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第一部・第二章:出会いと再会は突然に
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ひとたび目を見開けばそこは一面黄土色。
暗闇から脱したことによる安堵感でボケッとしていたからか目の前の光景に頭がついていかず、そのまま頭から落下した。というか勢いがありすぎたのか身体の半分くらい土の中に埋もれちゃったよ。あれ、窒息死しちゃわないかな。
「~~~~っっ!!?」
何これ頭から落ちたら普通人間なら死んじゃうよね?
めっちゃ痛いんだけど!
めっちゃ痛いんだけど!!
何故か二度言いました。
「あはははっ!盛大に頭から落ちたな。よく無事だったなお前」
「落下途中で手を放す爽が悪いです。それにしてもよく無傷でいられますね。人間なら死んでもおかしくないというのに……不思議なこともあるもんです」
お二方、冷静に呑気に喋ってないで土の中に埋まってる俺を助けて下さいませんかね!?
土中に埋まってる俺のすぐ横には冷静にこちらをじっと見つめる心配のカケラもなさそうな白狐がおり、少し離れた場所に嵐武様が俺を指差して笑ってやがった。
結局二人に助けてもらうことなく自力で這い上がった可哀想な俺。
「で、どっち向かえば良いんだろ?全然分かんない」
どこを見ても草木。色鮮やかな緑が辺りに広がってる。道らしき道はなく、そこらにはリスや兎といった可愛い小動物がいきなりこの地に降り立った俺らをガン見している。
ごめんね、驚かしちゃったね。
「ここから北に真っ直ぐだ。ひたすら歩けば分かる」
そう言ってその方角を指差す嵐武様。
てか、え?ひたすら歩けば……って、そんな長い距離なの?近くって言ってたよね?近くなんだよね?入学式に汗だくで出席とかやだよ俺。
「向こうについたらとりあえず理事長室に向かえ。寮の自分の部屋の鍵もらったりするかんな。入学式は1週間前だったから授業は午後もあるんじゃねぇかな?」
まさかの入学式終わってた!
「まあ頑張れよ。………色んな意味で」
ぼそっと言ってるけど聞こえてんぞ。
色んな意味って何?ねぇ、色んな意味って何!?
「………爽」
嵐武様の意味ありげな言動に頭の中?状態の俺に呼び掛けたのは白狐だった。
何だろうと思い横を向くと、いつになく真剣な白狐の顔がそこにあった。
「どしたの?」
「えっと……その…………」
白狐が口ごもるなんて滅多にないのに、ホントにどうしたんだろ?
数秒の沈黙の後、白狐は口を開いた。
「爽が通う学園には2つの学科があります。普通科と霊能科で、もちろん爽は普通科です。……校舎は違うみたいですが、一応言っておきます。霊能科の人間とは親しくしないようにして下さい」
「……え?何で?」
あまりにも意外な要求をされたから聞き返してしまった。
「理由は……あ、すみません。答えたいのは山々ですが、そろそろ学園に向かわなくては遅刻となってしまう時間ですよ」
常に右腕に装着されてるいつ買ったのか分からない腕時計をチラッと見た白狐がそう言ったが、はぐらかされた気がしたのは気のせいか?
「お前、さすがに初日に遅刻はまずいだろ。ほら行った行った!」
だが白狐の腕時計を見たらホントにヤバい時間だったので学園に向かおうと足を動かそうとした。だが………
足が重く感じる。
前へ進むのを躊躇っているのが自分でも分かる。
もう会えない。
その言葉が頭の中を過り、足どりを重くする。
でも、行かなきゃ。
進まなきゃ。
俺はもう、甘えていい立場ではないんだから。この二人を困らせちゃいけないんだから。
「………行ってきます!」
だから、心配させないように笑顔でいなきゃ。
「おう、さっさと行けや」
「お気をつけて」
二人も笑顔を向けてくれた。
家族との別れに涙が出そうになるのを堪え、心の中でさようならと唱えた。
暗闇から脱したことによる安堵感でボケッとしていたからか目の前の光景に頭がついていかず、そのまま頭から落下した。というか勢いがありすぎたのか身体の半分くらい土の中に埋もれちゃったよ。あれ、窒息死しちゃわないかな。
「~~~~っっ!!?」
何これ頭から落ちたら普通人間なら死んじゃうよね?
めっちゃ痛いんだけど!
めっちゃ痛いんだけど!!
何故か二度言いました。
「あはははっ!盛大に頭から落ちたな。よく無事だったなお前」
「落下途中で手を放す爽が悪いです。それにしてもよく無傷でいられますね。人間なら死んでもおかしくないというのに……不思議なこともあるもんです」
お二方、冷静に呑気に喋ってないで土の中に埋まってる俺を助けて下さいませんかね!?
土中に埋まってる俺のすぐ横には冷静にこちらをじっと見つめる心配のカケラもなさそうな白狐がおり、少し離れた場所に嵐武様が俺を指差して笑ってやがった。
結局二人に助けてもらうことなく自力で這い上がった可哀想な俺。
「で、どっち向かえば良いんだろ?全然分かんない」
どこを見ても草木。色鮮やかな緑が辺りに広がってる。道らしき道はなく、そこらにはリスや兎といった可愛い小動物がいきなりこの地に降り立った俺らをガン見している。
ごめんね、驚かしちゃったね。
「ここから北に真っ直ぐだ。ひたすら歩けば分かる」
そう言ってその方角を指差す嵐武様。
てか、え?ひたすら歩けば……って、そんな長い距離なの?近くって言ってたよね?近くなんだよね?入学式に汗だくで出席とかやだよ俺。
「向こうについたらとりあえず理事長室に向かえ。寮の自分の部屋の鍵もらったりするかんな。入学式は1週間前だったから授業は午後もあるんじゃねぇかな?」
まさかの入学式終わってた!
「まあ頑張れよ。………色んな意味で」
ぼそっと言ってるけど聞こえてんぞ。
色んな意味って何?ねぇ、色んな意味って何!?
「………爽」
嵐武様の意味ありげな言動に頭の中?状態の俺に呼び掛けたのは白狐だった。
何だろうと思い横を向くと、いつになく真剣な白狐の顔がそこにあった。
「どしたの?」
「えっと……その…………」
白狐が口ごもるなんて滅多にないのに、ホントにどうしたんだろ?
数秒の沈黙の後、白狐は口を開いた。
「爽が通う学園には2つの学科があります。普通科と霊能科で、もちろん爽は普通科です。……校舎は違うみたいですが、一応言っておきます。霊能科の人間とは親しくしないようにして下さい」
「……え?何で?」
あまりにも意外な要求をされたから聞き返してしまった。
「理由は……あ、すみません。答えたいのは山々ですが、そろそろ学園に向かわなくては遅刻となってしまう時間ですよ」
常に右腕に装着されてるいつ買ったのか分からない腕時計をチラッと見た白狐がそう言ったが、はぐらかされた気がしたのは気のせいか?
「お前、さすがに初日に遅刻はまずいだろ。ほら行った行った!」
だが白狐の腕時計を見たらホントにヤバい時間だったので学園に向かおうと足を動かそうとした。だが………
足が重く感じる。
前へ進むのを躊躇っているのが自分でも分かる。
もう会えない。
その言葉が頭の中を過り、足どりを重くする。
でも、行かなきゃ。
進まなきゃ。
俺はもう、甘えていい立場ではないんだから。この二人を困らせちゃいけないんだから。
「………行ってきます!」
だから、心配させないように笑顔でいなきゃ。
「おう、さっさと行けや」
「お気をつけて」
二人も笑顔を向けてくれた。
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