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おまけ 聖女の秘密
食事会
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エイダン・アロー、45歳。少し白髪の交じった黒の長髪。光の加減で青く見える時がある黒い瞳はちょっと垂れぎみの細目で、常に口角が上がってる薄い唇。
宮廷魔術師を務めた彼は、現在第三騎士団の魔術師長である。20代の頃、貴族の令嬢と結婚したが妻の浮気によりすぐに離婚。その後は再婚せず、自由な独身生活を謳歌している。
本日エイダンは、料理が美味いと評判の酒場で、第三騎士団の若い5名を誘って食事会をしている。
メンバーは、第三騎士団副団長のレイモンドとその恋人のジョシュア。弟子のユージーンとその恋人のノア。そしてノアの姉で聖女のドロリスだ。
この顔ぶれでの食事会は二度目。一度目は訓練中に『魔女の一撃』をくらい、動けなくなったところをドロリスに治療してもらい、あまりにも短時間で完璧に治してもらった事に感動し、つい「なにか礼をしたい」と言ってしまい「では食事に連れて行って下さい!」という流れで行った。
そして今回もやはりドロリス関連で、彼女に「バジリスクのようだ」と言ってしまい、傷つけたお詫びでの食事会だ。
どちらも、二人きりというのはまずいので、弟子の恋人やら友人やらを一緒に引き連れて来ているのだが……。
「ジョシュア、口元が汚れてるぞ」
「えっ? 恥ずかし……取れました?」
「いいや、こっちだ」
「ありがとうございます、レイモンド様」
「すみませーん、同じワインをもう一本お願いします!」
「ノア、飲みすぎだぞ」
「俺そんなに飲んでないよ? ワインはエイダン様のグラスが空いてたから……」
「師匠の事は放っておいて大丈夫だ。それよりこのキングブルのローストを食べてみろ。ここの名物なんだ」
「へぇ……わ! うまっ! しっとりしてて、ちょっと甘いソースが合ってる! なんか果物が入ってるのかな……エイダン様、これって」
「師匠に聞かずとも私が知っている。これはブラックベリーのソースだ」
(……なんなんだこいつ等。自分の恋人とイチャイチャする事に夢中になりやがって。ノアはまあ、気を遣ってくれるが、馬鹿弟子が独占欲丸出しで、自分の師匠を蔑ろにしやがって……まあ、それでいいけれど。不幸の塊みたいに暗かったユージーンが幸せそうにしているのは、師匠としても嬉しいもんだし)
苦笑しながら親子ほどに年の離れた若者達の姿を観察していたエイダンは、給仕が運んできたワインを受け取り、自分でグラスに注ごうとしたが、
「エイダン様! 私が!」
ワインの瓶をサッと取り、眩しいばかりの笑顔を向けて来る聖女。
(う~ん……こいつが一番わからん)
注いでもらったワインを飲みながら、エイダンは首を傾げた。
聖女ドロリス、18歳(推定)。
輝く金色のウエーブがかった長い髪で、前髪を眉の上で一直線に切りそろえている可愛らしい女性。
元は孤児で、癒しの力を持っているため教会で聖女となるべく教育された。現在いる聖女の中で1、2を争う能力の持ち主で、一時は第二王子の妃候補でもあったが、現在は第三騎士団の治療師として活躍している。
(イーサンからドロリスが俺に惚れてるって聞かされて、何言ってんだか、と思っていたが……本当っぽいんだよなぁ……)
若い頃ならばわかるが、45にもなった今、若い女性に好かれるなどなんの冗談だ、と思う。
(まあ、娼館の女達にはモテるが、あれは旨い物を食わせて、飲ませて、何もせずに帰るからモテてるんだ。そういやドロリスは、俺が 閨事が上手そうだと期待してるとイーサンが言っていたな。確かに若い時分に散々遊んだから、気持ち良くしてやるのは得意だが……若い女性、しかも聖女がそんな事言ったらダメだろう)
そんな事を考えながらワインを口に運び、横に座るドロリスを見る。
目が合うと嬉しそうに微笑む、少女っぽさが残るドロリスに、イーサンの言っていた事は嘘だと思いたくなる。
(けど、普段の言動を見ていると、あながち嘘でもなさそうなんだよな……なんか違和感あるんだ、この聖女様……)
「そういえば、魔術使う人って全員髪長いですよね」
ノアが、ユージン、ドロリス、そしてエイダンを見て言う。
「第三騎士団の魔術師さん達も全員そうだし、治療師さん達もですよね」
「ああ、魔力は髪に宿る、という通説があってな。そんなの嘘だという奴もいるが、なんとなく伸ばしてしまうんだよなぁ」
エイダンの言葉に、ドロリスが頷く。
「私もそれを聞いて、小さな頃からずっと長くしています。こういう事をしていると、魔力はいくらでも欲しいですからね」
「だよな。それが普通だよな。しかしそこの生意気な弟子は、髪を伸ばすのを嫌がってなぁ」
「えっ? そうなの?」
「…………」
驚いたノアが尋ねるが、ユージーンは何も言わずワインを飲む。
「えー、なんでなんで?」
「…………」
「ユージンは子供の頃可愛くて、よく女の子と間違えられていたんだ。で、髪を伸ばしたらもう完璧に女の子だってんで、嫌がったんだよ」
「へえ! そうなんですか!」
ユージーンの子供時代の話に、ノアは興味をもったようだ。
「レイモンド様が出会った頃はどうでしたか?」
「俺が会った頃? そうだな……確か、長かったぞ。今ほどじゃないが」
「へーぇ」
「12、3歳くらいからは伸ばし出したか? でもそれまでは抵抗して、肩上くらいで切りそろえてたよな」
「えっ? えっ?」
エイダンからの情報に、ドロリスも反応する。
「エイダン様、それってもしかしてこんな感じですかっ?」
いつも持ち歩いている帳面を取り出し、シャカシャカと描き始めるドロリス。
「ジャーン! どうでしょうエイダン様」
「ん? どれ……おー! これこれ!」
受け取った絵を見て、エイダンは驚嘆の声を上げた。
「なんだ? ドリーはユージーンの子供の頃を知ってるのか?」
「いいえ、想像です」
「想像でこんなに描けるもんなのか?」
「はい! というか、こんなのもう鉄板っていうか王道っていうか……たまらないっ!」
「ちょっ……俺にも見せて下さいエイダン様!」
椅子から立ち上がり、ソワソワするノア。
「見て来たのかってくらい、幼い頃のユージーンそのものだぞ」
そう言いながら帳面を差し出すエイダンに礼を言いながら受け取り、
「ウッ……」
絵を見た次の瞬間、口を手で押さえるノア。
描かれているのは、真っすぐの前髪に肩の上で髪を揃えた、いわゆるおかっぱ頭の美少年だ。
「姉ちゃんこれは……」
「まさしく王道よね!」
「こんなのもう、もう……」
「暴力的な可愛さだわ、たまらないっ! 」
「ちょっと不機嫌そうな表情がいいよ、さすが姉ちゃん! これ、欲しいんだけど!」
「えー、可愛く描けたから取っときたいんだけど……」
「欲しい欲しい~! 頼むよ~ぉ」
「んー……じゃあ、ずっと気になってた事、教えてくれたらあげてもいいよ」
「何なに?」
手招きされ、ドロリスの横に行ってしゃがみ込むノア。
「気になってた事ってなに?」
「どっちが…………?」
「はあっ?」
「ちょっと! 大きな声出さないでよ」
「だって姉ちゃんが!」
「いやー、どっちもアリ…………決めてなかった………」
「デリカシー…………かよ!」
「別にいいのよ? 答えなくったって。そのかわり、これはあげなーい」
「ぐぬぬぬぬ……」
二人は小声で話しているが、ドロリスの隣りに座っているエイダンには結構聞こえてくる。
(……またよくわからん話をしている。普段なら知らない言葉は気になって意味を尋ねるが、この二人の会話の場合、知らない方が良い気がする。うん、絶対知らない方がいい)
コソコソ話している二人からできるだけ距離を取り、ふと視線をうつすと、弟子がニコニコと姉弟を見ている。
(ユージーンがあんな穏やかな顔するなんてな……この姉弟には感謝)
「えっ! じゃあリバっ? ビバ☆リバ!!」
「じゃないっ!」
感謝しかけた姉弟が大声を出し、酒場の注目を浴びている。
「……はぁ……」
きっとあれも、意味を知らない方がいい言葉だろう。
(……まあ、とにかく、幸せそうで良かったよ)
エイダンはまだワチャワチャと言い争っている二人と微笑んでいる弟子を見ながら、ワインをグイッと飲み干した。
宮廷魔術師を務めた彼は、現在第三騎士団の魔術師長である。20代の頃、貴族の令嬢と結婚したが妻の浮気によりすぐに離婚。その後は再婚せず、自由な独身生活を謳歌している。
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どちらも、二人きりというのはまずいので、弟子の恋人やら友人やらを一緒に引き連れて来ているのだが……。
「ジョシュア、口元が汚れてるぞ」
「えっ? 恥ずかし……取れました?」
「いいや、こっちだ」
「ありがとうございます、レイモンド様」
「すみませーん、同じワインをもう一本お願いします!」
「ノア、飲みすぎだぞ」
「俺そんなに飲んでないよ? ワインはエイダン様のグラスが空いてたから……」
「師匠の事は放っておいて大丈夫だ。それよりこのキングブルのローストを食べてみろ。ここの名物なんだ」
「へぇ……わ! うまっ! しっとりしてて、ちょっと甘いソースが合ってる! なんか果物が入ってるのかな……エイダン様、これって」
「師匠に聞かずとも私が知っている。これはブラックベリーのソースだ」
(……なんなんだこいつ等。自分の恋人とイチャイチャする事に夢中になりやがって。ノアはまあ、気を遣ってくれるが、馬鹿弟子が独占欲丸出しで、自分の師匠を蔑ろにしやがって……まあ、それでいいけれど。不幸の塊みたいに暗かったユージーンが幸せそうにしているのは、師匠としても嬉しいもんだし)
苦笑しながら親子ほどに年の離れた若者達の姿を観察していたエイダンは、給仕が運んできたワインを受け取り、自分でグラスに注ごうとしたが、
「エイダン様! 私が!」
ワインの瓶をサッと取り、眩しいばかりの笑顔を向けて来る聖女。
(う~ん……こいつが一番わからん)
注いでもらったワインを飲みながら、エイダンは首を傾げた。
聖女ドロリス、18歳(推定)。
輝く金色のウエーブがかった長い髪で、前髪を眉の上で一直線に切りそろえている可愛らしい女性。
元は孤児で、癒しの力を持っているため教会で聖女となるべく教育された。現在いる聖女の中で1、2を争う能力の持ち主で、一時は第二王子の妃候補でもあったが、現在は第三騎士団の治療師として活躍している。
(イーサンからドロリスが俺に惚れてるって聞かされて、何言ってんだか、と思っていたが……本当っぽいんだよなぁ……)
若い頃ならばわかるが、45にもなった今、若い女性に好かれるなどなんの冗談だ、と思う。
(まあ、娼館の女達にはモテるが、あれは旨い物を食わせて、飲ませて、何もせずに帰るからモテてるんだ。そういやドロリスは、俺が 閨事が上手そうだと期待してるとイーサンが言っていたな。確かに若い時分に散々遊んだから、気持ち良くしてやるのは得意だが……若い女性、しかも聖女がそんな事言ったらダメだろう)
そんな事を考えながらワインを口に運び、横に座るドロリスを見る。
目が合うと嬉しそうに微笑む、少女っぽさが残るドロリスに、イーサンの言っていた事は嘘だと思いたくなる。
(けど、普段の言動を見ていると、あながち嘘でもなさそうなんだよな……なんか違和感あるんだ、この聖女様……)
「そういえば、魔術使う人って全員髪長いですよね」
ノアが、ユージン、ドロリス、そしてエイダンを見て言う。
「第三騎士団の魔術師さん達も全員そうだし、治療師さん達もですよね」
「ああ、魔力は髪に宿る、という通説があってな。そんなの嘘だという奴もいるが、なんとなく伸ばしてしまうんだよなぁ」
エイダンの言葉に、ドロリスが頷く。
「私もそれを聞いて、小さな頃からずっと長くしています。こういう事をしていると、魔力はいくらでも欲しいですからね」
「だよな。それが普通だよな。しかしそこの生意気な弟子は、髪を伸ばすのを嫌がってなぁ」
「えっ? そうなの?」
「…………」
驚いたノアが尋ねるが、ユージーンは何も言わずワインを飲む。
「えー、なんでなんで?」
「…………」
「ユージンは子供の頃可愛くて、よく女の子と間違えられていたんだ。で、髪を伸ばしたらもう完璧に女の子だってんで、嫌がったんだよ」
「へえ! そうなんですか!」
ユージーンの子供時代の話に、ノアは興味をもったようだ。
「レイモンド様が出会った頃はどうでしたか?」
「俺が会った頃? そうだな……確か、長かったぞ。今ほどじゃないが」
「へーぇ」
「12、3歳くらいからは伸ばし出したか? でもそれまでは抵抗して、肩上くらいで切りそろえてたよな」
「えっ? えっ?」
エイダンからの情報に、ドロリスも反応する。
「エイダン様、それってもしかしてこんな感じですかっ?」
いつも持ち歩いている帳面を取り出し、シャカシャカと描き始めるドロリス。
「ジャーン! どうでしょうエイダン様」
「ん? どれ……おー! これこれ!」
受け取った絵を見て、エイダンは驚嘆の声を上げた。
「なんだ? ドリーはユージーンの子供の頃を知ってるのか?」
「いいえ、想像です」
「想像でこんなに描けるもんなのか?」
「はい! というか、こんなのもう鉄板っていうか王道っていうか……たまらないっ!」
「ちょっ……俺にも見せて下さいエイダン様!」
椅子から立ち上がり、ソワソワするノア。
「見て来たのかってくらい、幼い頃のユージーンそのものだぞ」
そう言いながら帳面を差し出すエイダンに礼を言いながら受け取り、
「ウッ……」
絵を見た次の瞬間、口を手で押さえるノア。
描かれているのは、真っすぐの前髪に肩の上で髪を揃えた、いわゆるおかっぱ頭の美少年だ。
「姉ちゃんこれは……」
「まさしく王道よね!」
「こんなのもう、もう……」
「暴力的な可愛さだわ、たまらないっ! 」
「ちょっと不機嫌そうな表情がいいよ、さすが姉ちゃん! これ、欲しいんだけど!」
「えー、可愛く描けたから取っときたいんだけど……」
「欲しい欲しい~! 頼むよ~ぉ」
「んー……じゃあ、ずっと気になってた事、教えてくれたらあげてもいいよ」
「何なに?」
手招きされ、ドロリスの横に行ってしゃがみ込むノア。
「気になってた事ってなに?」
「どっちが…………?」
「はあっ?」
「ちょっと! 大きな声出さないでよ」
「だって姉ちゃんが!」
「いやー、どっちもアリ…………決めてなかった………」
「デリカシー…………かよ!」
「別にいいのよ? 答えなくったって。そのかわり、これはあげなーい」
「ぐぬぬぬぬ……」
二人は小声で話しているが、ドロリスの隣りに座っているエイダンには結構聞こえてくる。
(……またよくわからん話をしている。普段なら知らない言葉は気になって意味を尋ねるが、この二人の会話の場合、知らない方が良い気がする。うん、絶対知らない方がいい)
コソコソ話している二人からできるだけ距離を取り、ふと視線をうつすと、弟子がニコニコと姉弟を見ている。
(ユージーンがあんな穏やかな顔するなんてな……この姉弟には感謝)
「えっ! じゃあリバっ? ビバ☆リバ!!」
「じゃないっ!」
感謝しかけた姉弟が大声を出し、酒場の注目を浴びている。
「……はぁ……」
きっとあれも、意味を知らない方がいい言葉だろう。
(……まあ、とにかく、幸せそうで良かったよ)
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