スピンオフなんて必要ないですけど!?

カナリア55

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おまけ

素晴らしい夜と幸せな朝 2 ☆

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 ユージーンの太腿を跨いで、体を寄せているノア。

(この格好だと手探りになるから慣らしにくいが……ノアの希望だからな)

 オイルを手のひらに落として少しなじませてから、双丘を割り入口を探ると、ノアが首に腕を回し、息を詰めてギュッと抱きついてくる。

「んっ……」

 声を我慢し肩に顔を押し付け、時々体を強ばらせたり震えたりするノアは酷く扇情的だ。

(本人にその気はないだろうが……煽られる)

「……いつも言っているが……声を気にする必要はないんだぞ? 対策済みだ」
「俺が、恥ずかしいのっ」

(……そう言われると、聞きたくなる)

 少し前に見つけた、ノアが目を潤ませる程感じる場所を優しく擦る。

「ああっ……あ……ユージー……そこはっ」
「ここが、いいのだろう?」
「いい、けどっ、良くないっ! 我慢、できなくなる、からっ」
「我慢なんてする必要ない。さあ」
「ああっ! ちょっ……ダメ、だって! そんなんされたらっ」

 もっと声が聞きたくて強めに刺激し、前の昂ぶりも同時に愛撫すると、ノアはのけぞるように体を離したが、
 
「んっ!?」

 なにやら慌てているノアの口の端からツーッと液が垂れ、ユージーンは咄嗟に、それを拭おうとしたノアの手を握り締めた。

「んーっ!」

 抗議するように声を上げるノアの口の端を舐める。

(甘い……ああ、ノア……)

 あごを、喉を、胸を。
 流れ落ちた蜜を舌で辿り、唇に戻って口づけする。
 口内に舌を差し入れ、甘さを共有する。
 欠けたアメの破片が舌を刺すが、それが更に情欲を刺激し、欲望が増す。

「……中に液体入ってるなんて……割れてびっくりしたんだけど」
「私も知らなかった」

 可愛らしく頬を膨らませるノアのうなじを、宥めるように撫でる。

「……どうだ? 媚薬は」
「なんか……少しフワフワする感じがするかも」
「そうか……どうする? ここで止めてもいいのだぞ?」
「止めない。最後まで、して」
「……わかった。それじゃあここからは、めてと言われても止まれない可能性があるからな」
「言わないし!」

 そう答えたノアをそっとベッドに横たえ、両足の膝裏を抱えた。
 
「さっきは止まれないかもと言ったが、辛かったら言ってくれ」

 ギュッと目を閉じるノアを安心させたくてそう言葉をかけてから、ずっと挿入はいりたかったその場所に昂った欲望を押しあて、ゆっくりと腰を進めた。
 
「んんっ……」

 ノアの苦し気な呻き声に、迷いが生じる。

「ノア、止めるか?」
「や、だ……止めないで、大丈夫、だから」

(心配はあるが……正直ありがたい)

 狭く熱いノアの内へ……欲望のまま、キツいその場所を押し広げ侵していく自分が、酷く強引で獰猛に感じられる。

(ノアが欲しい。ノアの全てが欲しい。頭の先から爪の先まで、髪一本さえ誰にも触らせたくない。ああ……こんな劣情を抱くなんて……)

「……だいたい、挿入はいった……大丈夫か?」

 そう尋ねると、ノアが目を閉じたままコクコクと頷く。
 
「すこ、少し、このままで……慣れる、まで……」

 苦しそうで心配だが、余裕が無いのは自分も同じだ。
 目を瞑り、呼吸を整え、ノアの許しが出るのを待ったが、

「つっっ」

 不意に締め付けられ、思わず声が出た。

「ノア、締め付けるな」
「えっ? えっ?」
「―――っ!」
「えーっ! いやっ、俺っ、そんなつもりじゃ!」

 更にキツくなり、ユージーンは息を詰めた。

(ノアは初めてだから私が導いてやらなければと思っていたのに)

 締め付けるな、などと言ってノアを動揺させてしまった事を悔やむ。

(しかもここで終えてしまったら……)

 不甲斐ない姿は見せたくないと我慢し、なんとか快楽を逃す。

「…………ハ――ッ」

 大きく息を吐き目を開けると、ノアもどうにか落ち着いたようだ。深呼吸を繰り返している。
 
「………少し、動いても?」

(今日は、ノアに無理はさせないようにしようと思っていたのに……)

 口から出た言葉に、ユージーン自身が少し驚くし、呆れる。
 始める前は負担をかけずにすぐ終わらせよう思っていたはずなのに、今はずっとなかにいたいという欲求と、激しく攻め立てたいという欲求と、どちらを選べばいいのかという事で悩んでしまっている。

「いいよ、うん、大丈夫」

 潤んだ瞳で見つめるノアの許可を得て、ゆっくり動き始める。

「ああ……ユージーン、ユージーン」

 熱のこもった声で名前を呼ばれ、体の奥がゾクゾクする。
 縋るように腕を掴まれ、感情が昂る。
 先をほんの少し内に残して引き抜いた屹立を一気に奥まで戻すと、それに合わせて声を上げるノア。その声に煽られたユージーンは、加減など全くできなくなり、欲望のまま、激しく夢中でノアの奥を突き続けた。

「あっ! んっ! んっ! もおっ!」
「ノアっ!」

 切ない声を上げたノアに締め付けられ、ベッドから浮いたノアの背を強く抱きしめ……ユージーンは最奥に熱を放った。
 


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