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第三章 どうせなら楽しもうと思う
35 後悔しているだなんて言うから
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ウィリアムに聞いた番号の部屋に行き、扉を叩く。
「はい」
「ユージーン様、ノアです」
すぐに扉が開く。
「……何か用か?」
「えーと、今日はユージーン様と同室だって、ウィリアムさんが……」
「……そうか」
一言そう言うと、ユージーンはクルリと背を向け部屋の中へと戻って行き、それに続いて中に入ったノアは、後ろ手に扉を閉めるとすぐさまユージーンに駆け寄って、その背中に抱きついた。
「ノア?」
驚き、当惑した声のユージーンに抱きついたまま、ノアは「う~~~」と唸った。
「なんなんですか~、あんな事言ってさっさといなくなっちゃうなんて~」
「……すまない。10代の頃なんて、誰かを好きになれるとは思っていなかったし、別にたいした事ではないと思っていて……単純に経験の一つだと」
「それじゃないですよ! 一生で一人だけが良かったって後悔している、って言ったじゃないですか!」
「え? ああ……え?」
娼館に行った事を不快に思い、怒っているのかと思っていたのに。
「怒って、いないのか?」
「怒ってないですよ。だって、ずっと昔の事でしょう? 付き合う前だし、そういうのは……まあ、仕方ないです。ただ……」
「ただ?」
「その……嫉妬したんです。だってなんか、全然動揺もしてなくて当たり前の事のように言うから、なんか腹立たしくて……」
「ノア……」
後ろから、二の腕の上をギュッと押さえられているせいで、あまり自由がきかないが、自分を抱きしめているノアの腕を擦る。
「……ノア、君にはいつも驚かされる。てっきり私の行動に腹を立てたのかと思ったのに、嫉妬だなんて……私にとっては、この上ない喜びだ」
「嫉妬なんて普通にしますよ! それにいじけました。だってユージーン様が平然としてるから……」
「あれはむしろ動揺して……言い訳が上手く出てこなかっただけだ」
「だから、さっさと席を立ったんですか?」
「ああ、すまない」
「本当ですよ! あんな……一人だけが良かったなんて……私の、事でしょう?」
抱きしめるノアの腕がギューッと力を増して、ユージーンは「痛い痛い」と笑った。
「ああっ! すみませんっ、つい力が……」
「ハッ、大丈夫。だが……一度離してくれないか? 君を、正面から抱きたい」
そう言うと素直に腕を解かれ、振り返ると赤い顔をして伏し目がちなノアが、両腕を前に差し出していた。
「……お願い、します」
「ああ」
包むように抱きしめると、ノアもそっと背中に腕を回してキュッと力を込めた。
「……あんな事言われたら……嬉しくて、幸せで、どういう顔していいかわかんなくなります」
そう言うノアは、頬を膨らませ、唇を尖らせ、一見不貞腐れているようだが、照れているのがわかっているユージーンは、愛おし気に頬を撫でた。
「私も今、嬉しくて幸せで、どういう表情をしていいかわからない。……愛している、ノア。この先、一生、ノアだけだと約束する」
「……わ、たしも……ユージーン様だけ……です」
そう呟いたノアの顎を指先で押し上げ唇を重ねうなじを撫でると、しっかりと閉じていた口元が緩み、その僅かな隙を逃さず、ユージーンは舌先を滑り込ませた。
「んっ! んーっ!」
驚き引かれた身体を追い、後頭部と腰をしっかりと抱えてピッタリ密着する。熱い昂ぶりと熱が、自分のものなのか相手のものなのか区別がつかない。
最初は驚き抵抗したノアの指が、必死にユージーンの腕を掴み、戸惑いながらだが舌を絡めてくるのがどうしようもなく可愛くて、愛おしくて、夢中になってしまったが、
「んっ!」
急にノアが後ろに体勢を崩し、慌ててユージーンが支えた。
「どうした、大丈夫か?」
「あ、いや、その……腰が、抜けそうに……」
「?」
「ユ、ユージーン様がっ! 手加減無しにキスしてくるからっ!」
「そうか、それはすまなかった」
そう言って安心したように笑うと、ノアの腰を抱いたままベッドへと移動し、二人並んで腰かけた。
「これなら、大丈夫だろう?」
「そう、ですけど、いやいや、ちょっと待って下さい。俺、食事前までずっと馬の世話してて風呂もまだ」
「清潔」
「わっ! すごい! 便利! じゃなくて!」
「施錠、防音」
「いやいやいやいや、ちょっと待って!」
「別に、そんなに警戒されるような事をするつもりはない。ただ、もう少し触れていたいのと……話したい事もある」
「あ……はい」
これから色々しちゃうのかと思ってしまった事を恥ずかしく思いながら、ノアは大人しく膝の上に手を置いて座った。
「王都に戻ったら、私は今回の事をレイモンドとジョシュアに話し、謝罪をしようと思う」
「あー……はい……」
予想していた事なので、ノアはコクリと頷いた。
「場合によっては、第三騎士団を去る事になるかもしれない」
「はい」
「驚かないのだな」
「まあ……なんとなく、ユージーン様はそうしそうだなって思っていたので」
「そうか」
フッと笑ったユージーンの手を、ノアはキュッと握った。
「私は別に、言わなくていいと思います。一瞬の迷いだったわけだし、今はもう、誤解も解けて解決済じゃないですか。だからもう問題ないと。でも……ユージーン様はイヤなんでしょう? 黙っているの」
無言のまま頷くユージーンに、ノアも頷いた。
「だと思いました。ユージーン様は……」
「融通が利かない、か?」
「いえ。真面目で、繊細な人だから。……ユージーン様、個人の事ですから、私は反対しません。ただ、私は、その……こ、恋人ですからっ」
ノアの恋人発言に、ユージーンが目をパチパチさせた。
「とーぜん! 同席させてもらいますよ! 恋人ですからっ!」
「……んん? それはなんだか違うような……」
「だってあっちだって、レイモンド様とジョシュア、二人一緒でしょう? あれ? ん? まだか?」
「ノアは、レイモンドがジョシュアを好きだという事を知っていたのだな」
「あー、そうですね、レイモンド様の私を見る目がちょっと怖くて……で、あの二人は付き合い出したんですかね、それともまだかな」
「……どうだろう……あの後レイモンドは見舞いに来てくれたが、私は合わせる顔がなく、まともに会話していないから……」
「そうですか……まあ、その辺は王都に戻ってからでなきゃわからないですから置いときましょう。とにかく、私は同席しますからね」
「……考えておく」
了承を得る事はできなかったが、とりあえず検討してくれるようなので、良しとする。
「はい」
「ユージーン様、ノアです」
すぐに扉が開く。
「……何か用か?」
「えーと、今日はユージーン様と同室だって、ウィリアムさんが……」
「……そうか」
一言そう言うと、ユージーンはクルリと背を向け部屋の中へと戻って行き、それに続いて中に入ったノアは、後ろ手に扉を閉めるとすぐさまユージーンに駆け寄って、その背中に抱きついた。
「ノア?」
驚き、当惑した声のユージーンに抱きついたまま、ノアは「う~~~」と唸った。
「なんなんですか~、あんな事言ってさっさといなくなっちゃうなんて~」
「……すまない。10代の頃なんて、誰かを好きになれるとは思っていなかったし、別にたいした事ではないと思っていて……単純に経験の一つだと」
「それじゃないですよ! 一生で一人だけが良かったって後悔している、って言ったじゃないですか!」
「え? ああ……え?」
娼館に行った事を不快に思い、怒っているのかと思っていたのに。
「怒って、いないのか?」
「怒ってないですよ。だって、ずっと昔の事でしょう? 付き合う前だし、そういうのは……まあ、仕方ないです。ただ……」
「ただ?」
「その……嫉妬したんです。だってなんか、全然動揺もしてなくて当たり前の事のように言うから、なんか腹立たしくて……」
「ノア……」
後ろから、二の腕の上をギュッと押さえられているせいで、あまり自由がきかないが、自分を抱きしめているノアの腕を擦る。
「……ノア、君にはいつも驚かされる。てっきり私の行動に腹を立てたのかと思ったのに、嫉妬だなんて……私にとっては、この上ない喜びだ」
「嫉妬なんて普通にしますよ! それにいじけました。だってユージーン様が平然としてるから……」
「あれはむしろ動揺して……言い訳が上手く出てこなかっただけだ」
「だから、さっさと席を立ったんですか?」
「ああ、すまない」
「本当ですよ! あんな……一人だけが良かったなんて……私の、事でしょう?」
抱きしめるノアの腕がギューッと力を増して、ユージーンは「痛い痛い」と笑った。
「ああっ! すみませんっ、つい力が……」
「ハッ、大丈夫。だが……一度離してくれないか? 君を、正面から抱きたい」
そう言うと素直に腕を解かれ、振り返ると赤い顔をして伏し目がちなノアが、両腕を前に差し出していた。
「……お願い、します」
「ああ」
包むように抱きしめると、ノアもそっと背中に腕を回してキュッと力を込めた。
「……あんな事言われたら……嬉しくて、幸せで、どういう顔していいかわかんなくなります」
そう言うノアは、頬を膨らませ、唇を尖らせ、一見不貞腐れているようだが、照れているのがわかっているユージーンは、愛おし気に頬を撫でた。
「私も今、嬉しくて幸せで、どういう表情をしていいかわからない。……愛している、ノア。この先、一生、ノアだけだと約束する」
「……わ、たしも……ユージーン様だけ……です」
そう呟いたノアの顎を指先で押し上げ唇を重ねうなじを撫でると、しっかりと閉じていた口元が緩み、その僅かな隙を逃さず、ユージーンは舌先を滑り込ませた。
「んっ! んーっ!」
驚き引かれた身体を追い、後頭部と腰をしっかりと抱えてピッタリ密着する。熱い昂ぶりと熱が、自分のものなのか相手のものなのか区別がつかない。
最初は驚き抵抗したノアの指が、必死にユージーンの腕を掴み、戸惑いながらだが舌を絡めてくるのがどうしようもなく可愛くて、愛おしくて、夢中になってしまったが、
「んっ!」
急にノアが後ろに体勢を崩し、慌ててユージーンが支えた。
「どうした、大丈夫か?」
「あ、いや、その……腰が、抜けそうに……」
「?」
「ユ、ユージーン様がっ! 手加減無しにキスしてくるからっ!」
「そうか、それはすまなかった」
そう言って安心したように笑うと、ノアの腰を抱いたままベッドへと移動し、二人並んで腰かけた。
「これなら、大丈夫だろう?」
「そう、ですけど、いやいや、ちょっと待って下さい。俺、食事前までずっと馬の世話してて風呂もまだ」
「清潔」
「わっ! すごい! 便利! じゃなくて!」
「施錠、防音」
「いやいやいやいや、ちょっと待って!」
「別に、そんなに警戒されるような事をするつもりはない。ただ、もう少し触れていたいのと……話したい事もある」
「あ……はい」
これから色々しちゃうのかと思ってしまった事を恥ずかしく思いながら、ノアは大人しく膝の上に手を置いて座った。
「王都に戻ったら、私は今回の事をレイモンドとジョシュアに話し、謝罪をしようと思う」
「あー……はい……」
予想していた事なので、ノアはコクリと頷いた。
「場合によっては、第三騎士団を去る事になるかもしれない」
「はい」
「驚かないのだな」
「まあ……なんとなく、ユージーン様はそうしそうだなって思っていたので」
「そうか」
フッと笑ったユージーンの手を、ノアはキュッと握った。
「私は別に、言わなくていいと思います。一瞬の迷いだったわけだし、今はもう、誤解も解けて解決済じゃないですか。だからもう問題ないと。でも……ユージーン様はイヤなんでしょう? 黙っているの」
無言のまま頷くユージーンに、ノアも頷いた。
「だと思いました。ユージーン様は……」
「融通が利かない、か?」
「いえ。真面目で、繊細な人だから。……ユージーン様、個人の事ですから、私は反対しません。ただ、私は、その……こ、恋人ですからっ」
ノアの恋人発言に、ユージーンが目をパチパチさせた。
「とーぜん! 同席させてもらいますよ! 恋人ですからっ!」
「……んん? それはなんだか違うような……」
「だってあっちだって、レイモンド様とジョシュア、二人一緒でしょう? あれ? ん? まだか?」
「ノアは、レイモンドがジョシュアを好きだという事を知っていたのだな」
「あー、そうですね、レイモンド様の私を見る目がちょっと怖くて……で、あの二人は付き合い出したんですかね、それともまだかな」
「……どうだろう……あの後レイモンドは見舞いに来てくれたが、私は合わせる顔がなく、まともに会話していないから……」
「そうですか……まあ、その辺は王都に戻ってからでなきゃわからないですから置いときましょう。とにかく、私は同席しますからね」
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