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第一部・第二章:出会いと再会は突然に
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「お前はどこのクラスだ?すぐにでも行っていいか?」
「良い訳あるか!なんで来るんだよ!?」
「生活を覗けば何かお前の特異体質につながるヒントを得られるかと思って」
「特異体質じゃない!俺はいたって普通の人間だ!!それに第一、編入してきたばかりで自分のクラスまだ知らないんだよ!」
理事長が教えてくれなかったから分からず終いだったんだよ!
「そうか……わかり次第直ちに僕に知らせてくれ、いつもここで修行してるから」
「なにその異常な執着心……てか、いつも修行してる?授業は?」
「諸々の事情でサボってる」
ぴしゃりと言い放たれた言葉に、あのときの理事長の困った顔が浮かぶ。
……こいつだったのか。
いつも授業サボってる問題児って。
「……なんで修行してんの?」
こみ上げてくる怒りに似たよくわからない感情を抑えつつ聞いた。
どんな事情かは知らないし、出会ったばっかで詮索するのもアレだから深くは突っ込まないけどさ。授業サボってまでこいつは何がしたいんだ?
俺の言葉が南雲の耳に届いたとたん、スゥッと瞳から光が消えた。さっきまであんなに興奮してたのに、急にここまで豹変するとちょっとびっくりするな。
その瞳に光は宿っておらず、でもどこか悲しんでいるように感じたのは俺の気のせいなのかな。
やがて南雲はゆっくり口を開いた。
「強くならなきゃいけないから」
ならなきゃいけない……?
なりたい、じゃなくて?
顔を見上げてまっすぐ見つめれば、固い決意を思わせる熱のこもった漆黒の瞳と視線が合わさった。
「僕には力が足りない。なんとしてでも強くならなくちゃいけないんだ」
少し焦った声。余程切羽詰まってるということか。
焦った末に授業を放棄し、こんな誰も来なさそうな辺鄙な場所で1人術の練習をしていたってところか?
それなら頷けなくもない。
…………が。
「理由がなんであれ、授業を放棄するのは良くないだろ」
出会い頭から強烈なキャラを見せつけてきたあの理事長が困り顔を見せるなんて、よっぽどのことだろう。いや、まだこの学園のことも理事長のこともよく知らない俺が言える立場ではないのだが。
「……真面目なんだな、君は」
「そんなことない。だけど、さっき理事長がお前が授業に出ないって困った顔してたからほっとけないんだ」
「ふぅん、会ったばかりの人間をほっとけないなんて、お人好しなんだな。ともかく僕は時間を有効活用したいから授業なんかには出ない」
どうやら授業に出る気はサラサラないらしい。何故そこまで………
なおも食い下がる俺を見てふぅ、と一息ついて話し出す。
「そもそも、この学園に入学したのだって僕の意思じゃない。周りの大人達が勝手に決めたこと。僕の生活態度に口出ししないことを条件に入学してやったんだ、自由まで奪われたくない」
その瞳には悲痛な思いが滲んでいて。
俺はそれ以上説得する勇気を持てなかった。
「良い訳あるか!なんで来るんだよ!?」
「生活を覗けば何かお前の特異体質につながるヒントを得られるかと思って」
「特異体質じゃない!俺はいたって普通の人間だ!!それに第一、編入してきたばかりで自分のクラスまだ知らないんだよ!」
理事長が教えてくれなかったから分からず終いだったんだよ!
「そうか……わかり次第直ちに僕に知らせてくれ、いつもここで修行してるから」
「なにその異常な執着心……てか、いつも修行してる?授業は?」
「諸々の事情でサボってる」
ぴしゃりと言い放たれた言葉に、あのときの理事長の困った顔が浮かぶ。
……こいつだったのか。
いつも授業サボってる問題児って。
「……なんで修行してんの?」
こみ上げてくる怒りに似たよくわからない感情を抑えつつ聞いた。
どんな事情かは知らないし、出会ったばっかで詮索するのもアレだから深くは突っ込まないけどさ。授業サボってまでこいつは何がしたいんだ?
俺の言葉が南雲の耳に届いたとたん、スゥッと瞳から光が消えた。さっきまであんなに興奮してたのに、急にここまで豹変するとちょっとびっくりするな。
その瞳に光は宿っておらず、でもどこか悲しんでいるように感じたのは俺の気のせいなのかな。
やがて南雲はゆっくり口を開いた。
「強くならなきゃいけないから」
ならなきゃいけない……?
なりたい、じゃなくて?
顔を見上げてまっすぐ見つめれば、固い決意を思わせる熱のこもった漆黒の瞳と視線が合わさった。
「僕には力が足りない。なんとしてでも強くならなくちゃいけないんだ」
少し焦った声。余程切羽詰まってるということか。
焦った末に授業を放棄し、こんな誰も来なさそうな辺鄙な場所で1人術の練習をしていたってところか?
それなら頷けなくもない。
…………が。
「理由がなんであれ、授業を放棄するのは良くないだろ」
出会い頭から強烈なキャラを見せつけてきたあの理事長が困り顔を見せるなんて、よっぽどのことだろう。いや、まだこの学園のことも理事長のこともよく知らない俺が言える立場ではないのだが。
「……真面目なんだな、君は」
「そんなことない。だけど、さっき理事長がお前が授業に出ないって困った顔してたからほっとけないんだ」
「ふぅん、会ったばかりの人間をほっとけないなんて、お人好しなんだな。ともかく僕は時間を有効活用したいから授業なんかには出ない」
どうやら授業に出る気はサラサラないらしい。何故そこまで………
なおも食い下がる俺を見てふぅ、と一息ついて話し出す。
「そもそも、この学園に入学したのだって僕の意思じゃない。周りの大人達が勝手に決めたこと。僕の生活態度に口出ししないことを条件に入学してやったんだ、自由まで奪われたくない」
その瞳には悲痛な思いが滲んでいて。
俺はそれ以上説得する勇気を持てなかった。
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