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第三章
解放してください
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「レオンハルトにも、困ったものだ」
緊張するエリザベートの前で、王はワインを口に運びながら大して困っているふうでもなく言う。
「エリザベートという素晴らしい婚約者がいるのに、脇見をしおって。しかしまあ、あのくらいの年齢の頃にはよくある間違いだ。きちんと言い聞かせる故、許してやって欲しい」
「……?」
どういう意味で『許してやって欲しい』と言われているのかわからず、エリザベートは『はい』とも『いいえ』とも答えず小さく首を傾げた。
「スピネル公爵から婚約破棄の申し出を受けたが、よく考える時間が必要だと思い保留にしてきた。こういう事は、一時の感情で決めては後々悔いるからな」
良い事をしてやったというような言い方をする王の笑顔が憎らしく感じられ、エリザベートは心の中で『余計な事を!』と悪態をついた。
「どうだ、エリザベート。そろそろ考えが変わったのでは? なにせ、王太子妃、そしてゆくゆくは王妃になる事は、そなたの長年の夢なのだから、こんな些細な事でその夢を捨てるなどという事は無いだろう?」
「陛下……」
王に罪はないのだが、レオンハルトの二十年後、というようなよく似た面差しと一方的な言葉に、苛立ちを覚える。
「今回の事は、将来起こりうる出来事に対する耐性をつけた、と思えばいいだろう。なぁに、あれもすぐ気づくであろう。男爵令嬢を妃にする事などできないとな」
上機嫌で笑う国王。
最初の笑顔を張り付かせたまま無言の王妃(怒っている)。
笑顔で話を聞いているエリザベート(怒り狂っている)。
そしてそれを見て笑顔のエドワード(女性二人の怒りを感じ焦っている)。
「……陛下、発言を、お許しいただけますでしょうか」
何度も何度も深呼吸を繰り返し、心を静め、言う事を考え、いよいよエリザベートが口を開く。
「勿論だとも! そなたは娘のようなものだ。気を遣わず、気楽に発言して良いのだぞ」
「ありがとうございます。……わたくしの、婚約を破棄して頂きたいという考えに変わりはございません」
微笑み、エリザベートは言った。
「どうか一日でも、いえ、一刻でも早く、婚約の破棄を承認下さいませ」
「……なんだと?」
国王の表情が変わる。
「……エリザベート、それは本心なのか?」
「はい、本心でございます。陛下が先ほどおっしゃった『将来起こりうる出来事に対する耐性をつける』事は、わたくしにはできませんでした。とてもじゃありませんが、レオンハルト様の隣りに立ち続ける事はできません。レオンハルト様も、わたくしではない方を望んでいらっしゃいますし」
「ふむ……まあ、厳しい妃教育を受けて来たとはいえ、そなたはまだまだ若い。少し感情的になってしまう事もあるだろう。レオンハルトにはきちんと言い聞かせる故、今回の事は許してやってくれ」
「……………」
王の言葉に、エリザベートはキュッと下唇を噛んだ。
(若いとか、感情的にとか、そういうことじゃないのに! 絶対イヤ! 顔も見たくない! でもさすがに、国王陛下にそんな事は言えないわ。国王陛下から直々に『許してやってくれ』と頼まれているのに『無理でーす』なんて言ったら、冒涜罪で投獄&家門没落なんて事もあるかもしれないわ。ここは耐えて、後でお父様にもう一度相談して……)
「ところで、エリザベートのドレス、初めて見るドレスだわ」
嫌な沈黙を破ったのは、王妃の明るい声だった。
「形も斬新だけど、その光沢のある布地はどういう物なのかしら」
「あ、はい、これは蚕という虫の幼虫が出す糸から作られている、シルクという布です。いつものところとは違う仕立て屋を使いましたので、感じが違うかと」
「あら、そうなのね。これまではこういうパーティーだと、レオンハルトに合わせたドレスだったから、今回もそうかと思ったけれど……とっても良く似合っているわ」
(あら? これって、もしかして?)
王妃は笑顔だ。
(嫌味ではない。これは、助け船を出してくれたんだわ)
急いで話を組み立てる。
(自然に、思い通りの方向へ話が行くように……)
「いつもの仕立て屋には、忙しいからと断られました。違う令嬢のドレスを作るのが忙しかったらしく」
「まあ、そうだったの。大変だったわね」
「はい。ですが、おかげで良い出会いをすることができました」
「確かにそうね、とても素敵なドレスだもの。……そういえば、ローズ男爵令嬢がレオンハルトと揃いのドレスを身に着けていたわね。あのドレスはレオンハルトが注文したのかしら。……ねえ、エリザベート? これまでに、貴女のドレスをレオンハルトが用意した事はあるのかしら」
「いえ、一度もございません」
「と、言う事は……もしレオンハルトが男爵令嬢の為にドレスを用意したのなら、大きな問題だと思いませんか? 陛下」
「いや、それは無いだろう。おそらくあれは、男爵令嬢が自分で依頼したドレスで」
「だとしたら、婚約者のいる王太子と揃いになるドレスを依頼するなんて、非常識では?」
「む……たまたま、似たのであろう」
「そうでしょうか、とてもそうとは思えませんが……まあ、そうだったとして、成年パーティーで婚約者ではない女性と最初のダンスをするのは、どうなのでしょうね」
「それは……まあ、そうだが……」
「この記念の場で婚約者のエリザベートを差し置いて、ローズ男爵令嬢に揃いのドレスを着せ、最初のダンスを踊るということは、彼女を妃にするつもりだという意思表示では? そしてそれを陛下が咎めず許したのですから、当然エリザベート嬢との婚約は破棄し、ローズ男爵令嬢との婚約を結び直すものだと思っていたのですが、違うのですか?」
「男爵令嬢を王太子妃にするわけにはいかないだろう」
「それならば、もっと早く、きちんと対応すべきだったのでは? エリザベートがレオンハルトと王家に見切りをつけるのは当然の事だと思いますけれど」
「……今日はめでたい日だ、この話はここまでにしよう」
分が悪くなり突然話を終わらせた王に、王妃は『そうですわね』とすぐに賛同する。
「そもそも、わたくしがエリザベートとお話をしたくてエディに呼んできてもらったのに、ごめんなさいね。貴女が作ったお菓子について話がしたかったのだけれど、今日はもう時間が無いから、日を改めて遊びに来てくれないかしら」
「それはもちろん、光栄な事ですが……わたくしが作ったお菓子、ですか?」
「ええそう! エディがもらってきた焼き菓子、本当においしかったわ」
「エドワード様が……?」
「ほら、生徒会の仕事を手伝ってくれた時のだよ。食べなかった分をもらって帰ったんだ」
「あー……はい、あれですか」
(忘れてた。ヴィヴィとリアムくんにあげようと持っていっていたうちの、片方しか食べなかったんだわ)
思い出し納得するものの、あれが王妃様まで届いていたとは驚きだ。
「それにね、アメジスタ侯爵夫人からも話は聞いているの。とっても美味しくて、見た事もないお菓子をもらったって。とても気になるわ」
アメジスタ侯爵に遊びに行った時に持っていった手土産の事だろう。
「素人の作で恐れ多いのですが、もしよろしければお持ち致します」
「まあ、嬉しい! 是非お願いするわ。では、近いうちにね」
「はい、かしこまりました」
こうして、エリザベートはようやく、その緊張する場所から逃れる事ができた。
緊張するエリザベートの前で、王はワインを口に運びながら大して困っているふうでもなく言う。
「エリザベートという素晴らしい婚約者がいるのに、脇見をしおって。しかしまあ、あのくらいの年齢の頃にはよくある間違いだ。きちんと言い聞かせる故、許してやって欲しい」
「……?」
どういう意味で『許してやって欲しい』と言われているのかわからず、エリザベートは『はい』とも『いいえ』とも答えず小さく首を傾げた。
「スピネル公爵から婚約破棄の申し出を受けたが、よく考える時間が必要だと思い保留にしてきた。こういう事は、一時の感情で決めては後々悔いるからな」
良い事をしてやったというような言い方をする王の笑顔が憎らしく感じられ、エリザベートは心の中で『余計な事を!』と悪態をついた。
「どうだ、エリザベート。そろそろ考えが変わったのでは? なにせ、王太子妃、そしてゆくゆくは王妃になる事は、そなたの長年の夢なのだから、こんな些細な事でその夢を捨てるなどという事は無いだろう?」
「陛下……」
王に罪はないのだが、レオンハルトの二十年後、というようなよく似た面差しと一方的な言葉に、苛立ちを覚える。
「今回の事は、将来起こりうる出来事に対する耐性をつけた、と思えばいいだろう。なぁに、あれもすぐ気づくであろう。男爵令嬢を妃にする事などできないとな」
上機嫌で笑う国王。
最初の笑顔を張り付かせたまま無言の王妃(怒っている)。
笑顔で話を聞いているエリザベート(怒り狂っている)。
そしてそれを見て笑顔のエドワード(女性二人の怒りを感じ焦っている)。
「……陛下、発言を、お許しいただけますでしょうか」
何度も何度も深呼吸を繰り返し、心を静め、言う事を考え、いよいよエリザベートが口を開く。
「勿論だとも! そなたは娘のようなものだ。気を遣わず、気楽に発言して良いのだぞ」
「ありがとうございます。……わたくしの、婚約を破棄して頂きたいという考えに変わりはございません」
微笑み、エリザベートは言った。
「どうか一日でも、いえ、一刻でも早く、婚約の破棄を承認下さいませ」
「……なんだと?」
国王の表情が変わる。
「……エリザベート、それは本心なのか?」
「はい、本心でございます。陛下が先ほどおっしゃった『将来起こりうる出来事に対する耐性をつける』事は、わたくしにはできませんでした。とてもじゃありませんが、レオンハルト様の隣りに立ち続ける事はできません。レオンハルト様も、わたくしではない方を望んでいらっしゃいますし」
「ふむ……まあ、厳しい妃教育を受けて来たとはいえ、そなたはまだまだ若い。少し感情的になってしまう事もあるだろう。レオンハルトにはきちんと言い聞かせる故、今回の事は許してやってくれ」
「……………」
王の言葉に、エリザベートはキュッと下唇を噛んだ。
(若いとか、感情的にとか、そういうことじゃないのに! 絶対イヤ! 顔も見たくない! でもさすがに、国王陛下にそんな事は言えないわ。国王陛下から直々に『許してやってくれ』と頼まれているのに『無理でーす』なんて言ったら、冒涜罪で投獄&家門没落なんて事もあるかもしれないわ。ここは耐えて、後でお父様にもう一度相談して……)
「ところで、エリザベートのドレス、初めて見るドレスだわ」
嫌な沈黙を破ったのは、王妃の明るい声だった。
「形も斬新だけど、その光沢のある布地はどういう物なのかしら」
「あ、はい、これは蚕という虫の幼虫が出す糸から作られている、シルクという布です。いつものところとは違う仕立て屋を使いましたので、感じが違うかと」
「あら、そうなのね。これまではこういうパーティーだと、レオンハルトに合わせたドレスだったから、今回もそうかと思ったけれど……とっても良く似合っているわ」
(あら? これって、もしかして?)
王妃は笑顔だ。
(嫌味ではない。これは、助け船を出してくれたんだわ)
急いで話を組み立てる。
(自然に、思い通りの方向へ話が行くように……)
「いつもの仕立て屋には、忙しいからと断られました。違う令嬢のドレスを作るのが忙しかったらしく」
「まあ、そうだったの。大変だったわね」
「はい。ですが、おかげで良い出会いをすることができました」
「確かにそうね、とても素敵なドレスだもの。……そういえば、ローズ男爵令嬢がレオンハルトと揃いのドレスを身に着けていたわね。あのドレスはレオンハルトが注文したのかしら。……ねえ、エリザベート? これまでに、貴女のドレスをレオンハルトが用意した事はあるのかしら」
「いえ、一度もございません」
「と、言う事は……もしレオンハルトが男爵令嬢の為にドレスを用意したのなら、大きな問題だと思いませんか? 陛下」
「いや、それは無いだろう。おそらくあれは、男爵令嬢が自分で依頼したドレスで」
「だとしたら、婚約者のいる王太子と揃いになるドレスを依頼するなんて、非常識では?」
「む……たまたま、似たのであろう」
「そうでしょうか、とてもそうとは思えませんが……まあ、そうだったとして、成年パーティーで婚約者ではない女性と最初のダンスをするのは、どうなのでしょうね」
「それは……まあ、そうだが……」
「この記念の場で婚約者のエリザベートを差し置いて、ローズ男爵令嬢に揃いのドレスを着せ、最初のダンスを踊るということは、彼女を妃にするつもりだという意思表示では? そしてそれを陛下が咎めず許したのですから、当然エリザベート嬢との婚約は破棄し、ローズ男爵令嬢との婚約を結び直すものだと思っていたのですが、違うのですか?」
「男爵令嬢を王太子妃にするわけにはいかないだろう」
「それならば、もっと早く、きちんと対応すべきだったのでは? エリザベートがレオンハルトと王家に見切りをつけるのは当然の事だと思いますけれど」
「……今日はめでたい日だ、この話はここまでにしよう」
分が悪くなり突然話を終わらせた王に、王妃は『そうですわね』とすぐに賛同する。
「そもそも、わたくしがエリザベートとお話をしたくてエディに呼んできてもらったのに、ごめんなさいね。貴女が作ったお菓子について話がしたかったのだけれど、今日はもう時間が無いから、日を改めて遊びに来てくれないかしら」
「それはもちろん、光栄な事ですが……わたくしが作ったお菓子、ですか?」
「ええそう! エディがもらってきた焼き菓子、本当においしかったわ」
「エドワード様が……?」
「ほら、生徒会の仕事を手伝ってくれた時のだよ。食べなかった分をもらって帰ったんだ」
「あー……はい、あれですか」
(忘れてた。ヴィヴィとリアムくんにあげようと持っていっていたうちの、片方しか食べなかったんだわ)
思い出し納得するものの、あれが王妃様まで届いていたとは驚きだ。
「それにね、アメジスタ侯爵夫人からも話は聞いているの。とっても美味しくて、見た事もないお菓子をもらったって。とても気になるわ」
アメジスタ侯爵に遊びに行った時に持っていった手土産の事だろう。
「素人の作で恐れ多いのですが、もしよろしければお持ち致します」
「まあ、嬉しい! 是非お願いするわ。では、近いうちにね」
「はい、かしこまりました」
こうして、エリザベートはようやく、その緊張する場所から逃れる事ができた。
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