67 / 79
おまけ 金の毛並みの子犬は 青狼騎士様に愛されたい
誕生日
しおりを挟む
霜月の18日。
赤子だったレイモンドがヴァーツ孤児院に引き取られたその日が、彼の誕生日だ。
誕生日には何の思い入れもなく、騎士学校に入る為の書類に書いたり、騎士団に所属する際の書類に書いたり、というだけの、手続き上必要なものという認識だ。しかし、
「あのぉ……レイモンド様の誕生日はいつですか?」
フワフワ金色のくせっ毛が可愛らしい恋人に、もじもじしながら尋ねられた。
「わ! もうすぐですね! えーっと……あの……もし良かったらなんですけど、一緒にお祝いしたいなーって……もちろん当日じゃなくてもいいんです! もし皆さんと飲んだりするのであればそちらを優先していただいて……でもあの、僕も、レイモンド様をお祝いをしたくて……」
いつも特に何もしないと答え、一緒に休みをとろうかと提案したら、とても喜ばれた。
「食事にでも行こう。どこか行きたい店はあるか? なければ俺が決めるが」
「あ、特には……でも、レイモンド様の誕生日なんですから僕が……あまり高級なお店は無理ですけど、でも」
「そんな気を使わなくていい。王都の店は俺の方が詳しいし、俺の給金は高いから払いも気にするな」
「あー……」
「それよりも、早めに休みの希望を出しておけよ」
「はい! 明日出します!」
そうして合わせて休みをとった今日、霜月18日。
二人は大きな宿屋兼料理店に来ていた。他の店より値段は張るが、旨い料理と酒を出す店で人気がある。そして宿泊もできるので、祝い事や遠方からの客をもてなす時、そして、貴族が密会する時などに重宝されている一流店の個室での食事だ。
「あっ、僕、もうそろそろ……」
空いたグラスにワインを注がれそうになり、ジョシュアはプルプルと頭を振る。
「あまりお酒飲めないので……」
いつもは1、2杯にしているが、今日はお祝いだし、とてもいいワインだと勧められ、もう3杯飲んでしまっている。
「明日の訓練に響かないように、美味しいけどこれくらいにしておきます」
そう言ったのだが、レイモンドは構わずにグラスにワインを注いだ。
「……明日は、休みだ」
「えっ?」
「ドリーとノアの姉弟が手をまわして、俺達の休暇を連休にしたそうだ」
「え、どうして……」
なんであの二人が? どうやって? と首を傾げていると、
「安心しろ。上に部屋をとっているから、酔っても大丈夫だ」
「……え?」
「今日はここに泊まるぞ」
「え……え―――っ?」
衝撃的なレイモンドの言葉に、ジョシュアは思わず声を上げてしまった。
素晴らしく美味しい食事を終え、二人はそのまま上の部屋に移動した。
「うわ―……すごく、立派な部屋ですね」
煌めくシャンデリア、大きな花柄が美しい厚く縁に金糸の刺繍と房飾りが付けられたカーテン、密度が濃く足裏を押し返してくるような絨毯。そして、天蓋付きの大きなベッド。
「立派過ぎて、ちょっと緊張します」
キョロキョロとあちこち見ながらジョシュアは言った。
「ここに泊まるのって、すごい貴族の方達なのでは?」
「ジョシュアも貴族だろう?」
「え? あ、まあ、一応そうですけど、うちは本当に貧乏な田舎の貴族なので、こんな部屋見た事もありませんよ。ここって、一泊いくらくらいするんですか?」
「そんな事より少し休め。足元がおぼつかないぞ」
いつもより多くワインを飲んでフワフワしているジョシュアに、宿泊費がいくらなのか教えたら倒れそうなので答えず、ベッドに連れて行き座らせる。
「上着を脱げ。シャツのボタンとベルトも外すぞ」
もう少しいいだろうと酒を勧めたのは自分だが、ちょっと飲ませ過ぎたかもしれないと思いながら、楽な格好にしてやる。
「ふ~……ありがとうございます」
わからない程酔ってはいないが、こうやって世話をしてもらえるのが『畏れ多い』ではなく『嬉しい』と感じる程度には酔っているジョシュアは礼を言い、ベッドに横になった。
「は~、気持ちいいです~」
「良かったな」
笑いながら自分も上着を脱ぎ、シャツのボタン上二つを外し、ベルトを取る。
「ん~、レイモンドさまぁ」
名を呼ばれてベッドに腰かけると、転がりながら近寄ってきたジョシュアが腰に抱きつき、その流れで腿の上に頭を乗せて来た。
「レイモンド様、キスして下さい」
(……本当に、飲ませすぎたな)
いつもなら絶対しない行動と言葉に少し反省しながら、背を丸め、言われた通りに口付けを与えると、ジョシュアは嬉しそうに笑った。
(ユージーンの言う通りだな。口づけの後ジョシュアが、こんなに嬉しそうな 表情をしていただなんて知らなかった)
自分の欲望を抑える事に重きを置き、これまでちゃんと見ていなかった事が悔やまれる。
(ちゃんと見てやっていたら、不安な思いなどさせずに済んだのに……)
そう思いながら体を起こそうとして、シャツの胸元を掴まれている事に気付く。
「ジョシュア?」
「あの……えっと……」
「どうした?」
「その……いえ、なんでもありません」
何も言えずにシャツを離したジョシュアの微笑みが悲しげに見え、胸が痛む。
「……ジョシュア」
「はい、レイモンド様」
「俺は、本当にお前の事が好きだ」
「へっ?」
突然の言葉に驚いて大きな目をさらに大きく見開き、ジョシュアはレイモンドの腿から頭を上げると、ベッドの上に膝をついて座り、レイモンドを見た。
「お前が可愛くて、愛おしい。大切にしたいから自分の欲をぶつけてはいけないと思っていたが、それが、お前を不安にさせていたなんて、全く思いもよらない事だった」
「あ……す、すみません!」
慌ててジョシュアが頭を下げる。
「あのっ、僕、この間ノアとドリーさんとお茶飲んだ時にレイモンド様との事をつい話してしまって……すみませんでした!」
「いや、問題ない。困った時に相談できる相手がいるのは良い事だ。それにそのおかげで、俺は自分の間違った考えに気づけたんだ」
「間違った、考え……?」
「そう。俺にも、忠告をしてくれる友がいてな」
小さく笑いながらレイモンドはジョシュアの腰に腕をまわし、グイと引き寄せた。
「ジョシュアに触れ過ぎたら、辛い思いをさせてしまうと恐れていた。本当は思い切り抱きしめたかったのに」
「……本当ですか? レイモンド様」
ジョシュアの大きな瞳が潤み、ポロリと涙が零れた。
「僕、大丈夫です。僕だって騎士です。早く連携攻撃の訓練に加えてもらえるように頑張ってて、結構筋肉もついてきたんですよ。だから、レイモンド様に思いっきり抱きしめてもらっても壊れたりしません!」
「そうだな。俺の目には、ジョシュアがどんどん可愛く見えてくるから勘違いしていた。お前は、立派な騎士だ」
ギュッと抱きしめ、口づけをする。
これまでの、重ね合わせるだけのものではない、深い口づけを。
「ジョシュア、ゆっくりするから……いいか?」
「……はい、レイモンドさま……」
後頭部が痺れるような口づけに酔い、小さな声で返事をすると再び唇を塞がれ、舌を絡めとられ、何も考えられなくなったジョシュアは全身をレイモンドに預けて目を閉じた。
赤子だったレイモンドがヴァーツ孤児院に引き取られたその日が、彼の誕生日だ。
誕生日には何の思い入れもなく、騎士学校に入る為の書類に書いたり、騎士団に所属する際の書類に書いたり、というだけの、手続き上必要なものという認識だ。しかし、
「あのぉ……レイモンド様の誕生日はいつですか?」
フワフワ金色のくせっ毛が可愛らしい恋人に、もじもじしながら尋ねられた。
「わ! もうすぐですね! えーっと……あの……もし良かったらなんですけど、一緒にお祝いしたいなーって……もちろん当日じゃなくてもいいんです! もし皆さんと飲んだりするのであればそちらを優先していただいて……でもあの、僕も、レイモンド様をお祝いをしたくて……」
いつも特に何もしないと答え、一緒に休みをとろうかと提案したら、とても喜ばれた。
「食事にでも行こう。どこか行きたい店はあるか? なければ俺が決めるが」
「あ、特には……でも、レイモンド様の誕生日なんですから僕が……あまり高級なお店は無理ですけど、でも」
「そんな気を使わなくていい。王都の店は俺の方が詳しいし、俺の給金は高いから払いも気にするな」
「あー……」
「それよりも、早めに休みの希望を出しておけよ」
「はい! 明日出します!」
そうして合わせて休みをとった今日、霜月18日。
二人は大きな宿屋兼料理店に来ていた。他の店より値段は張るが、旨い料理と酒を出す店で人気がある。そして宿泊もできるので、祝い事や遠方からの客をもてなす時、そして、貴族が密会する時などに重宝されている一流店の個室での食事だ。
「あっ、僕、もうそろそろ……」
空いたグラスにワインを注がれそうになり、ジョシュアはプルプルと頭を振る。
「あまりお酒飲めないので……」
いつもは1、2杯にしているが、今日はお祝いだし、とてもいいワインだと勧められ、もう3杯飲んでしまっている。
「明日の訓練に響かないように、美味しいけどこれくらいにしておきます」
そう言ったのだが、レイモンドは構わずにグラスにワインを注いだ。
「……明日は、休みだ」
「えっ?」
「ドリーとノアの姉弟が手をまわして、俺達の休暇を連休にしたそうだ」
「え、どうして……」
なんであの二人が? どうやって? と首を傾げていると、
「安心しろ。上に部屋をとっているから、酔っても大丈夫だ」
「……え?」
「今日はここに泊まるぞ」
「え……え―――っ?」
衝撃的なレイモンドの言葉に、ジョシュアは思わず声を上げてしまった。
素晴らしく美味しい食事を終え、二人はそのまま上の部屋に移動した。
「うわ―……すごく、立派な部屋ですね」
煌めくシャンデリア、大きな花柄が美しい厚く縁に金糸の刺繍と房飾りが付けられたカーテン、密度が濃く足裏を押し返してくるような絨毯。そして、天蓋付きの大きなベッド。
「立派過ぎて、ちょっと緊張します」
キョロキョロとあちこち見ながらジョシュアは言った。
「ここに泊まるのって、すごい貴族の方達なのでは?」
「ジョシュアも貴族だろう?」
「え? あ、まあ、一応そうですけど、うちは本当に貧乏な田舎の貴族なので、こんな部屋見た事もありませんよ。ここって、一泊いくらくらいするんですか?」
「そんな事より少し休め。足元がおぼつかないぞ」
いつもより多くワインを飲んでフワフワしているジョシュアに、宿泊費がいくらなのか教えたら倒れそうなので答えず、ベッドに連れて行き座らせる。
「上着を脱げ。シャツのボタンとベルトも外すぞ」
もう少しいいだろうと酒を勧めたのは自分だが、ちょっと飲ませ過ぎたかもしれないと思いながら、楽な格好にしてやる。
「ふ~……ありがとうございます」
わからない程酔ってはいないが、こうやって世話をしてもらえるのが『畏れ多い』ではなく『嬉しい』と感じる程度には酔っているジョシュアは礼を言い、ベッドに横になった。
「は~、気持ちいいです~」
「良かったな」
笑いながら自分も上着を脱ぎ、シャツのボタン上二つを外し、ベルトを取る。
「ん~、レイモンドさまぁ」
名を呼ばれてベッドに腰かけると、転がりながら近寄ってきたジョシュアが腰に抱きつき、その流れで腿の上に頭を乗せて来た。
「レイモンド様、キスして下さい」
(……本当に、飲ませすぎたな)
いつもなら絶対しない行動と言葉に少し反省しながら、背を丸め、言われた通りに口付けを与えると、ジョシュアは嬉しそうに笑った。
(ユージーンの言う通りだな。口づけの後ジョシュアが、こんなに嬉しそうな 表情をしていただなんて知らなかった)
自分の欲望を抑える事に重きを置き、これまでちゃんと見ていなかった事が悔やまれる。
(ちゃんと見てやっていたら、不安な思いなどさせずに済んだのに……)
そう思いながら体を起こそうとして、シャツの胸元を掴まれている事に気付く。
「ジョシュア?」
「あの……えっと……」
「どうした?」
「その……いえ、なんでもありません」
何も言えずにシャツを離したジョシュアの微笑みが悲しげに見え、胸が痛む。
「……ジョシュア」
「はい、レイモンド様」
「俺は、本当にお前の事が好きだ」
「へっ?」
突然の言葉に驚いて大きな目をさらに大きく見開き、ジョシュアはレイモンドの腿から頭を上げると、ベッドの上に膝をついて座り、レイモンドを見た。
「お前が可愛くて、愛おしい。大切にしたいから自分の欲をぶつけてはいけないと思っていたが、それが、お前を不安にさせていたなんて、全く思いもよらない事だった」
「あ……す、すみません!」
慌ててジョシュアが頭を下げる。
「あのっ、僕、この間ノアとドリーさんとお茶飲んだ時にレイモンド様との事をつい話してしまって……すみませんでした!」
「いや、問題ない。困った時に相談できる相手がいるのは良い事だ。それにそのおかげで、俺は自分の間違った考えに気づけたんだ」
「間違った、考え……?」
「そう。俺にも、忠告をしてくれる友がいてな」
小さく笑いながらレイモンドはジョシュアの腰に腕をまわし、グイと引き寄せた。
「ジョシュアに触れ過ぎたら、辛い思いをさせてしまうと恐れていた。本当は思い切り抱きしめたかったのに」
「……本当ですか? レイモンド様」
ジョシュアの大きな瞳が潤み、ポロリと涙が零れた。
「僕、大丈夫です。僕だって騎士です。早く連携攻撃の訓練に加えてもらえるように頑張ってて、結構筋肉もついてきたんですよ。だから、レイモンド様に思いっきり抱きしめてもらっても壊れたりしません!」
「そうだな。俺の目には、ジョシュアがどんどん可愛く見えてくるから勘違いしていた。お前は、立派な騎士だ」
ギュッと抱きしめ、口づけをする。
これまでの、重ね合わせるだけのものではない、深い口づけを。
「ジョシュア、ゆっくりするから……いいか?」
「……はい、レイモンドさま……」
後頭部が痺れるような口づけに酔い、小さな声で返事をすると再び唇を塞がれ、舌を絡めとられ、何も考えられなくなったジョシュアは全身をレイモンドに預けて目を閉じた。
299
お気に入りに追加
1,605
あなたにおすすめの小説

青少年病棟
暖
BL
性に関する診察・治療を行う病院。
小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。
※性的描写あり。
※患者・医師ともに全員男性です。
※主人公の患者は中学一年生設定。
※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる