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15. 4歳にして講師に抜擢された
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レアポーク男爵の息子、ボール・フォン・レアポークの魔法の講師となった。
午前中は勉強してるとのことで魔法の授業は午後に決まり、弟妹達と共に教えることとなった。
父から聞いた話ではレアポーク男爵の教育方針がひたすら厳しい故に息子の性格がひん曲がったとのことだが、強ち間違ってない。
ただこれはレアポーク男爵自身が一等厳しいのではなく、代々同じ教育方針にしてるだけらしい。ボールの母親はレアポーク男爵家に嫁ぐ者としては異質なほどにフリーダムな性格で、ボールの性格はどちらかといえば母親似。だから代々続いた厳しい教育方針に堪えられずに反抗期を迎えた、と。
レアポーク男爵も息子のことは大事にしており、ストレスを溜めてるのは分かっていたのだが、代々続いたとあって自身も幼少期に受けた教育のどこに苦痛を感じてるのかがわからずに持て余していたとのことだ。
「定期的にストレスを発散させたら良いのでは?それでしたらボール様も他の方にご迷惑をおかけすることも減るでしょう」
そこでエマルスの提案を採用したのが事の発端らしい。
ストレスを解消するにはどうしたら良いのかと悩んでいた二人だが、ちょうどそのタイミングで先日の事件が起こり、俺の魔法に感激したボールが心を入れ替えて父親に今までの所業を明かした。
貴族にあるまじき行動を取ってレアポーク家の評判を落としたことに対する謝罪と共に魔法の講師を俺にしてくれと懇願され、勉強に身が入るならと了承。
だが息子から聞く魔法使いは魔法が使えないとされているノンバード族。
半信半疑ではあったが、調べてみるとメルティアス家のひよこが魔法を使ったと確認が取れたのでひとまず信じることに。
俺の素性についても特に問題はなく、晴れて魔法の講師に抜擢。
「そういうことでしたか」
もぐもぐと口を動かしながら一通りの経緯を聞く。
レアポーク男爵の呼び出しがあったのは昼前。
ちょうど昼飯を食べる時間に差し掛かってたのもあり、ついでに食べていくか?というレアポーク男爵のご厚意に甘えさせてもらったのだ。
だだっ広い部屋に通され、無駄にデカいテーブルと無駄に並べられた椅子に爵位が下の男爵とはいえやはり貴族だな、と一人納得。
俺が助けたブルースライムは部屋の隅っこで野菜の切れ端や肉片などの本来捨てるはずのものを食べている。
エマルスが言ってた通りこの領地ではブルースライムがいるのが当たり前なのだろう。
誰も何も言わないどころか、厨房で他のブルースライムも生ゴミを食べてるので日常の一部として認識している。
「な、なぁ!はじめはどんな魔法を教えてくれるんだ?」
正面に座るボールが食事の手を止めて落ち着きのない様子で聞いてくる。
ここにいるのは俺とこいつとレアポーク男爵の三人。ボールの母親は「後で食べるわ~」とひらひら手を振っていた。
裏庭の木の上で気持ち良さげに日向ぼっこしている白猫の獣人がボールの母親であり、レアポーク男爵の妻。さすが猫。自由だ。
ボールの問いかけに頭を横に振る。
「魔法を覚える前に、魔力量の増加と魔力制御が先だ」
「えーーーっ!?そんなぁ!俺もヒヨコ先生みたいなすっごい魔法使いたいのに!」
もう先生呼びか。
「基礎をしっかり覚えろということだろう。なぁフィード君」
「その通りです」
「やだやだ!新しい魔法覚えたいー!」
「うるさいぞボール。静かに食べなさい」
ぎゃあぎゃあ騒ぐボールを宥めながら優雅な昼食を済ませ、明日からのスケジュールを組んでから帰宅した。
帰りはエマルスに送ってもらった。
とても幸せそうな顔をしていた。
午前中は勉強してるとのことで魔法の授業は午後に決まり、弟妹達と共に教えることとなった。
父から聞いた話ではレアポーク男爵の教育方針がひたすら厳しい故に息子の性格がひん曲がったとのことだが、強ち間違ってない。
ただこれはレアポーク男爵自身が一等厳しいのではなく、代々同じ教育方針にしてるだけらしい。ボールの母親はレアポーク男爵家に嫁ぐ者としては異質なほどにフリーダムな性格で、ボールの性格はどちらかといえば母親似。だから代々続いた厳しい教育方針に堪えられずに反抗期を迎えた、と。
レアポーク男爵も息子のことは大事にしており、ストレスを溜めてるのは分かっていたのだが、代々続いたとあって自身も幼少期に受けた教育のどこに苦痛を感じてるのかがわからずに持て余していたとのことだ。
「定期的にストレスを発散させたら良いのでは?それでしたらボール様も他の方にご迷惑をおかけすることも減るでしょう」
そこでエマルスの提案を採用したのが事の発端らしい。
ストレスを解消するにはどうしたら良いのかと悩んでいた二人だが、ちょうどそのタイミングで先日の事件が起こり、俺の魔法に感激したボールが心を入れ替えて父親に今までの所業を明かした。
貴族にあるまじき行動を取ってレアポーク家の評判を落としたことに対する謝罪と共に魔法の講師を俺にしてくれと懇願され、勉強に身が入るならと了承。
だが息子から聞く魔法使いは魔法が使えないとされているノンバード族。
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俺の素性についても特に問題はなく、晴れて魔法の講師に抜擢。
「そういうことでしたか」
もぐもぐと口を動かしながら一通りの経緯を聞く。
レアポーク男爵の呼び出しがあったのは昼前。
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だだっ広い部屋に通され、無駄にデカいテーブルと無駄に並べられた椅子に爵位が下の男爵とはいえやはり貴族だな、と一人納得。
俺が助けたブルースライムは部屋の隅っこで野菜の切れ端や肉片などの本来捨てるはずのものを食べている。
エマルスが言ってた通りこの領地ではブルースライムがいるのが当たり前なのだろう。
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「な、なぁ!はじめはどんな魔法を教えてくれるんだ?」
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ぎゃあぎゃあ騒ぐボールを宥めながら優雅な昼食を済ませ、明日からのスケジュールを組んでから帰宅した。
帰りはエマルスに送ってもらった。
とても幸せそうな顔をしていた。
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