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【後日談2】トロワ・メートル
15.秀星さん、いい笑顔
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「チーフ! お一人で来られたんですか」
「うん。ここまでの道を教えてくれって、篠田をせっつきましてね。すごーく嫌な顔をされました」
また一瞬、そこから秀星が現れたかのような錯覚に陥ったもんだから、ドキドキと心臓が強く脈打っている。
蒼もそうだった。そこの緑の木々から抜けてくる散策道から、男たちが優しく朗らかに葉子のところへとやってくる。
「ここまで、初めて歩かれたんですよね」
「はい。ある程度は、ここに来てから散策しましたけどね。篠田がそっとしてあげてくれと言ったんですけど……。ひとりで休憩のところ、申し訳ない。年取ってからなんだか、我を通したくなっちゃうことがありまして。しかも、いま後悔しちゃってます」
「いいえ。全然、かまいませんよ。篠田給仕長とも、いえ、夫の蒼君とも、たまにここでランチをしているんです」
でも。そんな蒼がどんな顔で気持ちで送り出したのか。ふと夫の顔を思い浮かべる。
蒼なら、いまの葉子の気持ちをなんとなく察していて、そっとしてくれていると思っていたから、今日はついてこなかったんだなと思っていた。なのにお師匠さんが『やだ、葉子さんのところへついていく。俺も行きたい』と駄々をこねた?
『もう、ひとりにしてあげて。あれ、葉子ちゃんのリセット儀式だから』と知って、怒っていたのかも?
でも逆らえずに送り出したのだろうか。
「ああ、いいところですね。緑の涼しさ、水辺のやわらかい空気に包まれている」
せっかくここまで歩いてこられたからと、葉子もギターをかけたまま立ち上がり、師匠を迎え入れる。
「こちらにどうぞ。ランチはもうしましたか」
「いいえ。私も急いで包んでもらい、ここまで来ました。葉子さん、ときどき、外で食べているでしょう。どんなところで食べているのか気になっていたんです。それに大沼の自然に囲まれてランチができる贅沢を味わってみたかった。今日こそは、でした! しかもギターを担いでいく姿を見ちゃいまして。ああ、ハコちゃんだ! なんて、興奮しちゃいまして」
興奮……。
お互いに、お互いが持っているもので刺激され合っていた。
そしてこの場所に辿り着いた――。
それも久しぶりの感覚だった。
葉子はここで発声をして音を奏で、秀星は風景を凝視し切り取り映し出していた。異なる表現を追求していても、なにか通じていた。『おなじところへ、行こうとしている』。そう同志みたいな……。
緑に包まれ、静かな水辺で、その音も色彩も、空気も、匂いも分け合っていた。
唄と写真を、ここで。
お師匠さんもサービスという追求をしてきた人。その人が、この緑の水辺で唄う人になる葉子にひっぱられてきてしまったのも、なんだか、懐かしい感覚だった。
一緒にランチを取りましょうと、東屋へとふたりで入る。
葉子がいつも座っている向かい、少しまえに蒼が遠慮をして座った場所に、お師匠さんも腰をかけた。
この水辺の東屋の空気に包まれて嬉しそうにして、持ってきたランチの包みを開けている。
「ここ。私が毎朝、発声練習をしていたところだったんです。そこの道をもう少し先に歩くと、秀星さんが毎朝撮影をしていた……、亡くなった場所に辿り着きます。朝の撮影を終えると、カメラを担いでここに来てくれていたんです。私はいつもここに座って、秀星さんはここ……」
自分が座っているベンチの、すぐ隣の場所に葉子はそっと手のひらを置いた。
いま思えば、その位置はとても近い距離だった。蒼とくっついて座るよりは離れているが、ほとんど寄り添うに近かったかもしれない。
だからなのか、お師匠さんが目を丸くしている。ピクルスの蕪をスティックに差して囓ろうとしている姿のままで止まっている。
葉子も初めて気がついた。男と女が隣同士に座るには、近すぎた距離だったのだと。
蒼もそう感じたから? あの時は『先輩のひざの上に座っちゃうから~』なんてとぼけていたけど、実際は……。『それってもう、男と女じゃんか』と見定めていたのかもしれない?
もちろん。葉子に異性の意識はなかったし、秀星だってそんな素振りは一切なかった。言って良いなら『歳の離れた兄と妹』みたいなものだったはず。
だけれど、その距離を互いに許していた。
知らぬ間に、もう、体温を感じ合っていたのだ。
急に物思いにふけった葉子を、お師匠さんもただ神妙な面持ちで見ているだけで、それでも、なにかを取り繕うかのように、やっとピクルスを頬張った。
「そうでしたか。秀星との思い出の場所だったのですね。それは、ほんとうにお邪魔をしてしまいました。篠田がどうしてあのような顔をしたのかわかりました」
「だからって遠慮されても困ります。それに甲斐チーフには、秀星さんがどのように過ごしていたのか知ってほしいです。あ、そうだ……」
一度手放していたスマートフォンを、葉子は再び手に取って、フォトアルバムのアプリを開く。
大事に保管している場所までスクロールをして、その画像を表示させる。そのまま、向かい側のベンチで食事をしている甲斐チーフへと差し向けた。
彼も手に取って、表示されているものを確認してくれる。だが、見た一瞬で、甲斐チーフの目が大きく見開き、手に持っていたサンドも袋の上へと手放した。
葉子のスマートフォンだけを手に持ち、しばらくまじまじと眺めている。それは驚きの目としかいいようがない反応だった。
「これ、秀星ですか」
「はい。ここで、毎朝会っていた時に、私がふざけてスマートフォンで撮ったものです」
そこにはカメラを片手に、ちょっと転びそうに身体を傾けて、葉子が向けたレンズから逃げようとしている秀星の姿だった。でもそれは嫌がりながらも楽しそうに笑っていて、葉子が撮影した瞬間のその笑顔は決して仕事場のレストランでは見せてくれないものだった。
でもその気を許してくれている満面の笑みは、父と母と一緒にいるとき、葉子とここで語らうときに見せていたもの。
「その笑顔が好きです。大事な一枚なんです。その時、この水辺の湖面は凪いでいて鏡のようで、いまとおなじように緑がいっぱいで、湖面にその緑が映っていたんです。それを秀星さんが撮影していました。あ、その写真も、エゴイストに掲載されています。その真面目な秀星さんをからかおうと思って、『私も、秀星さんを撮影しちゃおう』って、スマートフォンを向けたら、秀星さんが『やめて、ハコちゃん』って……でも笑って、こっちを向いてくれていた……」
と長々と説明をしていたら、目の前からすすり泣く声が聞こえてきて、葉子も話しに夢中になってうつむいていたその顔を上げる。
葉子のスマートフォンを眺めていた甲斐チーフが涙を流していた。
「え、あの……」
どうしよう。まただ。威厳ある人が泣いちゃうと若い葉子は困る。矢嶋社長が泣いたときと一緒だった。今日は蒼がいない……。
「いい笑顔です。どれだけあなたたちを慕って、心を預けていたことか……。そうでなければ、この顔はできません」
涙を拭いた師匠が、いつもの毅然とした威厳を取り戻し、葉子に向き直る。
「断言できます。秀星は、あなたたちをそばに想って逝った。逝くことを選んだけれど、あなたたちを忘れたことなど決してない。そういう男です。あなたたちの愛を握りしめて逝った。きっと、そうだ」
その瞬間。葉子の目からも熱いものが溢れだした。
もう誰もが知る由もなく、もう推し量ることしかできず、もうなにも言ってくれない者の心を探るばかり。
でも、彼のことを知る人が少しずつ、葉子や父と母のところに届けてくれる。
今日も、彼の上司だった男性が、秀星の心を届けに来てくれた。
「うん。ここまでの道を教えてくれって、篠田をせっつきましてね。すごーく嫌な顔をされました」
また一瞬、そこから秀星が現れたかのような錯覚に陥ったもんだから、ドキドキと心臓が強く脈打っている。
蒼もそうだった。そこの緑の木々から抜けてくる散策道から、男たちが優しく朗らかに葉子のところへとやってくる。
「ここまで、初めて歩かれたんですよね」
「はい。ある程度は、ここに来てから散策しましたけどね。篠田がそっとしてあげてくれと言ったんですけど……。ひとりで休憩のところ、申し訳ない。年取ってからなんだか、我を通したくなっちゃうことがありまして。しかも、いま後悔しちゃってます」
「いいえ。全然、かまいませんよ。篠田給仕長とも、いえ、夫の蒼君とも、たまにここでランチをしているんです」
でも。そんな蒼がどんな顔で気持ちで送り出したのか。ふと夫の顔を思い浮かべる。
蒼なら、いまの葉子の気持ちをなんとなく察していて、そっとしてくれていると思っていたから、今日はついてこなかったんだなと思っていた。なのにお師匠さんが『やだ、葉子さんのところへついていく。俺も行きたい』と駄々をこねた?
『もう、ひとりにしてあげて。あれ、葉子ちゃんのリセット儀式だから』と知って、怒っていたのかも?
でも逆らえずに送り出したのだろうか。
「ああ、いいところですね。緑の涼しさ、水辺のやわらかい空気に包まれている」
せっかくここまで歩いてこられたからと、葉子もギターをかけたまま立ち上がり、師匠を迎え入れる。
「こちらにどうぞ。ランチはもうしましたか」
「いいえ。私も急いで包んでもらい、ここまで来ました。葉子さん、ときどき、外で食べているでしょう。どんなところで食べているのか気になっていたんです。それに大沼の自然に囲まれてランチができる贅沢を味わってみたかった。今日こそは、でした! しかもギターを担いでいく姿を見ちゃいまして。ああ、ハコちゃんだ! なんて、興奮しちゃいまして」
興奮……。
お互いに、お互いが持っているもので刺激され合っていた。
そしてこの場所に辿り着いた――。
それも久しぶりの感覚だった。
葉子はここで発声をして音を奏で、秀星は風景を凝視し切り取り映し出していた。異なる表現を追求していても、なにか通じていた。『おなじところへ、行こうとしている』。そう同志みたいな……。
緑に包まれ、静かな水辺で、その音も色彩も、空気も、匂いも分け合っていた。
唄と写真を、ここで。
お師匠さんもサービスという追求をしてきた人。その人が、この緑の水辺で唄う人になる葉子にひっぱられてきてしまったのも、なんだか、懐かしい感覚だった。
一緒にランチを取りましょうと、東屋へとふたりで入る。
葉子がいつも座っている向かい、少しまえに蒼が遠慮をして座った場所に、お師匠さんも腰をかけた。
この水辺の東屋の空気に包まれて嬉しそうにして、持ってきたランチの包みを開けている。
「ここ。私が毎朝、発声練習をしていたところだったんです。そこの道をもう少し先に歩くと、秀星さんが毎朝撮影をしていた……、亡くなった場所に辿り着きます。朝の撮影を終えると、カメラを担いでここに来てくれていたんです。私はいつもここに座って、秀星さんはここ……」
自分が座っているベンチの、すぐ隣の場所に葉子はそっと手のひらを置いた。
いま思えば、その位置はとても近い距離だった。蒼とくっついて座るよりは離れているが、ほとんど寄り添うに近かったかもしれない。
だからなのか、お師匠さんが目を丸くしている。ピクルスの蕪をスティックに差して囓ろうとしている姿のままで止まっている。
葉子も初めて気がついた。男と女が隣同士に座るには、近すぎた距離だったのだと。
蒼もそう感じたから? あの時は『先輩のひざの上に座っちゃうから~』なんてとぼけていたけど、実際は……。『それってもう、男と女じゃんか』と見定めていたのかもしれない?
もちろん。葉子に異性の意識はなかったし、秀星だってそんな素振りは一切なかった。言って良いなら『歳の離れた兄と妹』みたいなものだったはず。
だけれど、その距離を互いに許していた。
知らぬ間に、もう、体温を感じ合っていたのだ。
急に物思いにふけった葉子を、お師匠さんもただ神妙な面持ちで見ているだけで、それでも、なにかを取り繕うかのように、やっとピクルスを頬張った。
「そうでしたか。秀星との思い出の場所だったのですね。それは、ほんとうにお邪魔をしてしまいました。篠田がどうしてあのような顔をしたのかわかりました」
「だからって遠慮されても困ります。それに甲斐チーフには、秀星さんがどのように過ごしていたのか知ってほしいです。あ、そうだ……」
一度手放していたスマートフォンを、葉子は再び手に取って、フォトアルバムのアプリを開く。
大事に保管している場所までスクロールをして、その画像を表示させる。そのまま、向かい側のベンチで食事をしている甲斐チーフへと差し向けた。
彼も手に取って、表示されているものを確認してくれる。だが、見た一瞬で、甲斐チーフの目が大きく見開き、手に持っていたサンドも袋の上へと手放した。
葉子のスマートフォンだけを手に持ち、しばらくまじまじと眺めている。それは驚きの目としかいいようがない反応だった。
「これ、秀星ですか」
「はい。ここで、毎朝会っていた時に、私がふざけてスマートフォンで撮ったものです」
そこにはカメラを片手に、ちょっと転びそうに身体を傾けて、葉子が向けたレンズから逃げようとしている秀星の姿だった。でもそれは嫌がりながらも楽しそうに笑っていて、葉子が撮影した瞬間のその笑顔は決して仕事場のレストランでは見せてくれないものだった。
でもその気を許してくれている満面の笑みは、父と母と一緒にいるとき、葉子とここで語らうときに見せていたもの。
「その笑顔が好きです。大事な一枚なんです。その時、この水辺の湖面は凪いでいて鏡のようで、いまとおなじように緑がいっぱいで、湖面にその緑が映っていたんです。それを秀星さんが撮影していました。あ、その写真も、エゴイストに掲載されています。その真面目な秀星さんをからかおうと思って、『私も、秀星さんを撮影しちゃおう』って、スマートフォンを向けたら、秀星さんが『やめて、ハコちゃん』って……でも笑って、こっちを向いてくれていた……」
と長々と説明をしていたら、目の前からすすり泣く声が聞こえてきて、葉子も話しに夢中になってうつむいていたその顔を上げる。
葉子のスマートフォンを眺めていた甲斐チーフが涙を流していた。
「え、あの……」
どうしよう。まただ。威厳ある人が泣いちゃうと若い葉子は困る。矢嶋社長が泣いたときと一緒だった。今日は蒼がいない……。
「いい笑顔です。どれだけあなたたちを慕って、心を預けていたことか……。そうでなければ、この顔はできません」
涙を拭いた師匠が、いつもの毅然とした威厳を取り戻し、葉子に向き直る。
「断言できます。秀星は、あなたたちをそばに想って逝った。逝くことを選んだけれど、あなたたちを忘れたことなど決してない。そういう男です。あなたたちの愛を握りしめて逝った。きっと、そうだ」
その瞬間。葉子の目からも熱いものが溢れだした。
もう誰もが知る由もなく、もう推し量ることしかできず、もうなにも言ってくれない者の心を探るばかり。
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