42 / 80
第三部 夏の小話
第四十二話 ゴロー二曹、ほえる
しおりを挟む
艦橋にあがると、窓辺で猫大佐が昼寝をしていた。へそ天状態のそのかっこうは、どこから見てもオッサンだ。
―― 神様としての、威厳もなにもあったもんじゃないよなあ…… ――
しかし、見えているであろう艦長や航海長達は、よく気にならないなと感心する。幹部にとって艦に猫がいることは日常の一部で、もう慣れきってしまっているのだろうか。
―― 慣れって怖い ――
俺は当分、慣れられそうにない。
「おう、清掃は終わったのか?」
山部一尉が艦橋にあがってきた。
「はい。終了しました」
「しかし今日は暑いなあ。もう梅雨明けか?」
副長用と書かれたうちわを手に、扇風機の前に立った一尉がぼやく。
「どうなんでしょう。天気予報では、まだ一週間ぐらいは雨降りが続くだろうって、言ってましたけどね」
「最近は、気がついたら明けていたって感じだからなあ。よし、エアコンつけるぞ。うちわと扇風機だけでは我慢ならん。寒いヤツはジャンパーを着ろ」
一尉の言葉に、その場にいた全員が歓声をあげる。風が通りにくい停泊中は、計器類のこともあるので早めにエアコンをつけるのが常だった。しばらくして、艦橋内が心地よい涼しさになる。猫大佐はエアコンの風が当たるのが気に入らなかったのか、艦長席に移動して丸くなっていた。
「そういえば波多野」
航海図をデスクにひろげ、これまでの航海訓練での航路を確認していると、一尉が俺を呼んだ。
「なんでしょう?」
「お前が掃除の時に話していたレインボーかき氷だけどな」
「え、そんなところから話を聞いていたんですか?」
すでにそこから艦長達に話を聞かれていたと知って、心の中でかなりびびる。
「停泊中で静かだったんだ、あれだけ騒いでたら聞こえるだろ」
「そりゃまあ、今日はエンジンとまってて静かですけどね……」
そこまで騒いでいたつもりはないんだが。とにかく評価に響かないことを祈るばかりだ。
「それでレインボーの件だが、みむろのオッカサンのところで、期間限定メニューに加わるらしいぞ?」
「マジっすか!!」
「みむろのオッカサン」とは、俺が入隊するきっかけとなった「みむろカレー」を提供している喫茶店の奥さんのことだ。つまり徒歩圏内、普段の休みに行ける場所!
「なんでも娘さんが帰省していてな。期間限定だが、あっちで食べたのを再現してくれるそうだ」
「あれ、テレビで見て気になっていたんですよ。さっそく比良を誘って行ってみます!」
「気が早いぞ、お前。まだ提供することが決まったぞって話だ」
一尉が笑った。
「こっちでは提供している店がないから、半分あきらめてたんですよ。あそこなら普段の休みに行けるじゃないですか。いつから食べられるようになるんですかね? あ、サマーフェスタで提供とかないですかねー」
「さすがにサマーフェスタは、カレーだけで手一杯だろ。当日、どれだけの人数が来ると思ってるだ」
空自の航空祭ほどではないが、ここの地方隊のサマーフェスタも地域のイベントとして定着しているせいもあり、毎年かなりの来場者がある。名物の海自カレーも、昼すぎには出店店舗すべてが完売になってしまうぐらいだ。そしてもちろん、みむろカレーも出店することになっている。
「とにかく、どんなレインボーになるのか楽しみです!」
口コミで広がってしまう前に、なんとしてでも食べに行かねば!
+++++
「お疲れ様っす」
「おう、お疲れ。気をつけて帰れよ~」
「うぃーす」
勤務時間が終わり、艦をおりて空を見あげる。夏至がすぎて日は短くなっていくばかりだが、この季節、まだ外はかなり明るい。
「飯、なににしようかなあ……」
そんなことを考えながら、ゲートへと向かう。なにをするにしても、今の白い夏の制服ではどこへ立ち寄るのも危険だ。まずは自宅に戻り、着替えてからどうするか考えよう。
「あ、壬生海曹、お疲れ様です」
ゲートに向かっている途中、ゴローをつれた壬生三曹が歩いてたので声をかけた。俺の声に三曹は立ち止まったが、ゴローのほうはそれよりも先に気づいていたらしく、尻尾を激しく振っている。この地方隊には何頭か警備犬がいるが、それなりに関わりがあるせいか、俺にはゴローが一番かわいく見えた。
「ああ、波多野さん。今日はもうあがりですか?」
「はい。これから帰宅して飯食って寝ます」
「だって、ゴロー。波多野さんはお仕事が終わったばかりなんだから、遊べないんだよ?」
三曹の横で、尻尾を降っていたゴローの顔つきがシュンとなる。
「ごめんなー、ゴロー。今日はさすがに走り回るの無理だ」
『クーン……』
―― ううう、本当にゴローはかわいいよな。うちの大佐とはえらい違いだよ……ちょっとぐらい相手をしてやろうかな…… ――
しょんぼりした表情にほだされそうになった。だがその点は、壬生三曹のほうが厳しかった。
「ダメだよ、ゴロー。私達は今、パトロール中なんだからね。遊べるのはパトロール以外の時だって言ったよね?」
「ああ、そうか。今日は訓練ではなく、業務時間中なんですね、海曹もゴローも」
「そうなんですよ。なので、遊ぶのはまたあらためて」
「了解です」
ハンドラーである壬生三曹の言葉は絶対だ。ここで俺が勝手にゴローを相手にしてしまうと、ゴローと三曹の間にある信頼関係が崩れてしまう。かわいそうだが、今日はがまんだ。
「あ、そうだ。今年のサマーフェスタ、ゴローも皆さんに、仕事ぶりを見てもらうことになりそうなんです」
ゲートに向かって二人と一頭で歩いていると、三曹が突然、口を開いた。
「え、そうなんですか?」
「はい」
サマーフェスタの当日、基地では様々なイベントが行われる。航空基地では機体の展示や飛行展示、護衛艦上では立検隊の訓練展示や隊員達によるファッションショー。そしてメイン会場では、音楽隊の演奏や警備犬の訓練展示、海自カレーの出店など。最近は警備犬達も知名度が上がってきたせいか、小さい子達のふれあいタイムがおこなわれるぐらいの盛況ぶりだ。
「おお。いよいよ、ゴローも展示デビュー」
「はい。ゴローがデビューってことは、私もデビューなんですけどね……もう今から緊張しちゃって」
「あ、そうか。ハンドラーと警備犬はペアですもんね。俺、あいてる時間が訓練展示とかさなるようなら、見に行きますよ、壬生海曹とゴローの展示」
俺がそう言うと、三曹がとんでもないと首をブンブンと横に振る。
「やめてくださいよー、知ってる人に見られたら緊張しちゃうじゃないですか!」
「見えないようにこっそり行きますから。あ、でもゴローに見つかっちゃうかな」
「ああ、それは言えてます! ゴローの集中力がそれたら大変です! だから波多野さんは、別の警備犬の時に見に来てください!」
「えー……」
あまりにハッキリと言われてしまい、ちょっとショックだ。俺だって、ゴローが頑張っているところが見たいのに。
『ウーーッ』
それまでおとなしくしていたゴローが急に立ち止まり、いきなりうなり声をあげた。俺と三曹は驚いて、周囲を見渡す。だが基地に面した道路を車が走っているぐらいで、不審な人物は見えない。
「ゴロー、どうした?」
『ウウウーッ』
三曹はゴローの横に膝をつき、注意深く周囲を見渡す。ゴローの目は俺の背後に向けられていた。だが俺の後ろは桟橋で、当然のことながら不審な人物がいるはずがない場所だ。
「トンビかカラスでも飛んできたのかな」
たまにトンビが、隊員が売店で買ったパンをかっさらっていくことがあった。もしかしたら、そんな不届きなトンビが飛んでいたのかもしれない。
「それにしてはうなり方が普通じゃないですね。なんだろう」
注意深く周囲を見渡しながら、無線機に手をのばす三曹。
『ワンワンワンワンッ』
ゴローが思いっ切り吠えた。その声の大きさに、門に立っていた隊員や舷門当番に立っている隊員が、驚いた顔をしてこっちを見た。
「おいおい、ゴロー。もしかして、俺を不審人物認定したのか?」
「そんなことありませんよ。ゴローは波多野さんの顔とにおい、ちゃんと覚えてますからね」
ひとしきり吠えたゴローは、急に吠えるのをやめ、俺の顔を見あげて尻尾を振り始める。気のせいか得意げな顔をしていた。この顔つき、一体どういう意味なんだ?
「……おい、なんで吠えたんだ、お前。しかもその顔、どういう意味なんだよ」
「すみません、波多野さん。もしかしたら私の教育が行き届いていないのかも」
三曹が申し訳なさそうな顔をした。
「いやいや、壬生海曹のせいじゃないですよ。この顔、ほめてほしそうに見えるし。俺達が気づかなかっただけで、弁当狙いの不届きトンビが迫っていたのかも」
もちろん、狙われるような食い物はなにも持っていないが。
「上に報告はあげておきますね。もしかしたら後日、波多野さんに事情を話してもらうかもしれません」
「問題ないですよ。その時は遠慮なくどうぞ」
「じゃあ、お疲れ様でした。気をつけて帰ってくださいね」
「そちらもパトロール、お気をつけて。じゃあな、ゴロー。あまりはしゃぎすぎて、壬生海曹を困らせるなよ?」
一度だけ頭をなでると、俺はゲートから外に出た。
―― 神様としての、威厳もなにもあったもんじゃないよなあ…… ――
しかし、見えているであろう艦長や航海長達は、よく気にならないなと感心する。幹部にとって艦に猫がいることは日常の一部で、もう慣れきってしまっているのだろうか。
―― 慣れって怖い ――
俺は当分、慣れられそうにない。
「おう、清掃は終わったのか?」
山部一尉が艦橋にあがってきた。
「はい。終了しました」
「しかし今日は暑いなあ。もう梅雨明けか?」
副長用と書かれたうちわを手に、扇風機の前に立った一尉がぼやく。
「どうなんでしょう。天気予報では、まだ一週間ぐらいは雨降りが続くだろうって、言ってましたけどね」
「最近は、気がついたら明けていたって感じだからなあ。よし、エアコンつけるぞ。うちわと扇風機だけでは我慢ならん。寒いヤツはジャンパーを着ろ」
一尉の言葉に、その場にいた全員が歓声をあげる。風が通りにくい停泊中は、計器類のこともあるので早めにエアコンをつけるのが常だった。しばらくして、艦橋内が心地よい涼しさになる。猫大佐はエアコンの風が当たるのが気に入らなかったのか、艦長席に移動して丸くなっていた。
「そういえば波多野」
航海図をデスクにひろげ、これまでの航海訓練での航路を確認していると、一尉が俺を呼んだ。
「なんでしょう?」
「お前が掃除の時に話していたレインボーかき氷だけどな」
「え、そんなところから話を聞いていたんですか?」
すでにそこから艦長達に話を聞かれていたと知って、心の中でかなりびびる。
「停泊中で静かだったんだ、あれだけ騒いでたら聞こえるだろ」
「そりゃまあ、今日はエンジンとまってて静かですけどね……」
そこまで騒いでいたつもりはないんだが。とにかく評価に響かないことを祈るばかりだ。
「それでレインボーの件だが、みむろのオッカサンのところで、期間限定メニューに加わるらしいぞ?」
「マジっすか!!」
「みむろのオッカサン」とは、俺が入隊するきっかけとなった「みむろカレー」を提供している喫茶店の奥さんのことだ。つまり徒歩圏内、普段の休みに行ける場所!
「なんでも娘さんが帰省していてな。期間限定だが、あっちで食べたのを再現してくれるそうだ」
「あれ、テレビで見て気になっていたんですよ。さっそく比良を誘って行ってみます!」
「気が早いぞ、お前。まだ提供することが決まったぞって話だ」
一尉が笑った。
「こっちでは提供している店がないから、半分あきらめてたんですよ。あそこなら普段の休みに行けるじゃないですか。いつから食べられるようになるんですかね? あ、サマーフェスタで提供とかないですかねー」
「さすがにサマーフェスタは、カレーだけで手一杯だろ。当日、どれだけの人数が来ると思ってるだ」
空自の航空祭ほどではないが、ここの地方隊のサマーフェスタも地域のイベントとして定着しているせいもあり、毎年かなりの来場者がある。名物の海自カレーも、昼すぎには出店店舗すべてが完売になってしまうぐらいだ。そしてもちろん、みむろカレーも出店することになっている。
「とにかく、どんなレインボーになるのか楽しみです!」
口コミで広がってしまう前に、なんとしてでも食べに行かねば!
+++++
「お疲れ様っす」
「おう、お疲れ。気をつけて帰れよ~」
「うぃーす」
勤務時間が終わり、艦をおりて空を見あげる。夏至がすぎて日は短くなっていくばかりだが、この季節、まだ外はかなり明るい。
「飯、なににしようかなあ……」
そんなことを考えながら、ゲートへと向かう。なにをするにしても、今の白い夏の制服ではどこへ立ち寄るのも危険だ。まずは自宅に戻り、着替えてからどうするか考えよう。
「あ、壬生海曹、お疲れ様です」
ゲートに向かっている途中、ゴローをつれた壬生三曹が歩いてたので声をかけた。俺の声に三曹は立ち止まったが、ゴローのほうはそれよりも先に気づいていたらしく、尻尾を激しく振っている。この地方隊には何頭か警備犬がいるが、それなりに関わりがあるせいか、俺にはゴローが一番かわいく見えた。
「ああ、波多野さん。今日はもうあがりですか?」
「はい。これから帰宅して飯食って寝ます」
「だって、ゴロー。波多野さんはお仕事が終わったばかりなんだから、遊べないんだよ?」
三曹の横で、尻尾を降っていたゴローの顔つきがシュンとなる。
「ごめんなー、ゴロー。今日はさすがに走り回るの無理だ」
『クーン……』
―― ううう、本当にゴローはかわいいよな。うちの大佐とはえらい違いだよ……ちょっとぐらい相手をしてやろうかな…… ――
しょんぼりした表情にほだされそうになった。だがその点は、壬生三曹のほうが厳しかった。
「ダメだよ、ゴロー。私達は今、パトロール中なんだからね。遊べるのはパトロール以外の時だって言ったよね?」
「ああ、そうか。今日は訓練ではなく、業務時間中なんですね、海曹もゴローも」
「そうなんですよ。なので、遊ぶのはまたあらためて」
「了解です」
ハンドラーである壬生三曹の言葉は絶対だ。ここで俺が勝手にゴローを相手にしてしまうと、ゴローと三曹の間にある信頼関係が崩れてしまう。かわいそうだが、今日はがまんだ。
「あ、そうだ。今年のサマーフェスタ、ゴローも皆さんに、仕事ぶりを見てもらうことになりそうなんです」
ゲートに向かって二人と一頭で歩いていると、三曹が突然、口を開いた。
「え、そうなんですか?」
「はい」
サマーフェスタの当日、基地では様々なイベントが行われる。航空基地では機体の展示や飛行展示、護衛艦上では立検隊の訓練展示や隊員達によるファッションショー。そしてメイン会場では、音楽隊の演奏や警備犬の訓練展示、海自カレーの出店など。最近は警備犬達も知名度が上がってきたせいか、小さい子達のふれあいタイムがおこなわれるぐらいの盛況ぶりだ。
「おお。いよいよ、ゴローも展示デビュー」
「はい。ゴローがデビューってことは、私もデビューなんですけどね……もう今から緊張しちゃって」
「あ、そうか。ハンドラーと警備犬はペアですもんね。俺、あいてる時間が訓練展示とかさなるようなら、見に行きますよ、壬生海曹とゴローの展示」
俺がそう言うと、三曹がとんでもないと首をブンブンと横に振る。
「やめてくださいよー、知ってる人に見られたら緊張しちゃうじゃないですか!」
「見えないようにこっそり行きますから。あ、でもゴローに見つかっちゃうかな」
「ああ、それは言えてます! ゴローの集中力がそれたら大変です! だから波多野さんは、別の警備犬の時に見に来てください!」
「えー……」
あまりにハッキリと言われてしまい、ちょっとショックだ。俺だって、ゴローが頑張っているところが見たいのに。
『ウーーッ』
それまでおとなしくしていたゴローが急に立ち止まり、いきなりうなり声をあげた。俺と三曹は驚いて、周囲を見渡す。だが基地に面した道路を車が走っているぐらいで、不審な人物は見えない。
「ゴロー、どうした?」
『ウウウーッ』
三曹はゴローの横に膝をつき、注意深く周囲を見渡す。ゴローの目は俺の背後に向けられていた。だが俺の後ろは桟橋で、当然のことながら不審な人物がいるはずがない場所だ。
「トンビかカラスでも飛んできたのかな」
たまにトンビが、隊員が売店で買ったパンをかっさらっていくことがあった。もしかしたら、そんな不届きなトンビが飛んでいたのかもしれない。
「それにしてはうなり方が普通じゃないですね。なんだろう」
注意深く周囲を見渡しながら、無線機に手をのばす三曹。
『ワンワンワンワンッ』
ゴローが思いっ切り吠えた。その声の大きさに、門に立っていた隊員や舷門当番に立っている隊員が、驚いた顔をしてこっちを見た。
「おいおい、ゴロー。もしかして、俺を不審人物認定したのか?」
「そんなことありませんよ。ゴローは波多野さんの顔とにおい、ちゃんと覚えてますからね」
ひとしきり吠えたゴローは、急に吠えるのをやめ、俺の顔を見あげて尻尾を振り始める。気のせいか得意げな顔をしていた。この顔つき、一体どういう意味なんだ?
「……おい、なんで吠えたんだ、お前。しかもその顔、どういう意味なんだよ」
「すみません、波多野さん。もしかしたら私の教育が行き届いていないのかも」
三曹が申し訳なさそうな顔をした。
「いやいや、壬生海曹のせいじゃないですよ。この顔、ほめてほしそうに見えるし。俺達が気づかなかっただけで、弁当狙いの不届きトンビが迫っていたのかも」
もちろん、狙われるような食い物はなにも持っていないが。
「上に報告はあげておきますね。もしかしたら後日、波多野さんに事情を話してもらうかもしれません」
「問題ないですよ。その時は遠慮なくどうぞ」
「じゃあ、お疲れ様でした。気をつけて帰ってくださいね」
「そちらもパトロール、お気をつけて。じゃあな、ゴロー。あまりはしゃぎすぎて、壬生海曹を困らせるなよ?」
一度だけ頭をなでると、俺はゲートから外に出た。
12
お気に入りに追加
391
あなたにおすすめの小説
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
報酬はその笑顔で
鏡野ゆう
ライト文芸
彼女がその人と初めて会ったのは夏休みのバイト先でのことだった。
自分に正直で真っ直ぐな女子大生さんと、にこにこスマイルのパイロットさんとのお話。
『貴方は翼を失くさない』で榎本さんの部下として登場した飛行教導群のパイロット、但馬一尉のお話です。
※小説家になろう、カクヨムでも公開中※
後宮の記録女官は真実を記す
悠井すみれ
キャラ文芸
【第7回キャラ文大賞参加作品です。お楽しみいただけましたら投票お願いいたします。】
中華後宮を舞台にしたライトな謎解きものです。全16話。
「──嫌、でございます」
男装の女官・碧燿《へきよう》は、皇帝・藍熾《らんし》の命令を即座に断った。
彼女は後宮の記録を司る彤史《とうし》。何ものにも屈さず真実を記すのが務めだというのに、藍熾はこともあろうに彼女に妃の夜伽の記録を偽れと命じたのだ。職務に忠実に真実を求め、かつ権力者を嫌う碧燿。どこまでも傲慢に強引に我が意を通そうとする藍熾。相性最悪のふたりは反発し合うが──
神様達の転職事情~八百万ハローワーク
鏡野ゆう
キャラ文芸
とある町にある公共職業安定所、通称ハローワーク。その建物の横に隣接している古い町家。実はここもハローワークの建物でした。ただし、そこにやってくるのは「人」ではなく「神様」達なのです。
※カクヨムでも公開中※
※第4回キャラ文芸大賞で奨励賞をいただきました。ありがとうございます。※
料理がしたいので、騎士団の任命を受けます!
ハルノ
ファンタジー
過労死した主人公が、異世界に飛ばされてしまいました
。ここは天国か、地獄か。メイド長・ジェミニが丁寧にもてなしてくれたけれども、どうも味覚に違いがあるようです。異世界に飛ばされたとわかり、屋敷の主、領主の元でこの世界のマナーを学びます。
令嬢はお菓子作りを趣味とすると知り、キッチンを借りた女性。元々好きだった料理のスキルを活用して、ジェミニも領主も、料理のおいしさに目覚めました。
そのスキルを生かしたいと、いろいろなことがあってから騎士団の料理係に就職。
ひとり暮らしではなかなか作ることのなかった料理も、大人数の料理を作ることと、満足そうに食べる青年たちの姿に生きがいを感じる日々を送る話。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」を使用しています。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる