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ふれあい
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『……今日は、体だけでいいことにしよう』
そう思い、バッグに入れていたシュシュで髪をまとめてから、どれがボディソープか確認していると、
「しーちゃん、まだ?」
バスルームの扉に明弘のシルエットが映る。
「ちょっ……まだこれからだよ! まだ5分もたってないでしょ? 入ってこないでよ!?」
焦って大きな声で言うと『わかった』と渋々出て行く気配がし、紫音はホッとしながらボディソープを手に取った。
『この前は、そんなに積極的じゃないっていうか、どうすればいいかよくわかんない感じだったから、今日もそうかと思ってたんだけど……』
いつの間にか服の中に手を入れてきたし、キスだって、しっかりと舌を絡めてきた。
『……これは……やっぱり、最後までしちゃうよね?』
初めてではない。
しかし、随分前に、一度経験があるというだけだ。
『3年? いや4年? とにかくすっごく前だし、一回しかした事ないんだもん。もう、初めてと言っていいんじゃない? ああっ、どうしよう、心の準備が……』
ドキドキしながら、隅々まで体を丁寧に洗う。
だが、あまりのんびりしていると、まだ明弘が来てしまうかもしれない。
『……なるように、なるでしょう』
覚悟を決めバスルームから出ると、少し濡れた髪の先と身体を拭き、バスタオルを巻いてリビングに向かった。
「……シャワー、浴びたけど……」
「しーちゃん!」
ソファーで膝を抱えていた明弘が、パッと立ち上がり、大股で紫音のところへやってきた。
「しーちゃん、いい匂い……」
「あ、アッキーと、同じ匂いでしょ? 同じボディソープ使ったんだから……」
「ううん……俺とは違う、すごく甘い匂いがする……」
少し湿っぽいバスタオルごと紫音を抱きしめ、おでこに口づけをする。
「あっ、ちょっと待って」
「今度はなに? もう、待てないよ」
「だってバスタオルが落ちちゃう」
「落ちたっていいよ」
ほどけてきたバスタオルを必死に抑える紫音の手を取り、明弘は背中を丸めて首元に唇を押し付けた。
「ていうか、バスタオルは邪魔だよ」
「で、でも……あの……ベッドに、行ってから……」
「あっ、そっか、ここじゃ寒いよね」
寝室に移動し、改めて、明弘は紫音が握りしめているバスタオルを取った。
「電気! 暗くしてねっ」
慌てて布団に潜り込んてそう言う紫音に笑いながら、照明とぐっと暗くする。
「もっと!」
「いや、これ以上暗くしたら、なんにも見えないよ」
そう苦笑しながら言い、ベッドに乗ると布団をめくった。
「やっ……」
恥ずかしそうに両手で胸を隠しながら体勢を横にする紫音の肩を掴み、仰向けにする。
「しーちゃん……すごく、綺麗……」
「やだ……あんまり、見ないで……」
「だって……見たいよ……」
トロンとした目で上から見つめている明弘に向かって、紫音は両腕を差し出した。
「もおっ、見てないで……はいっ!」
すると、明弘はハッとしたような表情で、すぐにその腕の中に体を沈めた。
「……しーちゃん……」
紫音の肌に直に触れ、その柔らかさと滑らかさにうっとりとする。
『やっぱり、見てるだけより触る方がいい』
そんな事を思い夢中で唇を合わせながら、脇腹から胸に向かって手を滑らした。
胸を下から持ち上げるようにしながらギュッと揉み込む。
『思ったよりも、柔らかくない。いや、柔らかいけど、ふにゃふにゃしてるんじゃなくて、ハリがあって、指を押し返してくる。ああ、すごい……』
「あ、んっ」
夢中で触っていて、意図せず先端を弾いてしまった瞬間、紫音の甘い声が漏れ、明弘は体に電気が流れたような感覚を覚えた。
『ああ、もっとこの声を聞きたい。指じゃなくて、口で、舌で触ったらどうだろう。ああでも、キスは止めたくない。そういえば俺、服も脱がなきゃ。早くしーちゃんと裸で抱き合いたい。でも、その為には一旦手を止めて、体を離して? いや、無理だし。ちょっとも離れられない。どうすりゃいいんだ?』
やりたい事が多すぎて、軽くパニックになる。
『ああもうっ! 前回どうしていいか全然わかんなくて何もできなかったことを反省して、ちゃんとシミュレーションしたつもりだったけど、実際は全部が想像以上で……』
「いたっ」
「えっ? ごめん!」
紫音の声に、明弘は我に返ってパッと手を、そして体も離した。
「ごめん、力入れ過ぎた?」
「う、うん、でも……大丈夫……ねぇ……アッキーも、その……服、脱いで?」
「え? あ、うん」
紫音の言葉に従って服を脱ぎ、ベッドの下に投げ捨てた。
「……ね? この方が……気持ちいいでしょ?」
「うん」
肌と肌が重なり、互いの熱を感じ、熱いため息が漏れる。
少し落ち着きを取り戻した明弘は、紫音の首筋に、そして胸の上に吸い付くように唇をつけ、そして手は、下の方へと徐々に滑らせていった。
「ああんっ」
敏感な場所に触れられた紫音は声を上げ、脚をキュッと閉じかけたが、すかさずそこに膝を割り入れ、手を動かすスペースを確保する。
「ああ、アッキー、そこは……」
「……気持ち、いい?」
その問いに、紫音は真っ赤になり……でも、微かに頷いた。
そう思い、バッグに入れていたシュシュで髪をまとめてから、どれがボディソープか確認していると、
「しーちゃん、まだ?」
バスルームの扉に明弘のシルエットが映る。
「ちょっ……まだこれからだよ! まだ5分もたってないでしょ? 入ってこないでよ!?」
焦って大きな声で言うと『わかった』と渋々出て行く気配がし、紫音はホッとしながらボディソープを手に取った。
『この前は、そんなに積極的じゃないっていうか、どうすればいいかよくわかんない感じだったから、今日もそうかと思ってたんだけど……』
いつの間にか服の中に手を入れてきたし、キスだって、しっかりと舌を絡めてきた。
『……これは……やっぱり、最後までしちゃうよね?』
初めてではない。
しかし、随分前に、一度経験があるというだけだ。
『3年? いや4年? とにかくすっごく前だし、一回しかした事ないんだもん。もう、初めてと言っていいんじゃない? ああっ、どうしよう、心の準備が……』
ドキドキしながら、隅々まで体を丁寧に洗う。
だが、あまりのんびりしていると、まだ明弘が来てしまうかもしれない。
『……なるように、なるでしょう』
覚悟を決めバスルームから出ると、少し濡れた髪の先と身体を拭き、バスタオルを巻いてリビングに向かった。
「……シャワー、浴びたけど……」
「しーちゃん!」
ソファーで膝を抱えていた明弘が、パッと立ち上がり、大股で紫音のところへやってきた。
「しーちゃん、いい匂い……」
「あ、アッキーと、同じ匂いでしょ? 同じボディソープ使ったんだから……」
「ううん……俺とは違う、すごく甘い匂いがする……」
少し湿っぽいバスタオルごと紫音を抱きしめ、おでこに口づけをする。
「あっ、ちょっと待って」
「今度はなに? もう、待てないよ」
「だってバスタオルが落ちちゃう」
「落ちたっていいよ」
ほどけてきたバスタオルを必死に抑える紫音の手を取り、明弘は背中を丸めて首元に唇を押し付けた。
「ていうか、バスタオルは邪魔だよ」
「で、でも……あの……ベッドに、行ってから……」
「あっ、そっか、ここじゃ寒いよね」
寝室に移動し、改めて、明弘は紫音が握りしめているバスタオルを取った。
「電気! 暗くしてねっ」
慌てて布団に潜り込んてそう言う紫音に笑いながら、照明とぐっと暗くする。
「もっと!」
「いや、これ以上暗くしたら、なんにも見えないよ」
そう苦笑しながら言い、ベッドに乗ると布団をめくった。
「やっ……」
恥ずかしそうに両手で胸を隠しながら体勢を横にする紫音の肩を掴み、仰向けにする。
「しーちゃん……すごく、綺麗……」
「やだ……あんまり、見ないで……」
「だって……見たいよ……」
トロンとした目で上から見つめている明弘に向かって、紫音は両腕を差し出した。
「もおっ、見てないで……はいっ!」
すると、明弘はハッとしたような表情で、すぐにその腕の中に体を沈めた。
「……しーちゃん……」
紫音の肌に直に触れ、その柔らかさと滑らかさにうっとりとする。
『やっぱり、見てるだけより触る方がいい』
そんな事を思い夢中で唇を合わせながら、脇腹から胸に向かって手を滑らした。
胸を下から持ち上げるようにしながらギュッと揉み込む。
『思ったよりも、柔らかくない。いや、柔らかいけど、ふにゃふにゃしてるんじゃなくて、ハリがあって、指を押し返してくる。ああ、すごい……』
「あ、んっ」
夢中で触っていて、意図せず先端を弾いてしまった瞬間、紫音の甘い声が漏れ、明弘は体に電気が流れたような感覚を覚えた。
『ああ、もっとこの声を聞きたい。指じゃなくて、口で、舌で触ったらどうだろう。ああでも、キスは止めたくない。そういえば俺、服も脱がなきゃ。早くしーちゃんと裸で抱き合いたい。でも、その為には一旦手を止めて、体を離して? いや、無理だし。ちょっとも離れられない。どうすりゃいいんだ?』
やりたい事が多すぎて、軽くパニックになる。
『ああもうっ! 前回どうしていいか全然わかんなくて何もできなかったことを反省して、ちゃんとシミュレーションしたつもりだったけど、実際は全部が想像以上で……』
「いたっ」
「えっ? ごめん!」
紫音の声に、明弘は我に返ってパッと手を、そして体も離した。
「ごめん、力入れ過ぎた?」
「う、うん、でも……大丈夫……ねぇ……アッキーも、その……服、脱いで?」
「え? あ、うん」
紫音の言葉に従って服を脱ぎ、ベッドの下に投げ捨てた。
「……ね? この方が……気持ちいいでしょ?」
「うん」
肌と肌が重なり、互いの熱を感じ、熱いため息が漏れる。
少し落ち着きを取り戻した明弘は、紫音の首筋に、そして胸の上に吸い付くように唇をつけ、そして手は、下の方へと徐々に滑らせていった。
「ああんっ」
敏感な場所に触れられた紫音は声を上げ、脚をキュッと閉じかけたが、すかさずそこに膝を割り入れ、手を動かすスペースを確保する。
「ああ、アッキー、そこは……」
「……気持ち、いい?」
その問いに、紫音は真っ赤になり……でも、微かに頷いた。
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