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着々と準備は進み
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『……で、今こうしていると……』
頭を抱える寧々。
『ああ……早まった? どうしようっ! いいの? 一緒に働いている本郷君と本当にやっちゃっていいの?』
近くのホテルに入り、先にシャワーを浴びている本郷を待つ間に、段々と酔いが醒めてきてしまった。
『本郷君プレゼン上手いから、ついその気になってしまったけど……どうするの? この状況』
この場から逃げたい衝動を、必死に堪える。さすがに、シャワーから出てきたらいなくなっていた、というのは失礼すぎだろう。
『……実は、本郷君の事を好きだったときもあるのよね……同期内でもけっこう人気あったから、付き合いたいとかそういう事までは思わなかったけど……いやぁ……本当なんだよね……でも、どうして? なんでわざわざ、面倒くさい事を引き受けるなんて? なんか裏がある?』
そんな事を考えていると、
「お待たせ」
その声に、寧々はガバッと顔を上げ、。
「なっ……なんで服着てないのよ!」
上半身裸の本郷に、またすぐ顔を下げた。
「だってすぐ脱ぐし、腰にバスタオル巻いてるだろうが」
「あ、ああ、そう……ごめん、ちょっと、ちゃんと見てなかった……」
「いや、いいけど……笹原も、入ってきたら?」
「え? あ、うん……」
「ん?」
モジモジしている寧々に近づくと、本郷は隣に腰かけた。
「そのままする? いいよ、別にシャワー浴びなくても」
「うわーっ! そんなわけないでしょ! シャワー浴びるに決まってるでしょ! 行ってくる!」
慌ててベッドから立ち上がり、寧々はシャワールームに飛び込んだ。
『ふーっ、危ない危ない。とりあえずシャワー浴びよう』
ジャケットは部屋に入ってすぐ、脱いでハンガーに掛けておいた。
ブラウスを脱ぎ、タイトスカートを脱ぎ、キャミソールを脱ぐ。
『わたしも、バスタオル巻いて出ればいいよね。一日着ていた下着だし、とてもお見せできるようなものでは……』
その時、ガチャリと扉が開き、いきなり本郷が入ってきた。
「な、なに……」
「バスタオル忘れてったから、置いといてやろうと思って」
「あ、りがとう……でも、入る前にノックとか声かけるとか……」
「もう入ってると思ったんだよ。しっかし……」
ブラとパンツだけの寧々をジッと見て、パッと顔を背ける本郷の肩は、揺れている。
「……なに笑ってんのよ」
「い、いや、なんか、スゲー下着だと思って……」
「なによ、色気が無くて悪かったわね。こういうレースもフリルも何もついてなくて、色もこういうくすんだ色が肌馴染みが良くて表に影響しないから……もう! とにかく出てってよ! あ、バスタオルは、ありがとう……」
「おお、じゃあ待ってるから」
本郷が出て行ってから、寧々は『ハーッ』と溜息をついた。
「……見られたくなかった……ベージュの下着……でもこれが本当に一番キレイに服が着られるんだもん……もう、キャーとか言う元気も無かったよ……まあ、仕方ない……」
投げやりな気分になりながら、寧々はシャワーを浴び、バスタオル巻いて部屋に戻った。
頭を抱える寧々。
『ああ……早まった? どうしようっ! いいの? 一緒に働いている本郷君と本当にやっちゃっていいの?』
近くのホテルに入り、先にシャワーを浴びている本郷を待つ間に、段々と酔いが醒めてきてしまった。
『本郷君プレゼン上手いから、ついその気になってしまったけど……どうするの? この状況』
この場から逃げたい衝動を、必死に堪える。さすがに、シャワーから出てきたらいなくなっていた、というのは失礼すぎだろう。
『……実は、本郷君の事を好きだったときもあるのよね……同期内でもけっこう人気あったから、付き合いたいとかそういう事までは思わなかったけど……いやぁ……本当なんだよね……でも、どうして? なんでわざわざ、面倒くさい事を引き受けるなんて? なんか裏がある?』
そんな事を考えていると、
「お待たせ」
その声に、寧々はガバッと顔を上げ、。
「なっ……なんで服着てないのよ!」
上半身裸の本郷に、またすぐ顔を下げた。
「だってすぐ脱ぐし、腰にバスタオル巻いてるだろうが」
「あ、ああ、そう……ごめん、ちょっと、ちゃんと見てなかった……」
「いや、いいけど……笹原も、入ってきたら?」
「え? あ、うん……」
「ん?」
モジモジしている寧々に近づくと、本郷は隣に腰かけた。
「そのままする? いいよ、別にシャワー浴びなくても」
「うわーっ! そんなわけないでしょ! シャワー浴びるに決まってるでしょ! 行ってくる!」
慌ててベッドから立ち上がり、寧々はシャワールームに飛び込んだ。
『ふーっ、危ない危ない。とりあえずシャワー浴びよう』
ジャケットは部屋に入ってすぐ、脱いでハンガーに掛けておいた。
ブラウスを脱ぎ、タイトスカートを脱ぎ、キャミソールを脱ぐ。
『わたしも、バスタオル巻いて出ればいいよね。一日着ていた下着だし、とてもお見せできるようなものでは……』
その時、ガチャリと扉が開き、いきなり本郷が入ってきた。
「な、なに……」
「バスタオル忘れてったから、置いといてやろうと思って」
「あ、りがとう……でも、入る前にノックとか声かけるとか……」
「もう入ってると思ったんだよ。しっかし……」
ブラとパンツだけの寧々をジッと見て、パッと顔を背ける本郷の肩は、揺れている。
「……なに笑ってんのよ」
「い、いや、なんか、スゲー下着だと思って……」
「なによ、色気が無くて悪かったわね。こういうレースもフリルも何もついてなくて、色もこういうくすんだ色が肌馴染みが良くて表に影響しないから……もう! とにかく出てってよ! あ、バスタオルは、ありがとう……」
「おお、じゃあ待ってるから」
本郷が出て行ってから、寧々は『ハーッ』と溜息をついた。
「……見られたくなかった……ベージュの下着……でもこれが本当に一番キレイに服が着られるんだもん……もう、キャーとか言う元気も無かったよ……まあ、仕方ない……」
投げやりな気分になりながら、寧々はシャワーを浴び、バスタオル巻いて部屋に戻った。
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