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1章 はじまり
ラーニング
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「リネア…もしかしてリュートは炎魔法を使えなかったか?」
『えぇ。村一番の使い手だったわ。だから護衛に着いてきてくれたようなものだもん。』
…ビンゴだ!
俺の立てた仮説はこうだ。
・アイテムボックスにしまった遺体の生前のスキルをラーニングという形で覚えられるのではないか
そしてリュートが炎魔法の使い手という事で、ほぼその仮説は立証されている。
まさか魔法の上書きをされて、時空魔法が使えなくなる事はないよなという心配がなかったわけではないが、俺はとりあえず【炎魔法をラーニングしますか?】でとまっている画面に【はい】と答えた。
すると、【炎魔法をラーニングしました】という表示が出た。
どうやら炎魔法を覚えられたらしい。
そこでハッと我に帰った。
まさかこれでリュートの遺体がアイテムボックスから消えてたりしないかと。
心配は杞憂に終わり、そこには表示が変わらずに
【リュートの遺体×1】
【取り出しますか?/ラーニング済】
と表示されていた。
危ない危ない。これで遺体に何かあったら謝っても謝りきれないとこだった。
まず一呼吸おいて、しっかり考えてから行動しなければと改めて自分に言い聞かせた。
…行き当たりばったりの行動は身を滅ぼすんだぞ、俺。
『どうしたの?何かあった?』
そう聞くリネアに「大丈夫」と伝えると、俺はリュートの遺体をリネアが作った土台に出現させた。
『本当に運べたんだ…良かった。』
そう言うリネアに俺は事実を話さねばなるまい。
なんせリュートの能力をラーニングしたのだから。
奪ったと捉えられても仕方ないくらいである。
まずはきちんと説明しようと意を決した俺はリネアに今の事を伝えた。
『リュートの炎魔法を覚えた?何を言ってるの?』
と話していたリネアも俺の話を聞くと段々と推し黙る。
やはり印象は良くないか…
そう思った次の瞬間にリネアが言葉を発した。
『…使ってみて。』
「え?」
『リュートの炎魔法、使ってみて。』
そう言って指差した先には亡きリュートの亡骸があった。
「…分かった。」
そういうと俺は頭に浮かんだ魔法の言葉を発した。
「ピュリフィケイション」
唱えると柔らかい色の炎がリュートの体を包んだ。
そして少しの間を置いて、炎が舞うように一瞬の強さを見せ、リュートの体は天へと戻った。
「…これで良かっただろうか。」
問いかける俺にリネアは泣き顔で答えた。
『…間違いなくリュートの魔法だったよ…よかったね、リュート…』
後に話を聞いたところ、本来ピュリフィケイションは光魔法に当たるのだが、村の教会の息子でもあったリュートは独自にそれを炎魔法で使っていたとの事だった。
つまりはオリジナル魔法であるともいえ、一子相伝ともいえる魔法を使ったことは、間違いなくリュートの意思が俺に宿った事の現れだということだった。
『えぇ。村一番の使い手だったわ。だから護衛に着いてきてくれたようなものだもん。』
…ビンゴだ!
俺の立てた仮説はこうだ。
・アイテムボックスにしまった遺体の生前のスキルをラーニングという形で覚えられるのではないか
そしてリュートが炎魔法の使い手という事で、ほぼその仮説は立証されている。
まさか魔法の上書きをされて、時空魔法が使えなくなる事はないよなという心配がなかったわけではないが、俺はとりあえず【炎魔法をラーニングしますか?】でとまっている画面に【はい】と答えた。
すると、【炎魔法をラーニングしました】という表示が出た。
どうやら炎魔法を覚えられたらしい。
そこでハッと我に帰った。
まさかこれでリュートの遺体がアイテムボックスから消えてたりしないかと。
心配は杞憂に終わり、そこには表示が変わらずに
【リュートの遺体×1】
【取り出しますか?/ラーニング済】
と表示されていた。
危ない危ない。これで遺体に何かあったら謝っても謝りきれないとこだった。
まず一呼吸おいて、しっかり考えてから行動しなければと改めて自分に言い聞かせた。
…行き当たりばったりの行動は身を滅ぼすんだぞ、俺。
『どうしたの?何かあった?』
そう聞くリネアに「大丈夫」と伝えると、俺はリュートの遺体をリネアが作った土台に出現させた。
『本当に運べたんだ…良かった。』
そう言うリネアに俺は事実を話さねばなるまい。
なんせリュートの能力をラーニングしたのだから。
奪ったと捉えられても仕方ないくらいである。
まずはきちんと説明しようと意を決した俺はリネアに今の事を伝えた。
『リュートの炎魔法を覚えた?何を言ってるの?』
と話していたリネアも俺の話を聞くと段々と推し黙る。
やはり印象は良くないか…
そう思った次の瞬間にリネアが言葉を発した。
『…使ってみて。』
「え?」
『リュートの炎魔法、使ってみて。』
そう言って指差した先には亡きリュートの亡骸があった。
「…分かった。」
そういうと俺は頭に浮かんだ魔法の言葉を発した。
「ピュリフィケイション」
唱えると柔らかい色の炎がリュートの体を包んだ。
そして少しの間を置いて、炎が舞うように一瞬の強さを見せ、リュートの体は天へと戻った。
「…これで良かっただろうか。」
問いかける俺にリネアは泣き顔で答えた。
『…間違いなくリュートの魔法だったよ…よかったね、リュート…』
後に話を聞いたところ、本来ピュリフィケイションは光魔法に当たるのだが、村の教会の息子でもあったリュートは独自にそれを炎魔法で使っていたとの事だった。
つまりはオリジナル魔法であるともいえ、一子相伝ともいえる魔法を使ったことは、間違いなくリュートの意思が俺に宿った事の現れだということだった。
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