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第二章 この感情は、なんと言えばいいのだろう
24 ポーションとアメ玉
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毎日のように厳しい訓練を重ねている騎士達にも、休日はある。
「……レイモンド、今日、何か用事はあるか?」
「ん? いや、特に無いが」
向かい合って朝食を食べていたレイモンドは、休日にしては珍しく早く起きて朝食を摂っているユージーンを見た。
「お前こそ、なんでこんなに早く起きているんだ? 休みの日はいつも、朝食も食わないで寝ているくせに」
「あー……ちょっと、街まで行こうと思って……もし良ければ、それに付き合って欲しくて……」
「んん?」
言いづらそうにモゴモゴするユージーンに、首を傾げる。
「別にいいが……どうしたんだ?」
「あー、それが……ポーションが欲しいんだが、普段あまり飲まないから自分で購入した事が無くて……いい店があったら紹介して欲しいんだ。もし忙しかったら、なんという店でどの辺にあるのかだけ教えてくれればそれで」
「さっきも言ったが別に用事もないし、一緒に行ってやる。でもユージーンがポーションなんて、どうしたんだ? 体調でも悪いのか?」
「いや、私が飲むのではない」
「じゃあなんで……ああ、ノアか」
「……まあ、そういう事だ」
そう言うと視線をずらし、モクモクとパンを口に詰め込むユージーンを、レイモンドは心の底から『珍しいな』と思いながら見た。
ポーションが必要だ、と感じたのは前日の事。
連携攻撃のパートナー候補のノアが『わかっていても出来ないんですよ! 頭で考えた事がその通り身体で出来るってわけじゃないんです!』とキレた。
どうにか説得し、訓練を続ける事にはなったが、その際、ノアの友人であるジョシュアから、ノアが宿舎に帰ってからも身体を鍛えて頑張っているという事を聞かされ、努力しているのにちゃんと見てやっていなかったと反省した。
そして訓練終了後、ジョシュアがノアを治療所に引っ張って行くのを見かけ、気になって様子を見に行き、ノアの身体を見てしまった。
(……あんなに、ボロボロになっていたなんて……)
服で隠れているので全く気が付かなかったが、背中や腹、腕、足、全身アザだらけだった。
「別に大丈夫だって」
「そんなわけない! 肩痛いんでしょ? 腕が上まで上がってないもん!」
「あー、ホントだ、すっごい腫れてるね」
「いや、明日休みだし、寝てれば治る」
「わけないでしょ。今治療してあげるから、こっちに背中向けて」
ウィリアムが治癒魔法をかける。
強大な魔力を持つユージーンだが、治癒魔法の適性はない。治癒魔法が使える者はとても少ないのだ。
「……すみません、この程度の事で」
「そんな事気にしないで、ちゃんと来なさい。私だけじゃなく、他の治療師もいるんだから」
「治療師さんに治してもらえるなんて、孤児院時代からは考えられない事で……」
「今は第三騎士団所属なんだから、いいんだよ。まあ、このくらいだとポーションは出してあげられないけどね」
「いいですいいです、ポーションなんて高級品! もう充分です! ありがとうございました!」
「良かったね、ノア。もう腕上がる?」
「おー! バッチリ! じゃあ、失礼します」
そう言って肩を回して嬉しそうに治療室を出て行くノアとジョシュアに見つからないよう隣の部屋に隠れて、足音が消えてから治療室に入る。
「あれ? ユージーン、どうかしたの? 怪我?」
「いえ……ノア・ヴァーツがここから出て来たのを見かけたもので、気になって……」
「ああ、そういえば今、君たち一緒に訓練しているんだったね。やっぱり連携攻撃は、慣れるまでは難しいんだろうね」
「ノアの怪我は、酷いのでしょうか」
「いや、大丈夫だよ。まあ痛いだろうけど、動かせない事は無い。さっき治してあげたから」
「そう、ですか……」
傷やアザのない自分の身体を思い出し、ユージーンは思わず考えこんでしまう。
「遠征に行って怪我をすれば、私はすぐに治療を頼んだりポーションをもらって、痛い所など無い状態が普通だと思っていたのですが……」
「ああそれは、騎士と魔術師の違いだから気にしなくていいんだよ。それに、普段はあまり使っていないけれど、遠征では騎士達にだってポーション惜しみなく使っているからね」
そう言われて宿舎に戻ったが、ノアのアザだらけの背中が気になってしょうがない。
(確かに騎士達は魔術師よりも怪我をする事が多い。レイモンドもよくアザをつくっている。だが、あんなに酷いとは……)
そして色々考えた結果、自分がポーションを用意してノアに与えよう、という結論に至ったのだ。
(あれは私が負わせた怪我だし、早く連携を完成させるためにはもっと訓練を積まなければならないし、それならばポーションで体調を万全に整えた方がいい。そう、だからこの考えは正しい)
こうしてポーションを用意する事にしたのだが、自分で買って飲むという事がなかったので、詳しそうなレイモンドを頼る事にしたのだ。
レイモンドが案内してくれたのは、街の小さな薬屋だった。
「ここは店主が頑固者だが、常に質のいいポーションを販売している」
「そうか……」
大通りにある、騎士団にポーションを納めている大きな薬屋とは比べようもないほど小さく古い店だが、レイモンドが言うのならば信頼がおける。
扉を開けるとチリンチリンとベルが鳴り、真っ白な髪と髭の老人が店の奥から出て来て対応してくれた。
「打撲だったらこっちのポーションの方がいい。そもそも、切り傷、打撲、火傷等、違う症状を同じポーションで治そうとする考えが間違っている。最近の奴らはその辺の事がわかっていない。なんにでも効くポーションなんて、なんにも効かんのと同意だ」
(……なるほど、レイモンドが頑固者と言うのがわかる御仁だな。けれど、頼りになる)
勧められたポーションを10本購入しようとしたところ「試しもしないで一度に買うもんじゃない!」と叱られ、3本しか売ってもらえなさそうだったが、まあそんなところも信用できると納得した。そして、しょっちゅうは来られないのでと頼み込み、5本譲ってもらえる事になった。
「それでは5本お願いします。……レイモンド、何を見ているんだ?」
何かを手に取りジーッと見ているな、と声をかけると、レイモンドは「なんでもない!」と慌ててそれを棚に戻した。
「今日付き合ってくれた礼に、一緒に買おう」
そう言いながら見にいくと、それは、
「アメ玉か?」
この店の中でレイモンドが一番興味無さそうな、薄黄色のアメだった。
「ハチミツ入りの飴だ。喉の痛みに効く。あとまあ単純に、甘いから子供に人気があるな」
店主の言葉に、ピンとくるものがある。
(……あのお気に入りの子犬の事でも考えていたんだろうな。好きそうだものな、甘い物が)
団長の異名から、黒狼騎士団とも呼ばれる第三騎士団で、新人騎士はよく『子犬』とからかわれる。まあ、1~2ヶ月もすればそう呼ばれる事はなくなるが、ジョシュアは今も子犬呼ばわりされている。
(小さくて、寒くもないのにプルプル震えている感じがあるからな、彼は)
そんな事を思いながら袋を手に取ると、
「ちょっと見ていただけだ」
とレイモンドはそっぽむく。
「そうか? ……喉に良いのか……買っていこうかな」
「えっ?」
「最近訓練で大きな声で指示を出す事が多いから、喉に良いのはありがたい。レイモンドも、いつも大声で指導しているだろう? 試してみたらどうだ?」
「あー……確かに、そうだが……」
「じゃあ買おう。二袋でいいか?」
「いや、一袋で」
「礼だし、余るようだったら人にあげてもいいだろう? 私も二袋買う」
アメが5つ入った小さな袋を四つ棚から取り、ポーションと一緒に清算してもらって店を出る。
「せっかく街に出たんだ、食事してから帰ろう。礼がアメだけ、なんていうのもなんだし奢るよ」
「……じゃあ、酒も飲めるところがいい」
そう言いながらユージーンの手から荷物をヒョイと取り、街を歩き出したレイモンドに、ユージーンはクスリと笑った。
「……レイモンド、今日、何か用事はあるか?」
「ん? いや、特に無いが」
向かい合って朝食を食べていたレイモンドは、休日にしては珍しく早く起きて朝食を摂っているユージーンを見た。
「お前こそ、なんでこんなに早く起きているんだ? 休みの日はいつも、朝食も食わないで寝ているくせに」
「あー……ちょっと、街まで行こうと思って……もし良ければ、それに付き合って欲しくて……」
「んん?」
言いづらそうにモゴモゴするユージーンに、首を傾げる。
「別にいいが……どうしたんだ?」
「あー、それが……ポーションが欲しいんだが、普段あまり飲まないから自分で購入した事が無くて……いい店があったら紹介して欲しいんだ。もし忙しかったら、なんという店でどの辺にあるのかだけ教えてくれればそれで」
「さっきも言ったが別に用事もないし、一緒に行ってやる。でもユージーンがポーションなんて、どうしたんだ? 体調でも悪いのか?」
「いや、私が飲むのではない」
「じゃあなんで……ああ、ノアか」
「……まあ、そういう事だ」
そう言うと視線をずらし、モクモクとパンを口に詰め込むユージーンを、レイモンドは心の底から『珍しいな』と思いながら見た。
ポーションが必要だ、と感じたのは前日の事。
連携攻撃のパートナー候補のノアが『わかっていても出来ないんですよ! 頭で考えた事がその通り身体で出来るってわけじゃないんです!』とキレた。
どうにか説得し、訓練を続ける事にはなったが、その際、ノアの友人であるジョシュアから、ノアが宿舎に帰ってからも身体を鍛えて頑張っているという事を聞かされ、努力しているのにちゃんと見てやっていなかったと反省した。
そして訓練終了後、ジョシュアがノアを治療所に引っ張って行くのを見かけ、気になって様子を見に行き、ノアの身体を見てしまった。
(……あんなに、ボロボロになっていたなんて……)
服で隠れているので全く気が付かなかったが、背中や腹、腕、足、全身アザだらけだった。
「別に大丈夫だって」
「そんなわけない! 肩痛いんでしょ? 腕が上まで上がってないもん!」
「あー、ホントだ、すっごい腫れてるね」
「いや、明日休みだし、寝てれば治る」
「わけないでしょ。今治療してあげるから、こっちに背中向けて」
ウィリアムが治癒魔法をかける。
強大な魔力を持つユージーンだが、治癒魔法の適性はない。治癒魔法が使える者はとても少ないのだ。
「……すみません、この程度の事で」
「そんな事気にしないで、ちゃんと来なさい。私だけじゃなく、他の治療師もいるんだから」
「治療師さんに治してもらえるなんて、孤児院時代からは考えられない事で……」
「今は第三騎士団所属なんだから、いいんだよ。まあ、このくらいだとポーションは出してあげられないけどね」
「いいですいいです、ポーションなんて高級品! もう充分です! ありがとうございました!」
「良かったね、ノア。もう腕上がる?」
「おー! バッチリ! じゃあ、失礼します」
そう言って肩を回して嬉しそうに治療室を出て行くノアとジョシュアに見つからないよう隣の部屋に隠れて、足音が消えてから治療室に入る。
「あれ? ユージーン、どうかしたの? 怪我?」
「いえ……ノア・ヴァーツがここから出て来たのを見かけたもので、気になって……」
「ああ、そういえば今、君たち一緒に訓練しているんだったね。やっぱり連携攻撃は、慣れるまでは難しいんだろうね」
「ノアの怪我は、酷いのでしょうか」
「いや、大丈夫だよ。まあ痛いだろうけど、動かせない事は無い。さっき治してあげたから」
「そう、ですか……」
傷やアザのない自分の身体を思い出し、ユージーンは思わず考えこんでしまう。
「遠征に行って怪我をすれば、私はすぐに治療を頼んだりポーションをもらって、痛い所など無い状態が普通だと思っていたのですが……」
「ああそれは、騎士と魔術師の違いだから気にしなくていいんだよ。それに、普段はあまり使っていないけれど、遠征では騎士達にだってポーション惜しみなく使っているからね」
そう言われて宿舎に戻ったが、ノアのアザだらけの背中が気になってしょうがない。
(確かに騎士達は魔術師よりも怪我をする事が多い。レイモンドもよくアザをつくっている。だが、あんなに酷いとは……)
そして色々考えた結果、自分がポーションを用意してノアに与えよう、という結論に至ったのだ。
(あれは私が負わせた怪我だし、早く連携を完成させるためにはもっと訓練を積まなければならないし、それならばポーションで体調を万全に整えた方がいい。そう、だからこの考えは正しい)
こうしてポーションを用意する事にしたのだが、自分で買って飲むという事がなかったので、詳しそうなレイモンドを頼る事にしたのだ。
レイモンドが案内してくれたのは、街の小さな薬屋だった。
「ここは店主が頑固者だが、常に質のいいポーションを販売している」
「そうか……」
大通りにある、騎士団にポーションを納めている大きな薬屋とは比べようもないほど小さく古い店だが、レイモンドが言うのならば信頼がおける。
扉を開けるとチリンチリンとベルが鳴り、真っ白な髪と髭の老人が店の奥から出て来て対応してくれた。
「打撲だったらこっちのポーションの方がいい。そもそも、切り傷、打撲、火傷等、違う症状を同じポーションで治そうとする考えが間違っている。最近の奴らはその辺の事がわかっていない。なんにでも効くポーションなんて、なんにも効かんのと同意だ」
(……なるほど、レイモンドが頑固者と言うのがわかる御仁だな。けれど、頼りになる)
勧められたポーションを10本購入しようとしたところ「試しもしないで一度に買うもんじゃない!」と叱られ、3本しか売ってもらえなさそうだったが、まあそんなところも信用できると納得した。そして、しょっちゅうは来られないのでと頼み込み、5本譲ってもらえる事になった。
「それでは5本お願いします。……レイモンド、何を見ているんだ?」
何かを手に取りジーッと見ているな、と声をかけると、レイモンドは「なんでもない!」と慌ててそれを棚に戻した。
「今日付き合ってくれた礼に、一緒に買おう」
そう言いながら見にいくと、それは、
「アメ玉か?」
この店の中でレイモンドが一番興味無さそうな、薄黄色のアメだった。
「ハチミツ入りの飴だ。喉の痛みに効く。あとまあ単純に、甘いから子供に人気があるな」
店主の言葉に、ピンとくるものがある。
(……あのお気に入りの子犬の事でも考えていたんだろうな。好きそうだものな、甘い物が)
団長の異名から、黒狼騎士団とも呼ばれる第三騎士団で、新人騎士はよく『子犬』とからかわれる。まあ、1~2ヶ月もすればそう呼ばれる事はなくなるが、ジョシュアは今も子犬呼ばわりされている。
(小さくて、寒くもないのにプルプル震えている感じがあるからな、彼は)
そんな事を思いながら袋を手に取ると、
「ちょっと見ていただけだ」
とレイモンドはそっぽむく。
「そうか? ……喉に良いのか……買っていこうかな」
「えっ?」
「最近訓練で大きな声で指示を出す事が多いから、喉に良いのはありがたい。レイモンドも、いつも大声で指導しているだろう? 試してみたらどうだ?」
「あー……確かに、そうだが……」
「じゃあ買おう。二袋でいいか?」
「いや、一袋で」
「礼だし、余るようだったら人にあげてもいいだろう? 私も二袋買う」
アメが5つ入った小さな袋を四つ棚から取り、ポーションと一緒に清算してもらって店を出る。
「せっかく街に出たんだ、食事してから帰ろう。礼がアメだけ、なんていうのもなんだし奢るよ」
「……じゃあ、酒も飲めるところがいい」
そう言いながらユージーンの手から荷物をヒョイと取り、街を歩き出したレイモンドに、ユージーンはクスリと笑った。
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