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第三章 どうせなら楽しもうと思う
49 楽しく生きる為に
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治療室を出て、食堂に向かいながら話す。
「……姉ちゃんの事だから、団長達の事、観察したがるかと思ったけど」
「あんたねぇ……私の事なんだと思ってんの」
「ハハ、悪い。それにしても治療できて良かったよ。俺って単独では役に立たないけど、姉ちゃんの治癒能力を高めるブースター的な力があるのかな」
「そうかもね。まあその辺は今後も色々試してみてだね」
「だな。……姉ちゃん? なんか元気ないけど、大丈夫か? ポーション飲む? 少し横になる? 戻って治療師さんに診てもらうか?」
「ううん、大丈夫。大丈夫だから、食堂に行こう」
そう言うけれど、ドロリスの表情は冴えない。
「いやホント、無理すんなよ。挨拶は明日でも……姉ちゃん? 泣いてる?」
ドロリスの目が潤み鼻もグスグスさせているのに気づき、ノアは驚いて肩を掴んだ。
「え? どうした? どっか辛いのか?」
「…………じゃ、なかった……」
「ん?」
「そ、んな、つもりじゃなかった」
「えっ?」
「わた、し、イーサンとウィリアムを、苦しめるつもりじゃ、なかった……」
「えっ? は? なに言って……」
慌てるノアの腕にすがり、ドロリスは泣きながら言った。
「そんな、しっかりした設定じゃなかったの。頭の中でちょっと考えた事がある、程度で……イーサンは生まれつきの体質のせいで、体内に入ってしまった魔毒は出しにくくて。討伐の時に淫魔の媚薬的な成分が入っちゃって、排出できなくて苦しんでいる時、ウィリアムが治療行為としてあれやこれやして、なんやかんやで二人は付き合い出すって……いつかそういうスピンオフ描きたいなって考えたけど、でも、そんな、絶対描くって決めてたわけじゃなくて……それなのにこんな……媚薬成分だけじゃなく、他のいろんな魔毒が溜まっちゃって、ずっと苦しんでて。それなのに皆の為に団長で居続けてくれてるイーサンと、心配しながらも彼の意思を尊重して見守り続けていたウィリアムは、どんなに辛かったか……私の、せいで……」
肩を震わし、泣くドロリス。
(そうか、姉ちゃん、責任を感じてるんだ。てか、なかなか凄い設定だな、オイ)
そう思いながらも、ノアはドロリスを抱きしめた。
「大丈夫、気にするなよ、姉ちゃん」
「でも……」
「確かにこの世界は、姉ちゃんの描いてた『金犬青狼』の世界だ。でも、全てが漫画通りってわけじゃない。嘆きの森遠征ではコカトリスが出て来たし、ユージーンは隻眼にならなかったし顔に傷も残らなかった。ユージーンは最初からレイモンドじゃなくて俺の事好きだったし、俺は俺の意思で、ユージーンの事が好きになった。それに姉ちゃんは聖女としてここにいる。団長の症状を緩和する事ができた。で、俺も、聖女の弟として姉ちゃんの手助けができる。だから大丈夫だよ。一緒に団長の治療をしよう」
「ノア……」
涙で濡れた顔を上げ、ドロリスがノアを見る。
「俺は、感謝してるよ。姉ちゃんが創ってくれたこの世界は優しい。好きな人に好きと言えて、それをどうこう言うヤツはいない。俺とユージーンは結婚するつもりでそういう話もしているし、きっとジョシュアとレイモンドも、そして団長とウィリアムさんも結婚するつもりだと思う」
「うん……」
「皆で幸せになろう。その為に頑張ろう、一緒に。せっかくこの世界に来たんだ、楽しまなくっちゃ! 楽しく生きる為に、思いっきり努力しよう。姉ちゃんには俺がついているから安心して」
「うん、ありがとう、ノア……私、頑張るよ」
二人はキュッとお互いを抱きしめたが、
ガシャン、シャン、シャン、シャン……
大きな音が響き、驚いて音の方を見ると、
「あ……ユージーン……」
魔杖を取り落とし、立ち尽くすユージーンがそこにいた。
「……失礼」
杖を拾い、一礼して去っていくユージーン。
「えーと……ノア……大丈夫?」
「ん? あ、ああ、大丈夫」
「え? ホントに? なんか目がうつろだけど」
「さっき、ちゃんと姉ちゃんだって紹介してるし、ユージーンもちゃんと納得してたし、なんも、なんも問題ないから……」
プルプルと微かに震えながらそう言うノアを見るドロリスの目に、輝きが宿る。
「本当? 本当に大丈夫? 今夜はお仕置きだって言われてイッてもイッても何度も執拗にイイトコロを攻められてあまりにも強すぎる快楽にもう許してって泣いても終わらない激しいセッ」
「ファーッ!! なに言ってんだよ姉ちゃんっ! ホント、ホントにもおっ!」
ものすごい剣幕で怒鳴るノアにドロリスは言葉を切り、
「……フッ、フフッ、フフフフフ」
笑い出し、涙を拭いた。
「フフッ、ありがとね、ノア。元気出た」
「ったく……そんなんで元気出すなよ、俺は疲れたよ。全く……姉ちゃんは聖女で見た目17、8なんだから、言動には気を付けてくれよ。あーあと、俺達だけど」
鼻の頭を掻きながら、ノアがボソリと言う。
「俺達まだ、最後までしてないからな」
「えっ? そうなの?」
「そう! だから、あんまりユージーンに変な事言ったり教えたりすんなよ。俺達は俺達のペースでゆっくりじっくり進めるんだから……って、聞いてる?」
「うんうん、聞いてるっ。わー、そっかー、そうなんだー。え、じゃあどのへんまでしたの? お互いのを手で、とかはもちろんやってるよね? フェラも、さっきの絵を見たユージーンの感じからはしてるっぽいけど。素股とかは」
「あーもう、何イキイキしてんだよ。ついさっきまで泣いてたくせに」
「だって~」
ワクワク顔のドロリスを見て、ノアは笑った。
「まあ、いいけど。どうせなら楽しい方がいいもんな。この世界で楽しく生きていこうぜ」
「うん! 良かった、ノアと一緒で」
「俺も。姉ちゃんと一緒で嬉しいよ。じゃ、食堂行こう。そろそろ落ち着いてる時間だから、挨拶できると思うよ。で、俺達も昼飯食べよう。俺、腹ペコペコ」
「治療の後ってお腹すくのよね。行こう行こう!」
「団員達が交代で作ってるから、美味しい時とそうでない時があるんだけど、今週は美味しいんだ!」
「やったー!」
二人はニコニコと食堂に向かったが、そこで、毒入りだとわかったうえで飲んでいる、とでも言うかのような表情でスープを口に運んでいるユージーンを見て震えあがるのだった。
☆次回はエロ有です。ドロリス、当たらずとも遠からず!? 苦手な方は飛ばして下さい。エロ、2話続けて、その後エピローグです。
「……姉ちゃんの事だから、団長達の事、観察したがるかと思ったけど」
「あんたねぇ……私の事なんだと思ってんの」
「ハハ、悪い。それにしても治療できて良かったよ。俺って単独では役に立たないけど、姉ちゃんの治癒能力を高めるブースター的な力があるのかな」
「そうかもね。まあその辺は今後も色々試してみてだね」
「だな。……姉ちゃん? なんか元気ないけど、大丈夫か? ポーション飲む? 少し横になる? 戻って治療師さんに診てもらうか?」
「ううん、大丈夫。大丈夫だから、食堂に行こう」
そう言うけれど、ドロリスの表情は冴えない。
「いやホント、無理すんなよ。挨拶は明日でも……姉ちゃん? 泣いてる?」
ドロリスの目が潤み鼻もグスグスさせているのに気づき、ノアは驚いて肩を掴んだ。
「え? どうした? どっか辛いのか?」
「…………じゃ、なかった……」
「ん?」
「そ、んな、つもりじゃなかった」
「えっ?」
「わた、し、イーサンとウィリアムを、苦しめるつもりじゃ、なかった……」
「えっ? は? なに言って……」
慌てるノアの腕にすがり、ドロリスは泣きながら言った。
「そんな、しっかりした設定じゃなかったの。頭の中でちょっと考えた事がある、程度で……イーサンは生まれつきの体質のせいで、体内に入ってしまった魔毒は出しにくくて。討伐の時に淫魔の媚薬的な成分が入っちゃって、排出できなくて苦しんでいる時、ウィリアムが治療行為としてあれやこれやして、なんやかんやで二人は付き合い出すって……いつかそういうスピンオフ描きたいなって考えたけど、でも、そんな、絶対描くって決めてたわけじゃなくて……それなのにこんな……媚薬成分だけじゃなく、他のいろんな魔毒が溜まっちゃって、ずっと苦しんでて。それなのに皆の為に団長で居続けてくれてるイーサンと、心配しながらも彼の意思を尊重して見守り続けていたウィリアムは、どんなに辛かったか……私の、せいで……」
肩を震わし、泣くドロリス。
(そうか、姉ちゃん、責任を感じてるんだ。てか、なかなか凄い設定だな、オイ)
そう思いながらも、ノアはドロリスを抱きしめた。
「大丈夫、気にするなよ、姉ちゃん」
「でも……」
「確かにこの世界は、姉ちゃんの描いてた『金犬青狼』の世界だ。でも、全てが漫画通りってわけじゃない。嘆きの森遠征ではコカトリスが出て来たし、ユージーンは隻眼にならなかったし顔に傷も残らなかった。ユージーンは最初からレイモンドじゃなくて俺の事好きだったし、俺は俺の意思で、ユージーンの事が好きになった。それに姉ちゃんは聖女としてここにいる。団長の症状を緩和する事ができた。で、俺も、聖女の弟として姉ちゃんの手助けができる。だから大丈夫だよ。一緒に団長の治療をしよう」
「ノア……」
涙で濡れた顔を上げ、ドロリスがノアを見る。
「俺は、感謝してるよ。姉ちゃんが創ってくれたこの世界は優しい。好きな人に好きと言えて、それをどうこう言うヤツはいない。俺とユージーンは結婚するつもりでそういう話もしているし、きっとジョシュアとレイモンドも、そして団長とウィリアムさんも結婚するつもりだと思う」
「うん……」
「皆で幸せになろう。その為に頑張ろう、一緒に。せっかくこの世界に来たんだ、楽しまなくっちゃ! 楽しく生きる為に、思いっきり努力しよう。姉ちゃんには俺がついているから安心して」
「うん、ありがとう、ノア……私、頑張るよ」
二人はキュッとお互いを抱きしめたが、
ガシャン、シャン、シャン、シャン……
大きな音が響き、驚いて音の方を見ると、
「あ……ユージーン……」
魔杖を取り落とし、立ち尽くすユージーンがそこにいた。
「……失礼」
杖を拾い、一礼して去っていくユージーン。
「えーと……ノア……大丈夫?」
「ん? あ、ああ、大丈夫」
「え? ホントに? なんか目がうつろだけど」
「さっき、ちゃんと姉ちゃんだって紹介してるし、ユージーンもちゃんと納得してたし、なんも、なんも問題ないから……」
プルプルと微かに震えながらそう言うノアを見るドロリスの目に、輝きが宿る。
「本当? 本当に大丈夫? 今夜はお仕置きだって言われてイッてもイッても何度も執拗にイイトコロを攻められてあまりにも強すぎる快楽にもう許してって泣いても終わらない激しいセッ」
「ファーッ!! なに言ってんだよ姉ちゃんっ! ホント、ホントにもおっ!」
ものすごい剣幕で怒鳴るノアにドロリスは言葉を切り、
「……フッ、フフッ、フフフフフ」
笑い出し、涙を拭いた。
「フフッ、ありがとね、ノア。元気出た」
「ったく……そんなんで元気出すなよ、俺は疲れたよ。全く……姉ちゃんは聖女で見た目17、8なんだから、言動には気を付けてくれよ。あーあと、俺達だけど」
鼻の頭を掻きながら、ノアがボソリと言う。
「俺達まだ、最後までしてないからな」
「えっ? そうなの?」
「そう! だから、あんまりユージーンに変な事言ったり教えたりすんなよ。俺達は俺達のペースでゆっくりじっくり進めるんだから……って、聞いてる?」
「うんうん、聞いてるっ。わー、そっかー、そうなんだー。え、じゃあどのへんまでしたの? お互いのを手で、とかはもちろんやってるよね? フェラも、さっきの絵を見たユージーンの感じからはしてるっぽいけど。素股とかは」
「あーもう、何イキイキしてんだよ。ついさっきまで泣いてたくせに」
「だって~」
ワクワク顔のドロリスを見て、ノアは笑った。
「まあ、いいけど。どうせなら楽しい方がいいもんな。この世界で楽しく生きていこうぜ」
「うん! 良かった、ノアと一緒で」
「俺も。姉ちゃんと一緒で嬉しいよ。じゃ、食堂行こう。そろそろ落ち着いてる時間だから、挨拶できると思うよ。で、俺達も昼飯食べよう。俺、腹ペコペコ」
「治療の後ってお腹すくのよね。行こう行こう!」
「団員達が交代で作ってるから、美味しい時とそうでない時があるんだけど、今週は美味しいんだ!」
「やったー!」
二人はニコニコと食堂に向かったが、そこで、毒入りだとわかったうえで飲んでいる、とでも言うかのような表情でスープを口に運んでいるユージーンを見て震えあがるのだった。
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