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第四章
心配しているんです
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提出されたが不備のある書類を持って、各委員会やクラブをまわる。
「失礼しまーす、生徒会です。書類の修正の依頼で参りました」
リアムが元気に扉を叩くと、中から顔を出した男子生徒が『うわー』と呻き声を上げた。
「またかー、今回は大丈夫だと思ったのにー! 悪いな、いつもいつもいつも。すぐ直すよ」
「お願いします。では、直したら生徒会室の方へ」
「頼むっ! 今すぐ直すから持っていってくれ!」
「あー……すみませんが、まだまわらなきゃいけない所がたくさんあって……」
「そこをなんとかっ! 生徒会室行ったらテオールに絶対怒られる! ホントに急いで直すから、どうかどうかどうかっ!」
「う~……じゃあ」
上級生に頼みこまれて困ったように自分を見るリアムに、ルークは頷いてみせた。
「私がここで待ちます」
「それじゃあ僕は先に行ってるから」
「はい」
こういう事がちょくちょくあるので、いつも二人一緒に訪問しているのだ。
「助かる~、ありがとな。じゃあ、すぐ直すよ」
こうして二手に別れ、訂正された書類をもらったルークは、リアムの後を追ったのだが、
「ルークさん?」
可愛らしい声で名前を呼ばれ、ルークは後ろを振り返った。
「あ! やっぱりルークさんだ。後ろ姿だったから、間違えてたらどうしようかと思っちゃいました」
ピンク色の髪を揺らして嬉しそうに駆け寄ってくる女性に、ルークは顔を顰めそうになるのをどうにか堪えた。
「ルチア・ローズです。お話しするのは、初めてですね」
「………… 」
首をちょっと傾げて笑顔で挨拶するルチアに、無言のまま頭を下げる。
「ルークさんとは以前から、お話ししてみたいなーって思っていたんです。だけどいつも、エリザベート様がご一緒だったから……エリザベート様はわたしの事、お嫌いなようだから……」
しょんぼりとした表情で言うルチアに対し『あたり前だろう』という感情しかないルークは、もう一度ペコリと頭を下げてその場を立ち去ろうとしたが、
「あーん、待って下さい」
いきなり手を掴まれてしまった。
「なんかー、最近ルークさん、元気が無いような感じがして気になっていたんです。どうかしたんですか?」
「…………」
「あっ! もしかして、エリザベート様から、わたしと話す事を禁じられているんですか? それだったらごめんなさい」
「…………」
「やっぱりそうなんだぁ。厳しい方ですもんね、エリザベート様って」
「いえ、そのような事は」
「そうですか? 良かった~」
思わず反論の為に口を開いてしまった事を後悔するが、ルチアはニコニコと笑顔で、ルークの腕にキュッと抱きついて顔を近づけてきた。
「ルークさん、大丈夫ですか?」
「な、にが、でしょうか……」
戸惑い、抱きつかれている腕を引くが、ルチアもくっついてきてしまう。
「聞きました。ルークさんは奴隷としてエリザベート様に買われたって。エリザベート様はご主人様だから、どんな事をされても、言われた通りにするしかないのでしょう? それって……辛いですよね……」
「別に私は辛くなんて」
「奴隷は主人に従うように、従属の契約をさせられるって……だから、嫌な事も嫌だと感じないそうですよ。自分の感情を操作されちゃうんですって。ルークさんも、そうなのかなって心配で」
「そんな事ありません。あの、もう行かなければならないので放してもらえませんか」
「エリザベート様って、完璧な方じゃないですか」
ルークの言葉を無視し、ルチアは話を続ける。
「美人だし、頭もいいし、ダンスも上手で、お家は公爵家でお金持ちでしょう?」
「そうですが……それが、なにか」
「完璧だから、他の人にも厳しいじゃないですか~」
「いえ! 決してそんな事は」
「えーだってー、レオン様が言ってましたよ? 冷たくて、思いやりが無いって。レオン様がいくら頑張っても、そんなの当たり前、王になるのだからもっともっと努力しないといけないって言うんですって。酷くないですか? ルークさんも、そうなんでしょう?」
「そんな事ありません! エリザベート様はいつも優しくて」
「あ! レオン様で失敗したからルークさんには優しくしているのかしら。そうだわ! きっとそう! 公爵令嬢のあの人が、あえて獣人のルークさんを買って学園に連れて来ているのも、自分の評判を良くしたいからでしょうから」
「なに言って」
「だーって、これまでのエリザベート様からは考えられないんですもの。ちょっとレオン様と話しただけで、すっごく怒ってきたんですよ。怖くてわたし、泣いちゃいましたもん」
「それは貴女が、エリザベート様の婚約者なのに王太子様を」
「本当にちょっとお話ししただけです。エリザベート様は大袈裟に言ってるんですよ。ルチアの事、悪者にしようとして」
「…………」
何を言っても無駄、とは、こういう事かと思う。
「……あれ? やだ、怒っちゃいました? でもわたし、本当に心配してるんですよ、ルークさんの事。エリザベート様に騙されて、いい様に使われているじゃないですか。わたしなら絶対にそんな事」
「なにしているんですか!」
突然声が響き、驚いて声の方を見ると、早足でやってくるリアムの姿が見えた。
「やだ、リアム様、そんな怖いお顔して。別に、ちょっとお話ししていただけですよー」
「こんな、彼が逃げられないように腕を絡めてですか?」
「えー、別にそんなつもりじゃないですけど?」
「それなら手を放して下さい。僕ら、生徒会の仕事中なんです。貴女も王太子妃教育で忙しいはずでは? 王太子妃になるつもりなら、ちゃんと勉強した方がいいですよ。さあ行こう、ルーク」
「は、はい」
二人はその場を離れようとしたが、
「わたし、リアム様の事も心配してたんですよ?」
「はっ?」
明るい声に、リアムが眉間に皺を寄せてルチアを振り返った。
「だってぇ、ヴィクトリア様と婚約しちゃったじゃないですか」
「それが何か?」
「ヴィクトリア様って、我が儘で気が強くで手に負えないでしょう?」
「はっ? そんな事ないけど?」
不快感を隠さずに睨むリアム。
「えーでもー、オリバー様が言ってましたよ? 父親であるアメジスタ侯爵様が溺愛してなんでも願いを聞き入れちゃうから、ヴィクトリア様は我が儘でこらえ性がなくて困るって。オリバー様が思い通りにならないから、婚約を解消して、なんでもいう事を聞いてくれるリアム様に乗り換えたのでしょう?」
「なにわけわかんない事言ってる? 兄上の事たぶらかして、ヴィヴィちゃんの事酷い目に遭わせたのは君でしょう?」
「酷いっ! 物を隠されたり水をかけられたり、嫌がらせを受けたのはわたしなのに! リアム様はヴィクトリア様の言う事を信じて、わたしの話は信じてくれないんですね。わたしはただ、リアム様が騙されて、いいように利用されているのに気づいていないから、心配しただけなのに……」
そう言うルチアの瞳が潤み涙が溢れだした。
「オリバー様も、お可哀そう。ヴィクトリア様に悪者扱いされて、一方的に婚約破棄されて……。しかも、弟君のリアム様までヴィクトリア様に言いくるめられて、オリバー様と仲違いしてしまったのでしょう? わたしなら、兄弟の仲を悪くするような事はとてもじゃないけどできない」
「そこにいたか、リアム・カーネリアン、ルーク・ゴールド」
ルチアの言葉を、男性の声が遮った。
「あ、オニキス先生!」
頭を下げて挨拶する三人の前にやってきたザカリーは、低い声で言った。
「二人がなかなか戻って来ないと、生徒会役員達が困っていたぞ」
「あ! そうだ、早く戻らなきゃ! 行こう、ルーク」
「はい!」
ザカリーに助けられ、ようやく二人はその場を後にすることができた。
「失礼しまーす、生徒会です。書類の修正の依頼で参りました」
リアムが元気に扉を叩くと、中から顔を出した男子生徒が『うわー』と呻き声を上げた。
「またかー、今回は大丈夫だと思ったのにー! 悪いな、いつもいつもいつも。すぐ直すよ」
「お願いします。では、直したら生徒会室の方へ」
「頼むっ! 今すぐ直すから持っていってくれ!」
「あー……すみませんが、まだまわらなきゃいけない所がたくさんあって……」
「そこをなんとかっ! 生徒会室行ったらテオールに絶対怒られる! ホントに急いで直すから、どうかどうかどうかっ!」
「う~……じゃあ」
上級生に頼みこまれて困ったように自分を見るリアムに、ルークは頷いてみせた。
「私がここで待ちます」
「それじゃあ僕は先に行ってるから」
「はい」
こういう事がちょくちょくあるので、いつも二人一緒に訪問しているのだ。
「助かる~、ありがとな。じゃあ、すぐ直すよ」
こうして二手に別れ、訂正された書類をもらったルークは、リアムの後を追ったのだが、
「ルークさん?」
可愛らしい声で名前を呼ばれ、ルークは後ろを振り返った。
「あ! やっぱりルークさんだ。後ろ姿だったから、間違えてたらどうしようかと思っちゃいました」
ピンク色の髪を揺らして嬉しそうに駆け寄ってくる女性に、ルークは顔を顰めそうになるのをどうにか堪えた。
「ルチア・ローズです。お話しするのは、初めてですね」
「………… 」
首をちょっと傾げて笑顔で挨拶するルチアに、無言のまま頭を下げる。
「ルークさんとは以前から、お話ししてみたいなーって思っていたんです。だけどいつも、エリザベート様がご一緒だったから……エリザベート様はわたしの事、お嫌いなようだから……」
しょんぼりとした表情で言うルチアに対し『あたり前だろう』という感情しかないルークは、もう一度ペコリと頭を下げてその場を立ち去ろうとしたが、
「あーん、待って下さい」
いきなり手を掴まれてしまった。
「なんかー、最近ルークさん、元気が無いような感じがして気になっていたんです。どうかしたんですか?」
「…………」
「あっ! もしかして、エリザベート様から、わたしと話す事を禁じられているんですか? それだったらごめんなさい」
「…………」
「やっぱりそうなんだぁ。厳しい方ですもんね、エリザベート様って」
「いえ、そのような事は」
「そうですか? 良かった~」
思わず反論の為に口を開いてしまった事を後悔するが、ルチアはニコニコと笑顔で、ルークの腕にキュッと抱きついて顔を近づけてきた。
「ルークさん、大丈夫ですか?」
「な、にが、でしょうか……」
戸惑い、抱きつかれている腕を引くが、ルチアもくっついてきてしまう。
「聞きました。ルークさんは奴隷としてエリザベート様に買われたって。エリザベート様はご主人様だから、どんな事をされても、言われた通りにするしかないのでしょう? それって……辛いですよね……」
「別に私は辛くなんて」
「奴隷は主人に従うように、従属の契約をさせられるって……だから、嫌な事も嫌だと感じないそうですよ。自分の感情を操作されちゃうんですって。ルークさんも、そうなのかなって心配で」
「そんな事ありません。あの、もう行かなければならないので放してもらえませんか」
「エリザベート様って、完璧な方じゃないですか」
ルークの言葉を無視し、ルチアは話を続ける。
「美人だし、頭もいいし、ダンスも上手で、お家は公爵家でお金持ちでしょう?」
「そうですが……それが、なにか」
「完璧だから、他の人にも厳しいじゃないですか~」
「いえ! 決してそんな事は」
「えーだってー、レオン様が言ってましたよ? 冷たくて、思いやりが無いって。レオン様がいくら頑張っても、そんなの当たり前、王になるのだからもっともっと努力しないといけないって言うんですって。酷くないですか? ルークさんも、そうなんでしょう?」
「そんな事ありません! エリザベート様はいつも優しくて」
「あ! レオン様で失敗したからルークさんには優しくしているのかしら。そうだわ! きっとそう! 公爵令嬢のあの人が、あえて獣人のルークさんを買って学園に連れて来ているのも、自分の評判を良くしたいからでしょうから」
「なに言って」
「だーって、これまでのエリザベート様からは考えられないんですもの。ちょっとレオン様と話しただけで、すっごく怒ってきたんですよ。怖くてわたし、泣いちゃいましたもん」
「それは貴女が、エリザベート様の婚約者なのに王太子様を」
「本当にちょっとお話ししただけです。エリザベート様は大袈裟に言ってるんですよ。ルチアの事、悪者にしようとして」
「…………」
何を言っても無駄、とは、こういう事かと思う。
「……あれ? やだ、怒っちゃいました? でもわたし、本当に心配してるんですよ、ルークさんの事。エリザベート様に騙されて、いい様に使われているじゃないですか。わたしなら絶対にそんな事」
「なにしているんですか!」
突然声が響き、驚いて声の方を見ると、早足でやってくるリアムの姿が見えた。
「やだ、リアム様、そんな怖いお顔して。別に、ちょっとお話ししていただけですよー」
「こんな、彼が逃げられないように腕を絡めてですか?」
「えー、別にそんなつもりじゃないですけど?」
「それなら手を放して下さい。僕ら、生徒会の仕事中なんです。貴女も王太子妃教育で忙しいはずでは? 王太子妃になるつもりなら、ちゃんと勉強した方がいいですよ。さあ行こう、ルーク」
「は、はい」
二人はその場を離れようとしたが、
「わたし、リアム様の事も心配してたんですよ?」
「はっ?」
明るい声に、リアムが眉間に皺を寄せてルチアを振り返った。
「だってぇ、ヴィクトリア様と婚約しちゃったじゃないですか」
「それが何か?」
「ヴィクトリア様って、我が儘で気が強くで手に負えないでしょう?」
「はっ? そんな事ないけど?」
不快感を隠さずに睨むリアム。
「えーでもー、オリバー様が言ってましたよ? 父親であるアメジスタ侯爵様が溺愛してなんでも願いを聞き入れちゃうから、ヴィクトリア様は我が儘でこらえ性がなくて困るって。オリバー様が思い通りにならないから、婚約を解消して、なんでもいう事を聞いてくれるリアム様に乗り換えたのでしょう?」
「なにわけわかんない事言ってる? 兄上の事たぶらかして、ヴィヴィちゃんの事酷い目に遭わせたのは君でしょう?」
「酷いっ! 物を隠されたり水をかけられたり、嫌がらせを受けたのはわたしなのに! リアム様はヴィクトリア様の言う事を信じて、わたしの話は信じてくれないんですね。わたしはただ、リアム様が騙されて、いいように利用されているのに気づいていないから、心配しただけなのに……」
そう言うルチアの瞳が潤み涙が溢れだした。
「オリバー様も、お可哀そう。ヴィクトリア様に悪者扱いされて、一方的に婚約破棄されて……。しかも、弟君のリアム様までヴィクトリア様に言いくるめられて、オリバー様と仲違いしてしまったのでしょう? わたしなら、兄弟の仲を悪くするような事はとてもじゃないけどできない」
「そこにいたか、リアム・カーネリアン、ルーク・ゴールド」
ルチアの言葉を、男性の声が遮った。
「あ、オニキス先生!」
頭を下げて挨拶する三人の前にやってきたザカリーは、低い声で言った。
「二人がなかなか戻って来ないと、生徒会役員達が困っていたぞ」
「あ! そうだ、早く戻らなきゃ! 行こう、ルーク」
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