「ん?」
「平井さんから、小此木さんのことで質問をされたんですよ」
平井さんとの会話を話す。それを聞いた河野さんは「ふむ」とアゴに手をやり、思案顔になった。
「どう思います? カマかけでしょうか?」
「平井はそんなことをするヤツじゃないが、用心にこしたことはないな。あいつを情報源として、利用している輩がいないとも限らん」
「ですよね。なので編集長に報告して、先方と相談しようと」
「それが良いな」
「じゃあ、いってきます」
そう言って、編集長のデスクに向かう。
「おはようございます、編集長」
「おはよう。どうした? なにか急ぎの用でも?」
「あ、はい。今日、受け取りに行く回顧録の原稿のことで、ちょっと相談が」
「もしかして、特殊紙と箔押しのタイトルに、お許しが出た?」
「その話は却下だって言ったじゃないですか。そこじゃなくて」
編集長ときたら、まだ自分の装丁案をあきらめていないのだ。
「金箔の文字は、さすがに派手かな」
「そうじゃなくてですね。原稿の受け取り方法についての相談です」
「ん? もしかして、どこかから話がもれたかな?」
少しだけ真面目な顔になる。あくまでも少しだけ。
「平井さんから言われたんです。本社の経済部が、小此木さんの動向で少しざわついているって」
「なるほど。そっちからか」
河野さんに話したことを、もう一度、編集長に話して聞かせる。すると編集長も、河野さんと同じように「ふむ」と言って、思案顔になった。
「そりゃ経済部の連中からしたら、銀行頭取の動向は気になるよな」
「ですよね。で、下手したら私、尾行されるんじゃないかと心配になったので、相談させてもらおうと」
「ブンヤなら可能性はなきにしもあらずだね。じゃあ、ここからはプランBに移行かな」
「プランB? なんですか、それ」
聞いたことがない話に、首をかしげる。
「ん? 週刊誌にかぎつけられないための、機密漏洩防止の予防措置ってやつだ。今回は新聞記者だけど、あっちもこっちも似たようなものだからね」
編集長は自分のスマホを出すと、私にその場で待つように言ってから、どこかに電話をした。
「光栄出版の上川です。おはようございます。今よろしいですか? はい、例の件でお話が」
相手が出ると、少し早口であれこれと話を進めていく。車で乗り継ぐとか、直行させずに迂回させるとか。編集長の言葉だけしかわからないが、やはり私が尾行される可能性を考えているらしい。
「では、そうさせていただきます。十三時に羽織屋をそちらへ行かせますので、手配をよろしくお願いします」
電話を切ると、編集長は私の顔を見あげた。
「ちょっと面倒だけど、以後は直行せずに、遠回りしてもらうことになるよ」
「ずっとですか?」
「そうだね。あっちから新たな指示が出るまでは、そうなると思ってくれ」
「了解しました。それでどこへ行けば?」
昼からどこか別の場所に行くことになりそうだ。
「もちろん東都銀行本店だよ。小此木さんは、普段ならそこで仕事をしているんだからね。本社に行ったら、秘書室の安達さんを呼んでもらうように。あとはあちらの指示に従えば良いよ」
「呼び出してもらう時、小此木さんの原稿受け取りの件でと、話しても良いんですか?」
「そこは問題ない」
「わかりました」
「ん? どうした?」
編集長が私の表情を見て、首をかしげた。
「え、あー……なんていいますか、不謹慎ですけど、スパイ映画みたいだなと」
「ま、否定はしないかな」
編集長がクスリと笑ってから、真面目な顔つきになった。
「小此木さんは国内外の政界にも財界にも、かなり太いパイプを持っている人だ。今回のことは東都銀行だけでなく、他の株価にも大きく影響する。それもあって、銀行側はかなり神経質になっているんだと思うよ。だから僕達も、今まで以上に気をつけないと。羽織屋さんもそのつもりでね」
「はい!」
そう返事をしつつ、頭の中ではまったく別のことを考えていた。
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