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第三部 夏の小話
第四十三話 ちょっと気になる白いヤツ
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「おはようございます!」
「おはよう。ところで波多野、昨日は警備犬に不審者あつかいされたんだって?」
次の日、舷門当番をしていた先輩が、ニヤニヤしながら俺に話しかけてきた。
―― まったく誰だよ、話を広めたのは ――
こっそりと溜め息をつく。
「別に不審者あつかいなんて、されてませんよ」
「そうなのか? けっこう大きな声で吠えられたって話じゃないか」
「ゴローがほえたのは事実ですが、俺にほえたわけじゃありませんよ」
少なくとも、俺を見てほえていたわけじゃない。じゃあ一体、なにに向かってほえていたんだって話になるんだが、そこはあえて考えないようにしてる。
「じゃあ、なにに吠えたんだよ」
「知りませんよ。ここでたまに先輩達の昼飯をかっさらっていく、悪徳トンビでも来てたんじゃないっすかね。俺は見てないので知りませんけど」
「あんな時間にトンビがくるかよー」
「だから知りませんけどって、言ったじゃないですか」
とにかく俺は、そのへんのことは考えないようにしている!
「やっぱりお前が吠えられたんじゃないか」
「ちーがーいーまーすー! 俺とゴローはラブラブなんですよ。俺を不審者あつかいなんて、100%ありえません」
「警備犬とラブラブとか」
「ええ。それがなにか?」
真顔で先輩の顔を見つめる。
「……いや、ない」
「じゃあ、そろそろ時間なので!」
「お、おう。今日もがんばれ」
俺はそのまま、自分の部屋へと向かった。そして荷物を置くと、腕時計を見ながら甲板へと急ぐ。途中で比良と一緒になった。
「あ、波多野さん、おはようございます」
「おはよう」
「そう言えば聞きましたか?」
比良が声をひそめる。
「なにを?」
「昨日、出たらしいですよ?」
「なにが?」
「幽霊っぽいものです」
「幽霊……」
「っぽいもの、です」
なんとも反応に困る言い方だ。それは幽霊なのか? それとも幽霊じゃないのか? 一体どっちなんだ?
「ぽいものってなんだよ、ぽいものって。それって一体どっちなんだ?」
「今は時間がないので、またあとで詳しく話しますね」
十秒前の合図が流れたので、自衛艦旗の掲揚のための列に加わった。
「話さなくてもいいけどな」
「昼休み、俺が話すのを忘れてたら言ってくださいね」
「忘れてくれよ~~」
「イヤです」
「聞きたくねえ……」
「聞いてください」
まったく。昨日のゴローのこともあるし、イヤな予感しかしないんだけどな……。
+++++
そして昼飯の時間、比良はウキウキした顔で俺のところにやってきた。
「なんだよ、忘れてたんじゃないのか?」
「こんな面白いこと、忘れるわけがないじゃないですか」
「忘れろよーってか、忘れてくれよー、そんな話、面白くねーよー」
「イヤです」
トレーを手に、カウンターに食事をとりにいく。その間も比良はウキウキしっぱなしだ。本当にかんべんしてほしい。
「俺がその手の話、苦手だって知ってるよな?」
「そのわりに、猫神様とは仲良くしてるじゃないですか。お世話係の人とも」
他の隊員が列になっているので、比良はコソコソと言い返してきた。
「それとこれとは別だろ。いや、絶対に別の存在だろ?」
「俺からしたら、同じですよ」
「ぜんぜん違うだろー?」
そりゃあ、相波大尉に関して言えば、間違いなく幽霊ではあるんだが。話を聞きたくない俺をテーブルに追い立てた比良は、俺の前に座ると手を合わせて「いただきます」と言った。まずは食ってからということらしい。
「はー……もっと聞きたいやつに話してやれば良いのに」
俺も手を合わせ「いただきます」と言ってハシを手にする。
「そう考えた時に真っ先に浮かんだのが、波多野さんだったんですよ」
「なんで俺」
「俺からしたら、波多野さんは他の誰よりも、あっちの世界に一番近い位置にいますからね」
比良はニコニコしながらそう言った。
「縁起が悪い言い方はよせよ。まるで俺が半分、あの世の住人みたいじゃないか」
「そこまでは言いませんけど」
「じゃあ、どこまでだよ」
そんなことを言い合いながら、フライを口にほうり込む。口の中に食い物がある時だけは、お互いにどちらも静かだ。ここに来てから、食うかしゃべるかどちらかにしろと言われ続け、いつの間にかそれが習慣づいていた。
「……それで? どんなのを見たんだよ。比良も見たのか?」
「俺も当直でなかったから見てないんですよ。俺も今朝、話を聞かされたクチです」
あとはパックの牛乳を飲むだけになったところで、比良に声をかけた。結局、好奇心に負けて聞くハメになるんだよな、これが。
「先輩が言うには、いつも波多野さんがゴロー二曹と走り回っているあたりを、白い三角錐みたいなのが、たくさんウロウロしていたみたいですよ?」
「おい。なんでそこで、俺を話にからめるんだよ」
「え? だってそのほうがわかりやすいじゃないですか、場所が」
そう言われて、まあそうかもれないと口をつぐんだ。
「それにしても三角錐ってなんだよ、チェスのお化けか?」
俺の頭に浮かんだのは、チェスのポーンだった。それのでかいヤツがウロウロしていたってことなのか? しかも、たくさん?
「どうなんでしょう。俺も先輩からは、白い三角錐みたいなヤツとしか聞いていないもので」
「そこはちゃんと聞いておかないと」
怖いなりにも色々と気になるじゃないか。そうつぶやいた俺を無視して、比良は話を続ける。
「それでですね、不思議なことにそれ、艦には入ってこれないらしいです。見えない壁に、弾かれているみたいだったって話でした。もしかしたら、猫神様と艦内神社のおかげかもしれませんね」
「てか、入ろうとしてたのかよ」
ダメだ、やっぱり聞きたくなくなってきた。
「で、それでなんですけど」
「まだあるのかよ……」
「ここからが肝心なんですよ。そいつら、明け方近くになっても消えなかったそうなんです。もしかしたら、明るいから見えないだけで、今も下でウロウロしてるんじゃないかって先輩が」
「やーめーろー……」
明るい今も見えないだけで、その白い幽霊もどきが外をウロウロしてるだなんて、考えただけでも恐ろしい。そいつらが艦に乗り込めないらしいというのが、せめてもの救いだ。
「なかなかすごいですよね」
「すごいどころか怖いだろ」
やっぱり聞くんじゃなかった。気がつかなかっただけで、そいつらがウロウロしている中を歩いてきたのか、俺は。
―― やっぱり聞くんじゃなかった…… ――
「なんだ、お前達。今、噂でもちきりの、白いヤツの話をしていたのか?」
牛乳を飲んでいると、先任伍長の清原曹長がニヤニヤしながら、俺達に声をかけてきた。
「そんなところです。清原曹長は見たんですか?」
「おう、昨日は運よく当直でな。しっかり見たぞ」
「運が良いことになるんだ……」
どう見ても、曹長は喜んでいる。
「伊勢も見たと言ってたな。なかなか面白いものを見たと喜んでいたぞ?」
「喜ぶようなことなんだ……」
「そうなんですか。うらやましいです。自分も見たかったです」
「うらやましいのかよ……」
俺にはまったく理解できない思考だ。
「また副長が残念がるな。俺が休みの時に出やがってって」
「残念がるんですか……」
そう言えば前に、副長自身がそんなことを言っていたような気がする。どうしてここの人達は、その手の存在に平然としていられるのか、まったく理解できない。
「これまでのパターンだと、副長が戻ってきたら出なくなるぞ」
「……副長、早く戻ってこないっすかね」
心の底から、一日も早い藤原三佐の休暇あけを願った。
「え、そうなんですか? じゃあ次の当直の時には、なんとしてでも見ないと!」
「見たいのかよ……」
「見たいですよ。波多野さんだって見たいでしょ?」
「見たくねーよ。だってそれ、安全なヤツかどうか、わからないじゃないか」
ハワイに向かう途中で、俺達が遭遇したヤツみたいなのだったらどうするんだ。艦に入ろうとして弾かれるってことは、猫大佐や艦内神社の神様達が入れたらダメだと判断したわけだろ? どう考えても、良くないヤツに決まっている。
「でも艦にいれば安全じゃないですか」
「帰宅する時はどうするんだよ……」
比良はそのへんのことを深く考えていないようだが、俺は今から下艦する時間がくるのが憂鬱だ。
「ちなみに、副長の休暇はあと二日だ」
清原曹長が言った。
「明日が当直です。なんとか見れそうです、俺」
「うわー……俺も明日が当直だ。見たくねえ……」
できるだけ艦内にいよう。桟橋から向こう側に行かなければ安全だとしても、やはり見たくない。
―― 一応、大佐と相波大尉に相談しておくか…… ――
もしかしたら、白いヤツを見なくても済む方法を考えてくれるかもしれない。
―― ま、大佐は小心者めとかなんとか言って、俺のことを小馬鹿にしそうだけどな…… ――
まずは艦内神社で念入りにおがんでおこう。まずはそこからだ。
「おはよう。ところで波多野、昨日は警備犬に不審者あつかいされたんだって?」
次の日、舷門当番をしていた先輩が、ニヤニヤしながら俺に話しかけてきた。
―― まったく誰だよ、話を広めたのは ――
こっそりと溜め息をつく。
「別に不審者あつかいなんて、されてませんよ」
「そうなのか? けっこう大きな声で吠えられたって話じゃないか」
「ゴローがほえたのは事実ですが、俺にほえたわけじゃありませんよ」
少なくとも、俺を見てほえていたわけじゃない。じゃあ一体、なにに向かってほえていたんだって話になるんだが、そこはあえて考えないようにしてる。
「じゃあ、なにに吠えたんだよ」
「知りませんよ。ここでたまに先輩達の昼飯をかっさらっていく、悪徳トンビでも来てたんじゃないっすかね。俺は見てないので知りませんけど」
「あんな時間にトンビがくるかよー」
「だから知りませんけどって、言ったじゃないですか」
とにかく俺は、そのへんのことは考えないようにしている!
「やっぱりお前が吠えられたんじゃないか」
「ちーがーいーまーすー! 俺とゴローはラブラブなんですよ。俺を不審者あつかいなんて、100%ありえません」
「警備犬とラブラブとか」
「ええ。それがなにか?」
真顔で先輩の顔を見つめる。
「……いや、ない」
「じゃあ、そろそろ時間なので!」
「お、おう。今日もがんばれ」
俺はそのまま、自分の部屋へと向かった。そして荷物を置くと、腕時計を見ながら甲板へと急ぐ。途中で比良と一緒になった。
「あ、波多野さん、おはようございます」
「おはよう」
「そう言えば聞きましたか?」
比良が声をひそめる。
「なにを?」
「昨日、出たらしいですよ?」
「なにが?」
「幽霊っぽいものです」
「幽霊……」
「っぽいもの、です」
なんとも反応に困る言い方だ。それは幽霊なのか? それとも幽霊じゃないのか? 一体どっちなんだ?
「ぽいものってなんだよ、ぽいものって。それって一体どっちなんだ?」
「今は時間がないので、またあとで詳しく話しますね」
十秒前の合図が流れたので、自衛艦旗の掲揚のための列に加わった。
「話さなくてもいいけどな」
「昼休み、俺が話すのを忘れてたら言ってくださいね」
「忘れてくれよ~~」
「イヤです」
「聞きたくねえ……」
「聞いてください」
まったく。昨日のゴローのこともあるし、イヤな予感しかしないんだけどな……。
+++++
そして昼飯の時間、比良はウキウキした顔で俺のところにやってきた。
「なんだよ、忘れてたんじゃないのか?」
「こんな面白いこと、忘れるわけがないじゃないですか」
「忘れろよーってか、忘れてくれよー、そんな話、面白くねーよー」
「イヤです」
トレーを手に、カウンターに食事をとりにいく。その間も比良はウキウキしっぱなしだ。本当にかんべんしてほしい。
「俺がその手の話、苦手だって知ってるよな?」
「そのわりに、猫神様とは仲良くしてるじゃないですか。お世話係の人とも」
他の隊員が列になっているので、比良はコソコソと言い返してきた。
「それとこれとは別だろ。いや、絶対に別の存在だろ?」
「俺からしたら、同じですよ」
「ぜんぜん違うだろー?」
そりゃあ、相波大尉に関して言えば、間違いなく幽霊ではあるんだが。話を聞きたくない俺をテーブルに追い立てた比良は、俺の前に座ると手を合わせて「いただきます」と言った。まずは食ってからということらしい。
「はー……もっと聞きたいやつに話してやれば良いのに」
俺も手を合わせ「いただきます」と言ってハシを手にする。
「そう考えた時に真っ先に浮かんだのが、波多野さんだったんですよ」
「なんで俺」
「俺からしたら、波多野さんは他の誰よりも、あっちの世界に一番近い位置にいますからね」
比良はニコニコしながらそう言った。
「縁起が悪い言い方はよせよ。まるで俺が半分、あの世の住人みたいじゃないか」
「そこまでは言いませんけど」
「じゃあ、どこまでだよ」
そんなことを言い合いながら、フライを口にほうり込む。口の中に食い物がある時だけは、お互いにどちらも静かだ。ここに来てから、食うかしゃべるかどちらかにしろと言われ続け、いつの間にかそれが習慣づいていた。
「……それで? どんなのを見たんだよ。比良も見たのか?」
「俺も当直でなかったから見てないんですよ。俺も今朝、話を聞かされたクチです」
あとはパックの牛乳を飲むだけになったところで、比良に声をかけた。結局、好奇心に負けて聞くハメになるんだよな、これが。
「先輩が言うには、いつも波多野さんがゴロー二曹と走り回っているあたりを、白い三角錐みたいなのが、たくさんウロウロしていたみたいですよ?」
「おい。なんでそこで、俺を話にからめるんだよ」
「え? だってそのほうがわかりやすいじゃないですか、場所が」
そう言われて、まあそうかもれないと口をつぐんだ。
「それにしても三角錐ってなんだよ、チェスのお化けか?」
俺の頭に浮かんだのは、チェスのポーンだった。それのでかいヤツがウロウロしていたってことなのか? しかも、たくさん?
「どうなんでしょう。俺も先輩からは、白い三角錐みたいなヤツとしか聞いていないもので」
「そこはちゃんと聞いておかないと」
怖いなりにも色々と気になるじゃないか。そうつぶやいた俺を無視して、比良は話を続ける。
「それでですね、不思議なことにそれ、艦には入ってこれないらしいです。見えない壁に、弾かれているみたいだったって話でした。もしかしたら、猫神様と艦内神社のおかげかもしれませんね」
「てか、入ろうとしてたのかよ」
ダメだ、やっぱり聞きたくなくなってきた。
「で、それでなんですけど」
「まだあるのかよ……」
「ここからが肝心なんですよ。そいつら、明け方近くになっても消えなかったそうなんです。もしかしたら、明るいから見えないだけで、今も下でウロウロしてるんじゃないかって先輩が」
「やーめーろー……」
明るい今も見えないだけで、その白い幽霊もどきが外をウロウロしてるだなんて、考えただけでも恐ろしい。そいつらが艦に乗り込めないらしいというのが、せめてもの救いだ。
「なかなかすごいですよね」
「すごいどころか怖いだろ」
やっぱり聞くんじゃなかった。気がつかなかっただけで、そいつらがウロウロしている中を歩いてきたのか、俺は。
―― やっぱり聞くんじゃなかった…… ――
「なんだ、お前達。今、噂でもちきりの、白いヤツの話をしていたのか?」
牛乳を飲んでいると、先任伍長の清原曹長がニヤニヤしながら、俺達に声をかけてきた。
「そんなところです。清原曹長は見たんですか?」
「おう、昨日は運よく当直でな。しっかり見たぞ」
「運が良いことになるんだ……」
どう見ても、曹長は喜んでいる。
「伊勢も見たと言ってたな。なかなか面白いものを見たと喜んでいたぞ?」
「喜ぶようなことなんだ……」
「そうなんですか。うらやましいです。自分も見たかったです」
「うらやましいのかよ……」
俺にはまったく理解できない思考だ。
「また副長が残念がるな。俺が休みの時に出やがってって」
「残念がるんですか……」
そう言えば前に、副長自身がそんなことを言っていたような気がする。どうしてここの人達は、その手の存在に平然としていられるのか、まったく理解できない。
「これまでのパターンだと、副長が戻ってきたら出なくなるぞ」
「……副長、早く戻ってこないっすかね」
心の底から、一日も早い藤原三佐の休暇あけを願った。
「え、そうなんですか? じゃあ次の当直の時には、なんとしてでも見ないと!」
「見たいのかよ……」
「見たいですよ。波多野さんだって見たいでしょ?」
「見たくねーよ。だってそれ、安全なヤツかどうか、わからないじゃないか」
ハワイに向かう途中で、俺達が遭遇したヤツみたいなのだったらどうするんだ。艦に入ろうとして弾かれるってことは、猫大佐や艦内神社の神様達が入れたらダメだと判断したわけだろ? どう考えても、良くないヤツに決まっている。
「でも艦にいれば安全じゃないですか」
「帰宅する時はどうするんだよ……」
比良はそのへんのことを深く考えていないようだが、俺は今から下艦する時間がくるのが憂鬱だ。
「ちなみに、副長の休暇はあと二日だ」
清原曹長が言った。
「明日が当直です。なんとか見れそうです、俺」
「うわー……俺も明日が当直だ。見たくねえ……」
できるだけ艦内にいよう。桟橋から向こう側に行かなければ安全だとしても、やはり見たくない。
―― 一応、大佐と相波大尉に相談しておくか…… ――
もしかしたら、白いヤツを見なくても済む方法を考えてくれるかもしれない。
―― ま、大佐は小心者めとかなんとか言って、俺のことを小馬鹿にしそうだけどな…… ――
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