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0章 プロローグ
女神とスキル④
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存在そのものがないとはどういう事であろうか。
死んでしまったというならまだ分かる。
そもそも、この状況すらもしかしたら昏睡状態とか、気絶してる俺の夢なのかもしれない。
「…と言いますのはどういう事ですか?」
『世界を跨いでしまった物は、前の世界での存在そのものが消えてなくなります。
世界間で貴方という存在の移譲が行われたという事です。
端的にいえば、あちらの世界では【最初から生まれていない物】として世界の認識が変わります。』
わあ、なんてファンタジーなご都合設定だ。
「誰も私を覚えていないということでしょうか。」
『そうですね、記憶も認識も存在も写真などの物理的な物まで全て。
貴方を作り上げた物が全て消えている世界です。
先程私が“戻るのは難しい”と申したのはその点です。
つまり…もしこのまま戻られても、誰もあなたを知らず、貴方は何者でもなくなってしまっているのです。』
…つまりは戸籍もなければ誰も俺の存在を記憶していない。
何も頼るものもなく、両親や友人すら俺のことを知らずという事か。
確かにそれは『戻るのは難しい』という言い回しになっても仕方ないといえる。
さてさて、さぞかし今の俺は笑顔になっているだろう。
頭の中は大混乱だから致し方なしというところだ。
『…このような状況で、なぜ微笑んでいらっしゃるのですか?』
ほら、指摘されたよ。
これじゃただの変なやつみたいだ…笑
「あぁ、申し訳ありません。これは癖でして。困った時ほど笑ってしまうのです。」
『なるほど。…ある種の防御反応ですね。』
ま、そんなもんだろう。
きっと脳のキャパオーバーを起こさないための俺の体の変化だろう。
さぁ、どうしたものか…。
誰も俺を知らない世界か。
仕事にもつけず、家にも戻れずか。
そもそも存在していないとなれば、実家では両親に不審者扱いされ、現在のアパートなんかも“最初から借りていない”状態なのだろう。
つまりは家もない、仕事もない。戸籍もなければ、俺が存在したあらゆる記録がない。
あるのは体だけという事か。
「それは…詰んでますね。」
俺はありとあらゆる可能性を考えたが、行き着くのはその答えだけだった。
死んでしまったというならまだ分かる。
そもそも、この状況すらもしかしたら昏睡状態とか、気絶してる俺の夢なのかもしれない。
「…と言いますのはどういう事ですか?」
『世界を跨いでしまった物は、前の世界での存在そのものが消えてなくなります。
世界間で貴方という存在の移譲が行われたという事です。
端的にいえば、あちらの世界では【最初から生まれていない物】として世界の認識が変わります。』
わあ、なんてファンタジーなご都合設定だ。
「誰も私を覚えていないということでしょうか。」
『そうですね、記憶も認識も存在も写真などの物理的な物まで全て。
貴方を作り上げた物が全て消えている世界です。
先程私が“戻るのは難しい”と申したのはその点です。
つまり…もしこのまま戻られても、誰もあなたを知らず、貴方は何者でもなくなってしまっているのです。』
…つまりは戸籍もなければ誰も俺の存在を記憶していない。
何も頼るものもなく、両親や友人すら俺のことを知らずという事か。
確かにそれは『戻るのは難しい』という言い回しになっても仕方ないといえる。
さてさて、さぞかし今の俺は笑顔になっているだろう。
頭の中は大混乱だから致し方なしというところだ。
『…このような状況で、なぜ微笑んでいらっしゃるのですか?』
ほら、指摘されたよ。
これじゃただの変なやつみたいだ…笑
「あぁ、申し訳ありません。これは癖でして。困った時ほど笑ってしまうのです。」
『なるほど。…ある種の防御反応ですね。』
ま、そんなもんだろう。
きっと脳のキャパオーバーを起こさないための俺の体の変化だろう。
さぁ、どうしたものか…。
誰も俺を知らない世界か。
仕事にもつけず、家にも戻れずか。
そもそも存在していないとなれば、実家では両親に不審者扱いされ、現在のアパートなんかも“最初から借りていない”状態なのだろう。
つまりは家もない、仕事もない。戸籍もなければ、俺が存在したあらゆる記録がない。
あるのは体だけという事か。
「それは…詰んでますね。」
俺はありとあらゆる可能性を考えたが、行き着くのはその答えだけだった。
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