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おまけ
ポーション(と媚薬)を買いに (二人の想い の続き)
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扉を開けるとチリンチリンとベルが鳴り、店の奥から出て来た真っ白な髪と髭の老人がユージーンを見て「おう」と手を上げた。
「久しぶりだな、魔術師。遠征に行くと言ってたが、どうだった?」
「良くない事と良い事があったが……まあ、結果的には良かったと言えるだろう」
「ハッ、なんだそりゃ。小難しい言い方しやがって。で、今日はどうした? またいつものポーションか?」
笑いながら尋ねる老店主に、ユージーンは首を横に振り、
「今日は、閨事の後に使うポーションが欲しい」
そう、はっきりと言った。
「ね、や?」
「ああ。相手は男性でこういう行為は初めてなのだ。もちろん、しっかりと準備はするつもりだが、傷付けてしまう可能性もある。そもそも受け入れる側の負担は大きいだろうから、ポーションを用意しておきたいのだが」
「あー……そりゃあ確かに、用途別にきちんとポーションを選べと言いはしたがな……」
白髪の頭を掻き、店主はすまなそうに言った。
「それ用のポーションってのは 無ぇなぁ……」
「……無い……?」
「ああ、無い」
「それは……困るな……」
「ああ、悪いな……」
二人はしばらくの間、無言のままお互いを見ていた。
「まあ、とりあえず茶でも飲め」
そう店主に勧められ、健康に良いという薬茶を飲みながら話す。
「それ用ってわけじゃあないが、睦事の後って事は裂傷とか筋肉の疲労とか、そういうのに効くヤツがいいかもな」
「なるほど」
「それと、今ここには無いが媚薬的な物があるといいかもしれん」
「媚薬? それは……慣れてからの方がいいのでは?」
「ああいや、一般的に媚薬って言われるヤツじゃなく、金持ちの令嬢が初夜に使うのがあるんだよ。破瓜の痛みを少し麻痺させるのがな。客の多くが冒険者のうちじゃあ需要が無いから置いていないんだが、欲しいなら取り寄せてやる。だが高いし、入荷まで10日くらいは欲しいぞ」
「日にちは問題無い。それと、高いと言うがいくらだ?」
「アメ玉なんだがな、一つ銀貨8枚から金貨1枚ってとこだな」
「それも問題ない。三つ、いや、五つもらおう」
「いやそんなにいらん! 一つでいい!」
「だが、痛みを麻痺させるのであれば毎回使った方が良いのでは? もちろん、害があるとか中毒性があるのならば使わないが」
「お貴族様のご令嬢が使うんだぞ、害なんてありゃしない。だが普通、初夜しか使わんぞ?」
「だが……最初からうまくいくとは限らないし、女性と違って慣れるまで回数が必要かもしれないし……」
「あーわかったわかった、じゃあ、三つにしとけ。足りなそうだったらまた仕入れてやるから」
「……わかった、そうしよう……」
渋々だが納得したユージーンに、店主は苦笑しながら言った。
「まったく……どんだけ大切にしてるんだ。幸せ者だな、あんたの相手は」
「久しぶりだな、魔術師。遠征に行くと言ってたが、どうだった?」
「良くない事と良い事があったが……まあ、結果的には良かったと言えるだろう」
「ハッ、なんだそりゃ。小難しい言い方しやがって。で、今日はどうした? またいつものポーションか?」
笑いながら尋ねる老店主に、ユージーンは首を横に振り、
「今日は、閨事の後に使うポーションが欲しい」
そう、はっきりと言った。
「ね、や?」
「ああ。相手は男性でこういう行為は初めてなのだ。もちろん、しっかりと準備はするつもりだが、傷付けてしまう可能性もある。そもそも受け入れる側の負担は大きいだろうから、ポーションを用意しておきたいのだが」
「あー……そりゃあ確かに、用途別にきちんとポーションを選べと言いはしたがな……」
白髪の頭を掻き、店主はすまなそうに言った。
「それ用のポーションってのは 無ぇなぁ……」
「……無い……?」
「ああ、無い」
「それは……困るな……」
「ああ、悪いな……」
二人はしばらくの間、無言のままお互いを見ていた。
「まあ、とりあえず茶でも飲め」
そう店主に勧められ、健康に良いという薬茶を飲みながら話す。
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「なるほど」
「それと、今ここには無いが媚薬的な物があるといいかもしれん」
「媚薬? それは……慣れてからの方がいいのでは?」
「ああいや、一般的に媚薬って言われるヤツじゃなく、金持ちの令嬢が初夜に使うのがあるんだよ。破瓜の痛みを少し麻痺させるのがな。客の多くが冒険者のうちじゃあ需要が無いから置いていないんだが、欲しいなら取り寄せてやる。だが高いし、入荷まで10日くらいは欲しいぞ」
「日にちは問題無い。それと、高いと言うがいくらだ?」
「アメ玉なんだがな、一つ銀貨8枚から金貨1枚ってとこだな」
「それも問題ない。三つ、いや、五つもらおう」
「いやそんなにいらん! 一つでいい!」
「だが、痛みを麻痺させるのであれば毎回使った方が良いのでは? もちろん、害があるとか中毒性があるのならば使わないが」
「お貴族様のご令嬢が使うんだぞ、害なんてありゃしない。だが普通、初夜しか使わんぞ?」
「だが……最初からうまくいくとは限らないし、女性と違って慣れるまで回数が必要かもしれないし……」
「あーわかったわかった、じゃあ、三つにしとけ。足りなそうだったらまた仕入れてやるから」
「……わかった、そうしよう……」
渋々だが納得したユージーンに、店主は苦笑しながら言った。
「まったく……どんだけ大切にしてるんだ。幸せ者だな、あんたの相手は」
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