スピンオフなんて必要ないですけど!?

カナリア55

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おまけ

二人の想い 3

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「つまり私が言いたかったのは、どちらが相手を受け入れる側になるのかという事だ。事前の準備が必要となるのだから、きちんと決めなければいけないだろう」
「あー、そういう……」

 拍子抜けしたような表情のノアに、ユージーンは少々の苛立ちを感じてしまう。

(大切な事だが言い辛く、慎重に扱わなければならないと言い訳をして対話を先送りにしてきたのは悪かった。けれど、私がノアとの事を後悔していると思ったり、どちらが受け手になるかについて『なんだ、そんな事か』という反応をするなんて……)

「ノア、酷いのでは?」
「えっ? 俺っ? 酷い?」
「ああ」
「それは……ゴメン、ね?」

 首を少し傾げて謝られては、即、許すしかない。ノアの可愛らしさは尋常ではない。

「……いや、私の方こそすまない。ノアを不安にさせるつもりは無かったのだ」

 自分も謝り「それで」と話を戻す。

「受け入れる側の負担は大きい。これまでは、その時になれば自然とどちらがどうか決まるだろうと思っていたのだが……きちんと話し合い、決めた方がいい」
「あー、まあ……そうだね……えーと……ユージーンはどっちがいい? 俺はそのぉ……どっちでもいいっていうか……」

 モジモジと、話しづらそうにしながらもそう言うノアはものすごく可愛らしく、今すぐ抱きしめたくなるが、

(決める事はきちんと決めなければ)

 そう自分に言い聞かせて抱きしめたい衝動を押さえ、ユージーンは冷めてしまったお茶を一口飲んで心を静めた。

「私も、どちらでも構わない。ノアとひとつになれるのであれば」
「ひとっ……う、うん、まあ、俺も、同じ考え、です、はい」

 真っ赤な顔で俯くノアが愛らしくて愛おしく、ユージーンはその様子を飽きる事なく眺めていたが、そのうち沈黙に耐えられなくなったらしいノアが顔を上げた。

「……っ俺! が、受け入れる、側? だと思う、多分だけどっ!」
「そちらの方が負担が大きい。私に気を遣って無理をする事は」
「無理なんか! してないっ! 俺、これまでそういう事はした事なくて、だから想像だけど……えっと……自分がユージーンを抱いてるっていうのは想像できなくて……抱かれてる方は……想像できるんだけど……」
「ノア……」

 真っ赤になりながら話すその姿に、ユージーンは我慢しきれなくなり立ち上がると、ノアの隣りに行って手を引いて立ち上がらせ抱きしめた。

「早くノアを抱きたい。しかし、苦しく痛い思いはさせたくない。ゆっくりと、そしてしっかりと準備をするから……ノアを抱かせてくれ」
「いや、そんな、こちらこそ……よろしくね、ユージーン……」

 その夜から、二人は深くつがう為の準備を始めた。
 



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