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おまけ 金の毛並みの子犬は 青狼騎士様に愛されたい
銀狼さんから青狼さんへの贈り物
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自室よりも豪華な部屋で、ユージーンはその住人と向かい合い座っていた。
「……で、これは一体なんだ?」
困惑したようにテーブルの上の箱を見つめる部屋の住人、レイモンドに「贈り物だ」と答える。
「少し早いが、君の24歳の誕生日のな」
「……は?」
増々困惑し、ユージーンを見るレイモンド。
「誕生日の贈り物など、出会ってこのかた、もらった事がないだろう」
「ああ、贈った事はないな」
「というか、俺の誕生日なんて知っていたのか? 俺自身、意識した事がないんだが」
「知ってはいたが、だからどうこうしようと思った事はなかった。私も、自分の誕生日に何の感情も持たないし」
「だろう? それがまた、なんで……」
「互いに、状況が変わったからな」
そう言い、部屋への訪問を訝しく思いながらも出してくれた酒を一口飲む。
(……さりげなく、あくまでもさりげなく。ジョシュアと何もしていないという事は知らないていで……ああ、巧くできる気がしない。しかしノアに期待されているから、出来る限りやってみよう……)
休日前の突然の部屋への訪問に、レイモンドは戸惑っている。
「あー……何か、あったのか? 俺に謝罪するような事でもしでかしたか?」
「何もしていない。だがまぁ、以前ジョシュアに悪い事をしてしまったからな」
「はっ? 何をした!」
「誤解するな。過去の、ほら、嘆きの森遠征での事だ」
「ああ、なんだ」
安堵したように息を吐き、レイモンドは酒を煽る。
「あんな前の事、もう気にするな」
「そう言ってもらえるとありがたい」
(……というか、どちらかというとその後の、友人を心配して何もしなかったのに、その心配された友人の方が先に恋人との濃密な時間を謳歌している事の詫びなのだが……)
「まあ、必要無いかとも思ったのだが、街では買えない良い品を入手する伝手を持っているので君にもと思って」
「街で買えない良い品だと? 密酒とかじゃないだろうな」
「そんな法に触れるような物を贈ったりしない」
「はは、そうだな。お前がそんな事するわけが……これ、なんだ?」
笑いながら箱を開けたレイモンドが、眉を寄せてユージーンを見る。
「何かの薬か? ポーション?」
「閨事の際に使う物、色々だ」
「はあっ?」
意外な回答に、レイモンドが声を上げる。
「なっ、んつうもんを……」
「消耗品だし、あって困る物ではないだろう?」
「…………」
苦々しい表情を向けてくるレイモンドに、ユージーンはにっこりと微笑んだ。
「……お前、恋人が出来て変わりすぎじゃないか?」
空になった自分のグラスに、琥珀色の強い酒をなみなみと注ぎながらレイモンドが言う。
「恥ずかしげもなくこんな物を持ってくるなんて」
「変わってあたり前、というか、変わらなければならないだろう? 愛する人の為に」
グラスを差し出し、同じようになみなみと注がせる。
「わかっているとは思うが、相手は同性だ。女性とするのとはわけが違うのだから、それなりの準備が必要だ。恥ずかしいだなんて言っている場合ではないと思うが?」
「まぁ……それは、そうだが……」
バツが悪そうに酒を舐める親友の様子に、ユージーンは気づかない振りをし微笑んだ。
「ラベルは付いていないから、どれがどういうものか説明しておこう」
「ん? あー……そうだな、ちょっと待て、書き留める」
紙とペンを用意するのを待つ間、ユージーンは箱の中から次々と品を取り出しテーブルに並べていった。
「……で、これは一体なんだ?」
困惑したようにテーブルの上の箱を見つめる部屋の住人、レイモンドに「贈り物だ」と答える。
「少し早いが、君の24歳の誕生日のな」
「……は?」
増々困惑し、ユージーンを見るレイモンド。
「誕生日の贈り物など、出会ってこのかた、もらった事がないだろう」
「ああ、贈った事はないな」
「というか、俺の誕生日なんて知っていたのか? 俺自身、意識した事がないんだが」
「知ってはいたが、だからどうこうしようと思った事はなかった。私も、自分の誕生日に何の感情も持たないし」
「だろう? それがまた、なんで……」
「互いに、状況が変わったからな」
そう言い、部屋への訪問を訝しく思いながらも出してくれた酒を一口飲む。
(……さりげなく、あくまでもさりげなく。ジョシュアと何もしていないという事は知らないていで……ああ、巧くできる気がしない。しかしノアに期待されているから、出来る限りやってみよう……)
休日前の突然の部屋への訪問に、レイモンドは戸惑っている。
「あー……何か、あったのか? 俺に謝罪するような事でもしでかしたか?」
「何もしていない。だがまぁ、以前ジョシュアに悪い事をしてしまったからな」
「はっ? 何をした!」
「誤解するな。過去の、ほら、嘆きの森遠征での事だ」
「ああ、なんだ」
安堵したように息を吐き、レイモンドは酒を煽る。
「あんな前の事、もう気にするな」
「そう言ってもらえるとありがたい」
(……というか、どちらかというとその後の、友人を心配して何もしなかったのに、その心配された友人の方が先に恋人との濃密な時間を謳歌している事の詫びなのだが……)
「まあ、必要無いかとも思ったのだが、街では買えない良い品を入手する伝手を持っているので君にもと思って」
「街で買えない良い品だと? 密酒とかじゃないだろうな」
「そんな法に触れるような物を贈ったりしない」
「はは、そうだな。お前がそんな事するわけが……これ、なんだ?」
笑いながら箱を開けたレイモンドが、眉を寄せてユージーンを見る。
「何かの薬か? ポーション?」
「閨事の際に使う物、色々だ」
「はあっ?」
意外な回答に、レイモンドが声を上げる。
「なっ、んつうもんを……」
「消耗品だし、あって困る物ではないだろう?」
「…………」
苦々しい表情を向けてくるレイモンドに、ユージーンはにっこりと微笑んだ。
「……お前、恋人が出来て変わりすぎじゃないか?」
空になった自分のグラスに、琥珀色の強い酒をなみなみと注ぎながらレイモンドが言う。
「恥ずかしげもなくこんな物を持ってくるなんて」
「変わってあたり前、というか、変わらなければならないだろう? 愛する人の為に」
グラスを差し出し、同じようになみなみと注がせる。
「わかっているとは思うが、相手は同性だ。女性とするのとはわけが違うのだから、それなりの準備が必要だ。恥ずかしいだなんて言っている場合ではないと思うが?」
「まぁ……それは、そうだが……」
バツが悪そうに酒を舐める親友の様子に、ユージーンは気づかない振りをし微笑んだ。
「ラベルは付いていないから、どれがどういうものか説明しておこう」
「ん? あー……そうだな、ちょっと待て、書き留める」
紙とペンを用意するのを待つ間、ユージーンは箱の中から次々と品を取り出しテーブルに並べていった。
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