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第二章 この感情は、なんと言えばいいのだろう
22 ユージーン・フィンレイ
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「……クソ兄貴がっ」
彼のこの言葉を聞いた時、世界の色が一気に鮮明で、濃くなった気がしたのだ。
真冬の凍える冷たい空気が、春になり優しく暖かなものに変わり、呼吸しやすくなったような、そんな気がしたのだ。
ユージーン・フィンレイ、23歳。長い銀髪に紫の瞳を持つ、第三騎士団の魔術師ナンバー2の実力者だ。美しく整った容姿をしているので、多くの女性から熱い視線を集めてはいるが、ほとんどがその姿を観賞するだけで満足している。
『とても素敵だけれど、結婚相手にはねぇ』
『ご実家のフィンレイ侯爵家とは、絶縁状態なのでしょう?』
『第三騎士団から移動する事はないでしょうし』
『残念よねぇ』
ユージーン・フィンレイは、類い稀なる魔力の持ち主で、それを使いこなす能力も持ち合わせた天才だ。
通常18歳の成年を迎えてからでなければ所属する事のできない王国軍に16歳で、しかも、第一騎士団というエリート集団に配属されたのだ。将来はもう、保障されたようなものだった。しかし、一年も経たないうちに事件は起きてしまった。
『ウハナ荒野の惨劇』
そう名のついた事件。
普段、城内警護を担当している第一騎士団が、訓練の一環としてウハナ荒野で魔獣討伐を行った。その際、新人魔術師ユージーンの力をあてにし、他の騎士団を待たずに予定よりも深く入り込んた結果、想定外の魔獣と遭遇し、騎士の1/3が亡くなった。
明らかにそれは指揮官の判断ミスだったが、それを認めたくない上層部は、新人のユージーンのせいにした。
正式な調査で、ユージーンには何の咎も無い事は証明されていたが、『天才と言われて調子に乗った新人が原因らしい』という噂がまことしやかに囁かれ、それこそが事実のように語られた。
上位貴族の多い第一騎士団だ。父は家門を優先させて、一切抗議する事も庇う事も無く、それまで自慢にしていた息子を見捨てた。抗議しなかった見返りとして、次男のギルバートが第一騎士団に騎士として入団する事ができ、元々騎士家系のフィンレイ侯爵家にとっては、その方が益になると判断したのだ。
ユージーンは精神を病み、療養という名目で長期間病院に入院する事になった。
それから一年以上経ち、ユージーンに魔術の指導をした宮廷魔術師のエイダン・アローが彼を引き取り、第三騎士団団長のイーサン・ヴァレンタインに望まれ、共に第三騎士団へと所属を移した。ユージーンの名誉を回復しようとした事に対する嫌がらせの移動だったが、エイダンは「むしろ清々した」と笑った。
第三騎士団は魔獣討伐を主とする為、最初のうちは『ウハナ荒野の惨劇』を思い出し恐怖していたユージーンだったが、必要とされ、無我夢中で活動していくにつれ、再び自信を取り戻す事ができた。
無茶振りしてくる師匠、信頼できる団長、頼れる治療師、そして、同じ年齢のレイモンド・ヴァーツ。
彼は孤児院育ちで『ウハナ荒野の惨劇』の事など知らず、そして、気にもしなかったので、ユージーンとなんの偏見もなく付き合ってくれた。
これまで魔術の鍛錬ばかりで、友人と呼べるような存在もいなかったが、こういうのが友人というのだろうな、と思った。
そうして月日が経つにつれ、ユージーンの事を信頼してくれる同僚達も増えていった。
(……レイモンドは、この新人が好きらしいな)
第三騎士団に入団してきた、ジョシュア・パーシット、18歳。伯爵家の五男。金色のくせ毛で目が大きく、あまり背が高くなく華奢で、幼い容姿の彼を見る。
(これまで自分の訓練を優先して指導はあまり好まなかったのに、彼に対してはよく指導をしている)
最初はあまりにも弱くて苛立っていたようだが、一生懸命なところが気に入ったようだ。
そしてそのジョシュアといつも一緒にいる、同じく新人のノア・ヴァーツに対抗意識をもっているらしく、それでユージーンもノアの事をぼんやりとだが知っていた。
(新人の中では、一番の実力者だ。まあ、その割には存在感が無い。髪色は茶色だったような気がするが……顔は思い出せないな)
そんなノアの存在を、しっかりと認識した出来事。
それは、自分の兄がノアを第一騎士団に引き抜こうとし、ノアがそれを拒否した場面に出くわした事だ。
幼い頃から優秀で将来を期待されていたユージーンに対し、すぐ上の兄、ギルバートは劣等感を抱いていた。自分は第二騎士団に配属されたのに、ユージーンが第一騎士団に、しかも16歳という若さで配属された事には、激しく嫉妬していた。
それゆえ、ユージーンが第一騎士団を追われ、自分が第一騎士団に配属されてからは、色々嫌がらせをしてきた。
『知っているか? ユージーンは、騎士殺しという異名を付けられているんだぞ。このまま第三にいたら、殺されてしまうぞ』
詳しい事を知らない有望な騎士にそんな事を囁き、第一騎士団に引き抜くのもその嫌がらせの一つだ。
優秀な人材を自分の悪評を使って取られてしまう事に対し、ユージーンは悩み、団長に自分が第三騎士団を辞めると言った事もあるが『いや、結局希望し決断するのは本人だし、その辺の事はちゃんと第一の団長と話し合っているから気にするな。それより、お前がいなくなったらそれこそ第三が大変になるから辞めるな』と言われ、これまできていた。
(とは言っても、せっかくこちらで鍛え上げた騎士を取られるのは、大きな損失だ)
常々そう思っていたので、ギルバートがノアと接触しているのを見た時『またか』と思って魔法を使い、二人の会話を盗み聞きした。
そして、ノアの言葉を聞いたのだ。
「その『騎士殺し』というのは知っていますが……それって、嘘ですよね?」
(驚いた。てっきり、『そうなんですか? 知りませんでした。一緒に任務にあたるのは怖いです』と言われると思ったのに)
「ユージーン様がいなかったら全滅するところ、2/3も生き残れたんだから有難く思えばいいのに、保身の為に卑怯な噂を流しやがって」
(なぜ、そんな事を言ってくれるのだ?)
「ご安心下さい! まだまだ未熟ではありますが、フィンレイ様の弟君のユージーン様をお守りできるよう、最善を尽くします!」
(わからない……けれど……)
「……クソ兄貴がっ」
その言葉を聞いた時、ユージーンは無性に泣きたくなったのだ。
事件の事を詳しく知っている人や付き合いの長い人であれば、自分の事を理解してくれるのはわかる。
しかしノア・ヴァーツは、孤児院育ちの18歳だ。7年も前の事件の事など詳しく知らないだろうし、挨拶を交わす程度でまともに話した記憶もない。自分は顔さえも覚えていなかった。それなのに、なぜこんな事が言えるのだろう。
親しくもないのに、味方してくれたノア・ヴァーツ。
どうせまた怖がられ、嫌がられ、第一騎士団を希望するのだろうと思っていた。それなのに……。
「ノア・ヴァーツ……」
これまで意識した事がなく、顔もぼんやりとしか覚えていないその男の名を、ユージーンは魔法の呪文のように呟いたのだった。
彼のこの言葉を聞いた時、世界の色が一気に鮮明で、濃くなった気がしたのだ。
真冬の凍える冷たい空気が、春になり優しく暖かなものに変わり、呼吸しやすくなったような、そんな気がしたのだ。
ユージーン・フィンレイ、23歳。長い銀髪に紫の瞳を持つ、第三騎士団の魔術師ナンバー2の実力者だ。美しく整った容姿をしているので、多くの女性から熱い視線を集めてはいるが、ほとんどがその姿を観賞するだけで満足している。
『とても素敵だけれど、結婚相手にはねぇ』
『ご実家のフィンレイ侯爵家とは、絶縁状態なのでしょう?』
『第三騎士団から移動する事はないでしょうし』
『残念よねぇ』
ユージーン・フィンレイは、類い稀なる魔力の持ち主で、それを使いこなす能力も持ち合わせた天才だ。
通常18歳の成年を迎えてからでなければ所属する事のできない王国軍に16歳で、しかも、第一騎士団というエリート集団に配属されたのだ。将来はもう、保障されたようなものだった。しかし、一年も経たないうちに事件は起きてしまった。
『ウハナ荒野の惨劇』
そう名のついた事件。
普段、城内警護を担当している第一騎士団が、訓練の一環としてウハナ荒野で魔獣討伐を行った。その際、新人魔術師ユージーンの力をあてにし、他の騎士団を待たずに予定よりも深く入り込んた結果、想定外の魔獣と遭遇し、騎士の1/3が亡くなった。
明らかにそれは指揮官の判断ミスだったが、それを認めたくない上層部は、新人のユージーンのせいにした。
正式な調査で、ユージーンには何の咎も無い事は証明されていたが、『天才と言われて調子に乗った新人が原因らしい』という噂がまことしやかに囁かれ、それこそが事実のように語られた。
上位貴族の多い第一騎士団だ。父は家門を優先させて、一切抗議する事も庇う事も無く、それまで自慢にしていた息子を見捨てた。抗議しなかった見返りとして、次男のギルバートが第一騎士団に騎士として入団する事ができ、元々騎士家系のフィンレイ侯爵家にとっては、その方が益になると判断したのだ。
ユージーンは精神を病み、療養という名目で長期間病院に入院する事になった。
それから一年以上経ち、ユージーンに魔術の指導をした宮廷魔術師のエイダン・アローが彼を引き取り、第三騎士団団長のイーサン・ヴァレンタインに望まれ、共に第三騎士団へと所属を移した。ユージーンの名誉を回復しようとした事に対する嫌がらせの移動だったが、エイダンは「むしろ清々した」と笑った。
第三騎士団は魔獣討伐を主とする為、最初のうちは『ウハナ荒野の惨劇』を思い出し恐怖していたユージーンだったが、必要とされ、無我夢中で活動していくにつれ、再び自信を取り戻す事ができた。
無茶振りしてくる師匠、信頼できる団長、頼れる治療師、そして、同じ年齢のレイモンド・ヴァーツ。
彼は孤児院育ちで『ウハナ荒野の惨劇』の事など知らず、そして、気にもしなかったので、ユージーンとなんの偏見もなく付き合ってくれた。
これまで魔術の鍛錬ばかりで、友人と呼べるような存在もいなかったが、こういうのが友人というのだろうな、と思った。
そうして月日が経つにつれ、ユージーンの事を信頼してくれる同僚達も増えていった。
(……レイモンドは、この新人が好きらしいな)
第三騎士団に入団してきた、ジョシュア・パーシット、18歳。伯爵家の五男。金色のくせ毛で目が大きく、あまり背が高くなく華奢で、幼い容姿の彼を見る。
(これまで自分の訓練を優先して指導はあまり好まなかったのに、彼に対してはよく指導をしている)
最初はあまりにも弱くて苛立っていたようだが、一生懸命なところが気に入ったようだ。
そしてそのジョシュアといつも一緒にいる、同じく新人のノア・ヴァーツに対抗意識をもっているらしく、それでユージーンもノアの事をぼんやりとだが知っていた。
(新人の中では、一番の実力者だ。まあ、その割には存在感が無い。髪色は茶色だったような気がするが……顔は思い出せないな)
そんなノアの存在を、しっかりと認識した出来事。
それは、自分の兄がノアを第一騎士団に引き抜こうとし、ノアがそれを拒否した場面に出くわした事だ。
幼い頃から優秀で将来を期待されていたユージーンに対し、すぐ上の兄、ギルバートは劣等感を抱いていた。自分は第二騎士団に配属されたのに、ユージーンが第一騎士団に、しかも16歳という若さで配属された事には、激しく嫉妬していた。
それゆえ、ユージーンが第一騎士団を追われ、自分が第一騎士団に配属されてからは、色々嫌がらせをしてきた。
『知っているか? ユージーンは、騎士殺しという異名を付けられているんだぞ。このまま第三にいたら、殺されてしまうぞ』
詳しい事を知らない有望な騎士にそんな事を囁き、第一騎士団に引き抜くのもその嫌がらせの一つだ。
優秀な人材を自分の悪評を使って取られてしまう事に対し、ユージーンは悩み、団長に自分が第三騎士団を辞めると言った事もあるが『いや、結局希望し決断するのは本人だし、その辺の事はちゃんと第一の団長と話し合っているから気にするな。それより、お前がいなくなったらそれこそ第三が大変になるから辞めるな』と言われ、これまできていた。
(とは言っても、せっかくこちらで鍛え上げた騎士を取られるのは、大きな損失だ)
常々そう思っていたので、ギルバートがノアと接触しているのを見た時『またか』と思って魔法を使い、二人の会話を盗み聞きした。
そして、ノアの言葉を聞いたのだ。
「その『騎士殺し』というのは知っていますが……それって、嘘ですよね?」
(驚いた。てっきり、『そうなんですか? 知りませんでした。一緒に任務にあたるのは怖いです』と言われると思ったのに)
「ユージーン様がいなかったら全滅するところ、2/3も生き残れたんだから有難く思えばいいのに、保身の為に卑怯な噂を流しやがって」
(なぜ、そんな事を言ってくれるのだ?)
「ご安心下さい! まだまだ未熟ではありますが、フィンレイ様の弟君のユージーン様をお守りできるよう、最善を尽くします!」
(わからない……けれど……)
「……クソ兄貴がっ」
その言葉を聞いた時、ユージーンは無性に泣きたくなったのだ。
事件の事を詳しく知っている人や付き合いの長い人であれば、自分の事を理解してくれるのはわかる。
しかしノア・ヴァーツは、孤児院育ちの18歳だ。7年も前の事件の事など詳しく知らないだろうし、挨拶を交わす程度でまともに話した記憶もない。自分は顔さえも覚えていなかった。それなのに、なぜこんな事が言えるのだろう。
親しくもないのに、味方してくれたノア・ヴァーツ。
どうせまた怖がられ、嫌がられ、第一騎士団を希望するのだろうと思っていた。それなのに……。
「ノア・ヴァーツ……」
これまで意識した事がなく、顔もぼんやりとしか覚えていないその男の名を、ユージーンは魔法の呪文のように呟いたのだった。
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