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1章 この世界と家族
16.過剰戦力と探索
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ヴァルハラ帝国帝都シャングリレ、その周囲を黒い鎧を着た兵が帝都を守るように
取り囲んでいた。その数およそ50万、顔には生気がなくうつろな目をしている。
時折「カエリタイ」「ヤスミガホシイ」と聞こえてきます。
それに対するは白い翼の天使族25万、黒い翼の悪魔族25万の軍勢、率いるのは
ヘルミーネ・ヴィルヘルム。白銀の鎧姿で佇む姿は戦乙女のようだった。
これでも7人も産んだ母親だとは誰も思わないほど整ったプロポーション。
現在も王都発行のグラビア誌で特集が組まれるほど。実に恐ろしい。
だがここで一番恐ろしいのは互いに幾度となく争ってきた天使族と悪魔族が同じ戦場に
いること、従えているのがヘルミーネだということ。
「我が主お久しぶりです、我らが力は貴方様の物。ご自由にお使いください。」
「我が王よ、待ち焦がれていました。王の敵、全て滅ぼしてご覧に入れましょう。」
「うふふ、ガブリエルちゃんもサタンちゃんもお久しぶりね。最近体を動かして
いなかったからたまには運動も良いわよね。惜しむべきは雑魚ばかりなのが不満だけど。」
「「はっ、御心のままに!!」」
帝国Vs荒れ狂う棒獣、帝国は抗うことができるのだろうか?
少し離れた平原、ギルドマスターグスタフは気安く先代勇者マルクスに声をかけた。
「大将、奥方張り切ってるな。ちゃんと相手をしてやっているのか?」
「うむ、最近はほぼ毎日だがな、むしろ最近は私のほうが元気が無くなってきた。
パウルの薬で何とか持っているが困ったもんだ。」
「お前ら、戦場でくだらねぇ話しなんかしてんなよ。ほら、お客様がやってきたぜ。」
「よう、わざわざ遠いところから勇者御一行様がくるとはねぇ。ご苦労さまだよ。」
「…敵…排除…。」
「まあまあ、ヨーゼフ!いい男だらけだわ♪殺して剥製にしていつまでも飾りたいわ♪」
「オカマ野郎、万年発情してんじゃねぇ。だが邪魔者は始末した後はてめぇの好きに
すればいい。さっさと終わらせるぞ。」
「へっ、では団塊チーム気張っていくか!!」
「「おぅ!!」
はい、こんにちはクロードです。現在幾つかのチームにわかれています。
敵軍の目を引きつける役割の父上と母上のチーム、後方支援の各関係所と連絡を取り合う
従者チーム(作戦本部)、兄上・姉上・クリス・ラグナのA班が黒幕の捜索と
私・ナタリー・パウル・カエデのB班は生き残った帝都民を捜索します。
「こっちの建物からたくさんの人の気配がするのぅ。」
ふむ、帝国騎士団詰め所か…。扉に鍵がかかっているな。ナタリー頼む。
「わかりましたわ、お兄様。皆様少し離れてくださいませ。」
ナタリーのスキル『断罪の剣』は力量によっては空間をも切断するというスキルです。
ただ、ナタリーは冒険者や戦闘にはあまり興味はないので裁縫の際普通のはさみでは
切断出来ない素材を切るぐらいしか使用しませんが。
扉を開けると広いホールで人の気配はまだありません。
「下の方から気配がするのぅ、地下があるんじゃないかのぅ?」
「…兄貴、探索用魔道具を使う。これで地下の入り口を探そう。」とスマホサイズの板を
出してきました。画面が光り地図らしきものが表示されました、この緑の矢印が現在位置
かな?
「ああ、このマップの黒い部分が何もない空間もしくは地下に続く階段だ。…ここか。」
ホールから約300m進んだトイレ入り口横にあった植木鉢の下の床材を外すと階段が
現れました。
さて、生き残りか黒幕かどっちかな…?
取り囲んでいた。その数およそ50万、顔には生気がなくうつろな目をしている。
時折「カエリタイ」「ヤスミガホシイ」と聞こえてきます。
それに対するは白い翼の天使族25万、黒い翼の悪魔族25万の軍勢、率いるのは
ヘルミーネ・ヴィルヘルム。白銀の鎧姿で佇む姿は戦乙女のようだった。
これでも7人も産んだ母親だとは誰も思わないほど整ったプロポーション。
現在も王都発行のグラビア誌で特集が組まれるほど。実に恐ろしい。
だがここで一番恐ろしいのは互いに幾度となく争ってきた天使族と悪魔族が同じ戦場に
いること、従えているのがヘルミーネだということ。
「我が主お久しぶりです、我らが力は貴方様の物。ご自由にお使いください。」
「我が王よ、待ち焦がれていました。王の敵、全て滅ぼしてご覧に入れましょう。」
「うふふ、ガブリエルちゃんもサタンちゃんもお久しぶりね。最近体を動かして
いなかったからたまには運動も良いわよね。惜しむべきは雑魚ばかりなのが不満だけど。」
「「はっ、御心のままに!!」」
帝国Vs荒れ狂う棒獣、帝国は抗うことができるのだろうか?
少し離れた平原、ギルドマスターグスタフは気安く先代勇者マルクスに声をかけた。
「大将、奥方張り切ってるな。ちゃんと相手をしてやっているのか?」
「うむ、最近はほぼ毎日だがな、むしろ最近は私のほうが元気が無くなってきた。
パウルの薬で何とか持っているが困ったもんだ。」
「お前ら、戦場でくだらねぇ話しなんかしてんなよ。ほら、お客様がやってきたぜ。」
「よう、わざわざ遠いところから勇者御一行様がくるとはねぇ。ご苦労さまだよ。」
「…敵…排除…。」
「まあまあ、ヨーゼフ!いい男だらけだわ♪殺して剥製にしていつまでも飾りたいわ♪」
「オカマ野郎、万年発情してんじゃねぇ。だが邪魔者は始末した後はてめぇの好きに
すればいい。さっさと終わらせるぞ。」
「へっ、では団塊チーム気張っていくか!!」
「「おぅ!!」
はい、こんにちはクロードです。現在幾つかのチームにわかれています。
敵軍の目を引きつける役割の父上と母上のチーム、後方支援の各関係所と連絡を取り合う
従者チーム(作戦本部)、兄上・姉上・クリス・ラグナのA班が黒幕の捜索と
私・ナタリー・パウル・カエデのB班は生き残った帝都民を捜索します。
「こっちの建物からたくさんの人の気配がするのぅ。」
ふむ、帝国騎士団詰め所か…。扉に鍵がかかっているな。ナタリー頼む。
「わかりましたわ、お兄様。皆様少し離れてくださいませ。」
ナタリーのスキル『断罪の剣』は力量によっては空間をも切断するというスキルです。
ただ、ナタリーは冒険者や戦闘にはあまり興味はないので裁縫の際普通のはさみでは
切断出来ない素材を切るぐらいしか使用しませんが。
扉を開けると広いホールで人の気配はまだありません。
「下の方から気配がするのぅ、地下があるんじゃないかのぅ?」
「…兄貴、探索用魔道具を使う。これで地下の入り口を探そう。」とスマホサイズの板を
出してきました。画面が光り地図らしきものが表示されました、この緑の矢印が現在位置
かな?
「ああ、このマップの黒い部分が何もない空間もしくは地下に続く階段だ。…ここか。」
ホールから約300m進んだトイレ入り口横にあった植木鉢の下の床材を外すと階段が
現れました。
さて、生き残りか黒幕かどっちかな…?
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