【R18】これは『同期だから』で済まされる事ですか?

カナリア55

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達成

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『ああ、入れられるんだ……』

 両足首を持たれて大きく開かれ、寧々はぼんやりとする頭でそんな事を考えた。
 昨日の今日なので、少しは予想ができる。
 
『昨日すごく痛かったし、今日も絶対痛いよね……恐い……けど……』

「大丈夫だから、力抜いて、深呼吸して?」

 本郷に言葉に従い、大きく息を吸って、吐く。

「んっ……」

 さっきまでの指とは比べものにならない、大きなものが狭い入口をこじ開け、中に入ってくる。

「あー……んー」
「痛いか?」
「ま、だ、だいじょう、ぶ……ひゃっ、んっ!」

 メリッ、と身体が軋むような感覚を覚え、寧々は思わず息を止めた。
 ギュッと目を瞑る。

「ネネ、ネネ! 歯ぁくいしばんな。口開けて? ほら」

 本郷の指が唇を押し開き、知らぬ間にくいしばっていた歯を撫でる。

「ハッ、ハッ、ハッ」

 口を開き、空気を求める寧々の口内に、本郷は指を差し入れ、上顎や舌を撫でた。
 それはさっき、中を探られた時の事を思い出させ、寧々を昂らせる。

「あ……ん……ほんごう、くん……」
「俺の、指に集中して。ほら、さっき気持ち良くなったところだよ」

 一番弱く敏感な所を擦られ、寧々は息を呑んだ。
 一度イッたせいで、少しの刺激ですぐまた大きな快楽の波がやってくる。

「や……んんっ……」

 上に跨った本郷が、自分を見下ろしながら口の中とクリトリスを弄っている。
 思わず腰を動かすと、楔が打ち込まれているのを感じ、逃げられない事を悟る。

「ほら、気持いいだろ?」
「うんっ、あんっ」

 快楽を求め、どうしても腰が揺れてしまう。

『だって……だってもうちょっとで、ホントにもうちょっとでイッちゃいそうなんだもん。ホントにもう少し……』

 指の動きが早くなり、どんどん呼吸が浅く、早くなる。

「ああっ!」

 目の奥が真っ白になり、寧々は快楽に震え、

「いっっ!」

 次の瞬間、強烈な痛みに声を上げた。
 身体を引き裂く痛み。
 けれど、直前の快感が残っていて、その痛みをも取り込み、新たな感覚となる。

「あ、あぁ……」
「ネネっ!」

 震える寧々を、本郷がきつく抱きしめた。
 身体が隙間なく密着し、苦しい程に抱きしめられる。

「はぁ……ん……」

 震える唇が、本郷の唇で塞がれる。

『……ああ……』

 泣きたくなりながら、寧々は身体の力を抜いた。

『……なんて、恐ろしい行為だろう……』

 自分を抱きしめ続ける本郷の身体が熱い。
 そっと背中に腕を回してみると、汗で手が滑った。

『まるで、わたしの事が好きで好きで堪らないかのように感じる……そんなわけ、ないのに……』

 泣きたくなり背中から手を離すと、本郷が上半身を起こし、寧々の手を握った。
 そして、下へと導いていく。

「……わかる? これ。……ちゃんと……全部入ってるんだぜ?」
「あ……うそ……」

 導かれた先は、二人が結合している所だった。
 指先で、その場所を確かめさせられる。

「ほんと、だ……」
 
 恐る恐る一周触れてみる。
 信じられないくらい大きなものが、自分の中に入っている。

『……本当に、こんなのがわたしの中に入っているだなんて……』

「……頑張ったな。偉い偉い」
 
 そう言って頭を撫でる本郷の顔は笑っていたが、少し苦しそうで、思わず言ってしまう。

「……あの……動いて、いいよ?」
「えっ?」
「いや、その……だって……そういうものなんでしょ?」

 一応知識として知ってはいる。

「本郷君も、気持良くならないと……」
「ああ、そういう……まあ、今日はいいよ。寧々、キツイだろうし」
「でも、わたしだけ気持ち良くしてもらって……そんなの、悪いし……」
「いいんだよ」
「でも!」

 重ねてそう言う寧々に、本郷は少し戸惑ったように『おお……』と頷き、

「じゃあ、辛かったら言えよ?」

 そう言って、ゆっくり腰を引いた。
 引き抜かれる感覚は、指の時とは全く違い、そして再び入れられるとその圧迫感は内臓まで押されているような感覚だったが、

『声出しちゃダメ、苦しそうにしちゃダメ!』

 そう自分に言い聞かせ、寧々は必死に耐えた。

『痛がったり苦しそうにしたら、本郷君、止めちゃうもの。同期だからって、こんな面倒な事引き受けてくれたのに、わたしを気遣ってばっかりで……せめて、せめて本郷君が気持ち良くなってくれたら……』

 短い時間、本郷はゆっくりと腰を動かし、おもむろに、寧々の中から出た。

「え?」

 思わず上半身を起こして本郷を見る。

「え? あのぉ……」
「終わり。ありがとな、我慢してくれて」

 片膝を立てて、深呼吸しながら笑う本郷に、『まだイッてないでしょう?』と言いたかったが、

「……我慢なんて、してないわよ……」

 ようやくそれだけ言って、寧々はゆっくりと、再び横になった。
 動いた時に腰と下っ腹に鈍い痛みが走る。

「ネネ、シャワーは?」
「浴びる。でも、本郷君、先にどうぞ。バスタオル、洗面所のカゴの中に置いといたから」
「ネネは?」
「ちょっと……休んでから……すぐは、立てそうにないし」
「そっか、そうだよな。じゃあ、俺先に使わせてもらうわ」

 そう言うと、寧々の身体に敷いていたバスタオルの両端をかけて包むようにしてから、本郷は寝室を出て行った。

「……はぁ……やっちゃった……」

 一人の寝室で、呟く。

「セックスって、こんななんだ……」

 同期だから、というだけで心配して抱いてくれたのに、

「わたしの事好きってわけじゃないのに、まるでとっても好かれていて、大切にされてるみたいな錯覚おこしちゃった……」

 本郷に押されるような形で、自分はあまりのり気ではなくてした事、と思っていたけれども、

「文句言いつつ、掃除してる時もウキウキしちゃってたし、何着るか迷ったり、念入りに身体洗っちゃったりしてさ。なんやかんやで、楽しみにしちゃって……」

 キスをされ、丁寧な愛撫をされ、まるで愛されているかのような気分になってしまった。
 
「……嬉しくなっちゃって、恥ずかしい……」

 そう呟き、寧々は目を閉じた。

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