1 / 30
第一部 新しいニンゲンがやってきた!
第一話 新人さんがやってくるらしい
しおりを挟む
「一関さん、ちょっと話があるんだけど」
「あ、おはようございます、部長」
その日の朝、出勤すると直属の上司である中津山部長に声をかけられた。
「おはよう。で、ちょっとこっちに」
「なんでしょうか」
手招きされたのでそのままついていく。ついていった先は自動販売機が並んでいる休憩場所。昼間は仕事の合間に一息つくスタッフがくつろぐ場所だったけど、早朝の開園前なので今は誰もいない。
「ちょっと座ってくれるかな。なにがいい? コーヒー? 紅茶?」
自動販売機の前で部長がこっちを見る。
「じゃあ紅茶で」
「ん」
部長はコーヒーと紅茶を買うと、私に紅茶の紙コップを差し出した。
「ありがとうございます」
二人で長椅子に座る。紅茶を一口飲みながら、話ってなんだろう?と考える。もしかしてリストラ? うちはありがたいことに今年も黒字の見込みで、今のところ人員削減の話は出ていないはず。じゃあなんだろう。仕事中になにか失敗でもしたかな? 心当たりはないけれど。
「で、話ってなんでしょう」
「一関さんて、ここにきて何年目だっけ」
「えーと、正社員になってから二年ですね」
うんうんとうなづいている部長。特に悪い話ではなさそう?
「最近は物騒な事件も増えてきて、うちも他人事じゃなくなってきたろ? それで警備部の人員を増やそうかって話になっててね」
私が働いているのは某テーマパークの警備部。さまざまなアトラクションがありマスコット達もいて、毎日がイベントが盛りだくさんの場所だ。そんな場所でも楽しくない問題は起きている。それはここも例外じゃない。マスコット達と写真を撮りたいお客さん同士のいざこざとか、パーク内のルールを守らない来園者の問題とか。そして最近では、ちょっとシャレにならないようなことをしでかす来場者もいた。
そんな人達を取り締まるのが、私が所属している警備部だ。
「そうなんですか。部長のとこから来てもらうんですか?」
「それも考えたんだけど、うちもそこまで人がいるわけじゃないからね」
中津山部長は大手民間警備会社からの出向組だ。最初はそこから、ここに警備員を派遣してもらう契約だった。だけどパークの規模が大きくなるにつれそれでは間に合わなくなり、自前で警備の専門部署を作ることになったのだ。そしてその責任者として派遣されてきたのが部長だった。
「新規募集をするんですか? うちの場合、警備員のスキルもですけど、それなりに資質が問われますよね」
「それなんだよねえ」
部長がため息をつく。お客さん達に楽しい時間を提供するテーマパークの場合、警備員の立ち位置はかなり難しい。前提条件として、パーク内の空気を壊すのは絶対にNGとなる。そして警戒しすぎでもダメ、警戒しなさすぎでもダメ。実に難しい。
「一度にたくさんの警備員を採用すると、パーク内の空気が一気に変わっちゃう危険性もありますよね」
「それも考えた。受け入れるこっちもそれなりに準備が必要になるって。で、だ」
ここでやっと本題らしい。
「知り合いから紹介された人物を一人、試験的に採用してみようと思う」
「仮採用ですか?」
「まあそんなところかな。だからものすごく難易度の高いのを選んだ」
「あの、なんの難易度ですか? イヤな予感しかしないんですが」
そこに自分が関わってくるとなれば特に!
「能力的にはまったく問題ない人物だよ。元の職場でも優秀だという評価つきだ」
「元の職場とは」
「警視庁捜査一課」
「それ難易度高すぎ!」
おもわず叫んでしまった。
「ほら、なにか起きた時に相手を制圧するスキルって大切だろ?」
「そうやって部長が前に呼んだのは、元機動隊の久保田さんと元陸自空挺の矢島さんでしたよね?!」
「最初はものすごく浮いてたよね、あいつら」
「今もそれなりに浮いてますけどね」
アハハハと笑う部長の横でツッコミを入れる。部署が部署なだけに、経験者を雇用する傾向にあるのは仕方がないことだ。かくいう部長も元自衛官で、某地方の基地警備をしていた経験がある。
「あいつらが馴染むまでずいぶんと時間がかかったろ? だから今回は普通の刑事にした」
「普通のって、大して変わらない気が」
部長なりに考えはしたんだろう。だけど元機動隊員と元陸上自衛官、そして元刑事なんて大して変わらないと思うのだ。きっと今回も浮きまくるに違いない。
「で、その仮採用君なんだけど、研修期間中の指導を一関さんに担当してほしいんだ」
「私ですか? 私より久保田さんあたりが適任と思いますけど。同じ警察官ですし」
私の提案に、部長はチチチッと人差し指を振った。
「ダメダメ。下手したら久保田が元の機動隊員に戻っちゃうだろ? そんなことになったら大変だ。だからここは一関さんで」
ちなみに私は新卒で雇用された人間だ。この2年でそれなりに経験は積んできたけれど、元刑事さんの指導ができるのか少しばかり不安ではある。
「警備に関しては私より経験がありそうですけど」
「まあそこはね。けど、こういう環境下での仕事には不慣れだろうから、パーク職員としての教育を重点的にやってくれると助かる」
「わかりました。頑張って指導します」
「ありがとう、助かるよ」
部長はウンウンとうなづいた。
「それで、いつからなんですか?」
「まずは面接をしてからなんだけど、それで人事からゴーサインが出たらすぐにでも。これ、そいつの履歴書。目を通しておいて」
クリアファイルにはさまれた履歴書を渡された。休み時間に目を通しておこう。
+++
お昼ごろになると、パーク内のお客さん達が目に見えて増えてきた。
「今日は平日だよね」
あきらかにカップルな二人組とすれ違ってから久保田さんがつぶやく。
「そうですね」
「いつも不思議に思うんだけど、平日なのになんでこんなに人がいるのかな」
「休みの日に比べたら少ないじゃないですか」
「それにしてもだよ。今日は平日だよ平日。春休みでも冬休みでもない平日。今の、どこからみても学生じゃないか。学校はどうしたんだよ」
今日、私がパーク内のパトロールで組むのは元機動隊の久保田さんだ。年齢は私よりずっと上だけど、ここの在籍歴からすると私が一年先輩になる。
「最近は平日をねらって来園する人も多いですからね。休みになると殺人的な混雑ぶりですし」
「俺、こういう場所ってもっとゆるい空気が流れてると思ってたよ」
「十分にゆるいじゃないですか。ほら、この制服だってすっごくゆるい」
警備部の制服はスーツだ。と言っても通常のサラリーマンさん的なものではなく、テーマパークのイメージに沿った色をしたスーツ。はっきり言ってめちゃくちゃカラフル。はっきり言わなくてもめちゃくちゃカラフル。この色に抵抗を感じる人も多く、横を歩いている久保田さんもその一人だった。初めてそれを見せられた時の顔はいまだに忘れられない。
「一関さん、なにか変なこと考えてる?」
「え? 制服を見た時の久保田さんの顔を思い出してました。この世の終わりみたいな顔だったなって」
「そりゃこの世の終わりだと思ったから。だってこの色だよ? えーと、なんて色だっけ? 」
「ピーコックグリーンです」
「ああ、そんな名前だった。こんなド派手な色のスーツてどうなのさ。なんかチンピラになった気分だよ」
そうかなあとスーツを見おろした。なかなか可愛くて素敵だと思うんだけど。
「こんな色のスーツを着ていたチンピラさんを、見たことあるんですか?」
「実のところ、あいつらが着てるスーツのほうがずっとまともだよ」
「胸のパークのエンブレムがかっこいいって、小さい子達には人気なんですよ」
もちろんパトロールをするのだからカラフルなだけではない。耳には本部との連絡をとる無線機につながっているイヤホン、そして目立たないように携帯している特殊警棒。まあ特殊警棒に関しては今のところ使ったことはなく、たまの研修時にシャキーンとやる程度だ。
「あ、そういえば部長がボソボソ言ってたけど、警備部に新しく人が来るんだって?」
気を取り直した久保田さんが話題を変えた。
「そうなんですよ。まずは一人なんですけどね」
「なんで一人?」
「一気にたくさん採用すると、浮いた人が増えてパーク内の空気が乱れますから」
久保田さんが何とも言えない顔をする。
「空気が乱れる」
「はい」
「浮いた人って俺達のこと?」
「端的に言えばそうですね」
「あ、そう」
久保田さんは再び何とも言えない顔をしてみせた。
「で、その一人なんですけど、久保田さんと同じ元警察官さんらしいです」
「へえ、そうなんだ。指導係は誰が?」
「私が。久保田さんにしたらどうかって部長に提案したんですけど、却下されました。久保田さんが警察官に戻ったら大変だからって」
それを聞いて笑いだす。
「あー、なんとなく理解できる。部長にも警察官に戻って浮いてるぞって、たまに注意されるからね」
「いまだに?」
「そう、いまだに。習慣というのは恐ろしいねえ」
そう言いながら肩をすくめた。
「あ、おはようございます、部長」
その日の朝、出勤すると直属の上司である中津山部長に声をかけられた。
「おはよう。で、ちょっとこっちに」
「なんでしょうか」
手招きされたのでそのままついていく。ついていった先は自動販売機が並んでいる休憩場所。昼間は仕事の合間に一息つくスタッフがくつろぐ場所だったけど、早朝の開園前なので今は誰もいない。
「ちょっと座ってくれるかな。なにがいい? コーヒー? 紅茶?」
自動販売機の前で部長がこっちを見る。
「じゃあ紅茶で」
「ん」
部長はコーヒーと紅茶を買うと、私に紅茶の紙コップを差し出した。
「ありがとうございます」
二人で長椅子に座る。紅茶を一口飲みながら、話ってなんだろう?と考える。もしかしてリストラ? うちはありがたいことに今年も黒字の見込みで、今のところ人員削減の話は出ていないはず。じゃあなんだろう。仕事中になにか失敗でもしたかな? 心当たりはないけれど。
「で、話ってなんでしょう」
「一関さんて、ここにきて何年目だっけ」
「えーと、正社員になってから二年ですね」
うんうんとうなづいている部長。特に悪い話ではなさそう?
「最近は物騒な事件も増えてきて、うちも他人事じゃなくなってきたろ? それで警備部の人員を増やそうかって話になっててね」
私が働いているのは某テーマパークの警備部。さまざまなアトラクションがありマスコット達もいて、毎日がイベントが盛りだくさんの場所だ。そんな場所でも楽しくない問題は起きている。それはここも例外じゃない。マスコット達と写真を撮りたいお客さん同士のいざこざとか、パーク内のルールを守らない来園者の問題とか。そして最近では、ちょっとシャレにならないようなことをしでかす来場者もいた。
そんな人達を取り締まるのが、私が所属している警備部だ。
「そうなんですか。部長のとこから来てもらうんですか?」
「それも考えたんだけど、うちもそこまで人がいるわけじゃないからね」
中津山部長は大手民間警備会社からの出向組だ。最初はそこから、ここに警備員を派遣してもらう契約だった。だけどパークの規模が大きくなるにつれそれでは間に合わなくなり、自前で警備の専門部署を作ることになったのだ。そしてその責任者として派遣されてきたのが部長だった。
「新規募集をするんですか? うちの場合、警備員のスキルもですけど、それなりに資質が問われますよね」
「それなんだよねえ」
部長がため息をつく。お客さん達に楽しい時間を提供するテーマパークの場合、警備員の立ち位置はかなり難しい。前提条件として、パーク内の空気を壊すのは絶対にNGとなる。そして警戒しすぎでもダメ、警戒しなさすぎでもダメ。実に難しい。
「一度にたくさんの警備員を採用すると、パーク内の空気が一気に変わっちゃう危険性もありますよね」
「それも考えた。受け入れるこっちもそれなりに準備が必要になるって。で、だ」
ここでやっと本題らしい。
「知り合いから紹介された人物を一人、試験的に採用してみようと思う」
「仮採用ですか?」
「まあそんなところかな。だからものすごく難易度の高いのを選んだ」
「あの、なんの難易度ですか? イヤな予感しかしないんですが」
そこに自分が関わってくるとなれば特に!
「能力的にはまったく問題ない人物だよ。元の職場でも優秀だという評価つきだ」
「元の職場とは」
「警視庁捜査一課」
「それ難易度高すぎ!」
おもわず叫んでしまった。
「ほら、なにか起きた時に相手を制圧するスキルって大切だろ?」
「そうやって部長が前に呼んだのは、元機動隊の久保田さんと元陸自空挺の矢島さんでしたよね?!」
「最初はものすごく浮いてたよね、あいつら」
「今もそれなりに浮いてますけどね」
アハハハと笑う部長の横でツッコミを入れる。部署が部署なだけに、経験者を雇用する傾向にあるのは仕方がないことだ。かくいう部長も元自衛官で、某地方の基地警備をしていた経験がある。
「あいつらが馴染むまでずいぶんと時間がかかったろ? だから今回は普通の刑事にした」
「普通のって、大して変わらない気が」
部長なりに考えはしたんだろう。だけど元機動隊員と元陸上自衛官、そして元刑事なんて大して変わらないと思うのだ。きっと今回も浮きまくるに違いない。
「で、その仮採用君なんだけど、研修期間中の指導を一関さんに担当してほしいんだ」
「私ですか? 私より久保田さんあたりが適任と思いますけど。同じ警察官ですし」
私の提案に、部長はチチチッと人差し指を振った。
「ダメダメ。下手したら久保田が元の機動隊員に戻っちゃうだろ? そんなことになったら大変だ。だからここは一関さんで」
ちなみに私は新卒で雇用された人間だ。この2年でそれなりに経験は積んできたけれど、元刑事さんの指導ができるのか少しばかり不安ではある。
「警備に関しては私より経験がありそうですけど」
「まあそこはね。けど、こういう環境下での仕事には不慣れだろうから、パーク職員としての教育を重点的にやってくれると助かる」
「わかりました。頑張って指導します」
「ありがとう、助かるよ」
部長はウンウンとうなづいた。
「それで、いつからなんですか?」
「まずは面接をしてからなんだけど、それで人事からゴーサインが出たらすぐにでも。これ、そいつの履歴書。目を通しておいて」
クリアファイルにはさまれた履歴書を渡された。休み時間に目を通しておこう。
+++
お昼ごろになると、パーク内のお客さん達が目に見えて増えてきた。
「今日は平日だよね」
あきらかにカップルな二人組とすれ違ってから久保田さんがつぶやく。
「そうですね」
「いつも不思議に思うんだけど、平日なのになんでこんなに人がいるのかな」
「休みの日に比べたら少ないじゃないですか」
「それにしてもだよ。今日は平日だよ平日。春休みでも冬休みでもない平日。今の、どこからみても学生じゃないか。学校はどうしたんだよ」
今日、私がパーク内のパトロールで組むのは元機動隊の久保田さんだ。年齢は私よりずっと上だけど、ここの在籍歴からすると私が一年先輩になる。
「最近は平日をねらって来園する人も多いですからね。休みになると殺人的な混雑ぶりですし」
「俺、こういう場所ってもっとゆるい空気が流れてると思ってたよ」
「十分にゆるいじゃないですか。ほら、この制服だってすっごくゆるい」
警備部の制服はスーツだ。と言っても通常のサラリーマンさん的なものではなく、テーマパークのイメージに沿った色をしたスーツ。はっきり言ってめちゃくちゃカラフル。はっきり言わなくてもめちゃくちゃカラフル。この色に抵抗を感じる人も多く、横を歩いている久保田さんもその一人だった。初めてそれを見せられた時の顔はいまだに忘れられない。
「一関さん、なにか変なこと考えてる?」
「え? 制服を見た時の久保田さんの顔を思い出してました。この世の終わりみたいな顔だったなって」
「そりゃこの世の終わりだと思ったから。だってこの色だよ? えーと、なんて色だっけ? 」
「ピーコックグリーンです」
「ああ、そんな名前だった。こんなド派手な色のスーツてどうなのさ。なんかチンピラになった気分だよ」
そうかなあとスーツを見おろした。なかなか可愛くて素敵だと思うんだけど。
「こんな色のスーツを着ていたチンピラさんを、見たことあるんですか?」
「実のところ、あいつらが着てるスーツのほうがずっとまともだよ」
「胸のパークのエンブレムがかっこいいって、小さい子達には人気なんですよ」
もちろんパトロールをするのだからカラフルなだけではない。耳には本部との連絡をとる無線機につながっているイヤホン、そして目立たないように携帯している特殊警棒。まあ特殊警棒に関しては今のところ使ったことはなく、たまの研修時にシャキーンとやる程度だ。
「あ、そういえば部長がボソボソ言ってたけど、警備部に新しく人が来るんだって?」
気を取り直した久保田さんが話題を変えた。
「そうなんですよ。まずは一人なんですけどね」
「なんで一人?」
「一気にたくさん採用すると、浮いた人が増えてパーク内の空気が乱れますから」
久保田さんが何とも言えない顔をする。
「空気が乱れる」
「はい」
「浮いた人って俺達のこと?」
「端的に言えばそうですね」
「あ、そう」
久保田さんは再び何とも言えない顔をしてみせた。
「で、その一人なんですけど、久保田さんと同じ元警察官さんらしいです」
「へえ、そうなんだ。指導係は誰が?」
「私が。久保田さんにしたらどうかって部長に提案したんですけど、却下されました。久保田さんが警察官に戻ったら大変だからって」
それを聞いて笑いだす。
「あー、なんとなく理解できる。部長にも警察官に戻って浮いてるぞって、たまに注意されるからね」
「いまだに?」
「そう、いまだに。習慣というのは恐ろしいねえ」
そう言いながら肩をすくめた。
3
お気に入りに追加
253
あなたにおすすめの小説
私の主治医さん - 二人と一匹物語 -
鏡野ゆう
ライト文芸
とある病院の救命救急で働いている東出先生の元に運び込まれた急患は何故か川で溺れていた一人と一匹でした。救命救急で働くお医者さんと患者さん、そして小さな子猫の二人と一匹の恋の小話。
【本編完結】【小話】
※小説家になろうでも公開中※
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
僕の主治医さん
鏡野ゆう
ライト文芸
研修医の北川雛子先生が担当することになったのは、救急車で運び込まれた南山裕章さんという若き外務官僚さんでした。研修医さんと救急車で運ばれてきた患者さんとの恋の小話とちょっと不思議なあひるちゃんのお話。
【本編】+【アヒル事件簿】【事件です!】
※小説家になろう、カクヨムでも公開中※
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
報酬はその笑顔で
鏡野ゆう
ライト文芸
彼女がその人と初めて会ったのは夏休みのバイト先でのことだった。
自分に正直で真っ直ぐな女子大生さんと、にこにこスマイルのパイロットさんとのお話。
『貴方は翼を失くさない』で榎本さんの部下として登場した飛行教導群のパイロット、但馬一尉のお話です。
※小説家になろう、カクヨムでも公開中※
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
『愛が揺れるお嬢さん妻』- かわいいひと -
設樂理沙
ライト文芸
♡~好きになった人はクールビューティーなお医者様~♡
やさしくなくて、そっけなくて。なのに時々やさしくて♡
――――― まただ、胸が締め付けられるような・・
そうか、この気持ちは恋しいってことなんだ ―――――
ヤブ医者で不愛想なアイッは年下のクールビューティー。
絶対仲良くなんてなれないって思っていたのに、
遠く遠く、限りなく遠い人だったのに、
わたしにだけ意地悪で・・なのに、
気がつけば、一番近くにいたYO。
幸せあふれる瞬間・・いつもそばで感じていたい
◇ ◇ ◇ ◇
💛画像はAI生成画像 自作

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる