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第一部・第一章:神様の命令はゼッタイ!

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嵐武様は額に手をあててため息をついた。

「お前まさか戦の真っ只中にここで安穏と過ごそうとか思ってないよな?俺の話ちゃんと聞いてたか?人間おまえは一時的に人間界に降りるんだぞ」

あ、そっか。人間って俺のことかぁ。

そうだよなぁ、神界にいる人間俺しかいないもんなぁ。皆と離れるのは寂しいけどこればっかりは仕方ないな。人間界でもそれなりに上手く生活できるだろう。なんせ俺は社交的だからな。人付き合いは上手いほうだ。

自分で言っちゃうとか!あはははっ…… いや待て笑い事じゃねぇよ!?

「俺無一文なんだけど!住む家とか生活するための金とかどうすんだよ!」

また敬語がなくなってるが動揺しているからか嵐武様は突っ込まない。

「まあそこは安心しろや。最上の神から、お前にぴったりな全寮制の学園に今年から編入できるように手配したって聞いたからな」

「学費はどうすんだよ!」

「そこの学園、成績が良いやつは学費免除されるんだと。お前なら余裕だろうって最上の神は仰ってた。まあ俺も同意見だ」

どどどどどうしよう!!?

 未知の世界にさようならの展開で尚且つよくわからん全寮制学園とやらに入学させられるとか何のいじめだよ!

人間界とか行ったことないんだけど!
俺人間なのに人間界行ったことないってなんか変だけど行ったことないのはホントなんだもん!

学園ってアレだよな? 神様達が言ってた、人間界でいろんなことを教わる若者のための学舎ってとこだよな?

つーか全寮制って何!?
なんかのイベントか?建物の名前か?
わかんねーーーっ!!

 色々とぐるぐる考えていると、嵐武様が俺の顔を見て吹き出した。

「ぶふぅっ!!ちょ、おまっ……百面相とかやめろよ!面白いだろーが!」

「百面相なんかしてねーっ!!」

どうやら考えている途中に表情をコロコロ変えていたようだ。ヤダ恥ずかし。

 しばらく経ってから二人落ち着き、話を再開した。

「全寮制ってのは学園に通う人間が入学してから卒業するまで学園内に設置されている……家って言った方がはえぇな。その家で生活するってことらしいぜ?俺は知らんがな。人間界の教養は神界でお前が神々に教わったことが主だと思うから問題ない。お前記憶力だけは良いもんなぁ。学園の制服やその他必要なものは最上の神が手配してくれるからな。感謝しろよー。ちなみにお前が神界を出る記念すべき日は明日だ。じゃあそゆことだからさっさと出てけ。客が来るからな、お前は邪魔にしかならんからな」 

「長っっ!やけに親切に説明してくれたと思ったら厄介払いしたかっただけかよ!」

俺泣きそう。

「ったりめぇだろ。さっさと出ろ」

言われずとも出てくさ!!と思いながら廊下に出る扉をぴしゃっと閉めた。 


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