14 / 79
第一章 姉の描いたBL漫画の中に来てしまったらしい
14 ユージーンを救うためには
しおりを挟む
目の前の状況が、受け入れられない。
嘘だ、という思いで見つめる。
耳鳴りがして、周りの声がよく聞こえない。
(ユージーンが、コカトリスに……)
焦ったように何か叫び指示を出しながら、ウィリアムがユージーンの顔を覗き込み、そして手を翳す。
(そう、そうだ。ウィリアムさんは怪我を治せる。大丈夫、大丈夫……)
ウィリアムに指示されその場を離れた治療師が、ポーションを抱えて戻ってきた。瓶の封を開け、ユージーンにかけている。一本、二本、三本。
四本目をかけようとしたところで、ウィリアムがその手を止め、首を横に振る。
(なんだ? 治ったのか? もう大丈夫なのか?)
ようやく足が動かせるようになり、ノアはカクンカクンと、人形が歩くかのように近づいて行って、ウィリアムの横に膝をついた。
「あの……ウィリアムさん、ユージーン様は……」
恐る恐る覗き込んだユージーンの顔は、期待したものではなかった。
ウィリアムが治癒し、ポーションもかけまくったのに、右の額から頬にかけて三本の大きな傷が走っている。そして、紫色に変色した肌が、明らかにまずい状態だという事を示している。
「コカトリスの毒のせいで治癒が阻害されている。ポーションの効き目も良くない。危険な状態だ」
「そ、んな……あの……どうすれば……何か、手が……」
「…………」
無言で顔をしかめるウィリアムに、心がざわつく。
「ウィリアム! っ?! ユージーン……」
状況確認にやってきたイーサンが顔を顰める。
「どうだ、ウィリアム」
「……難しいですね。コカトリスの毒が強すぎて、私の力も解毒ポーションもたいして効かない。力不足で申し訳ないです」
「いや、あのコカトリスは特殊個体で毒も普通より強いんだろう。大きさも通常より大きいし、色も違うしな」
(姉ちゃんっ!)
そうと決まったわけではないが、姉の趣味が反映された結果のような気がし、ノアはギリッと奥歯を噛んだ。
「とにかく、出来るだけの事はします」
「ああ、頼んだ。命の危険がある者は治療済みだから、他の治療師で大丈夫だ。お前はユージーンに注力してくれ」
「了解」
厳しい表情で話す二人の横で、ノアは必死に記憶を探っていた。
(漫画では、ユージーンは右目を失明しただけで命は取りとめた。けど今回は、コカトリスの毒のせいで命の危険もある。救おうとしてたのに、もっと酷い状態にしてどうすんだよ! ……駄目だ、絶対死なせない! 何か手は……)
『……聖女の力であれば、どうにかなったかもしれないですが……』
『あの場に聖女はいなかったのだから、しょうがない。まあいたとしても、許可が下りたかどうか……。今からでも治療を受ければ、どうにかなるものか?』
『いえ、時間が経ち過ぎているので無理でしょう』
「ああああっ!」
ふいに頭に浮かんだ場面に、ノアが声を上げた。
(そうだ! ユージーンが入院中、団長とウィリアムさんがそう話していた!)
「団長! 聖女です! 聖女様に治療してもらいましょう!」
顔を上げ、ノアは言った。
「聖女様なら、治す事ができるのでは!?」
「聖女? ……可能性はあるな。なんせ、この国で数人しかいない高位の癒し手だ」
「聖女というのは、一般の治療師では癒す事ができない、病をも治す力を持っている方の事を言うからね。しかし、第二王子殿下が許可下さるかどうか……それに、頼みたくても聖女様は第一騎士団の所だ」
「ユージーン様を連れて行く事は?」
「……難しいね。毒が体内に入っているからあまり動かしたくないんだ、毒が早くまわってしまうから。でもここで私が治療し続けたからといって、助けるのは難しいが……」
「なら! 俺が聖女様を連れて来ます!」
ノアの提案に、二人は顔を見合わせる。
「連れて来るって……本気か?」
「だってそれしか方法が無いのなら、そうするしかないですよね!」
「しかし……」
「きっと拒否されるだろう」
我が儘を言う子供をなだめすかすように言われたが、ノアは首を横に振った。
「頼んでみなきゃわからない! 何と言われようと、俺は行きますよ!」
「ノア……わかった、ちょっと待て!」
イーサンがそう言って一旦その場を離れる。そしてその間に、ウィリアムがポーション渡してきた。
「いいかい、回復ポーションだ。さっき一本飲んだから、本来ならあと一本。でも非常時だから、もう一本追加で飲んでいい。で、どうしてもの時はこれ」
ローブのポケットを探り、通常のポーションより一回り小さいビンを取り出した。
「私が作った特製ポーションだよ。でも、極力飲まないように。害は無いけれど、これ飲んだら2日くらい、物凄く身体が痛いからね。物凄くだよ! 緩和する方法は無いからね!」
それは、害が無いと言っていいものなのだろうかと疑問を持ちつつ、大切に受け取った。
「ノア! 待たせたな」
イーサンが何かを持って戻ってきた。
「聖女の派遣を依頼する依頼書だ。あまり役に立つとは思えないが、何も持たずに行くよりはいいだろう。あと、水と携帯食持ってけ」
「はいっ!」
渡された背負い袋にポーションも入れて肩に掛け、出発の前に一言声をかけようと見ると、ユージーンは地面に毛布に包まれ横になっていた。すぐ横にはレイモンド、そしてその後ろにはジョシュアの姿もある。
「あ! ノア!」
気づいたジョシュアに声をかけられ軽く頷いた後、レイモンドの反対側に膝をつき、ユージーンの手を握った。
(……冷たい……毒のせいか? 大丈夫なのか? 俺が聖女を連れて戻るまで……いや、大丈夫だ、絶対に!)
「ユージーン様、待ってて下さい。聖女様を連れて来ますから」
そう声をかけたが、残念ながら反応は何もなかった。その代わり、レイモンドとジョシュアが驚いたように声を上げる。
「聖女を連れてくるだと?」
「そんな事できるの?」
「出来る出来ないの問題じゃない。連れて来るんだ。それしか無い」
「待て! それなら俺も行く」
レイモンドはそう言ったが、ノアは首を横に振った。
「レイモンド様の怪我、結構酷いですよね。治療を受けてポーション飲んだと言っても」
「えっ?」
気づいていなかったジョシュアが驚き目を見開く。
「見た感じ、右腕、動かせないでしょう? 今の状態であれば、俺の方がまだ動けます。それに、さっきみたいに予期せぬ魔獣が出る可能性があります、レイモンド様はここでユージーン様を守って下さい。お願いします」
「…………わかった」
「じゃあ、俺、行きます」
もう一度、ユージーンの手をギュッと握ってから、ノアは第一騎士団の拠点を目指して出発した。
☆HOTランキング(女性向け)38位になりました。ありがとうございます!お気に入りも140超えて、本当に、読んで下さる皆様のおかげです。本日ももう一話、昼頃に更新しますので、よろしくお願いいたします。
嘘だ、という思いで見つめる。
耳鳴りがして、周りの声がよく聞こえない。
(ユージーンが、コカトリスに……)
焦ったように何か叫び指示を出しながら、ウィリアムがユージーンの顔を覗き込み、そして手を翳す。
(そう、そうだ。ウィリアムさんは怪我を治せる。大丈夫、大丈夫……)
ウィリアムに指示されその場を離れた治療師が、ポーションを抱えて戻ってきた。瓶の封を開け、ユージーンにかけている。一本、二本、三本。
四本目をかけようとしたところで、ウィリアムがその手を止め、首を横に振る。
(なんだ? 治ったのか? もう大丈夫なのか?)
ようやく足が動かせるようになり、ノアはカクンカクンと、人形が歩くかのように近づいて行って、ウィリアムの横に膝をついた。
「あの……ウィリアムさん、ユージーン様は……」
恐る恐る覗き込んだユージーンの顔は、期待したものではなかった。
ウィリアムが治癒し、ポーションもかけまくったのに、右の額から頬にかけて三本の大きな傷が走っている。そして、紫色に変色した肌が、明らかにまずい状態だという事を示している。
「コカトリスの毒のせいで治癒が阻害されている。ポーションの効き目も良くない。危険な状態だ」
「そ、んな……あの……どうすれば……何か、手が……」
「…………」
無言で顔をしかめるウィリアムに、心がざわつく。
「ウィリアム! っ?! ユージーン……」
状況確認にやってきたイーサンが顔を顰める。
「どうだ、ウィリアム」
「……難しいですね。コカトリスの毒が強すぎて、私の力も解毒ポーションもたいして効かない。力不足で申し訳ないです」
「いや、あのコカトリスは特殊個体で毒も普通より強いんだろう。大きさも通常より大きいし、色も違うしな」
(姉ちゃんっ!)
そうと決まったわけではないが、姉の趣味が反映された結果のような気がし、ノアはギリッと奥歯を噛んだ。
「とにかく、出来るだけの事はします」
「ああ、頼んだ。命の危険がある者は治療済みだから、他の治療師で大丈夫だ。お前はユージーンに注力してくれ」
「了解」
厳しい表情で話す二人の横で、ノアは必死に記憶を探っていた。
(漫画では、ユージーンは右目を失明しただけで命は取りとめた。けど今回は、コカトリスの毒のせいで命の危険もある。救おうとしてたのに、もっと酷い状態にしてどうすんだよ! ……駄目だ、絶対死なせない! 何か手は……)
『……聖女の力であれば、どうにかなったかもしれないですが……』
『あの場に聖女はいなかったのだから、しょうがない。まあいたとしても、許可が下りたかどうか……。今からでも治療を受ければ、どうにかなるものか?』
『いえ、時間が経ち過ぎているので無理でしょう』
「ああああっ!」
ふいに頭に浮かんだ場面に、ノアが声を上げた。
(そうだ! ユージーンが入院中、団長とウィリアムさんがそう話していた!)
「団長! 聖女です! 聖女様に治療してもらいましょう!」
顔を上げ、ノアは言った。
「聖女様なら、治す事ができるのでは!?」
「聖女? ……可能性はあるな。なんせ、この国で数人しかいない高位の癒し手だ」
「聖女というのは、一般の治療師では癒す事ができない、病をも治す力を持っている方の事を言うからね。しかし、第二王子殿下が許可下さるかどうか……それに、頼みたくても聖女様は第一騎士団の所だ」
「ユージーン様を連れて行く事は?」
「……難しいね。毒が体内に入っているからあまり動かしたくないんだ、毒が早くまわってしまうから。でもここで私が治療し続けたからといって、助けるのは難しいが……」
「なら! 俺が聖女様を連れて来ます!」
ノアの提案に、二人は顔を見合わせる。
「連れて来るって……本気か?」
「だってそれしか方法が無いのなら、そうするしかないですよね!」
「しかし……」
「きっと拒否されるだろう」
我が儘を言う子供をなだめすかすように言われたが、ノアは首を横に振った。
「頼んでみなきゃわからない! 何と言われようと、俺は行きますよ!」
「ノア……わかった、ちょっと待て!」
イーサンがそう言って一旦その場を離れる。そしてその間に、ウィリアムがポーション渡してきた。
「いいかい、回復ポーションだ。さっき一本飲んだから、本来ならあと一本。でも非常時だから、もう一本追加で飲んでいい。で、どうしてもの時はこれ」
ローブのポケットを探り、通常のポーションより一回り小さいビンを取り出した。
「私が作った特製ポーションだよ。でも、極力飲まないように。害は無いけれど、これ飲んだら2日くらい、物凄く身体が痛いからね。物凄くだよ! 緩和する方法は無いからね!」
それは、害が無いと言っていいものなのだろうかと疑問を持ちつつ、大切に受け取った。
「ノア! 待たせたな」
イーサンが何かを持って戻ってきた。
「聖女の派遣を依頼する依頼書だ。あまり役に立つとは思えないが、何も持たずに行くよりはいいだろう。あと、水と携帯食持ってけ」
「はいっ!」
渡された背負い袋にポーションも入れて肩に掛け、出発の前に一言声をかけようと見ると、ユージーンは地面に毛布に包まれ横になっていた。すぐ横にはレイモンド、そしてその後ろにはジョシュアの姿もある。
「あ! ノア!」
気づいたジョシュアに声をかけられ軽く頷いた後、レイモンドの反対側に膝をつき、ユージーンの手を握った。
(……冷たい……毒のせいか? 大丈夫なのか? 俺が聖女を連れて戻るまで……いや、大丈夫だ、絶対に!)
「ユージーン様、待ってて下さい。聖女様を連れて来ますから」
そう声をかけたが、残念ながら反応は何もなかった。その代わり、レイモンドとジョシュアが驚いたように声を上げる。
「聖女を連れてくるだと?」
「そんな事できるの?」
「出来る出来ないの問題じゃない。連れて来るんだ。それしか無い」
「待て! それなら俺も行く」
レイモンドはそう言ったが、ノアは首を横に振った。
「レイモンド様の怪我、結構酷いですよね。治療を受けてポーション飲んだと言っても」
「えっ?」
気づいていなかったジョシュアが驚き目を見開く。
「見た感じ、右腕、動かせないでしょう? 今の状態であれば、俺の方がまだ動けます。それに、さっきみたいに予期せぬ魔獣が出る可能性があります、レイモンド様はここでユージーン様を守って下さい。お願いします」
「…………わかった」
「じゃあ、俺、行きます」
もう一度、ユージーンの手をギュッと握ってから、ノアは第一騎士団の拠点を目指して出発した。
☆HOTランキング(女性向け)38位になりました。ありがとうございます!お気に入りも140超えて、本当に、読んで下さる皆様のおかげです。本日ももう一話、昼頃に更新しますので、よろしくお願いいたします。
561
お気に入りに追加
1,605
あなたにおすすめの小説
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる