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第一章 姉の描いたBL漫画の中に来てしまったらしい
4 とりあえず大丈夫そう
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ノア・ヴァーツ(18)は第三騎士団の新人騎士だ。それも、若手の中で腕の立つ方だ。
(漫画の中であまり出番はない。時々ジョシュアの横にいるだけのモブなのに結構強いとか、いらない設定だぜ。ユージーンとの事どうこうの前に『なんか弱くなった!?』なんて言われて騎士団を追い出される事にならないといいけど。騎士じゃなくなれば自然とユージーンとの接点はなくなるけど、生活手段もなくなるからな)
そう心配していたが、いざ剣を握ってみると自然に身体が動き、長距離走も問題なくついて行けるしでホッとした。
「すっかり……ハァ、大丈夫、ハァ、そう……だね」
「ああ、心配かけたな」
訓練場を10周走った後でもほとんど息が乱れていないノアに、顔を赤くしてゼイゼイ苦しそうに息をしながらジョシュアが声をかける。
「ハァ、苦し……ノア、凄いね」
「まあ俺は、お前と違って頭が悪いからな。身体使う方で頑張らないと」
「え?」
「ジョシュアは冷静で、状況をきちんと判断できる。俺はそうはできないからさ」
「僕なんて全然そんな」
「謙遜するなよ。ジョシュアが弱点知ってたおかげで討伐できた魔獣多いじゃん」
「ノア……ありがとう」
照れたように笑いながらそう言うジョシュアに笑い返したノアは、その直後、ゾクッとして慌てて辺りを見回した。
(おうぅ……レイモンドがすっげー表情でコッチ見てる……こわっ)
「再開する! 剣を持って並べ!」
丁度良く剣の訓練が始まるようで、ノアは、いいタイミング、と思いつつ準備をした。
(この頃のレイモンドは、まだジョシュアへの恋心をちゃんと認めていないから、ジョシュアと誰かが話ているだけで、イライラ、ピリピリ、でも自分でもどうしてかわからないって状態なんだよな。迷惑だぜ、全く)
心なしか、他の騎士達よりキツくあたられているような訓練がようやく終わり、ノアは片付けを済ませて宿舎へ向かった。
ちなみにジョシュアは居残りで、レイモンドのありがたい指導を受けている。
待っていてやろうかとも思ったが、それこそレイモンドの誤解を招きそうなので先に引き上げる事にした。
(とりあえず、騎士としてどうにかやっていけそうで良かった。でも魔物討伐に行くのは怖いなぁ……はぁ……金貯めて一刻も早く辞めないと……)
「オイ、そこのヤツ」
「はい?」
声をかけられ足を止めたノアは、銀色短髪の騎士服の男を見てすぐに敬礼をした。
「フィンレイ様!」
(すげー、ちゃんと誰かわかる。ノアの記憶がしっかりわかるってのは有難いな。で、こいつは第一騎士団のギルバート・フィンレイ。ユージーンの事を嫌っている兄貴だな)
「お前、ノア・ヴァーツだろう?」
「はっ!」
ユージーンと同じ銀の髪に紫の瞳で整った容姿だが、狡そうな薄笑いを浮かべていて、造りは似ているのにユージーンとは全く違うと感じられるその顔に、嫌悪感を抱きながらも返事をする。
「お前、なかなかの実力だそうじゃないか」
「いえっ! まだまだ未熟で鍛錬が必要な身です!」
「フッ、謙遜しなくていい。……どうだ? 俺から団長に進言して、お前を第一騎士団に呼んでやろうか?」
「第一騎士団に、ですか?」
「ああ」
嬉しくないはずがない、というような顔に内心イラッとするが、表情には出さずに『ありがとうございます!』と答える。
「ですが、第一騎士団に私は、実力も身分も相応しくありません!」
「ん? ああ、ヴァーツ、か」
ヴァーツの姓を名乗るのは、ヴァーツ孤児院の出身者だ。ほとんどが上位貴族の子息達の第一騎士団には異質だろう。
「気にするな。力があればそれでいい」
確かに、少数だが実力のある者は身分に関係なく所属しているが、いくら有望とはいえ、ノアの力はまだまだ発展途中だ。
「有難いお言葉ですが、私は第三騎士団に入れた事を誇りに思っておりますので、ここで力を付けたいと思っております」
「成程、立派な考えだ。しかし、お前はわかっているのか? 第三は第一に比べて危険な任務が多い。それに、第三の魔術師、ユージーン・フィンレイは『騎士殺し』の異名を持つ魔術師だぞ?」
ニヤニヤと笑い、愉快そうに言うその悪意のこもった言葉に、表情を変えないようにしていたノアの目元がピクリと動いた。漫画からの知識で、出来の良い弟に嫉妬しているのは知っているが、
(クソだな、こいつ)
その感情は出さないように気を付けながら、ノアは『えーと……』と困惑した表情をつくって言った。
「その『騎士殺し』というのは知っていますが……それって、嘘ですよね?」
「嘘?」
「はい。ユージーン様が異例の若さで第一騎士団に配属された時の遠征で、ユージーン様が原因で多くの死者、負傷者が出てそう呼ばれるようになったという」
「そうだ、知っているじゃ」
「でもそれ、おかしいですもんね」
ギルバートの声が聞こえなかったふりをして、言葉を被せる。
「第一騎士団の騎士ともあろう方々が、入りたての魔術師一人のせいでどうこうなるわけないですもんね。魔術師だって他に何人もいたでしょうし」
「それは、あいつが自分の力を過信して、引き際を誤ったせいで」
「成人前の新人魔術師に、進退を決める権限があるわけがない。あれは、強力な魔力を持つユージーン様の力をあてにして調子に乗った上の連中が、手柄欲しさに通常なら合同であたらなければならない作戦を、応援部隊の到着を待たずに進めてしまったんだ。ユージーン様がいなかったら全滅するところ、2/3も生き残れたんだから有難く思えばいいのに、保身の為に卑怯な噂を流しやがって……って、申し訳ございません、言い過ぎました!」
ちょっと嫌味を言ってやろうと思っただけだったのに、途中からムカついてきて言うべきではなかった事まで言ってしまった。
「えーと……フィンレイ様は、その出来事の後に第一騎士団になられたのですよね?」
「あ、ああ」
「はー、良かった……申し訳ございませんでした。つい感情的になってしまいました! もちろんその後の第一騎士団は素晴らしいでしょう! 私もいつか自分の力で第一騎士団に配属されるよう努力致します! ハッ! もしやフィンレイ様は、その出来事をきっかけに第三騎士団に配置換えされた弟君、ユージーン様の事を心配されて、私をお試しに?」
「はっ? あ、いや、その……」
「ご安心下さい! まだまだ未熟ではありますが、フィンレイ様の弟君のユージーン様をお守りできるよう、最善を尽くします!」
「あ、ああ……まあ、今後も精進するように」
「はっ!」
気まずそうな表情で去っていくギルバート・フィンレイの背中が遠ざかるのを確認し、敬礼の姿勢を戻して「……クソ兄貴がっ」と暴言を呟いた時、
「ノ~ア~」
明るい声で手を振りながら、嬉しそうにジョシュアが駆けてくる。
「どーしたのー? 先に帰ったのに。あっ! もしかして僕の事待っててくれたのー?」
「いや、ちょっと第一の人に捕まっちゃって……げっ」
訓練でヘトヘトの為、歩くのとあまり変わらない速度でポテポテ走ってくるジョシュアの後ろに、物凄く不機嫌そうな青狼の姿を確認したノアは、慌ててジョシュアに手を振った。
「俺! トイレ! 先行く! お前はゆっくり来い!」
(誤解! 誤解だから! ジョシュアの事狙ってなんかないから! レイモンド、お前のライバルになんて絶対ならないから!)
危機感を覚えたノアは、全速力でその場を離れた。
(漫画の中であまり出番はない。時々ジョシュアの横にいるだけのモブなのに結構強いとか、いらない設定だぜ。ユージーンとの事どうこうの前に『なんか弱くなった!?』なんて言われて騎士団を追い出される事にならないといいけど。騎士じゃなくなれば自然とユージーンとの接点はなくなるけど、生活手段もなくなるからな)
そう心配していたが、いざ剣を握ってみると自然に身体が動き、長距離走も問題なくついて行けるしでホッとした。
「すっかり……ハァ、大丈夫、ハァ、そう……だね」
「ああ、心配かけたな」
訓練場を10周走った後でもほとんど息が乱れていないノアに、顔を赤くしてゼイゼイ苦しそうに息をしながらジョシュアが声をかける。
「ハァ、苦し……ノア、凄いね」
「まあ俺は、お前と違って頭が悪いからな。身体使う方で頑張らないと」
「え?」
「ジョシュアは冷静で、状況をきちんと判断できる。俺はそうはできないからさ」
「僕なんて全然そんな」
「謙遜するなよ。ジョシュアが弱点知ってたおかげで討伐できた魔獣多いじゃん」
「ノア……ありがとう」
照れたように笑いながらそう言うジョシュアに笑い返したノアは、その直後、ゾクッとして慌てて辺りを見回した。
(おうぅ……レイモンドがすっげー表情でコッチ見てる……こわっ)
「再開する! 剣を持って並べ!」
丁度良く剣の訓練が始まるようで、ノアは、いいタイミング、と思いつつ準備をした。
(この頃のレイモンドは、まだジョシュアへの恋心をちゃんと認めていないから、ジョシュアと誰かが話ているだけで、イライラ、ピリピリ、でも自分でもどうしてかわからないって状態なんだよな。迷惑だぜ、全く)
心なしか、他の騎士達よりキツくあたられているような訓練がようやく終わり、ノアは片付けを済ませて宿舎へ向かった。
ちなみにジョシュアは居残りで、レイモンドのありがたい指導を受けている。
待っていてやろうかとも思ったが、それこそレイモンドの誤解を招きそうなので先に引き上げる事にした。
(とりあえず、騎士としてどうにかやっていけそうで良かった。でも魔物討伐に行くのは怖いなぁ……はぁ……金貯めて一刻も早く辞めないと……)
「オイ、そこのヤツ」
「はい?」
声をかけられ足を止めたノアは、銀色短髪の騎士服の男を見てすぐに敬礼をした。
「フィンレイ様!」
(すげー、ちゃんと誰かわかる。ノアの記憶がしっかりわかるってのは有難いな。で、こいつは第一騎士団のギルバート・フィンレイ。ユージーンの事を嫌っている兄貴だな)
「お前、ノア・ヴァーツだろう?」
「はっ!」
ユージーンと同じ銀の髪に紫の瞳で整った容姿だが、狡そうな薄笑いを浮かべていて、造りは似ているのにユージーンとは全く違うと感じられるその顔に、嫌悪感を抱きながらも返事をする。
「お前、なかなかの実力だそうじゃないか」
「いえっ! まだまだ未熟で鍛錬が必要な身です!」
「フッ、謙遜しなくていい。……どうだ? 俺から団長に進言して、お前を第一騎士団に呼んでやろうか?」
「第一騎士団に、ですか?」
「ああ」
嬉しくないはずがない、というような顔に内心イラッとするが、表情には出さずに『ありがとうございます!』と答える。
「ですが、第一騎士団に私は、実力も身分も相応しくありません!」
「ん? ああ、ヴァーツ、か」
ヴァーツの姓を名乗るのは、ヴァーツ孤児院の出身者だ。ほとんどが上位貴族の子息達の第一騎士団には異質だろう。
「気にするな。力があればそれでいい」
確かに、少数だが実力のある者は身分に関係なく所属しているが、いくら有望とはいえ、ノアの力はまだまだ発展途中だ。
「有難いお言葉ですが、私は第三騎士団に入れた事を誇りに思っておりますので、ここで力を付けたいと思っております」
「成程、立派な考えだ。しかし、お前はわかっているのか? 第三は第一に比べて危険な任務が多い。それに、第三の魔術師、ユージーン・フィンレイは『騎士殺し』の異名を持つ魔術師だぞ?」
ニヤニヤと笑い、愉快そうに言うその悪意のこもった言葉に、表情を変えないようにしていたノアの目元がピクリと動いた。漫画からの知識で、出来の良い弟に嫉妬しているのは知っているが、
(クソだな、こいつ)
その感情は出さないように気を付けながら、ノアは『えーと……』と困惑した表情をつくって言った。
「その『騎士殺し』というのは知っていますが……それって、嘘ですよね?」
「嘘?」
「はい。ユージーン様が異例の若さで第一騎士団に配属された時の遠征で、ユージーン様が原因で多くの死者、負傷者が出てそう呼ばれるようになったという」
「そうだ、知っているじゃ」
「でもそれ、おかしいですもんね」
ギルバートの声が聞こえなかったふりをして、言葉を被せる。
「第一騎士団の騎士ともあろう方々が、入りたての魔術師一人のせいでどうこうなるわけないですもんね。魔術師だって他に何人もいたでしょうし」
「それは、あいつが自分の力を過信して、引き際を誤ったせいで」
「成人前の新人魔術師に、進退を決める権限があるわけがない。あれは、強力な魔力を持つユージーン様の力をあてにして調子に乗った上の連中が、手柄欲しさに通常なら合同であたらなければならない作戦を、応援部隊の到着を待たずに進めてしまったんだ。ユージーン様がいなかったら全滅するところ、2/3も生き残れたんだから有難く思えばいいのに、保身の為に卑怯な噂を流しやがって……って、申し訳ございません、言い過ぎました!」
ちょっと嫌味を言ってやろうと思っただけだったのに、途中からムカついてきて言うべきではなかった事まで言ってしまった。
「えーと……フィンレイ様は、その出来事の後に第一騎士団になられたのですよね?」
「あ、ああ」
「はー、良かった……申し訳ございませんでした。つい感情的になってしまいました! もちろんその後の第一騎士団は素晴らしいでしょう! 私もいつか自分の力で第一騎士団に配属されるよう努力致します! ハッ! もしやフィンレイ様は、その出来事をきっかけに第三騎士団に配置換えされた弟君、ユージーン様の事を心配されて、私をお試しに?」
「はっ? あ、いや、その……」
「ご安心下さい! まだまだ未熟ではありますが、フィンレイ様の弟君のユージーン様をお守りできるよう、最善を尽くします!」
「あ、ああ……まあ、今後も精進するように」
「はっ!」
気まずそうな表情で去っていくギルバート・フィンレイの背中が遠ざかるのを確認し、敬礼の姿勢を戻して「……クソ兄貴がっ」と暴言を呟いた時、
「ノ~ア~」
明るい声で手を振りながら、嬉しそうにジョシュアが駆けてくる。
「どーしたのー? 先に帰ったのに。あっ! もしかして僕の事待っててくれたのー?」
「いや、ちょっと第一の人に捕まっちゃって……げっ」
訓練でヘトヘトの為、歩くのとあまり変わらない速度でポテポテ走ってくるジョシュアの後ろに、物凄く不機嫌そうな青狼の姿を確認したノアは、慌ててジョシュアに手を振った。
「俺! トイレ! 先行く! お前はゆっくり来い!」
(誤解! 誤解だから! ジョシュアの事狙ってなんかないから! レイモンド、お前のライバルになんて絶対ならないから!)
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